【ザムザ】

Last-modified: 2024-03-04 (月) 15:59:36

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。
【ザボエラ】の息子であり、妖魔士団幹部の魔族。肩書きは「妖魔学士」。
星ドラ、スーパーライトなど、ダイ大コラボのあった他作品には登場していない。
アニメ版でのCVは陶山章央。新アニメでは中盤のOPの後半部分で本編に先駆け超魔生物の姿で登場し、ダイと対峙している。
名前の由来はカフカの作品「変身」の主人公、グレゴール・ザムザからか?
 
敵幹部の息子と言うポジション通り、外見や言動は青年といった感じだが、長命な魔族だけにその年齢は182歳。【ブラス】と同じである。
ザボエラは900歳近い老人魔族であり、700歳ぐらいの時にこさえた子供という事になる。
ザムザの母(ザボエラの妻)に関しては劇中に一切登場しないが、【ダイ好きTV】【三条陸】は「夫(ザボエラ)に匹敵する極悪美女魔族のイメージ」と語っており、夫の命を狙って返り討ちにあったというような想定をしている模様。
ザムザに母の記憶はないらしいので、返り討ち云々は物心つく前の話ということになる。
 
髪の色は金髪。肌の色はザボエラより濃い褐色だが、人間に化けているときは普通の肌色である。
背が高く顔立ちも整っているほうだが、目元は父親似で「キィ~ッヒッヒッヒッ」という独特の笑い方も似ている。
性格はザボエラ譲りで残酷非道だが、彼の場合は後述の理由が大きいだろう。
 
妖魔士団所属だけに【メラ系】【ギラ系】【イオ系】の呪文を使いこなす上級魔法使いであり、魔王軍では妖魔士団の弱点を克服する【超魔生物】関連の研究者として活動していた。
元々はザボエラの発案で超魔生物の研究を続けていたが、【バラン】が変身した竜魔人の姿を見て「これこそを超魔生物の到達点」と確信。【竜の騎士】の力に興味を示す。
確かに竜の騎士は神が人間・魔族・竜族の長所を掛け合わせて生み出した存在であり、合成強化生物の頂点という見方は的外れではない。
そんな超魔生物の研究を進めるにあたって実験と素材を必要としたザムザは、使い捨ての実験材料に最適と踏んだ強い人間を集めようと目論み、人間に化けて【ロモス】に潜入。腕自慢を集めて国力増強に利用しろとロモス王を唆していた。
狙い通り【ロモス武術大会】を開催させ、集まった猛者達を【生体牢獄】で一網打尽にし国力を削ぐと同時に超魔生物の実験体にしようとしたが、優勝賞品【覇者の剣】を求めて大会を訪れた【ダイ】たちに遭遇、交戦する。
なお、新アニメでは初登場から原作よりもはっきり悪役と分かるように描写された。
 
妖魔士団幹部とはいえ、所詮は単騎の魔法使いに過ぎないザムザは竜闘気を全開にしたダイに追い込まれるもののその猛攻を耐え抜き、倒せないことに異常を感じたダイは一気に仕留めようと【紋章閃】を撃ち込むが、攻撃でボロボロになった服の下から異形の肉体が現れる。
実は超魔生物はすでに90%近くまで完成していて、自分こそがその実験体だと明かして巨躯の怪物に変身する。その様はまるで【デスピサロ】の如く。
研究途上であるため、この姿になると呪文が使えなくなるものの、上位魔族並みの再生能力や身体能力を発揮し、獣王【クロコダイン】のように【闘気】を収束して放つ技も扱える。
大猿系モンスターをベースとした皮膚は屈強かつ柔軟で、魔法耐性も極めて高く、【フィンガー・フレア・ボムズ】すらもほぼ無力化できる。さらに左手には鋏型の爪、腹部には敵を飲み込んで拘束する捕食器官を備え、敵に張り付いて動きを妨げる皮膜粘液を吐くなど小技も備える。
 
以前の戦闘で武器を無くしているうえ、やみくもな攻めでスタミナ切れになったダイを一度はダウンさせ捕食したが、【ポップ】【チウ】の抵抗、そして【マァム】【閃華裂光拳】による再生力無効化、復活したダイの【アバンストラッシュ】を受けて敗北。元の姿に戻ると身体が真っ黒な灰となり、跡形もなく崩れ去って死亡した。
肉体の消滅は超魔生物化の反動によるものらしく、敗者には死という魔界のルールなら結局は同じことだが、命を弄ぶ所業に怒ったマァムの言葉もあってかザムザは「神にもらった体をいじった罰」と称した。
【ゴメス】のカウンターパンチ一発で沈んでいた当時のチウを延々仕留めきれずに息を切らすなど、元が魔法使いであるザムザ自身の戦闘技術やスタミナには難があったようだが、閃華裂光拳の「拳を直に当てないと効果が出ない」特性を短時間で見抜いて皮膜粘液でマァムの両拳を封じるなど、怪物的な肉体と高い知性を併せ持つ厄介な敵でもあった。
 
人間を実験動物扱いしゴミ呼ばわりするなど、父親同様に冷酷な外道といった振る舞いをしていたザムザだが、そんな彼自身も実父ザボエラから「自分に役に立つ道具となれ、そうでなければお前はゴミ」と平然と言い切られ、トラウマじみた思いを抱えていた。
死を目前にして尚、ザボエラに献身的に尽くそうとする姿を見たポップは「そんなことをしてもザボエラは感謝などしない」と呆れるが、ザムザも父に情愛などどこにも存在しないことは百も承知だった。
そんな歪んだ関係であっても父親であることには違いない、ただ父に認められたかったというごく普通の若者の心情を吐露すると、自分の犠牲で完成する超魔生物に夢を託し、最期までその意思を貫き通して悔いなく散った。
決して報われないと知りつつ父親の愛情を追い求めて死んだザムザにダイたちも同情の念を抱き、特に父との間に重大な壁を持つダイは強い共感を示していた。
 
自身が傷つかないことを最優先に考え、策謀を巡らし他者の犠牲を一切厭わないザボエラとは対照的に、ザムザは戦闘では自ら前線に出て来て、果ては自分自身の肉体を研究の材料にまでしている。
人間を実験材料にしようという発想にしても「実験の度に部下の魔族を犠牲にするわけにはいかない」という同族や自軍戦力への配慮を挙げており、これまた平気で手下を身代わりにしたり殺して素材にするザボエラとは全く方向性が違う。
劣勢でも退かず、敗因を素直に認める、死ぬ時も潔く受けいれるなど、作中の価値観に照らせば父親よりまともな部分が多々ある。
そういう点では、彼は魔王時代、魔軍司令時代の【ハドラー】や、【フェンブレン】寄りの「残酷だが自分なりの節度を持つ悪役」という演出になっている。
 
一方、自分の肉体で未完成の研究を実験してしまう、ダイと不意に遭遇した際に実験の完成度の確認のために戦いを挑んでしまう、敗色濃厚でも死ぬまで撤退しないなど、科学者や研究者としては非合理な行動も目立つ。
これで仮に重大な失敗や副作用、挙句に戦死などしてしまった日には、研究者の頭脳に蓄積された技術や経験値がそのまま失われてしまう。
そうした事態を避けるためにも、実験動物や他人の検体を利用して見落とし無く完成させてから改造を実施するべきなのだが、そうしたリスクを負ってまで成果を求めなければならないほど、ザムザの承認欲求は根が深かったのだろう。
 
なお、彼の成果は【記憶チップ】としてザボエラに送られ、ハドラーの超魔生物改造という形で完成を見た。同時に【覇者の剣】を精巧な偽物と振り替えて人間側から奪い取り、ハドラーの新武器として組み込む事にも成功している。
再生能力を潰す閃華裂光拳に関する情報も送っていたため、解決策である【超魔ゾンビ】の発想を導くという成果も上げており、彼の犠牲は確かに活かされた。
 
死後には願い通りザボエラに褒められているが、短い生涯で遺した成果に歓喜するばかりで実子の死を悼んでいる様子は一切なく、ザムザもそのことは熟知していた。
一方、この親子の研究のおかげで超魔生物の力を得たハドラーは、曲がりなりにも自分を強くしてくれた恩人であるとも考えていて、息子を亡くしているからといった理由で、命令無視したザボエラを今すぐ処刑すべきという【アルビナス】を諌めて投獄するに留めている。
…息子のおかげで命拾いしたとも言える当のザボエラは、それすら仇で返してしまうことになるのだが。
 
余談だが、新アニメにおいてザムザが退場したのは6月19日(第3土曜日)放送回……つまり翌6月20日(第3日曜日)は父の日である。この父の日前日というタイミングでザボエラとザムザの父子関係が描写されたことは視聴者の間で話題となった。

勇者アバンと獄炎の魔王

若かりし頃の彼が9話で登場。
とある森の隠れ家で父と共に研究を行っていた。
研究においては既に父をも凌ぐ才覚を持っていたがほとんどの実績を父に横取りされているらしく、実際ハドラーが高く評価した【おおめだま】【あくまのめだま】合成モンスターは彼が造ったものだがザボエラはそれをさも自分の作品のように紹介しており、さらには些細なことで体罰を受けるなど扱いはかなり良くなかった。

インフィニティストラッシュ

第6章で登場し、本作でも超魔生物形態のみ戦うこととなる。
大柄な分攻撃は少々遅く、マップも広いがハサミから刃状の衝撃波を飛ばしたり、乗ると動きが遅くなる緑の液体を吐いたり吸い込み+乗るとダメージを受ける液体吐瀉、ハサミで地面を削りながら突撃するので遠距離からでも安心できない。なお原作の再生能力のためか時間経過で体力が回復するので、きちんと体力を削っていく必要がある。
最初はポップで戦い、次にマァムで戦うのだが後者は時間制限があり、少しずつ減っていくダイの体力が尽きるまでに倒さなければいけないので攻めを重視したい。

チャレンジモードでは闘技場の中心部で3分という制限時間内に戦うこととなり、
かなり狭い中で高火力かつ広範囲の攻撃を回避しつつ、なおかつ数分で決着をつけなければならない。
ポップでもメドローアLv.3は間に合わないので、【絆の記憶】は火力重視の編成。敵の攻撃をジャストガード&回避していかなければ到底勝てる相手ではない。

クロスブレイド

超魔生物としてゲーム作品初登場。第4弾は敵専用だったが、次の第5弾でカード化。

漫画版

32話では【ロムドラド】が超魔生物を現実世界に極大召喚。
人類の英知をものともしなかったが、クロブレ世界で極大召喚の壺が壊された事で時空が元に戻った影響か消滅した。

ドラけし!

イベント「最強剣はどこだ!?」で登場。
大武術大会のボスとして登場し、ストーリー上ではダイを飲み込まず、倒された後も父の愛を求めている描写はカットされた。
バトケシ!ではザボエラを倒した後に希に登場するレアボス枠で、ダイの剣が一番大ダメージを与えられる。その時のBGMは魔物出現。
レベル70を倒すとドラ消しを入手できる。星5の赤属性で、スキルは横長長方形範囲を物理攻撃する「はさみ」。
攻撃力も無課金ながら300を超えるが、バトケシ!の仕様上入手は課金必須なぐらい困難。

その後インフィニティストラッシュ発売記念キャンペーンにて獲得できるダイの大冒険ISポイントと引換に交換できるようになった。

魂の絆

原作通り【ボス級モンスター】として登場。
魔族状態はイベントのみ、実際にプレイヤーが戦闘するのは超魔生物変身後のみとなる。

超魔生物ザムザ

原作再現ストーリー【竜の軌跡】第10章でボスとして登場。言語切り替え時の英語表記は「Superior Being Zamza」。