ストーリー/【オペラ】

Last-modified: 2024-02-05 (月) 01:46:59

FF6

概要

FF6の名イベント。
ロックたちは帝国魔導研究所の幻獣に会うために、大陸へ渡る方法を考えていた。
そんな中、ジドールの町アウザーの屋敷に行くと、オペラ劇場ダンチョーが困っている。
ギャンブラーのセッツァーが、ダンチョーの劇団の女優マリアをさらいに来ると予告文をよこしてきたというのだ。

  • この手紙を拾った時にダンチョーの事を説明する男性は、「アウザー」ではなく「マスター」というキャラ。

セッツァーの飛空艇なら大陸に渡れると考えたロックはオペラ劇場に行き、
オペラも成功させたいが、マリアをさらわれたくないと悩んでいるダンチョーに計画を持ちかける。
マリアによく似たセリスを替え玉に仕立て上げてオペラに出演させ、
わざとセッツァーにセリスをさらわせておいて、こっそり後をつけて彼の飛空艇を横取りするというものだった。
ロックの提案にダンチョーは賛成し、最初は戸惑っていたセリスも、次第にのってきて早速楽屋で練習を始める。
その様子を見ていたオルトロスもセッツァーのまねをして挑戦状を送るが、手紙は皆に気づかれず放置されてしまう。


オペラが開演し、セリスが気になったロックは席を立ち、控え室へ会いに行く。
控え室でドレス姿に着飾ったセリスを見て、ロックは顔を赤くする。
二人の仲が一歩進展する微笑ましいシーンである。

  • ここで着飾ったセリスのドット絵は非常に可愛らしいが、このドット絵はアウザーの屋敷で肖像画として飾られている。
    これは本物のマリアの肖像ということかもしれない。
    また、古代城では王女のグラフィックとして流用されている。

ちなみに、パーティメンバーとも会話でき、その内容は以下となる。
エドガー「行ってやりなよ」
マッシュ「お?何でみんな歌ってるんだ?」
カイエン「どこへ行くでござるか?落ち着いて見よ」
ガウ「ガウ!」

Switch版で言語を英語にした場合、ガウのセリフは「Prety song!」となっている。かわいいのか…?


【控え室会話】
「おまえ…こんなに綺麗だったっけ…」
「ロック。なぜあの時、私を助けてくれたの?」
「好きになった女に何もしてやれずに失ってしまうのは…もうゴメンなだけさ」
「あの人のかわりなの…私は?」
「似合うぜ…そのリボン」

  • なおレイチェルのイベント見ずにここまで来た場合、
    「あの人のかわりなの…私は?」の台詞がなくなる。(PS版で確認)

いよいよ出番となり、セリスが舞台に出る。
無事に終えたところで、ロックはオルトロスの挑戦状を発見し、舞台の妨害を企てていることを知る。
オルトロスは舞台上からマリア(セリス)の頭上にオモリを落とそうとしていたが、
予定よりオモリが重かったために落とすまで5分かかっていた。
ダンチョーにウラカタさんに頼めば舞台上に上がれることを聞いたロックたちは
5分のうちにオルトロスのいる場所まで到着するが、「えーい。ちくしょー」の一言で
オルトロスと一緒に舞台真ん中まで落下し、マリアを巡って争っていた
ドラクゥラルスの役者が気絶してしまう。


舞台は中断し、客がざわめきはじめる。
「あの二人がのびてしまったら話が続かない!いったい誰の妃になったらいいんだい?」とダンチョーは頭を抱える。
その時ロックが起きあがり、舞台を続けるために機転を利かせ、
「セリスをめとるのはドラクゥでもラルスでもない!!」
「世界一の冒険家!このロック様だァァ~!」
と叫び、客もやんやの拍手喝采。


オルトロスも負けじと勝負を挑み、ダンチョーもどうにでもなれと舞台を続行させ、大団円の曲を流す。
決闘の末オルトロスは敗れ、「今日もだめだったか…タコですみません」と言い残して消える。
どんなものだとロックが笑っていると「待ちな!」「素晴らしいショーだったぜ!」と声がかかり、
セッツァーが舞台上から現れ、衣装を解いてセリスをさらっていく。
(ちなみに、セッツァーに捕まった時のセリスは、あの拘束シーンと同じ格好になっている)


ダンチョーもアドリブの口上で、
「意外な急展開!ロックの妃になると思われたマリアはセッツァーによってさらわれてしまった。
さて彼女の運命はいかに?パート2を乞うご期待ィーー!!」と締めくくり、
舞台は無事(?)大成功に終わったのだった。


ちなみに、低レベルクリアを目指す場合、あばれるのディオルベーダレッサーロプロスのいずれかが欠けた状態で入口のダンチョーに話しかけるとハマりとなり、(低レベル)クリアできなくなってしまう
くれぐれも話しかける前に、上記の習得チェックを怠らないこと!

劇の内容

  • ナレーション。
    西軍と東軍の戦いは
    日ましに激しくなっていった。
    西軍のガルー城の戦士ドラクゥは
    激戦の戦地で母国に残してきたマリアの事を思う……
  • 戦地のドラクゥがチョコボ兵に地面へ倒される。
    • ドラクゥの歌
      オー マリア
      オー マリア
      わたしの こえが とどいているか
      おまえの もとへ
      (ここでロックが動かして控え室のセリスへ会いに行く。)
  • 場面は変わって、マリアの城。
    • ナレーション
      西軍は破れ、マリアの城は
      東軍の支配下におかれた。
      東軍の王子ラルスとの結婚を強いられた
      マリアはドラクゥへの思いをすてきれず、
      毎晩夜空を見ては恋人をおもう……
  • マリア(セリス)の第一コーラス
    いとしの あなたは
    とおいところへ?
    いろあせぬ とわのあい
    ちかったばかりに
    かなしい ときにも
    つらいときにも
    そらにふる あのほしを
    あなたとおもい
    のぞまぬ ちぎりを
    かわすのですか?
    どうすれば? ねえあなた?
    ことばをまつ
  • ドラクゥの幻影(?)が現れ、マリアと踊る。
    ドラクゥが「はははは…」と笑い、花束へ変わる。
    マリアがその花束を取り、城の最上階のバルコニーへ上がり、花束を投げる。
    • 第二コーラス
      ありがとう わたしの
      あいするひとよ
      いちどでも このおもい
      ゆれたわたしに
      しずかに やさしく
      こたえてくれて
      いつまでも いつまでも
      あなたをまつ
  • 大臣がやってくる。
    「ラルス王子がおさがしです。ダンスの相手を。
    もうおあきらめください。我が国は東軍の属国になってしまったのですから……」
    マリアは名残惜しそうに夜空を見て、城の中へ入る。
  • ダンスの場面になり、ラルスと踊るマリア。
    (ここでロックがオルトロスの挑戦状を見つける。オルトロスのことを客席のダンチョーに知らせにいくと「なんですと!」の一言で場面が舞台へ)
  • ダンス場へ兵士がやってくる。
    『西軍の生き残りが攻めてきた!!』
    ラルス「なに!!」
  • 「かかれーー!!」のかけ声で東軍の兵士が乱入し、「待て!!」叫んだドラクゥがチョコボに乗って登場する。
    ドラクゥ)マリア
    マリア)ドラクゥ このひを しんじてた。
    ラルス)マリアは このわたしの きさきになる べきひとだ
    ドラクゥ)いのち つきはてよう とも はなしはしない。
    けっとうだ!
  • ドラクゥとラルスが戦う。
    (この後、オルトロスを止めるためにロックたちは天井裏へ上がり、舞台へ落ちて劇は中断する)

以上の科白から判るように、途中の選択肢は全て「ひらがなだけの科白」を選ぶのが正解。

  • 冒頭のナレーションは、ダンチョーによるものではない。その時ダンチョーはパーティと一緒に客席にいる。
  • 以下はオーケストラ版に収録されているもの。
    ラルス)わたしの まけだ ドラクゥ マリアを はなすなよ
    ドラクゥ)やくそくしよう かならず しあわせに
    ラルス)おおマリア おおマリア いとしい おおマリア おおマリア 愛せよ
    マリア)ありがとう わたしの あいするひとよ いちどでも このおもい ゆれたわたしに
    しずかに やさしく こたえてくれて 
    ドラクゥ・マリア)いつまでも いつまでも あなたをまつ あなたをまつ
  • 劇自体はなかなか良いものだが、セリフはリアルタイムで選択し、そのあとは時間制限バトルがあり、
    加えてセッツァーのイベントが終わるまでセーブができないと、結構忙しいため、落ち着いて見るのは難しい。

4回間違えるまでは芝居をやり直すことが出来る。失敗条件は。

  • 歌詞を間違える
  • ドラクゥとダンスの場面で上手く踊れない(ドラクゥについていかない)
  • バルコニーへ行かない(花束を投げない)
  • 時間切れ(曲が流れている間に一連の行動が間に合わない)

トチった瞬間にBGMが狂いだし、観客からブーイングが起こるが
おなじみのセリフで許されてしまう。
ちなみに失敗後はダンチョー曰く「芝居は何とか続けている」らしいので、他の役者達が失敗を必死でカバーしているのだろうと思われる。


覚える台詞が結構多いうえに似たような文言が出てくる為普通にやろうとすると中々ややこしいが、上記の通り正しい選択肢は平仮名で出てくるのに対し、間違った選択肢は漢字やカナ混じりで出てくるので、「平仮名だけのほう」と覚えておくのが一番手っ取り早い。

  • しかしそれを知らず、また台詞を完全に暗記していなくとも、ナレーションによるストーリーの要約や、台本に書いてある場面展開をよく読んで物語の内容をしっかりと把握していれば、不正解の選択肢は場面に対して明らかに不自然であることに気づけるだろう。

控え室では、コーラスの台本を読むことができるが、
「(この芝居を間奏の間にこなしてちょ。~ダンチョーより。)」なんて砕けた感じで書いてある。
このセリフもこんな雰囲気から出たのかもしれない。

  • この台本は崩壊後にもそのまま放置されている。
  • ここで流れる曲は名曲が多いが、以降使われない。残念。

ドラクゥが光りながら現れ、花束を残して消える。…どういう原理だ?まさか魔法?

  • 現実視点では照明とかの演出効果を駆使して視覚的錯覚を起こさせているのだろう……たぶん。

マリア(セリス)が花束を投げるシーンはPS版でムービーにもなった。

  • このオペラ、実は後半のこの場所でのイベントに係ってる。オペラでは花束を投げるのだが、ここでは…。

DDFF発売記念の 「Historical Compendium」のFF6にこれがある。


セリスやドラクゥが歌うシーンでは、機械音声を流すことによってあたかも「キャラが歌っている」かのようにプレイヤーに感じさせていた。
この歌が海外版ではどうなっているかというと、音声自体は日本版と同じであるが、
「いーとーしーの♪」という音声に「Oh my hero♪」という歌詞を当てるなど、
なるべく流れている音声と発音上も合致するように工夫して翻訳されている。
また、海外版(英語版)はGBA版発売の際にテキスト全体が見直されており、オペラ部分もSFC(SNES)版を踏襲しつつ新しい歌詞になっている。
後のピクセルリマスター版の英語歌詞は、GBA版の歌詞が採用されている。


ラストバトルのBGMと同じく、オペラの音楽は4つの楽章で構成されている。

  • 序曲
    • 文字通りのオープニング。この時点ではマリア(セリス)は登場せず、ナレーションに続いて戦場でドラクゥがマリアへの想いを歌い上げるパート。始まりから本当に「オ~」と発声しているように聞こえ機械音声の精巧さを遺憾無く発揮している。男声パートだが実はセリスのテーマのアレンジである。
      その後間奏となり、この間にロックが控え室のセリスの様子を見に行く。
  • アリア
    • 場面が城へと移り、マリアがドラクゥへの想いを歌う(そして想いすぎてドラクゥの幻影まで見る)パートである。
      まさに歌詞の選択肢を選ぶシーンであり、セリス(とプレイヤー)一世一代の見せ場がこの楽章に詰まっている。それもあってオペラの楽曲群の中でも最も象徴的な代表的楽曲。
      こちらもセリスのテーマのアレンジだが、ゲーム中でこのメロディが流れるのはこのオペラが最初なので、むしろこのオペラの楽曲というイメージの方が強い人も多いのでは。
      なお歌詞を無事選び終えてもそれで終わりではなく、この後ドラクゥの幻影と隣接してダンスし、さらにドラクゥの幻影から化けた花束を拾って階段上の踊り場まで移動し、歌と共にそれを投げ入れる。この移動操作もプレイヤーが行う必要があり、曲がその場面に入るまでに全て操作し終えないとやっぱり劇失敗になってしまうので要注意。
  • 婚礼のワルツ~決闘
    • 城でマリアと東軍のラルスの婚礼を祝う舞踏会が行われていたところにドラクゥ率いる西軍の生き残りが攻め入るパート。
      優雅なワルツから緊迫感溢れる決闘の音楽へと急展開するが、同時にロック達も劇を台無しにしようとするオルトロスの存在に今更気づき、天井裏への時間制限イベントが始まるという、ゲームともシンクロした曲展開が見事。
  • 大団円
    • めでたしめでたしとなる大団円……のハズだったのだが、オルトロスやロック達が舞台上に落ちてきて劇進行が滅茶苦茶になってしまい、このゲーム中で流れるのはダンチョーがヤケクソで演奏させたもの。本来のフィナーレとは全く別物のコメディタッチな音楽である。日本語タイトルは「大団円」だが、英語タイトルでは「Grand Finale?」となってるのがミソ。
      実質的にはオルトロス戦(2戦目)のテーマと言うべき音楽。
      無事オルトロスを撃退するとマリア(セリス)はロックと結ばれ…と思いきや、今度はセッツァーが自身のテーマ曲と共に乱入してきて(パーティの狙い通り)マリアだと思っていたセリスを連れ去ってしまう。
      それを追うロック達、果たしてマリアの運命は?パート2に乞うご期待~!(byダンチョー)
      なおパート2の開催予定は未定である。
      • ちなみに本来の劇次第では上記の通り、最後は一騎打ちの末紙一重の差でドラクゥがラルスに勝利し、ラルスは今際の際にマリアを必ず幸せにしろと言い残して果てる。
        そして無事再会を果たしたマリアとドラクゥが永遠の誓いをたてて正真正銘の大団円……となる筈だった。
        後に公式でこのオペラの音楽がアレンジ・演奏される際はこの「本来の」流れで収録されるのがお決まりになっている(つまりゲーム中で流れた対オルトロス戦版の「大団円」はカットされている)。
        なおこのパートもアリアのアレンジ、つまりセリスのテーマのアレンジになっており、最後までオペラとセリスのテーマは切っても切れない関係にあった。

セリフ/【一行には芝居の才能がなかった…】

FF6(ピクセルリマスター版)

劇パートがHD-2Dライクに表現され、立体的なステージを、カメラアングルを変化させながら映していくという臨場感のある見せ方になった。

  • HD-2Dは、背景にCGを交えることで立体的に見せたり、台詞を言うキャラクターにスポットライトを浴びせる演出などが加えられている。
    • スターウォーズがリマスター際に背景にCGで花火などが加えられた要素などが例に上げられる。

さらに劇中の歌唱は日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語・韓国語の7言語を収録した力の入れよう。
イメージ的にはアニーのミュージカルでの歌唱シーンに近い。


ピクセルリマスター版自体は12言語に対応しているのだが、生歌が収録されているのは上記の7言語である。
これはGBA版ですでにローカライズされている言語を優先して選びつつ、例外として韓国語を加えたらしい(ファミ通の記事より)。


なお「HD-2Dライク(HD-2Dのような)」という形容はゲームニュースの記事で使われていた言葉なのだが、確かにいわゆるHD-2Dの技術とは異なるようだ。
PR版のオぺラシーンを見ると、同一カット内では写している背景の角度がずっと固定であり、3D空間上でカメラを動かしているようには見えない。
技術的にはプリレンダリングと思われる。


生歌が使われているが、失敗パターンの歌詞も生歌になっている…わけではなく、歌詞選択を間違えた場合は「ホワホワ?」みたいな効果音が流れて失敗となる(「私も死にたい」「ラルスと結婚します」とかも人間の声で聴けるようになっていたら面白かったかもしれないが)。
また、劇中セリスをプレイヤーが動かす必要はなくなり、基本的に勝手に進行していくが、所々で「制限時間以内に決定ボタンを押す」というQTEが設けられており、押さなかったら劇が失敗になる。


スクエニチャンネルの動画『【FFVI】新生オペラ劇場【ピクセルリマスター】』によれば、
HD-2Dライクな演出に変えたのは、曲がクオリティアップしてしまうと、絵のほうが負けてしまうからという判断らしい。
生歌で7言語を収録するというアイデアは、植松氏の「冗談半分・まあ無理かな」くらいの提案であったが、
PR版プロデューサーから話を聞いた北瀬氏の「植松さんの言うことは全部聞いてやりな」という後押しで実現したという。
また、ドラクゥとラルスは実際にオペラ歌手に依頼したが、セリスは(素人という設定なので)あえてミュージカル歌手っぽい歌声の人を選んだとのこと。

  • PS版と比較すると上手すぎる部分があり
    ピクセルリマスターでは他の演者と比較すると下手さ加減が出ているのが見られる
  • オペラのコーラス組は妖星乱舞のコーラスにも参加している。

ちなみにシャカシャカしていた指揮者や演奏者の動きはスローになり、だいぶ自然な見た目になった。
また、オペラを見ている観客の後ろ姿もわかりやすく描き直された。


しかし、ファンとしては「どうせならオペラだけと言わず、FF6をまるごとHD-2Dリメイクで見てみたい」と感じなくもなかったり。

  • HD-2Dライクでの演出はオクトパストラベラーでの演出を取り入れた部分があり、再リメイクされるドラクエ3での実装も予定されている。

どうせ生歌が使われるなら、桑島法子さんに歌って欲しかったね。

  • シリーズ全体としてのを考えると「そういうこと」なのだろうという気はしてくるが、こういう期待もわかるというもの。
    と、ここまでしっかりオペラするなら、いっそ前説から強引な締めまでフルボイスで行ってしまってもよかったのではとも思えてくる……が、上のほうで言われている失敗パターンのことを考えるとこれも無理があったか?

サウンドプレイヤーに収録されているのはインストゥルメンタル版のみであり、ゲーム中で生歌が聴けるのはイベント時のみとなっている。
サントラにはちゃんと7言語+インストゥルメンタルの8バージョンが入っている。