毒性や危険性について
廃液処理こそ化学で最も危険な実験操作だ
あえて「化学物質の毒性・危険性」の項目に書く。廃液処理の危険性を知れ。
- そもそも油断する。「あやまちは、安き所に成りて、必ず仕る事に候ふ」(徒然草 109段)
- まず量が多い。密閉度が悪いので液が飛んで目に入ったり皮膚につく危険性がある。しかも飛んだ液の中身がわからないし、揮発しきれない。引火の危険性がある。
危険である理由が全て揃っている。 - 廃液処理では保護メガネ・手袋・白衣の着用が必須。一人では絶対にやらない。必ず責任者を決めておく。
- 台車に載せるときは、とにかく倒れないように注意すること。特にポリタンクでは注意が必要だ。
エレベーターで運ぶ時もできれば液体窒素と同じく、無人運転する。 - 集積場所には必ず消火器を備えておく。いざというときに躊躇しないように、炭酸ガス消火器が望ましい。
廃液タンクの中身の詳細が不明なので、混ぜてはいけない物同士を知らずに混ぜた、が起きやすい。
フッ化カリウムやヨウ素、DDQ、重金属等を何も考えずに廃液タンクに入れると、後々事故になる事も。 - 廃液タンクが劣化して割れが生じ、廃液が実験室床上に漏れ出して惨事になった事が有った。タンクの定期チェックも重要だな、と。
混合すると爆発する危険性のある薬品の組み合わせ(A+B)
金沢大学(Internet Archive)
「クロロホルム/アセトン/塩基(アミンや重曹)」も、爆発事例あり。
(NMRの重クロ程度の量なら爆発まではしないが)
NaBH4に塩化アルミニウム、塩化ジルコニウムやトリフルオロ酢酸を混合すると、触媒として作用して単独よりもはるかに強い還元力を得られる(それでいて、場合によってはLAHやRed-Alを使った還元では微量生じてしまうベンゼン環からのフッ素の離脱は引き起こさないことも可能)。しかし、本質的にアルカリであるNaBH4と、前記の酸類を混合することは本来危険なこと。例えば塩化アルミニウムとNaBH4を溶媒中で混合した場合、普段は問題なく上手く行っていたのにある時突然爆発炎上した、なんて事例もある。私はNaBH4をエーテル系溶媒に溶かした溶液に塩化ジルコニウム粉末を加えたら炎を出してしまった経験あり。弱いルイス酸である塩化ジルコニウムですらこうなのだから、他の触媒の危険性は推して知るべし。
ヘキサンて体によくないの?
- ヘキサンの毒性はペンタンに比べると強いだけで別に気にするほどのものではない。
トルエンもそれなりにやばいしな。 - ヘキサンの毒性については同意する。うちではヘプタン に変えた。
慢性毒性として、アルカンの中でヘキサン(ノルマルヘキサン)は特異的に毒性を有する。
代謝系でヘキサンが酸化され2,5-ヘキサンジオンが生成し、これが末梢神経を侵すために歩行困難などの多発性神経症が発症する。
急性毒性としては500ppm以上の濃度のヘキサンに曝露する事で頭痛や軽度の麻酔作用が現れることがある。
出典:ヘキサン(Wikipedia)
- トルエンのほうがずっと毒性は少ない。トルエンは安息香酸に酸化され、さらに馬尿酸として排出される。またトルエンは低極性溶媒でありながらモノを良く溶かすという優れた特性があり、カラムでも非常に扱いやすい。なるべくトルエンを使ったほうがよい。
- ヘキサンより揮発性が高いが、ペンタンも代用としてはおすすめ。掃除等に使うなら充分と思うが、値段が高いのがネック。
合成系って将来ガンになりやすい?
- ヘビースモーカーや酒飲みが癌になる確率よりはるかに低い
合成でIARCグループ1の物質に常時大量に被曝し続けるのって現実的ではない。
- まともな統計もなく、よくもみたかの様に断言するな
- 多少脳が溶けてもソルジャーなら問題無い
- 合成はストレスもあるからなあ…。
溶媒の影響がなかったとしてもストレスでやばいと思う。
がんリスクの評価は動物実験では正確にできるが、人間にはうまく当てはまらないと考えていい。
人間の場合は生活上の危険因子と負の危険因子が多すぎる。
しかもそれぞれが予測不可能な相互作用を起こしているわけだから、正確な予測など出来っこない。
統計というやつは意図的にも非意図的にも平気でガセネタを吐くぞ。
結論:少しぐらいは有意な影響が出る「かもしれない」が、気にするほどではない。
- HMPA メチクロ 四塩炭 ...
イイ溶媒ほど早くタヒぬ
塩めちもMTBAも今や悪モンだし。
せちがらい世の中じゃ。
いや、愚痴だが。
- ジクロロメタンとか使い勝手いいのになあ
- 大学にいるとそういう感覚がまったくわからなくて、クロロホルムをじゃばじゃば使ったりするのですが、
企業では使う溶媒に制限があったりするのですか?
- ジクロロメタンなんてほんのちょっとでも工業排水に漏れたら大変な事になるから企業ではほとんど使わないわな。
NMR用の重クロでさえ廃棄はめんどくさい。
- 会社にもよるので一概には言えないが、大抵のハロゲン系溶媒は、二重三重に使いにくい。
排水への規制が厳しい、通常の有機溶媒よりドラフトの基準が厳しい、比較的毒性・環境負荷が高い、など。
ジクロロメタンに限れば、揮発性が高い(暴露しやすい、ドラフト排気として環境流出しやすい)というおまけ付き。
更に言うなら、企業入っても有機実験するなら、数十年間有機溶媒にさらされることになるだろうから、
自分の健康のためにも避けたほうが良い。
- CFC113みたいに、不燃性で人体にも安全だとジャブジャブ使っていると、今度は地球環境に危険なことが判明したり…
今はハロゲン系自体忌避される風潮だしな。
- パーキンソン病のリスクがあがる?
パーキンソン病が発症しやすい職業(YouTube)
製薬企業研究者が重いパーキンソン病を発症した例がある。有機化学美術館・分館:作ってはいけない
なんか体が痺れるんだけど。仕事でよくシンナー使うからそれのせい?
しびれは有機溶剤中毒の典型症状。
いますぐ病院行って検査を受けろ。それと労災申請も忘れずにな。
有機溶媒使い過ぎると、結婚して女の子ができやすいって本当ですか?
都市伝説に決まってんだろ。
男の子が生まれると「実験が足らないからだ」とかボスにからかわれたりするが、そのぐらいの冗談は笑って受け流しましょう。