ストーブ

Last-modified: 2013-01-26 (土) 23:01:57

ストーブ

ストーブに使う燃料は色々有るが、
ツーリング中にホームセンター等に立ち寄れば、
各種燃料を補給する事が出来るので、
燃料の入手性よりパッキング、使いやすさで選ぶと良い

 

もちろんコダワリや趣味のストーブもアリ

燃料

ガス

ガスカートリッジ、カセットガスの2種類がある。
家庭のガスコンロと同じような感覚で扱え、初心者でも安心。
冬場は火力が落ちるのと、予備カートリッジがかさばったり、
使用済みカートリッジの捨て場所に困るのがネック。

 

燃焼時に臭いが出ないので、網焼きやトースターに最適
(ただし形状によってはトースター使用時
 熱線がボンベや樹脂のツマミ等を直撃するので若干注意)

ガスカートリッジ

通称「ダルマ缶」、「OD缶」、「T型缶」など。
カセットガスに比べて
○収納がコンパクト、コッヘルとセットで仕舞える場合も
○ストーブが多種
▲高価(230g缶で450円前後)
▲販売店が限られる(ホムセン、釣具屋での取扱いがあるので問題ない?)

ガスカートリッジはストーブと同一メーカーのものを使用することを推奨。
メーカー毎にパッキン取り付け位置やノズルの長さ等が微妙に異なるため、思わぬ事故に発展する可能性がある。
また、キャンピングガス社製品用のカートリッジ(通称「青缶」)は口金の形状が完全に異なるため互換性が無い。

  • 代表機種
    メーカー商品名価格帯
    プリムスP-153ウルトラバーナー?8000~
    極めて小型。火力は高い
    キャプテンスタッグM-7900 オーリック 小型ガスバーナーコンロ3000前後
    非常にでかいがホムセン等で安価に買える。圧電素子根元のガイシが割れやすいので注意
    モンベルジェットボイル10000前後
    湯沸かし爆速軽量小型なのでソロキャンプのインスタントだけならこれ一つで十分

カセットガス

通称「CB缶」。
ガスカートリッジに比べて
○安価(250g缶で100円前後)
○入手が容易(コンビニ、100円ショップ)
▲筒形状で収まりが悪い
▲ストーブの種類が比較的少ない

液体燃料

ガソリン・灯油など複数燃料対応

ホワイトガソリン

  • オプティマス
    下記2種は、レギュラーガソリンでも使えるが、その場合、臭い、ススが出る、火力調整がしづらくなる。山奥でストーブがガス欠になってもバイクのタンクからガソリンを取ればなんとかなるという点ではとても心強く、またバイクのタンクからガソリンをとるという作業そのものが玄人っぽい雰囲気を醸し出せる。便利すぎないストイックな旅を求めるあなたにオススメのアイテム。
  • スベア123R
    一体型ストーブ。
    構造がとてもシンプルで非常に故障しにくく、一部を除きほぼ真鍮製なので錆びにくく頑丈。
    サイズもφ10cmx13cmと非常に小さく、パッキングも楽。
    ただし1300kcalと言う低熱量、容量120ccのタンク、給油の面倒さ(ゴトク兼風防を取り外す必要あり)、
    火力調節の効きにくさ、小さいゴトク(φ16cmのナベが限界?)などからお世辞にも使い勝手がいいとは言えない。
    はっきり言って趣味の道具。
    ブラスの輝きに魅力を感じ、100年近い歴史に想いを馳せ、炎の揺らめきと共にゆっくりとした時間を
    過ごしたい人にしかお勧めできない。
    でも俺は大好きだ。
    一応コゲ無く生煮え無く米は炊ける。すき焼き(割り下で煮込む方)と豚汁も実績有り。
  • 8R
    同じく一体型。別名:箱ストーブ、弁当箱とも。
    バーナー部分は123Rと共通なので信頼性・性能共ほぼ同等。
    123Rのタンク上にバーナーが乗る普通の構成に対し、横付タンクで
    弁当箱の様な四角い形に納めているのでパッキングに一定メリットあり。
    ただし背丈が低くなった事でタンクに対しての熱輻射にやや不利な面があり、
    幅広の鍋やトースター等使った場合等は更にデリケートになるので、料理に時間がかかる場合等は
    扱いに少々の慣れや工夫が必要。
    弁当箱部分は吹きこぼれがたまりやすく、熱に直接あたるので塗装が割れて錆びやすいが
    この錆び具合が共に歩んだ旅の記憶を呼び起こして愛着がわいて来たりもする。
    この中にガソリンをぶちまけて急速プレヒートするツワモノもいるらしい。
    その程度では壊れもしないという事なのだが使い方として当然オススメはしない。
    オプションパーツにタンク加圧用ミニポンプがある。
    デカくてポンプ一体型のNo.111シリーズは灯油も使えて便利

 123Rも同様だがポンピングを廃したタイプのガソリンストーブは手間の無さや機械的な信頼性の高さの反面
熱特性が蓄積型の「正の傾向」なので(負の傾向はポンプしないといずれは消える様な設計)
火力の使用中は焚火同様に目を離さない事が重要。万一火力が暴走した場合は落ち着いて一旦火を消し冷めるのを待ってから再開。
 またバイクのタンクから赤ガスを流用する際には飽く迄緊急避難と理解する事。
赤ガスで連用をしていると添加物がノズルへの流路へ膠の様な状態になって詰り回復にかなりの苦労をする。
流用後は、なるべく早い機会にホワイトガソリンを通して洗浄運転をする。落ちない場合はキャブクリーナーを用いると良い。
どうしても赤ガスでの通常運用を前提に購入したい場合は前項の複数燃料タイプの中に対応を謳っている商品が存在しているので、そちらを選択の事。 但しコンパクトさには欠ける。

灯油

真鍮の鈍い輝きが美しいストーブ。
クラシカルなスタイルに魅せられたコレクターも多い。
マルチフューエルタイプの性能は同系列のガソリンストーブに準じるのでここではクラシカルなケロシンストーブについて記す
プリムス、オプティマス、マナスル、武井などメーカーは多々あるが基本的にパクr…100年以上前からのベストセラーなのでどれも基本構造が同じで一部パーツの使い回しもできる

・構造が単純で堅牢な為、信頼性が高い
・燃料が灯油(ケロシン)なので同じ液燃のガソリンに比較して安全安価であり、人里ならほぼ確実に入手できる
・轟音。この音と揺れる炎が好きという人も
・風防が必需品
・コッフェルの底が煤まみれになりやすい
・プレヒート用にアルコール等を用意する必要がある。
・プレヒート用燃料皿に灯心になるもの(銅の裸縒り電線、セラミックウール、紙コヨリ等)を巻きつけると灯油でプレヒート可能になる。ただし煤も出る。
・プレヒートの儀式に数分を要するため、再点火が面倒。燃費が安いので弱火で着けっ放しを維持するのが吉
・火力調節バルブ付きのモデルもあるがタンク内圧のみで火力調節をする機種では全般的に弱火を維持することが難しい。とはいっても最高火力がガス式などの半分以下のものが多いため米1合炊く場合には必要十分と見る事も出来る。他にも弱火調整に鍋の下にトースターやバーナーパッドを間に挟む方法などがある。
・しかし武井バーナー製のパープルストーブやゲニオール製の軍用バーナー等の大火力モデルも一部存在する。(かつての大学山岳会では長年御用達。底抜けの胃袋を大鍋料理で支えて来た実績は伊達ではない)
・これらのケロシンストーブを現在も生産を続けているメーカーは数えるほどしかなく入手しにくいが、買ってしまえば一生モノなので末永く使ってほしい
・ケロシンストーブの高温-低温安定性を活かし、炎の噴射を水平方向に分散して熱線で赤外暖房対流暖房を強力に行う「マナスルヒーター」と言う手のひらサイズのオプション商品が出ていた。バイクキャンプで使う程度のテントなら天井を焼かずに駿足で暖が確保でき、ファミキャンテント程の容積でも平気で温め切ってしまう優れた冬のアイテムだったが、近年生産を終了してしまった。ただし、時折業者が購入者を募って限定的に復刻させてみたり、希にヤフオクなどで在庫出しを見掛ける事もある、五徳三本でフィットする構造で、ノズルの高ささえあまりに大きく違わなければ、マナスル以外でもほぼユニバーサルに使用できる。ただし、その構造上から不完全燃焼を起こしやすいので一酸化炭素中毒には注意されたし。また、123Rや8R等の熱暴走に弱い機種には使用できない。もしケロシンストーブに興味があってこれを何処かで発見したらのであれば、値段も手ごろなのでストーブの購入に先行で確保してしまう事をお勧めする。この際、熱線部分は高熱にさらされるため腐食によって寿命が来やすいので、発見した機会に数個確保できるのであれば、是非その様にする事をお勧めしたい。
・2012年4月、マナスルのケースが全面的にナイロンケースに切り替わった模様、鉄箱が欲しい人は不良在庫を探せ

アルコール

実用性より趣味の面が強いストーブ
他の液体燃料と比べて火力は弱く風防は必須
燃焼音は殆ど無く、軽量で携帯性に優れている
日中は火が見えにくいので注意が必要
燃料用アルコールはドラッグストア等で手に入る

  • トランギア
    トランギアの本体だけでは使用できず、
    五徳とクッカーのセットや別に五徳を用意する必要がある
    付属の蓋で火力調節は一応出来るが微調整は難しい
    一部の五徳では火力調節蓋を載せることが出来ない
  • 空き缶ストーブ
    単純な構造なので、空き缶等を加工して自作する事も可能
    インターネット上で様々な作成例が紹介されている
    キャンプで使う事より、ストーブを作る事が目的になる事も……

固形燃料

他の燃料と比べて火力が弱い上、火力調節が出来ないので、
湯沸し特化のストーブと割り切って使うのが良い
風に弱いので風防は必須

 

燃料のランニングコストは他と比べて高めであるが、
初期投資の安さ、扱いやすさ、携帯性の良さ等のメリットが有り
湯沸しだけで良いと言う割り切りが可能なら、
旅の荷物の軽量化に貢献してくれるだろう

缶入り固形燃料

タブレット

・スイスメタ
・Esbit(エスビット)
 ドイツ製の固形燃料&ストーブ。ストーブ本体内に固形燃料が収納でき、サイズはカセットテープのケースと
 同等程度と非常にコンパクト。ドイツ軍で正式採用されている。燃料とセットで1200円程度と入手しやすい。
 炊飯は可能だが、1合炊くのに5~7タブ(スタンダード)使用する。いためる・煮るなどにはあまり向かない。
 燃やすとススやヤニがコッヘルにつく。洗えば落ちるが放置すると固着するので注意。
 タブは燃焼する際にロウ状にとけてストーブにこびりつく。アルミ箔を敷いて使うとよい。
 タブの価格は他の燃料などと比較すると高い。また独特のにおい(イカくさい)がある。
 このタブの1コの大きさの違いでスタンダードとミリタリー(タブ1コサイズが大きい)がある。
 缶詰を温めたり(半-1タブ)、シェラカップ1杯のお湯を沸かしたり(1-2タブ)はできるが、
 メインバーナーとしては力不足。サブバーナーとして使うとよい。タブの保存性はよい。
 またタブはスイスメタ同様、ガソリンストーブのプレヒート用としても利用される。

鍋用固形燃料

旅館などでよく使われる水色の丸い燃料
Esbitなどの五徳を流用して使う

 

基本的な使い方はタブレットタイプと同じ
ランニングコストや入手性の良さはこちらが上で、
100円ショップで安く手に入る
加熱する物の量に合わせ、燃料を切り分けて使うことも可能

 

タブレットタイプと違い、コッフェルにヤニは付かないが、
五徳にタール状の物が残るので、アルミ箔が付いてない時に備えて
火皿を用意しておくと良い

 

ツーリング中になるということはまずないが、アルコール系の燃料なので、長期保管では燃焼成分が揮発してしまう。
まとめ買いより、ツーリングで使う分だけ購入するとよい。

ストーブ小物

  • バーナーパッド
  • つめかえ君

その他

炭を燃料として用いる場合の注意事項を最初に述べる。

一酸化炭素は比重が空気より軽いので、フライシート下部に換気用の隙間を空けていても上部に溜まる恐れがある。
換気は、空間全体の空気が入れ替わるように心がける。
中毒の初期症状は『頭痛』なので、お酒を呑みながら利用中の「二日酔いかな?」…の様な紛らわしい症状には絶対に注意する事!

ユニフレームネイチャーストーブ

枯れ枝などを燃料にし空気の流れを利用して効率よく炎を生み出すエコストーブ。
エントツ効果により燃焼効率は高いがコッヘルが煤で真っ黒になってしまう。
木炭を利用してのBBQや焚き火台としての使用も可能だが、燃焼効率の高さゆえに燃料が燃え尽きてしまうのが早い。
SサイズとLサイズの2サイズ。
Lサイズには燃料を追加するための扉がある。

七輪

七輪とは炭を燃料としたコンロで、炭の量が少なくても長時間火が保てるのが特徴。

あたい七厘の炭で一日煮炊きができることから呼びならわされるようになったとの説がある。

木炭七輪と練炭七輪があり、各々の燃料に最適化された形状を持っている。
もちろん各々の七輪に各々の燃料を使った場合に最大のメリットが出る様に火口から内部断面、五徳部分が設計されているので兼用する場合は飽く迄その辺を理解して使う。

利用できる燃料は主に

  • 備長炭(白炭):重く、カリンカリンと金属的な音がする炭。火持ち・火力ともに素晴らしいが、着火するのがかなり大変。
  • 切炭(黒炭):軽く、割れやすい炭。着火性がよく、燃えるのも早いのがメリットでありデメリットでもある。
  • 練炭:炭粉を練り固めてつくった成型炭。練炭七輪に特化した形状で、1つで1日もつ。見かけることも減ったが、本来の目的外使用のために一定の需要がある。
  • 豆炭:使用する量を調整できるように大きさを小さくした成型炭。
  • 炭団(たどん):豆炭とおなじ成型炭だが、豆炭よりも大きい。最近まったく見かけない。
  • ※練炭・豆炭・炭団は原材料が石炭であり、硫黄分を含むため、調理では焼き物には向かない。
  • ※木炭は大きく白炭・黒炭の二種類であるが、その各々でも原木やブランドなどで性質やコストが変わってくるので、お気に入りの木炭をさがしてみるのも面白い。

使用の際は、ナラ切炭などであれば小さな火種でも比較的容易に火を熾すことができるが、着火剤などを用意しておいたほうが無難。
炭熾しが初めてであれば、一度ご家庭で練習してみることをおすすめします。

七輪の燃料は火持ちがいい反面火が消えにくいため、放って置いてもなかなか火が消えてくれない。
水を張ったバケツに炭を投入する、火消しツボを使うなど消火には万全の注意を払う必要がある。
(自分の使う炭の銘柄さえ決めてしまえば何度も使っている内に投入した炭に見合った燃焼時間が在る程度把握
出来る様になって来るので環境が許せば庭やベランダで時折練習してみるのが良い)
珪藻土でできた七輪は水や衝撃に弱い為に気を遣うが、安いので気にしなくても良いという考え方も。
バイクに搭載するなら150mmx150mmくらいのものが適当だろう。