戦略

Last-modified: 2017-08-04 (金) 01:37:46

戦略
 このページでは戦略―その中でも狭義の、軍事に関連し戦術や戦闘に繋がるものを扱います。

諸言(Introduction)

 戦略とは戦争をするに当たり、或は国力を保つに凡そ不可欠なものです。戦略が無ければ充分に訓練された精鋭も何の役にも立たず、戦いに勝ち続けたとしても、戦争に敗れる事となりましょう。であればこのゲームのキャンペーンにおいて、目標を達成しようとするならば、須らくこれを念頭に置くべきである事は自明であります。そしてこれから陸と海に分けて話を進めていく訳ですが、忘れてはならないのは二つは常には独立してはおらず、またその優先度は国によって異なる、という事です。前者は陸海共に、政策の下で動かされる訳で、国の方針に依るものであり、また陸軍も海軍に頼るところがあり、また逆も然りとなります。後者は、分かりやすく述べるならば、イギリスとプロイセンの戦略が同じであって良いのか、これはその二つがそれぞれ世界地図においてどこに位置するかを考えれば忽ちにしてわかる事ですが、海外に多数の植民地を持つイギリスが海軍の配備を怠り、陸軍の強化に努める、といったことが果たして宜しい事なのか、賢明な読者ならば考えるまでもないでしょうが、断じて否であり、これはまたブランデンブルクと東プロイセンしか持たぬプロイセンが海軍の整備に励むことと同じである事は言うに及ばぬでしょう。ですが細かくここで述べることは避け、後程また触れるとしましょう。

国家としての軍事戦略(Grand strategy)

 ここで読者には、陸海軍の運用方法等を説明するのを暫しお待ち頂き、より上位に当たる軍事戦略を述べさせていただきます。

平和を重視すること

 戦略について述べるのではなかったか、平和など馬鹿々々しい、こんなものは臆病者の考える事だ、領土の拡張こそ我が本分である。とお思いの読者もありましょうが、その重要性をもう一度考える為に、敢えて触れる次第です。
 ヨーロッパの統一を掲げ何十年もの戦争を続ける、というのはeasyであったり、縛りならば兎も角、やはり考え物です。というのにも幾つか理由はあるのですが、まず戦時中の経済発展と非戦時中のそれを比べた場合、前者が劣るというのは仕方が無いでしょう。インフラ整備に充てられる資金が軍事費となり、戦争時の税が経済の発展を阻害する(内政のページの租税を見よ)事は変わりのない事実です。また、ヨーロッパ―別に他の場所でもいいのですが―そこで周辺諸国を巻き込み、戦争にかまけている間に他のtheatreの勢力は力を付け、欧州に侵略を仕掛けてくるやもしれません。史実においてそんな事が有り得るのかという議論は置いておいて―実際に本ゲームではマラーター同盟が中東を介してよく攻め込んできますから―その上治安維持にかかる金銭も馬鹿になりませんし、領土が増えるにつれ国境を接する国が増えるとあらば、潜在的敵国も増える訳です。そして諸国に攻められるとなったときに、あなたを守る国力というのは手元にある兵力のみで、経済力が武器となるわけではありません。では、経済力を蓄えつつ征服を進めていけばよいのではないか、となりますが、そういう事です。(その塩梅が難しいのですが)

経済力を蓄えること

 経済的に豊かであるという事は、他国との戦争の際のadvanceになる事は言うまでもないでしょう。ロシアの戦列歩兵がプロイセンのそれよりも劣っていたとしても、予算が十分にあり、倍の兵力を用意できたとしたならば、これを打ち破ることは容易なはずです。
 では如何にして経済力を味方につけるかというと、もっともこれは内政のページを見ればよいのですが、税収と交易にかかっています。
 では税収を上げるには、税率を上げるのではなく(そうして得られるものは一時の国家予算のみです)そもそもの地域収入を上げることにかかっています。これはやはりインフラ整備、それも戦時中の数少ない予算ではなく、十分な資金を充てる事、やはりこれは前項の平和に被りますが、それが肝要となります。そしてこれらについては、繰り返しになりますが、内政のページをご覧になるとよいでしょう。(ただし道については本ページで触れる事になります)
 一方交易収入を上げるには、というと貿易船の派遣とプランテーションへの投資が挙げられますが、敵対国を減らすことも大事でしょう。となれば前項の平和がまたしても重要となってくるのですが、それを保つ為には外交と海軍力が必要となってきます。
 しかしここで、経済発展として二つの方策を挙げましたが、交易によって得られるのはあくまで金銭であり、それがインフラ整備の資金になるとしても、交易収入が新たに植民地を入手しない限り、或は交易品の増収を図らない限り、急激な増加は地域収入のそれ程は望めないという事です。

外交を駆使すること

 やはり外交官の役割というのは中世と比べても大きくなってきます。もしあなたが外交を無視し実質的な鎖国状態となったとすれば、かつての友好国もそうではなくなっていくでしょう。
 重要なのは、同盟国と言わないまでも、友好国をたくさん持つことであり、それは必ずや国益となります。例えばあなたが侵略を企んでいる国があり、その同盟国と親交を結んでおけば、宣戦布告した際に中立となる可能性が高まるでしょう。またあなたの国よりも強大な国と敵対していた際に、周辺の国々を味方につける、或は中立の立場を取らせることができればこれも助けとなるでしょう。
 そして陸軍国家が海軍国家が同盟を結ぶ事が有り、どちらか、特に陸軍国家が敵を海軍国家と共有していたならば、その敵海軍の恐れは、陸軍国家がほとんど海軍を有していなかったとしても、同盟中の海軍国家によって、危険は減る事となります。(ここでの陸軍国家とは時に大陸国家と異なる事が有ります)
 例については、枚挙に暇がありませんが、やはり外交は避けては通れぬものです。他国と友好関係を結ぶことは即ち国益に繋がります。
 しかし同盟については、結びすぎるというのも考え物です。その同盟国の周りをあなたの国が取り囲んでいるというのならば話は別ですが、そうでなければ、将来に一抹の不安を同盟は残す訳です。ではその危険性について述べていきましょう。

多数の国と同盟を結んだ場合

 これは同盟国同士が同盟を結んでいないときに限りますが、同盟国である甲国が同じく同盟国である乙国に宣戦布告をした場合、あなたはどのような立場をとるかという事です。参戦の要求が来なければ良いのですが、そうでなければ、どちらかの同盟は切らなくてはならなくなります。同盟を切った側は滅びればよいのですが、そうでなければあなたの国を恨みに思うことは間違いありません。そうなれば同盟を結んだが故に仮想敵国を増やしたことになります。

大国で小国と同盟を結んだ場合

 この同盟をどういう意図で結んだかにも依りますが、前や次程脅威では無い筈です。というのもそれに至るに当たって、他の大国との緩衝国としてか、辺境の防護の為かの何れかでしょうから。これが問題となるのはこれが大国になりつつあるときです。この同盟をどうするかはその時次第です。

小国が大国と同盟を結んだ場合

 これはやや厳しいです。といっても色々とありますし、それが小国ゆえのものと言われればそれまでですが、あなたの国が大国甲と大国乙に囲まれ、そのどちらか、或は両方と同盟を結び、その二国が戦争を始めた場合です。どちらかにつくこととなるでしょうが、激しい攻撃にさらされることを覚悟しなければいけません。そのような場合には軍事通行権を認め、本国に味方の軍隊に駐屯してもらうのも一つの手です。現実では全く褒められた手ではありませんが。こうした場合はどちらとも友好関係を保ち、日和見をし、勝負が粗方着いたところでハイエナのように領土を奪い取ればいいでしょう。
 同盟が必ずしも利益とならない一方で、友好関係を保つのに不利益はまず生じないのです。
 ではそうある為に、どのようにすれば良いのかというと、やはり貿易協定を結ぶのが一番です。貿易赤字をうむと判断された場合は中々承諾されないこともしばしばありますが、結べたならば、ターンごとに友好的になってくるでしょう。これに対するデメリットは、自国が貿易赤字の際、自国の利益に対して相手国の利益が上回ることや、それがあっても無くても、相手国の経済発展を進めてしまう事ですが、微々たるものでしょう。
 最後にここで述べなくてはならない事は宣戦布告と停戦協定についてでしょう。戦争とは始めるのは容易いですが、終わらせるのは決してそうではありません。宣戦布告には熟考が必要です。

軍事力を維持すること

 戦時においてこれが重要であるのは言うまでもありませんが、そうでなくてもこれを軽視するわけにはいきません。戦争となって初めて、まともな軍隊を構成するのではもはや遅いのです。とはいっても大量の常備軍を抱えるのは軍事費の面からみて、考え物です。侵攻の予定がないならば、仮想敵国の侵略に耐えられる程度のものにしておくべきでしょう。ですが兵力の配備は防衛のためだけではなく、治安維持のためにも必要となります。多くの都市の場合、それほど必要とされることは無いでしょうが、そこに学校が建設されている場合、それに起因する治安の悪化によって、多くの部隊が必要とされる事が有ります。
 ここで気付かれた読者もおられると思いますが、治安維持の軍隊を仮想敵国への備えにはできないかという事です。周囲を自国領土に囲まれた地域に、ある程度発達した学校があるのならば、それはそのままでも良いかもしれませんが、仮想敵国―敵国や近々戦争が起こることが想定される国では厳しいかもしれませんが―と国境を接している地域があるのならば、そこに学校を建設し、軍隊を駐屯させるべきです。これによって、治安維持のための軍隊と、防衛のためのそれを同じくできる訳ですから、国の財政には大きな助けとなるでしょう。
 そして海軍も同じく、あなたの国の国際的立場によってはこれを維持する必要があるのですが、それについては海軍戦略の章にて述べさせていただくつもりです。

技術研究を進めること

 これによって治安の悪化が起こる事は先に述べた通りです。しかし、技術の面で他国に遅れをとる方が、何倍も国の為にならないでしょう。敵の戦列艦にフリゲートのみで立ち向かい、敵の焼夷弾を身に浴びながら、時代遅れの固定砲を使い続けることができましょうか。細かい説明については専門のページに任せますが、その重要性についてはお分かりいただきたいと思います。

軍事戦略(Military strategy)

陸軍戦略

残念ですが、私にはこの記事を書きとおせるだけの知識がありません。どなたか加筆願います。

海軍戦略

概要

 ここでもやはり、艦隊の具体的な編成や会戦の際の動かし方ではなく、海軍そのものについて、述べさせていただきます。
 ですが、前にも述べましたが、全ての国家にこれが必要という訳で和ありません。海洋国家、或は海軍力を以って他国に先立たんとする国家でなければ、これは全く必要のないものとなるでしょう。

制海権

 制海権とは、読んで字のごとくなのですが、特定の海域に対し、そこでの経済的、軍事的主導権を握っている事を指します。国庫がある程度交易収入に頼っている場合、シーレーン―貿易、軍事において、重要な意味を持つ海上交通路、分かりやすく言うならば、海の道―これを保持していなければ、一度戦争となれば、国家経済は破綻するでしょう。
 となれば、これを保持すべきだとして、如何にして、何を以ってするかと言えば、やはり強力な艦隊に限ります。こういっては当たり前のことで身も蓋も無いのですが、保持すべきシーレーンが近くにある場合、内線戦略のようなものが取れないわけではありません。
 ではどの程度保持すればよいのか、というと仮想敵国をわずかに上回る程度でよいでしょう。制海権が、それが海洋のものである以上、相対的なものに成りがちですから、特定の海域において、敵艦隊を圧倒する必要までは無いのです。そのような余力があるならば、他のところに予算を回すべきです。

チョークポイント

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 これもまた聞きなれない言葉だとは思いますが、抑えることで相手を苦しめることができる地点、を指します。特定の海域、例えばオスマン帝国に対して、地中海の制海権をイギリスのあなたが握りたいとして、広い地中海のシーレーンそれぞれに艦隊を配置していては、莫大なコストがかかります。しかし、海峡―ここではジブラルタル海峡ですが―に強大な艦隊を配置したならばトルコ人は、二度と大西洋を目にできなくなります
 あとこれはこのゲームに限りますが、海峡に艦隊を配置した場合、陸軍もそこを通ることはできなくなります。これは国防上非常に有利になります。例えばイングリアをスウェーデンの手から守る際に、真鍮色の矢印に艦隊(一艘のガレーでもいいですが)を置けば、自然とスウェーデン軍の経路はカレリア方面に限られます!

通商破壊

 これまでは、防衛の面から話を進めてきましたが、当然海軍力を以って敵国を苦しめることも可能です。それがその通商破壊ですが、大きく分けて二つに分けられます。一つは私掠船型(私掠船は19c頃から消えていきましたが、この形の通商破壊は20cになっても残っています)であり、もう一つは海上封鎖です。
 前者は貿易を完全に破壊できない代わりに、わずかな利益を得ることができ、後者は利益は出ないものの、その港による相手国の貿易収入を完全にゼロにすることができます。また、港に陸軍ユニットが配置されていない場合、その港を破壊することができ、その修復費用を負担させることができます。
 ここまで書けばお分かりになると思いますが、圧倒的に後者の方が有用です。もしあなたが海軍で敵国に勝っているのならば、このような手段で敵を圧迫させることができることを覚えておいてください。

陸軍との連携

 これは海軍単独では成し遂げられない事ですが(海兵隊は陸軍という事でお願いします)制海権を握っている海域において、そこに敵の領土がある場合、これを容易く手に入れる、或は牽制させることで軍事費を圧迫させる、そして敵領土の施設を破壊することができます。例を挙げるならば、カリブ海が英国海軍の勢力化にある場合、フランスにとってカリブ海の真珠も、何の意味もなさないという事です!
 また海路は陸路よりも素早く移動できるという事を利用して、陸軍ユニットを運ぶことができます。エジプトを手に入れようと思い、フランス陸軍が陸路で向かうのは馬鹿々々しいことです。