設定/【デュライ白書】

Last-modified: 2024-04-09 (火) 11:22:21

FFT

オーラン・デュライが執筆した、獅子戦争の真実を綴った文書。
新たな教皇を選出するクレメンス公会議の場で公開されるが、
真相の暴露を恐れたグレバドス教会はその場でオーランを逮捕すると“異端者”として火刑に処した。
その後、回収されたこの書は長い間教会の手により隠匿されることになる。
400年後、教会によって『デュライ白書』が公開され、歴史学者アラズラム・J・デュライ
『デュライ白書』の解釈をめぐってグレバドス教会ミュロンド派と激しく対立した。
その中でアラズラムが執筆した書の一つが『ブレイブストーリー』である。

  • オーランとしてはラムザやオルランドゥの汚名をそそぎたかったのだろうが、
    よりにもよってオルダリーア国内の独立運動が発生したのと同時期に公開しており、
    当然ゼラモニアにいるラムザ達がオーランの危機を察知する事など出来るはずもなく、
    オーランは処刑されるという結果になった。
    ラムザがイヴァリースにいたとしても助けに行けたかは何とも言えないし、
    オーラン自身も覚悟はしていたのだろうが、最悪過ぎるタイミングで公開したような気がしなくもない。
  • 押収したんだったらそのまま焼いてしまえばいいものを、わざわざ保管してたってことは、当時のグレバドス教会側もルカヴィについてそれは怪しげな伝説ではないって情報をもってて、万が一のルカヴィの再出現等への対策用として残さざるを得なかった、ってな面もあるのかな。
    • 後年の設定も踏まえると、教会だけでなくルカヴィを産み出した存在が自分達の存在を人間に悟られるのを忌避しつつも、人間が闇の異形者に対抗できるよう手段だけ残すように干渉した結果として隠匿にとどまったのかもしれない。
    • 上層部が「じゃあ、聖アジョラとは何者で、彼が起こした奇跡とはなんだったのか?」という疑問を持ち、教会が秘密裏にそのことを調べてて、その資料として秘匿してたというところだろうか。
      それに書物に書かれてる教会に不都合な物証を探し出して抹消するのに役立ちそうでもあるし。
    • 教会の正統派解釈としては確かに異端扱いされたかもしれない。しかし、教会の中にも真相を知っている者、本書の記載内容に共感を持っていた者、正統派解釈には疑問を持つ者、あるいは正統派解釈に与するも本書の資料的価値については理解を示す者など、様々な立場の人間がいたのであろう。そういう者の手により、密かに保管されるような形で滅失の危機を逃れたというのが真相ではないだろうか。
    • イヴァリースには元々ルカヴィが伝承の怪物として語り継がれていた。それと教会が密接に関係している、しかも教皇暗殺にも絡んでいる、そんな内容の証拠にもなりうる書を燃やしたなら完全に教会の権威は地に落ちる。内容の公開前に抑えたとはいえ、時期的に教会内部がガタガタで最終的な扱いを判断する責任をだれが負うのかでも揉めることになったのではないか。
  • 聖石や聖アジョラの正体が怪物だったというだけでも十分すぎるほど教会にとって痛手だが、俄かには信じ難いであろうルカヴィを始めとする人外の存在に関する記述を抜きにしても、
    ・畏国における権威の強化を目的として五十年戦争で疲弊した畏国で獅子戦争を誘発
    ・戦乱の陰で有力者を神殿騎士団を使い次々と抹殺
    ・暗躍の事実を知ったラムザ一行を異端者認定する事で社会的に抹殺
    ・事が露見&実現しなかったのは神殿騎士団の暴走によって関係者全員が皆殺しにされ計画が御破算したから
    と教会が完全に言い逃れできない数々の所業が記されている代物。例えアラズラムの時代の教会が(現代日本における宗教団体のような)実権を一切持たない団体になっていたとしても、対立するのも宜なるかな。
    • とまあ、世に出ればグレバドス教会(少なくてもミュロンド派)にとっては大打撃になるのは確か。しかしそもそも「ミュロンド派」となってるのはシモン先生みたく、獅子戦争時代に幅を利かせた集団に反する集団が出たという事でもある。
      まして既に教皇が暗殺されオーランが公表したのもちょうど新教皇制定の時。この騒動から殺されてなくてもデュライ白書の事を(真偽は別として)知った者も出て内部紛争があった可能性も高い。
      「激しく対立した」で済んだのも、ミュロンド派の弱体化や民衆の目だけでなく、アラズラルを擁護した派閥(=デュライ白書が公表されることで利が出る集団)がいたことは確かだろう。

オーランがかつてラムザに誓った「命を賭した戦い」の証にして、全ての始まり。
この書物があったからこそFFTという勇者たちの物語(ブレイブストーリー)が幕を開けたのだ。


なお本書は、教会のいうとおり偽書である可能性も当然存在する。
根拠としては
・貴族として生まれたオーランが、逆賊として追われる身になった5年後に刊行した本である。
・最終決戦など証人がいたとは思えない状況が多々ある。
・ゲルモニーク聖典の内容まで著述できるのは本編の内容とも矛盾する。
・逆賊シドルファスが偽物であったという点が事実かは疑わしい。
(事実だとしても証拠が残るはずがない)
・著者オーランと義父シドが戦う場面は史実に残らない場所ばかりなうえ、強すぎる
・オーランが異端者に対し「君には仲間がいる、僕もその仲間だ」と部下の前で叫んでいるが、事実だとしたらこの時点で問題である。
・研究している人物が直系の子孫と思われ、解釈にも偏りがある可能性がある。
などなど。

  • ゲーム本編の描写は、デュライ白書を元にアラズラムが執筆した「ブレイブストーリー」という書物の内容という設定。
    つまり我々プレイヤーが目にしたもの全てがデュライ白書に記されていたわけではなく、アラズラムによる脚色が為されている可能性が高い(特に先祖の強さ・オーランの台詞などはオーラン本人が書いたとしたらだいぶイタい(笑))。
    というかオーランの知らない所で起こっているエピソードが大半なので、ブレイブストーリー自体「デュライ白書を元にした半フィクション小説」なのかも知れない。
    ルカヴィについても(描写を見る限りは)オーランは知らなかったはずなので、デュライ白書の中で黒幕とされた教会にアラズラムが配慮して「教会を傀儡にしていた更なる黒幕」として追加されたのではないだろうか。
    • 歴史研究的に言えば、そもそも「一冊の本を元に歴史を語る」という事自体があまりよろしくない。
      オーランがどれほど公平であろうと務めていた所で、一人の著者による記述は当然心理的にバイアスがかかるし、知り得る情報にも限りがある。
      ……とは言うものの、史料として残る書物が少ない(特に中世以前は、平民が書物を残せる程の教養がない場合が多く、書物を残そうとする人間が少ない)と言う事情から、一冊の本に頼るしかない、と言う状況も多々ある訳だが。
    • 「400年前」だと我々日本では江戸時代初期になるのだが、未だに歴史は解明されきっておらず、今も『新事実』『事実と思っていたことが嘘だった』と言う事が日常的に起こり得る。
      現代の洗練された学問体系で、数多くの歴史研究家が研究に当たっているにも関わらず、である。
      いわんやイヴァリースと言う中世世界となれば、魔法的な何かしらを差し引いても完全な史実を調べるのは難しいだろう。
    • デュライ白書をブレイブストーリーのたたきにしているのは間違いないが、それ「のみ」を原資料としていると決まっているわけでもない。アラズラムが真っ当な歴史学者であるなら、他の一次資料等から裏取りをして整合性を確認し、明白に誤りであることがわかるデュライ白書上の記述を黙殺しブレイブストーリーに転記していない可能性も十分にある。もちろん、アラズラムが本当にデュライ白書ただ一冊から話を膨らませた(歴史作家と紙一重のアヤシイ歴史学者である)可能性もある。つまるところ我々プレイヤーが眺めているのが「ブレイブストーリー」であり「デュライ白書そのもの」を拝む機会がない以上、ブレイブストーリーの信憑性・真実性については論議不可能と言って良い。
  • ゲーム本編のブレイブストーリー内アラズラムの項目によると、アラズラムとグレバドス教会の間で歴史認識について激論が交わされた模様。
    アラズラムの発表した「歴史」は、少なくともアラズラムの時代の教会にとって(真偽はともかく)無視できる内容ではなかったようだ。
  • 可能性ということなら、ラムザ達と再会したかもしれない。というか再会できたからこそ白書が作れたと自分は解釈した。主張も理解できるが、難癖に近いというか結論ありきというか。
  • 公式にラムザたちは帰還しており後まで生存していると結論付けられたので、ディリータに仕えていたオーランが接触することは十分可能だったと思われる。特にアズラズムがブレイブストーリーに教会と渡り合うだけの説得力を持たせるのならゲルモニーク聖典の内容について精通していなければならず、これが可能なのはラムザに会う以外ないと思われるから(たしかゲルモニーク聖典は神殿騎士が保有していたはず)。なのでデュライ白書にラムザたちの協力は必要不可欠であったと考えられる。

FF14

外部関連項目→ジェノミス・レクセンテール#真実の書「デュライ白書」


ガレマール帝国に伝わるイヴァリース伝説にまつわる真実を書いたとされる書物。
執筆当時に既に禁書指定されており、オーランの子孫はその写しを代々継承してきた。
この書物に記載された真実は、アライアンスレイド「リターン・トゥ・イヴァリース」のストーリーを通じ明らかになっていく。