【和田洋一】

Last-modified: 2019-08-25 (日) 15:04:06

概要

【スクウェア・エニックス】前社長。旧スクウェア出身。
旧スクウェアでも生え抜きではなく、以前は野村證券に勤めており、高い経営手腕を評価されていた。

評価

「『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』はユーザーが張り付いていることが分かっている」
「バグは発売してからユーザーに直させる」などといった、ユーザーを舐めているような発言が批判を呼び起こすことがたびたびあった。
例えばFF14など明らかな欠陥品の状態で発売という暴挙に出たせいでFFの看板を大きく傷つけ、大批判を巻き起こした。
 
開発コストをカットする方針を取った結果ベテランの開発技術者を簡単に流出させてしまうことも多く、売り上げ至上主義と言われることも多かった人物である。
 
何かと批判されがちではあるが、

  • DQ8以降の「DRAGON QUEST」としての本格的な海外進出
  • DQ9の売り上げ本数がDQ7を抜き最多を記録
  • アーケードゲームのノウハウがあるタイトーと経営統合して実現されたモンスター・バトルロード

と、ドラクエにとっては無視できない功績も残している。
 
ちなみにFFおよび旧スクウェアファンは、

  • 劇場版ファイナルファンタジーの興行失敗などによる経営悪化の立て直し
  • 任天堂との関係修復(幹部級の社員共々京都へ出向いて山内溥に直接陳謝した)

などに高い評価を与えているものの、やはりFF14の失敗のダメージは大きく、現在は批判が目立つ。
また、この時期は携帯ゲーム機向けソフトのリリースばかりが目立っていたが、それらは外注制作が中心であり、スクエニ内製の据置機用ソフトの開発が遅れていたという事情もあった。

その後

2013年5月に社長を辞任し取締役会長。事実上の更迭と見られている。
近年はもともと不振気味だったが、ドラクエ・FF以外のほぼ全てのコンテンツにおいては不振状態が長く続いており、2013年3月決算ではついに130億円もの赤字に転落した。それが致命傷になったと思われる。
結局、最後までドラクエとFFにおんぶに抱っこの状態を脱却することはできず、新しいブランドの立ち上げも業績回復もできなかった上に、一度はFFの名を完全に失墜させてしまった。
 
……とまあ肝心のゲーム開発についての見識はたいへん疑われるものの、経営危機にあたっての堅実経営には評価されるべき部分もある。
後任の松田社長はドラクエの関連作の乱発やスマホゲーへの注力といった積極路線が非難を受ける事も少なくなく、相対的に和田の方がマシだったとの声も上がるに至っている。

 
2014年にはクラウドゲームを手掛ける事を目的とした同社の子会社「シンラ・テクノロジー」を立ち上げ、社長に就任した。
「シンラ」で「クラウド」ゲームという事は……
「5人のクリエイターだけで天下を取れる」と大口を叩いたものの2016年にはシンラは解散。
スクエニの会長も2015年に退任しており、その後はIT企業の社外取締役をしている。