ここでは、ポケモンでも用いられている育成法の一つである「厳選」について解説する。
1. 厳選とは?
厳選とは、希望のステータスのマナモンを確保するために行う行為である。
同じマナモンを同じように育てても、最終的なステータスは違ってくる。これは、マナモンのステータスを決める要素の1つ「個体値」による影響である。
個体値とは、そのマナモンの個性に当たるステータスである。マナモンに遭遇したり入手したりした地点で決定され、以降、変化することは無い。そして、個体値の高いマナモンほど、最終的なステータスは高くなる。
そこで、同じマナモンを大量に入手して比較し、理想的なステータスを持つマナモンを育てる、という手法が生まれた。それが厳選である。
なお、個体値は初代ポケモンから存在していたが、厳選が注目されるようになったのは、努力値(トレーニングポイント)の最大値が制限されるようになった第3世代(Ruby/Sapphire)の頃からである。
2. 厳選が必要な理由
2.1. 努力は才能に勝てない
マナモンにはステータスを水増しできる「トレーニングポイント」があるが、これで変動させられる値の最大値は約125。
一方、個体値により変動する値の最大値は240。このため、個体値が最低のマナモンは、全く努力していない個体値最大のマナモンに勝てない。
2.2. レベル制限による育成の穴を埋める
マナモンでは、相手とのレベル差が開き過ぎると経験値が減る仕様のため、レベルを上げて強行突破する戦略が使えない。
また、レベルの5倍までしかトレーニングポイントがもらえないため、トレーニングポイントによるステータスの水増しもあまり期待できない。
ついでに、マナモンの種族値合計は全体的に低い。600族に相当するドラゴンでさえ合計530、禁止伝説も合計600程度しかない。
そこで、同じレベルでもステータスを高くできるよう、厳選を用いることが有効な手段となる。
なお個体値によって変動するマナモンのステータスは、レベル10で4ポイント、レベル30で12ポイント、レベル100で40ポイント。厳選するだけで、マナモンの強さが30%ほど変わる。
2.3. 対戦を制する
バトルでは、しばしば同じマナモンと対峙することがある。
その場合、レベルや技構成が同じだとすると、ステータスの差が勝敗を分けることになる。
そこで、相手より高いステータスを確保して勝を得るために、厳選が用いられる。
3. 厳選方法
厳選は、以下の手順で実施する
1. 厳選対象のマナモンを入手する
2. Xスタジアムリーダーに話しかけ、ジャッジを受ける、または入手したマナモンのステータスから自己判定する
3. ジャッジの結果、望ましいステータスのマナモンがいたら決定。そうでなければマナモンの入手からやり直し。
Manamon1 では、ヘーゼルデールシティのマナホテル右奥、 Manamon2 では、アロッザ研究所1階の奥に、Xスタジアムリーダーがいる。
なお、厳選を素早く行ないたい場合は、入手したマナモンがパーティに直接加わるよう、手持ちを5匹以下にしておくと良い。
3.1. マナモンの確保手段
① 野生のマナモンを捕まえる
時間はかかるが、安価に実行できる。また伝説系はこれでやるしかない。
② ベビーマナモンを作ってもらう
1回5000ゴールドと資金が必要だが、効率が良い。
またマナモンでは資金が貯まりやすいので、5000ゴールドは大きな出費ではない。
Manamon1 では、ブライトウォーターシティ左奥の民家、 Manamon2 では、ブランデンバーグ頭部エリアの中央にある民家で、ベビーマナモンを作ってもらうことができる。
なお、ポケモンと同様、親にしたマナモンの個体値がランダムに遺伝する。遺伝する数は下表の通りである。
遺伝する数 | 条件 |
1 | 通常 (Manamon1/2共通) |
3 | 親となるマナモンに、アイテム「Family hart」を持たせる (Manamon2のみ) |
4 | 親となるマナモンに、アイテム「Gen emblem」を持たせる (Manamon2のみ) |
3.2. ジャッジの見方
ジャッジは、各ステータス毎に以下の8段階で行われる。
なお、括弧内の数値は実際の値だが、推測値のためずれているかもしれない。
個体値 | 表示されるメッセージ |
1~5 | seems terribly under developed. |
6~10 | seems not so good. |
11~15 | seems reasonable, but a bit lacking. |
16~20 | seems reasonable, as far as I'm concerned. |
21~26 | seems Reasonable, I'd say it's closer to being great than not. |
27~31 | seems well developed, one of マナモンの名前 strong points. |
32~39 | seems remarkable, near perfect, and definitely one of マナモンの名前 strong points! |
40 | seems perfect, as good as it is possible to get I'd say! |
結論から言うと、欲しいステータスが「seems reasonable, as far as I'm concerned.」以下の場合、リセットが確定する。なぜなら、「中央値より下」だからである。
なお、全ステータスの個体値が最大値40のマナモンが入手できる確率は、約41億分の1。ポケモンシリーズの約3.9倍である。また個体値の遺伝についてもポケモンより厳しい。
このため、「普通以上」や「最低が出ない」程度で妥協した方が、精神衛生上良い。
3.3. おすすめの厳選手段
1. パーティメンバーを、厳選対象のマナモン一匹だけにする
2. ベビーマナモン入手直前にセーブ
3. ベビーマナモンを作ってもらう(費用に余裕があるなら一度に2匹以上作ると効率的)
4. Xスタジアムリーダーにジャッジをしてもらう
5. 理想的なマナモンが得られたらセーブ、得られなければリセット(Shift+F12)
6. 理想的な能力が3つ以上あり、より高みを目指したい場合は、生まれてきた子を親として、「Family hart」などを持たせて厳選する。
上記の手順なら、15分も粘ればそこそこ、30分も粘れば理想に近いマナモンは得られる。
3.4. 一般的な厳選の基準
- HP
- ニャネコやターバのようにHPが極端に高い場合を除くと、高い方が良い
- 攻撃
- 物理攻撃をメインに使う場合、高い方が良い。
- 防御
- 高い方が良い
- 特殊攻撃
- 特殊攻撃をメインに使う場合、高い方が良い。
- 特殊防御
- 高い方が良い
- 素早さ
- 極端に遅いマナモンを除くと、高い方が良い。
4. おまけ
ダメージ計算式について
Manamon1のダメージ計算式
ダメージ = 技威力 * 使用者攻撃力 / 使用者防御力 * 技相性 * タイプ一致 * rounddown(レベル / 5, 0) / 20 * 0.8 * 乱数
- タイプ愛称
- 倍率は、 0, 0.125, 0.25, 0.5, 1, 2.0, 4.0, 8.0 のいずれか
- タイプ一致
- 使用者と同じタイプなら 1.5 それ以外なら 1
- 乱数
- 0.9 ~ 1.0 の間
例えば、レベル50、攻撃力100のミテロジアーが、特防100のモータレックスにホワイトランスを使用した時のダメージは、
110 * 100 / 100 * 4.0 * 1.5 * round(50 / 5, 0) / 20 * 0.8 * 乱数 = 238 ~ 264
Manamon2のダメージ計算式
Manamon2では、「タイプ愛称」による補正が、 3分の1 ~ 3倍 に制限された。このため、複合タイプの技で4倍以上の弱点を突いても、3倍に丸められる。
- タイプ愛称
- 倍率は、 0, 0.33.., 0.5, 1, 2.0, 3.0 のいずれか
例えば、レベル50、攻撃力150のペンギュラムが、特防100のジュナンチュルにチリーウィンドを使用した時と、フリーズレイを使用した時のダメージは以下の通りとなる。
:チリーウィンド: 60 * 150 / 100 * 3.0 * 1.5 * round(50 / 5, 0) / 20 * 0.8 * 乱数 = 146 ~ 168
:フリーズレイ: 90 * 150 / 100 * 2.0 * 1.5 * round(50 / 5, 0) / 20 * 0.8 * 乱数 = 146 ~ 168
その他の情報
- 素早さを上げるアイテムはマナモンにも存在する。ただし、持ち物枠を消費するので、厳選した上で、抜きたい相手に合わせて調整する方が好ましい
- ポケモンでは、個体値が最大の状態を「V」、最低の場合を「逆V」と呼ぶ。全てのステータスが最大個体値の場合「6V」と呼ばれている。
- どうしても高個体値の相手に勝ちたい場合は、素早さにトレーニングポイントを振り、先手を取ることが有効。相手より1回多く行動できれば、何とかなる可能性がある。ただし、相手も素早さに振っているとどうしようもない。
- 作中に登場するマナモンテイマーのほとんどは、トレーニングポイント0の代わりに 6V らしい。このため、素早さに振っておらず、レベルが同値だと先手を取られる。