FF30周年を記念して少年ガンガンに連載されている漫画作品。原作は水瀬葉月、作画は亀屋樹。
スクエニ社員でプランナーを担当する佐々木正吾(ショーゴ)と、同じくスクエニ社員で営業部所属の妹の夕子(ユーコ)。
二人は憧れのFFの制作を目指して入社したが、4年目にして未だFFの事業に携わることは出来ずにいた。
変わり映えしない日々をぼやく正吾を夕子が励ました後、ランチタイムに道路に飛び出した瞬間、トラックに二人共はねられ死亡。
…と思われたが、どういうわけか「謎の」FF世界へ転移し生還。そこで出くわしたモーグリやチョコボ、そして冒険者である戦士や白魔道士達と共に、二人は全く未知のFFを体験することになる。
舞台の雰囲気としてはFF11やFF14の延長線といったところ。
ケアル・ギルやジョブなど、既存のFFと共通した要素こそあるが、ミコッテやララフェルのような種族は本作の世界では別の名称で呼ばれている。
その辺りの違いに、正吾は自分の脳内アルティマニア…FF知識との齟齬を感じている。
- そして最大の差別点はなんと言っても、本作の世界に「レイズが存在しない」設定である。
このことが後の正吾の冒険に深い影を落とすことになる。 - その他細かいFFネタが満載であり、ファンならばニヤリとするところもあるだろう。
ただ、FF世界に転移した主人公が良い年したスクエニ社員という設定には賛否両論が上がっている。
- ぶっちゃけよくある異世界転移ものであり、それをFFに当てはめただけの凡作である。
正吾自身も転移の過程でライブラらしき能力を身につけており、それを所謂「鑑定チート」のように扱っている場面もある。 - 少年少女にしちゃうとFFTAと被ってしまうという問題があるので…。
FF11や14の延長線と思いきや、割と歴代シリーズのネタがてんこ盛りで、良くも悪くもFF知っていなければ笑えないネタが多い。
またミシディアやメーガス三姉妹などシリーズキャラクターも多数登場している。
- それ故に人を選ぶタイプの漫画で、凡作という人もいれば絶賛している人もいる。
この漫画の話のタイトルは、全てFFの曲名から取っている。
シリーズ常連の魔法の詠唱文は、FFTのものを丸々採用している。
なんでこの漫画は主人公の転生先の異世界をいつもの剣と魔法の中世ヨーロッパ風の異世界にしてるんだろう。
せっかくFFを題材にしてるんだから、FF7・8・15みたいな(少なくとも一部は)現代風の異世界にすればいいのに。
せっかくFFを題材にしてるのにFF独自の世界観に近づけず、他と同じことやってどうするんだ。
主人公が現代人なのに現代風の異世界に行ってもしょうがないってことなら、主人公を現代より何百何千年も前の時代の人間にすればいいのに
- 異世界ものの基本として、読者に向けた「未知の世界の案内人」の役割を担う主人公は現代人である必要がある。
逆に主人公を異世界人あるいは過去の世界の住人にする場合、転生先は現代そのものになって反応のギャップを楽しむ作品になる。
主人公か世界のどちらかを現代に近づけないといちいち解説を入れなければならず、作品のテンポが悪くなりがちだからだ。
そしてFFで異世界ものと言うと、FF10でアジアンテイストではあるものの「機械も存在する現代に近い異世界もの」は既にやっている(現代っぽい世界からスピラに放り出されたティーダは、古典的な異世界ものの導入と同じ)。
また、FF世界は独自の世界と言っても作品によって設定がまるで違っていて統一されておらず、むしろそのバラバラ感こそがFF世界の独自性とも言えるのだが、それを表現した異世界ものにもFF:Uという前例がある。
前例と被らず、なおかつ異世界ものとしての基本を抑えてわかりやすい物語を…と考えると、大体こんな感じになるのではないだろうか。
完全に独自世界をまたいちから創造するならそれこそゲームやアニメでやれよとなるので、少人数で作る漫画でやる以上はある程度のシンプルさが求められるのだろう。