【オリビアの岬】

Last-modified: 2024-04-04 (木) 22:18:37

DQ3

【ロマリア】の東方、【アッサラーム】から見て北の方角に位置する岬。
この周辺は現実世界の地形とはかなり異なるが、しいて言うなら黒海とカスピ海の中間あたりに相当する地域。
陸路ではアッサラームから【ノルドの洞窟】を抜け、山岳沿いに北上すると辿り着けるが、その対岸の海峡も含めた地形一帯も指す。
岬には【オリビアの岬のほこら】が、西にある小島には【サマンオサ】の英雄【サイモン】の亡骸と、重要アイテム【ガイアのつるぎ】が眠る【ほこらの牢獄】があり、通行は必須。
 
だがこの岬は呪われており、近海を通るとなぜか悲しい歌が聞こえ、しかも船を押し戻されて先に進めない。
その犯人は岬の名前にもなっている女【オリビア】の亡霊で、恋人【エリック】を無くした哀しみのあまりにここで身投げしたのが呪いの大本。
無関係な人たちからすれば迷惑な話だが、エリックは奴隷船送りにされた上に嵐で船ごと沈むという最期を遂げているため、おそらくはエリックを求めて海峡を通行する船を呼び戻しているのだという。
 
そんなオリビアの呪いを解く方法は、幽霊船にあるエリックの遺品を使うこと。
これは歌が響き船が押し流されている最中に(GBC版以降では流されきってから一歩も動くことなく)メニューを開いて「使う」のが正解で、ただ持っているだけでは効果がない他、岬へ入る前や流されきった後で(GBC版以降ではそこから一歩でも動いてから)使っても意味がない。
これがあまりにも分かり難かったようで、何と【取扱説明書】にズバリ「あいのおもいでの使い方」が記載される珍事となった。
FC版の公式ガイドブックでは【Dr.パルプンテ】がこれの説明と共に、
「愛はタイミングが大切」という素敵なアドバイスをしている。
 
DQ2では【ラゴス】などいくつかの謎解きで長時間足止めをくらったプレイヤーも多かったが、今回はきっちりとテストプレイが行われてそれが反映されたことを示すエピソードなのかもしれない。
ソフトの容量に余裕が残っていなかったためか、説明書へじかに書いてしまうという強硬処置ながらも。
 
とにもかくにも、愛のおもいでによってようやく再会を果たしたオリビアとエリックは仲良く成仏し、岬の呪いも解けるのであった。

リメイク版

オリビアの岬のほこらの内部名称が、文字数の関係からか「オリビアのみさき」となっている。
この岬を超えた先の湖(内海?)のほとりに【第3のすごろく場】がある。【ドラゴンテイル】【ほのおのブーメラン】などのオリジナル版になかったバランスブレイクアイテムが手に入るのでぜひ訪れておきたい。
岬のイベントをこなさずとも船さえあれば岬の対岸、【竜の女王の城】がある陸地に上陸して徒歩で訪れることは可能だが、ずいぶんと辺鄙な場所に娯楽施設を建てたものである。

小説版

この岬の東側の海は「カルピ海」、西は「コスタ海」という名前になっている。
名前の由来は恐らく世界最大の湖「カスピ海」。現実の世界地図と照らし合わせてみるとオリビアの岬と近い位置にあるため、そこから名付けられたのだろう。
ほこらは無いが、代わりにオリビアの出身地である人口六千の「トルニア」という町が存在する。

余談(DQ2)

【堀井雄二】によれば、元々このイベントはDQ2で採用予定だったのを、容量不足のため泣く泣く削ったものらしい。 

あと、“オリビアの岬”はIIでボツったものが復活!! まったく同じじゃないけどIIでは“ローレライの岬”っていうイベント名だったんだ。前回はメモリーの都合でボツ。で、今回めでたく登場したというわけ。
-『ドラゴンクエスト3 マスターズクラブ』 P.83 

「ローレライ」という名前からして【ローレシア】付近の地名みたいだが、元ネタからすると人名の可能性も無きにしも非ず。
船が押し戻される際の短いMEの曲名は【呪われしローレライの岩】であり、名残が見られる。
 
ローレライとはドイツの伝説に登場する妖精であり、「不実な恋人に絶望してライン川に身を投げた乙女であり、水の精となった彼女の声は漁師を誘惑し、破滅へと導く」のだという。
水の精霊ということで人魚の一種と位置付けられることも多いが、古今東西、人魚にまつわる伝承はロクなものがない。
 
元ネタからすると、初期構想では【ザハン】の漁船の沈没事故と関連づけられていた可能性もある。
ただ、いくら悲劇的な別れが原因と言えど、他の船を沈めて人を殺しておいて自分は成仏、と言う事になると、なんとも図々しく感じられてしまう。
元ネタと違い、あくまで呼び戻すのに留めているのは、その辺りも理由だろうか。
 
またDQ3のゲームブックでは「レライの竪琴」というアイテムが登場している。

ロトの紋章

「オリビア海峡」と呼ばれており、【ローラン】を繋げる場所として、魔王軍によって水門と関所が作られている。
【ジャガン】が率いている鬼兵団の【キラーアーマー】【エリミネーター】【あくまのきし】【バーサーカー】によって守られていたが、【ヤオ】の気弾によって水門を破壊され、かつ【ポロン】【合体魔法】【モシャサス】で敵の一群を身代わりにして、アルス達は【レムオル】で敵から消え去るという手段を用い突破されている。
 
ちなみに、DQ3の世界地図をよく見れば一目瞭然の事だが、ジパングからローラン城(竜の女王の城)へ海路で行くならば、漫画のようにオリビア海峡を通る事はまずしない。
なぜならどう考えたって迂回路・遠回りにしかならない、というか目的地を通り過ぎた先にあるのだ。
いちおう、大陸の西側から地中海に当たる場所を通り、ロマリア・アッサラーム間の海峡(ゲームでは橋があるので船は通れない)を抜けて行くルートならオリビア海峡を通ってもおかしくないのだが、こちらもひどく遠回り。
作中での海峡周辺は切り立った崖になっていたため、海峡を越えないと接岸できない状態になっていた可能性は高い。

蒼天のソウラ

10巻でソウラが読んでいた書籍の中の物語として登場。
副読本としての【知られざる伝説】【アストルティア】には普及しているようだ。