rangedADにまつわる周辺事情ついて、普段思っていること。
Laning
LoLにある3つのレーンの中で、Botは最も面白いレーンの一つであると言える。それというのも開幕から連携のある唯一のレーンがBotだからで、その点がつまらないとなると、このゲームのかなり根っこの部分に色々と差し障りがでてくるからだ。
そんなわけでレーニングの連携や立ち回り、という話になるのだが、これがまたふわふわとした言葉でとてもわかりにくい。刻一刻と変わる状況の中でいかに動くか、っていうセンスと経験あたりが幅をきかせる類の話なので、これと一刀のもとに切り伏せることができないわけ。
センスのほうはもうどうしょうもないので、いかに経験を上手く活かすかということについて考えてみると、そういう場合、何かひとつ軸になる考え方や方針を持っておけば事が上手く運ぶ。
そこでケーススタディのひとつとして、Botにおいて私が連携の軸にしている考え方を挙げよう。

ラフな絵だが、レーンの状況がこんな具合だとする。
このとき君は、どちらのサイドが有利に見えるだろうか。
私としては、左側ブルーチームのほうが有利に感じる。
軽く補助線を引いてみよう。

Supportの仕事は第一にRangedADのFarmを手助けすること、次に対面RangedADのFarmを阻害することで、実務としては味方RangedADへのヒールやシールド、そして相手RangedADへのハラスになる。対面Supportへのハラスは基本的には失着だ。対面のSupportは軽く下がるだけでRangedADはFarmを続行できるし、もしそれでヘイト値をもらってしまえば、フリーで攻撃できる対面RangedADからの手痛いしっぺ返しが待っている。しかし、Supportってのは武器を買わない人だ。最序盤はともかく、そんな人が武器しか買わない人であるRangedADに対し、単独で向かい合って勝てる道理はない。そこで味方のRangedADとの協力が必要になってくるわけだが、その場合もっとも重要なのは、対面のRangedADに対する味方との距離感だ。その点、左側のほうがより好ましい位置関係にあると言える。
RangedADはFarm対象となるMinionのラインを常に意識しなければならないため、このポジショニング争いの主役はある程度フリーで動けるSupportだ。
つまりBotの連携とは、

このラインの押し合いを制することにあると言える。
このようにひとつ目標を据えることは、仮にこれが上手くいかなかった場合に、その元となった考え方をもとにして代案や調整案が立てやすい。例えば、相手のSupportに良いポジションを奪われてしまった場合、(あくまで最終的には対面RangedADのFarmを阻害するため)対面Supportに対して軽くハラスのfocusを向けてみたり、そのためにこちらのRangedADとSupportの位置を入れ替えてみる、なんていうのも面白い選択肢になるだろう。相手のEzrealがBrushに対して垂直に陣取ってきたら、Supportとしてはたまったもんじゃないだろう?
ほかにも意識して味方SupportとRangedAD同士の間合いを詰めてみたり、考えられることはいくらでもある。垂直思考の種を作ることのメリットは、その安直さにあるのだ。
Teamfight
RangedADのヤマとも言える集団戦についてだ。RangedADがSupportまでつけてFarmに専念するのは集団戦での活躍を期待されているからに他ならず、レーニングフェーズの勝利も、この部分で活躍ができていなければ全部無意味になる。
で、集団戦なんだが……当たり前の事実として可能なかぎり柔らかいヤツにチームのfocusを合わせるということが大前提にある。しかし、focusを合わせるなんてことは大前提であってそれ以外の何者でもない。「focusをしっかり合わせれば勝てる」なんていう理屈は「相手のfocusがしっかり合っていない」ということの裏返しにすぎないってことで、これでは単なるミス待ちにすぎない。相手のミスを誘うってことも立派な戦術と言えるが、これを兵法にまで持ってくるにはもう一捻り必要ってわけ。
そんなわけで、「可能なかぎり」ってところがミソになってくるんだが、ここではたとえ話として、仮にお互いのチームのfocusが完璧かつ適切な対象(RangedADやAPcarryあたりだろう)を選んでいた場合勝つのはどっちかってところから始めてみよう。
これなんだが私の中の結論としては「CCの枚数が厚いほうが勝つ」だ。どんだけ片方がfedってたとしても、これは変わらない。たとえPDまるまる1つぶん先行するほど装備差がついていたとしても、もらうスタンが1発多ければ、それだけで優位はひっくり返るだろう。
じゃあどうすれば、といって、CCなんて願えば手に入るようなもんでもない。Pickの時点でその枚数はすでに決まっているわけで、その部分でビハインドを背負っているからといって、その中でやりくりする以外の道はないわけだ。
そこでどう工夫するか、ということになるわけだが、実はRangedAD自身にその余地はあまり残されていない。というか、基本的なことがわかっていれば考えるまでもないケースが多い。例えば相手のKennenがEで思い切り突っ込んで来ているのに、勇んで前にでるRangedADはいないだろうし、いかにもMalphiteのUltが飛んできそうなところに突っ立っているRangedADもいないだろう。致命的なCCを食らわない位置をキープしつつ、狙えるターゲット(それがたとえtankであっても)にオートアタックを続けるだけでいい。味方のCCのほうが対面よりも厚い場合も言わずもがなだ。見えるなかで一番柔らかいヤツを狙えばいい。
そういうシチュエーションで考えるべきはRangedAD以外の味方にある。でどうするかっていうとこれもシンプルな話で、とにかくRangedADが狙っているヤツを狙えってことだ。自分はTankyで、しかもCCにある程度耐性があるから相手のRangedADを狙ったほうが……とかそんなことはどうでもいい。KennenとMorgを味方に抱えていながらGravesを執拗に狙う対面のFedったIreliaに散々わからされるも、focusをIreliaに切り替えた途端上手くいったというのは私の実体験だ。チーム全体で相当Fedっていながら集団戦で負け続けていた時に、Kassadinを駆るreginaldが放った一言、「Focus the closest target」も、つまりはこういうことを言っているんだと思う――その一言でreginaldは次の集団戦に勝ち、チームを勝利に導いた。
味方のCCが厚い時、RangedADが狙っている対象に対して自分もfocusを合わせるということは基本中の基本で、みんなもやっていることと思う。私が言いたいのは、これが相手のCCのほうが厚く、RangedADがTankしか狙えない場合でもそれは同じだということだ。前に出づらいRangedADを起点にして戦線が間延びした状態は、先に言った「focusがしっかり合っていない」ことに他ならず、対面チームはただ単にfocusを合わせるだけで勝てる。「RangedADが前に出られないのに、誰が相手のRangedADを狙うんだ」という考えはあまり持たないほうがいい。
まぁ、focusを含めた集団戦の立ち回りはとても難しい問題で、これだけで済ませられるようなケースはそう多くない。この部分が簡単だと、LoLは簡単なゲームだということになるが、実際これほど難しいゲームもないだろう。例えば君がLeBlancを使っていて、味方のRangedADがVayneだった場合、話はかなり違ったものになる。
それでも私の中には、
RangedAD: CCを一方的に食らわない位置をキープしつつ、狙える対象を撃ち続ける
RangedAD以外の味方: RangedADが狙っている対象にfocusを合わせる。
ということが前提としてある。
RangedADは最小限の防具しか買わずに武器だけをひたすら買い集めるGlass Cannonだ。しかし、なぜそうしているかということについては、まだまだ考える余地がある。
Runes
Champions
使ったことあるRangedADの寸評
ほとんどS2の頃のとても古い内容です。
- Tristana
Lv2, Lv6のレーンキル能力は非常に高いが、それはレーンが強いということではない。champion passiveの超射程と1stの狂ったAS buffによって後半のcarry力も非常に高く、2ndとUltのおかげで自衛力も高い。そんなやつが開幕からキルも狙えるとあればそれは最強なのでは、というと、こいつの弱点は中盤の弱さにある。大抵のRangedADは中盤になるにつれ、ADレートのついたスキルのバーストやAS増加なんかで未完成のcarry能力をごまかすことができるのだけれど、こいつはスキルが全部APレートかつ序盤のキルチャンスを狙うためには1stを後回しにする必要があるため、他の連中に比べて本当にfarmしかやることがない。つーことはドラゴン周りのチームファイトなんかが弱い。そのへんを補うため、大会などでは3rdを完全に切って1stを伸ばすことも(どうせレーンキルはなかなか狙えないため)。3rdのpassiveでレーンを押してしまう、という特性はメリットとして捉えること。 - Vayne
レーニングにおける彼女は弱いというよりはザンギエフのようなもので、ここという一発をいかに通すかにかかっている。そういう意味で難易度は高いのだろうが、飛行機に乗ったサガットとも一応戦えるようには作られている(これは当たり前の話だが、基本的には不利だ)。一方で妄信的に恐れられている後半の大出力にも大きな落とし穴がある。というのも結局の話、Vayneには射程550という極めて平凡なAA以外の攻撃手段が無いのだ。NunuのEやEzrealのWなどの他、BlinkerにOmenをねじ込まれた時点で彼女は致命的な機能不全に陥るだろう。そのような弱点を理解した上で、性能を活かすためにキーとなってくるのはチーム「全体」のダメージアウトプットだ。ここでCCに傾倒してしまうとチームは上手く機能しない。CCの応酬となった際に蚊帳の外に置かれるのが一体誰なのかは考えるまでもないし、Ranged ADとしては非常に高い自衛力を持ったVayneにとって、度を超えたCCはリソースの無駄なのだ。様々な状況下でこちら側の出力が相手側より勝っているかどうか、そこに優位を見いだせたとき、Vayneというパーツは勝負を決める1手となってくれる。同じ大出力を特徴としていながら味方の守備力に大きく依存するKog'Mawとは、面白い対比だろう。 - Ezreal(Buff前)
高回転のPoke兼バーストスキル、高性能Blink、AoEnuke、そしてASbuffと求められる要素が揃いに揃ったRangedADの教科書的Champion。使いやすい上にAsheなんかよりもよっぽど学べることは多いのだが、いかんせんこいつは軽自動車だろうという感が強い。Gravesとの違いはPoke性能と、レーンでの正面押しが弱い代わりにbrushを取りやすいこと。対面のSupportがSonaやLuluだった場合Gravesよりも上手くやれる可能性がある反面、対面のRangedADへのハラスという点ではどうやっても勝てないChampionがいる。Laningの噛み合い方をよく読む必要があるだろう。GTRことKog'Mawなんかと比べると後半のcarry力に不安があるようにみえて、RangedADの火力の9割は装備依存なのであまり気にならない。むしろそのあたりの純carry連中と比べてつぶしの効くスキルが揃っているとも言え、Vayneなんかが悶絶するような状況でもある程度は仕事ができる。弱点は地味にfarmが遅いこと。 - Kog'Maw
こいつを放っておくとえらいことになる、という共通認識をLoLをプレイしているヤツら全員にもたれているせいで、こいつ単独のcarry力はそれほど高くない。Focusされた際に対抗できる手段がひとつもないからだ。多かれ少なかれRangedADは味方の構成に依存するが、こいつの場合はその傾向が極端に強く、例えば味方のAP carryがMordekaiserだった場合、こいつはPickするべきではない。しかしひとたびチームとしての構成がしっかりしてしまえば、チーム全体の火力を押し上げる能力という点でこいつに適うRangedADは存在しない。その最たる例がTeam Dignitasの3サポート6ヒールシフトだろう。特にSoraka midはKogの%dmgがTrueで入る、想像するだに恐ろしい組み合わせだ。2ndのおかげでUrgotともやりあえるレーニング能力を持ち、UltのPoke能力はVayneやTristana垂涎、唯一の欠点ともいえる自衛能力の低さが致命的になるケースが多いChampionと言える。 - Corki
マナの問題はLv6で大方解決するが、対面がCaitlynなどrangeが長いChampの場合は相方にSorakaが欲しい。レーニングで注意しなければならないのは対面のSorakaと、GravesやTristanaのようなCorkiよりも燃費のいいBlinkとBurstを持ったChampだろう。CorkiのCarry性能は並だが、スキルセットが集団戦に向いているため後半も強い。味方のInitiationによるタイミングやポジショニングの優位を集団戦のイニシアチブに変換するのは十分な(できればAoEの)Burstだ。本来ここのところを担当するのはAP carryなのだが(5HITCOMBOのいう野戦のためのAP carryってのはつまりこういうことだろう)、中にはそこんとこが苦手なヤツがいる。例えばMid RyzeとBot TristanaというTeamのInitiatorがNocturneかRammusだった場合、対面にBan/PickでKennenやRivenのようなChampを弾かれるとPick failになってしまう。しかし、これがCorkiならばそこんとこをある程度肩代わりすることができるのだ。また、これは被Initiation耐性の高さにも繋がる。 - Ashe
rangedADとしては型破りなUltを持つ、Kog'Mawと並ぶ戦略級carry。Initiationの出来るrangedADなんていうのはこいつかSivirくらいのものだし、有名なNocturneとの組み合わせなど活用できるシチュエーションは多い。一方で気をつけなければならないのはUltが自衛には寄与してくれないという点。AsheのUltは強力なCCだが、それはCCを重ねるためのCCであり、翻って編成の時点でチーム全体のCCが薄いなという状況でそれを補うようにPickするようなChampionではないということだ。結局のところ、Nocturneとの組み合わせもKennenありきの編成だろう。そういったところがまさに戦略級と呼ぶに相応しいが、これが意味するのはAsheの特殊性であり、その実rangedADの基本などというものはほとんど持ち合わせていない。成功したAsheが見せるカタログスペックを越えたCarry性能は、「rangedADの強さはチーム全体が前を向いているかどうかにかかっている」という基本的なことを体現しているにすぎないのだが、そこには他のrangedADのような状況変化の判断などはあまり存在せず、編成が成功した時点でチームは徹頭徹尾「押せ押せ」なのだ。そのあたりのビジョンを描けるかどうかが、AsheをPickするポイントだろう。 - Draven
アヘ顔ダブルアックス
