【デール】

Last-modified: 2024-04-21 (日) 23:49:41

DQ5

【ラインハット王】第二王妃の間に生まれた第二王子で、第一王子【ヘンリー】の腹違いの弟である。
英語版での名前はWilbur。
 
初めて【ラインハット】に訪れた時はまだほんの子供。
異母兄ヘンリーとの兄弟仲は良好だったようで、例によってヘンリーの子分と扱われていた模様。
しかしそんな兄弟を無視して、周囲の者たちは王位継承に関して無責任な噂を立てている。
 
実母の策略によって後に国王になるが、実権は実母である太后にあった。そればかりかその太后も実際は偽者と入れ替わってしまっており、王とは名ばかりの傀儡政権であった。
偽太后の暴政によって国は荒れ放題になり、周囲も太后を持て囃すばかりで王であるはずの自分には名実共に何の実権もなく、その結果ヘンリーと再会する頃にはすっかり無気力になっていた。
ヘンリーが仲間と共にラインハットへ帰還すると、デールは兄が生きていたことを喜び【ラインハットのカギ】【ラーのかがみ】のヒントをくれる。
 
ラーの鏡入手後は【ラインハット地下洞窟】に幽閉されていた本物の太后を連れ出し、偽物を追い出そうとした様だが、太后同士が取っ組み合いになった挙句に、どちらが本物か判らなくなってしまっていた。
その際は自分を「どうも僕のやることはヘマばかり」と自虐している。どうやら結構おっちょこちょいな性分の様であり、本人も自覚がある模様。リメイク版では兄ヘンリーからも「昔からとろくさかった」と言及されている。
常識的な倫理観は持っており、指導力と決断力があればニセ太后の専横を許していなかっただろうが、良くも悪くも凡人で周囲の言いなりになりがちな国王だったのだと思われる。
そこをニセ太后が取り仕切ってしまったために、結果的にラインハットの悪政を放任してしまった。
 
そもそも幼少時代から王様になりたくないと発言しており、また自分が王に向かない自覚もあった。そのため、ニセ太后討伐の直後、ヘンリーに王位を譲ろうとしたが「子分は親分の言うことを聞くもの」と固辞したため、兄の補佐を受けつつデールが引き続き王として国を治めることとなった。
 
青年時代後半では彼自身が醜い後継者争いに巻き込まれた末に国を潰しかけたのを教訓に、彼は決して家庭を持とうとせずヘンリーの子、つまり甥である【コリンズ】をただ一人の後継者に絞り、次期国王にと考えているようである。 
望まぬ王位に就き、国政を無茶苦茶にされた挙げ句、家庭を持たない決断をするという、歴代DQシリーズでもかなり不幸な王様。しかし傀儡だったとはいえ王という地位に付随する責任を果たさなかったのも事実ではあるので、自らの家庭を放棄したのはその責任を自覚した故とも言える。
自分の自由な人生を半ば捨てて王の責務を全うしている形だが、後に周囲からも「立派な王」と呼ばれるまでに成長した。
ただ王位継承者が一人しかいない場合、継承争いはない代わりにコリンズが早世したり王に不適合な人物になってしまったりといった万一があった場合、王位をどうするかという問題が発生する可能性があるのだが……。
 
青年時代前半では専用の若い王のグラフィックなのだが、青年時代後半になった時、まだまだ20代と若いはずなのに、なぜかグラフィックは父と同じになってしまっている。
恐ろしいほどの老けっぷりだ。ヘンリーは老けていないのだし、青年時代前半の若い王のグラフィックのままではダメだったのだろうか。
まあ、ドラクエの世界観に近い中世~近代のヨーロッパなどでは白髪の鬘が王侯貴族の正装という文化もあったので、そういう演出と考えることもできる。
この点に関しては、当時の開発スタッフであったチュンソフト元社員くりからはづき氏は容量の都合であったと述べている。(参考ポスト
同様に【オジロン】は青年時代前半は白髪だったのに後半には黒髪になり、毛量以外の点では見た目が若返っている。
 
リメイク版では、青年時代前半・後半ともに若い王のグラフィックになっているが、DSおよびスマホ版ではDQ7の【フォロッド王】【ゼッペル】と同じドット絵になっている。
 
公式ガイドブックにはイラストは掲載されていないが、【知られざる伝説】には村上ゆみ子による挿絵がある。
このイラストでも原作ゲームでもデールは茶髪であり、ヘンリーとは髪の色が違うあたりそれぞれの母親からの遺伝なのだろう。
 
腹違いの兄弟にはDQ8の【マルチェロ】【ククール】もいるが詳しくは各々の項目参照。