お題「キョンがカレー屋のせがれだったら」 (129-303)

Last-modified: 2010-06-25 (金) 01:27:19

概要

作品名作者発表日保管日
お題「キョンがカレー屋のせがれだったら」129-303氏、305氏、316氏10/06/15~10/06/25

お題 (303、305氏)

キョンがカレー屋のせがれだったら
SOS団の集合場所に使えたり
ハルヒと長門がそこの常連になりそう

 

ハルヒ「キョン~何時もの奴~♪」
長門 「…何時もの。」
キョン 「…お前等、常連になるのは良いが少しは遠慮しろ。」

作品 (316氏)

「ようキョン」
「お邪魔します」
「よ、国木田。らっしゃい」
「おいコラキョン、誰か忘れちゃいねえか?」
「おお、すまない。忘れてたぜ谷川。」
「違うよキョン、谷本だよ」
「お前ら楽しいか、ええ?」
「冗談だ谷口、あまりマジになるなよ」
「ささ、今日はまた振られた記念のヤケ食いなんだしさっさと食べて帰ろうよ」
「余計なお世話じゃ!キョン、いつもの頼むぜ」
「いつものなんて言っても解らないよ、キョン。カツカレーの大盛りと野菜カレーの並頼むよ」
「あいよ、待ってな。いらっしゃ・・・ハルヒ!お前どうして」「あら、キョンじゃない。バイトしてたの、SOS団団長としては見過ごしちゃおけないわね。」
「バイトも何もここ俺ん家なんだが・・・」
「げっ涼宮かよ!ああ神よ、傷心の美少年に追い打ちかけるなんて
なんと無慈悲な仕打ちなのですか!!オロローン」
「谷村、店内で拝んだり泣くのは迷惑だからやめた方がいいと思うよ。」
「何だ、アホの谷口か。まいいわ、キョン、あたしビーフの特盛ね。団長特権でお代は9割引きにしなさい!」
「お前もアホの事言えないぞ」パン
「痛っ!団長をメニューではたくなっ!」

カレー屋の息子キョン その2 (360)

「今日は静かよね」バクバク
「雨だからな、それよりハルヒ、食べ過ぎだ。何皿重ねるつもりだよ」
「だってあんたのお母さんのカレーが美味しいからじゃない。あんたのもこの位辛い味付けだったらよかったのに」
「悪かったな、俺のが口に合わなくて。ホラもう一皿」
「ハルにゃんジュースのお代わり飲む~?」
「ありがと、妹ちゃん。ン~美味しい。全くこういういい子の兄貴がこんなに生意気だと
慈悲深い団長様ならともかく他の客が逃げるわよ」
ガチャ チャリーン チャリーン
「お、佐々木いらしゃい」
「やあ、キョン。全く雨天というのは度し難いもので
雨宿りがてらカレーをご馳走になりに来てしまったよ」
「キョンさん、ご馳走になります!お金ないけど・・・」
「----とても-----素敵なお店ね-----」
「・・・・用心する必要があるわね」
「ン、何だハルヒ、またお代わりか?」
「何でも無いわよ、フン!さっさと佐々木さん達、もてなしてきたら?」バクバク
「・・・何怒ってんだ、あいつ。とりあえず橘には後で皿洗い手伝ってもらうか」

カレー屋の息子キョンその3 (377)

「クー・・・キョンのバカ・・・ムニャムニャ・・・
「やれやれ、寝ちまったよ。もう閉店時間なんだがいつまでここにいるつもりなんだか」
「キョン、雨もどうやら上がって来たみたいだ。それでは僕達はここでお暇させて貰うよ。
勘定してくれ」
「美味しかったですよ、キョンさん!それでは私はこれで」
「待て待て、うちじゃ食い逃げは許さないルールなんだ。
足りない分は・・・」
「----わたしが----立て替える----」
「ありがとうございます九曜さん!」
「それではご機嫌ようキョン
涼宮さんの事、頼んだよ。クックック。」
「そうは言うが、起こしたら店が潰されそうなんだが」
「僕はロマンチストと呼ばれる人種程自惚れはしないが
眠ったお姫様を目覚めさせるのは王子様のキスだよ」
「カレーまみれの口元を塞げって?冗談じゃない」
「そのくらい拭ってやりたまえ、どうも君には女性に対する気遣いに欠ける所が見受けられる。気をつけた方がいい」
「一応ご忠告は受け取ろう、じゃあな」
「また会おう、行くよ橘さん、周防さん」
「はいっ、また食べに来ます!」
「-----おいしかった----」
「有り難うございました~また来てえ~」
「また来て欲しいやら来て欲しくないやら(特に橘)やれやれ。それじゃ片付けるぞ、俺はハルヒのやるからお前は佐々木達の食器を頼む」
「うん!」

「カレー屋キョン家」 (403)

「キョンくん、お店のお掃除終わったよ~」
「ああ、サンキュー。後は俺と母さんでするからお前は先に風呂入って寝ていような」
「私もハルにゃんと遊びたいよ~」
「今日はやめといた方がいい。起こしたらライオンさんみたいにグワッと噛み付いて来てそりゃ怖いんだぞ-」
「でもハルにゃんそんな事するかなぁ~?」
「もうちょっと大きくなったら解るさ。さ、帰りに買ってきたでっかいプリン、冷蔵庫にあるからそれ食べていいぞ」
「ほんと、やったぁ~!おやすみなさい、キョンくん!」ドタドタ
「おい、ちゃんと寝る前にうがいするの忘れるなよ!さて、残るはこいつか。」
「zzzz・・・クー・・・」
「寝顔が安らかで何よりなんだが朝までこのままなのかね、全く
親御さんに電話して来るか」
「ハルヒちゃんの家への電話なら仕込みも一緒に母さんがやっておくから
あんたはハルヒちゃん見てなさい」
「母さん、だけど」
「明日は学校休みなんでしょ?せっかくだからお泊りして貰おうかしら。せっかくのうちの看板娘だし」
「いつからハルヒが看板娘になったんだよ?」
「もし万が一の事があっても避妊はちゃんとしなさいよ
母さんも割とあんたを産むのは早い方だったけどあんた、そんな甲斐性無いでしょ?」
「何言ってんだ、さっさと厨房に戻れよ」
「はいはい」
「ったく、どいつもこいつも。」チラ
「・・・キョン・・・zzzz・・・」
「・・・失礼するぜ、きったねえ口元」フキフキ
「今毛布持ってくるから大人しく寝ていろよ。団長様のお守りの雑用係としてずっと見てるからな」
 
 
こうしてカレー屋の夜は明けるのでした。

カレー屋キョン家:長門+αの場合 (434)

ガチャ チャリーン チャリーン
 
「いらっしゃいませ、よう長門」
「・・・お出まし」
「私も忘れないでください!」
「おー、朝倉。よく来たな
まあ二人とも座れよ」
「スパイシーカレー特盛、超辛。お願い」
「あいよ、朝倉はお子様ランチでいいか?」
「キー!そんな物メニューには載ってませんよ、ブッ刺されたいでs」
「・・・・」ギロ
「・・・ク、わ、解りましたよ長門さん
でもね、私だってカレー食べたいのですよ」
「そりゃ悪かったな。じゃ+ハーフサイズのカレー、でいいか、長門?」
「問題無い」
「フウ、私だってね、体が元にさえ戻ればキョン君の一人や二人、赤子の手を捻るより楽なのですよ」
「元に戻っても刃傷沙汰は勘弁して欲しいもんだな。
あんまり柄じゃ無い事言うがカレー屋に血は似合わないし、
いつだっただろうかお前に食べさせてもらったおでんは美味かったよ。
また食わせて貰えば嬉しいかもな」
「な、何を言ってるのですか! いつかきっとキョン君は始末して見せるのですよ、ですから私たちの為に早くカレー持ってきなさいなのです!」
「へいへい、出来ればそんな事が起きない事を祈るさ」
「彼は私が守る」
「そんな口が叩けるのも今のうちなのですよ!く・・お水のポットが重いのですよ!」
「貴女は注がなくていい、こぼれる
「おい、朝倉がポットに張り付いたままだぞ」
「ひぃー!そんな高く持ち上げないで、落とされるー!」

カレー屋キョン家:ザ ネクスト モーニング (464)

「ようハルヒ、おはようさん」
「あんた自分の部屋にあたしを運ぶなんて何事よ、起きた時ビックリしたわ!
まさか寝てる間に変な事したんじゃないでしょうね!?」
「すまんが少し静かにしてくれ、他にもお客さんが居るんだ。
仕方ないだろ、他に部屋も無かったし、あのままカウンターに突っ伏したまま置きっぱなしにしてたら
今頃格好の注目の的だったと思うが」
「かなり怪しいわね、エロキョンの事だし否が応にも身の危険を感じるわ」
「ほっとけ、それより朝飯はちゃんと食べたか?」
「一応はね、何よ、「カレー置いてるからチンして勝手に食べろ」だなんて書き置きなんかして。
団長に対する敬意が果てなく足りないわ!」
「そうかい、悪いが次のオーダーがあるんだ。また後でな」
「ちょっと、待ちなさい!」
「身支度済んだら帰っていいぞ、じゃあな」
「何よ・・・礼の一つ位言ってあげようとしたのに、バカキョン。」
 
「オーダー、以上でよろしいでしょうか?」
「うん、お願いね。ねね、それより君、あたし達と同じ高校生?」
「はい、一応は。」
「ちょっとまた逆ナン-?あんたも懲りないわね」
「いーじゃん、この子可愛いんだもん。じゃあさじゃあさ、彼女とか居る?」
「そうですね-、今はいないですね。所謂フリーって所かな」
「そーなんだ、よかったら後で携番教えるからさ、あたし達と遊びに行かない?」
 
ガヤガヤ
 
 
「・・・・」ジー
「あらおはようハルヒちゃん、よく眠れた?」
「お、おば様!?おおおはようございます、昨日は有り難うございました。
それでちょっとお願いしてもいいでしょうか?」
「はい?」
 
 
「母さん、窓際15番席のオーダー入るぞ。えーと・・・ポークとチキンカツそれぞれ大辛とだな、後は」
「その席ならあたしが持って行くからあんたは他の席の注文取りなさい!
込んでるんでしょ?」
「ハルヒ、どうしたんだうちのエプロン付けて・・・帰ったんじゃ無かったのか?」
「あんたの接客さっきから見てりゃ女の子相手にデレデレしてて
恥ずかしいったらありゃしないわ、SOS団団長として!
あんなチャラチャラとした奴らに雑用係とはいえ、引っ掛かったら我が団の名折れよ!
解ったらさっさと行きなさい、待たせたら客商売失格よ!」
「別にそんな気はないんだがな、けど手伝ってくれるなら助かる事に違いは無い。ありがとな」
「大いに感謝しなさい、後でデザートのスペシャルプレジデントパフェ、あんたに奢ってもらうんだからね!」
「へいへい」
「それと・・・」
「ン?」
「・・・ありがとね」ボソ
「なんつったぁ?」
「何でも無いわ、とっとと次のオーダー行きなさいよ!」
「解ったよ、やれやれ」
 
とあるカレー屋でのごく小さなカップルのやりとりであった。

カレー屋キョン家:ナロウ スペース (499)

ガチャ チャラチャラーン
 
「こんにちは」
「お邪魔しますっさ!」
 
「あら、ハルヒちゃんいらっしゃい、お友達連れて来たのかしら?」
「ああ、部活の顧問なんです」
「鶴屋と言いますっさ、よろしくお願いしますっ!」ペコッ
「こちらこそ、キョンの母です。いつもうちの息子がお世話になってます
ささ、好きな席に座って」
「おば様、あたしは激辛ビーフカレーでお願いします、鶴屋さんは?」
「う~ん、あたしはあんまり辛いのは好きじゃないから野菜カレーの辛さ控え目とサラダでいいっさ
ところで、スモークチーズは置いてあるかいっ?」
「食後のメニューに載ってるわよ」
「本当かいっ?じゃあそれもお願いするっさ」
 
「わ~、ハルにゃんと鶴ちゃんだ、いらっしゃい!」
 
「こんにちは妹ちゃん、キョンはどこに居るか知らない?」
「キョン君ならね~お友達と遊びに行くってお出かけして今いないよ~」
「そうなの、お店の手伝いもしないで。バカキョンの親不孝者」ヨシヨシ
「あっはっは、それは違うわよハルヒちゃん、単に今日は暇だから休みにしただけなの」
「キョン君に会えなくて残念にょろね。ハルにゃんっ」
「そんな事無いわよ、あいつったらいたらいたでやたらうるさくって食が進まなくって困るのよね」、下っ端の癖して」
「そうかいっ、どんな風にうるさくなるにょろ?」
「例えばね」
「はい、ハルにゃん。お冷」
「ン、ありがとね妹ちゃん」グビッ
「ハー・・・生き返るわ」
「ハルにゃんちょっと親父くさいにょろ」
「るさい、話を戻すけどこのあたしがスパイスを入れ物に入ってる分丸ごとカレーに投入して
そこにタバスコと唐辛子を一杯入れようとしたら止めたり生中飲もうとしても全然出してくれなかったり融通が利かないのもいい所よね」
「それはハルにゃんがちょっちやり過ぎだと思うにょろね」
「それだけじゃないのよ、前あたしがお店の中で味とかサービスにイチャモン付けて自分じゃ何もしない客をボコッてやろうとしたら割り込んで
そいつに頭下げたりして・・・馬鹿なんじゃないかしらって思ったわ。結局それ以来その客来なくなったけど」
「穏やかじゃないにょろね・・・けどキョン君はよく耐えたと思うっさ、あたしならぶん殴ってた知れないっさ。」
「ハルにゃん」
「大丈夫だよっ、妹ちゃん。ハルにゃんだってキョン君を責めるつもりで言ってるわけじゃないにょろ。」
「ああ、ごめん鶴屋さんと妹ちゃん。やっぱり湿っぽい話なんてお腹空いてる時にするもんじゃないわ。
そんな事より接客してる時のあいつったら女の客相手だと心なしか鼻の下伸ばしちゃって節操無いんだから、あのエロキョンは」
「ハルにゃん」
「わかってるわよ、次あんな事があったらあたしに言うよう釘を刺してやるわよ。泣き言があったら幾らでも聞いてやるって」
「さすがは団長にょろね」
「当然よ、団長たるもの下っ端でも一応あたしの団員なんだからね!人の上に立つ者は器もでっかいのよ!」
「ハルにゃんすご~い」
「うんうん、キョン君も幸せ者にょろ。あたしの家にも一人ハルにゃん欲しいっさ!」
「お待たせ、二人ともゆっくり食べて頂戴♪」
「じゃ食べるわよ鶴屋さん!おばさん、いただきます」
「戴きますにょろ、ハルにゃん将来はここの看板娘にょろね」
「まっ」フッ
「ちょっ、何て事言うのよ!あたしはそんな先の事なんて」
「あはは、ハルにゃん食べる前から顔真っ赤だぁ~」
 
 
息子の居ないとあるカレー屋でのやり取りであった。

カレー屋キョン家:デイ バイ デイ (539)

ガチャン チャラチャラーン
 
「来てやったわよバカキョン!」
「世話になる」
「ようハルヒ、長門も。つか、もう少し丁寧にドア開けられないか?部室じゃないんだから」
「何よ、そんなにヤワなもんじゃないでしょ?自動ドアにでも作り変えれば良いじゃない!」
「そんな金うちにはねえよ、そっちの方が便利だろうけど」
「ふうん、まいいわ。有希、座りましょ!」
「・・・」コク
「有希、どれにする?」
「スパイシーカレー、超辛。LLマウンテンサイズ」
「最初から飛ばすじゃない、あたしも負けてられないわ!
キョン、あたしも同じもんにしてもらうわ!」
「おいおい、まさか」
「そのまさかよ!どっちが多く食べられるか、有希、勝負よ!」
「合点」
「頭痛がしてきた・・・よりによってこいつらがやるとウチ廃業になるぞ」
「何ゴチャゴチャ言ってんのよバカキョン、早く持ってくる!」
「駆け足」
「やれやれだ」ダダダ
 
 
「さてと、あのバカキョンの速さだとすっごく待たされるようだし、それまで精々くつろぐとするわ」ペラ
「それは?」
「ああ、レディースファッション誌よ、有希はこういうの、興味ある?」
「ない」
「だと思ったわ、けど有希って結構可愛いから制服だけじゃなくてオシャレすれば化けるわよ~、きっと」
「そう」
「良かったら明日にでも近所のデパートに一緒に行こうかしら?このあたしのスタイリングに任せなさい!
ダイヤの原石だって磨けば輝くのよ、勿論キョンも来て貰うわ、荷物もちで」
「そう、わかった」ガサゴソ
「ン、またハードカバーの本?本当好きよね、有希ったら。
でもね、カレーが来たら鞄に仕舞いなさいよ、本を汚すから」
「善処する」
「それと水は飲むかしら?必要なら取ってきてあげるわよ」
「ありがとう、あなたは優しい」
「当然じゃない、大事なウチの部の団員なんだから。それにね、あんたは人一倍放っておけないのよ」
「・・・そう。貴女は彼と同じ事を言う。」
「キョンの事?そういやあいつったらやたら有希を気にかけてるわね。
もしあいつに変な事されたらすぐあたしに知らせなさい、
有希に手を出したらその時はどんな刑罰を課してやろうかしら」
「彼はそんな事はしない、それが彼のいいところ」
「だとしても節操の無いのは困るわよ、アチコチで変な真似してこっちにまで飛び火したら部のコケンに関わるわよ」
「・・・一部には同意する」
「それにね、そのくせ時々あいつ変にあたしに気を回すからあんたはあたしのママか、って突っ込みたくなっちゃうのよね」
「母・・・それは貴女・・・優しい」
「よしてよ有希、あたしはそんなに年食って無いわよ。じゃ、お水取ってくるから待ってなさいよ」
 
「・・・やはり貴女は母・・・」

カレー屋キョン家 ファザーズ デイ (576)

ガチャ チャランチャラン
 
「ようハルヒ、来た・・・どちら様で?」
「ああ、ウチの親よ。3人分席、取っておいて」
「父です、全くハルヒが突然来いって言うからどこに行くかと思えば、ハハハ」
「どうもキョン君、初めまして、ハルヒの母です。お話は聞かせてもらってますよ」
「ど、どうも・・・キョンです。いつもハルヒさんにお世話になっております。」
「ガハハ、そんなかしこまらんでいいよキョン君。逆にこっちが世話になってる位さ」
「ウチの娘って大層手が掛かって大変でしょう?」
「いえ、そんな」
「ちょっと親父、ママ!早く!」
「これだよ、そそっかしいだろ?じゃあ今夜はご馳走になるよ」
「慌てる事無いわよハルヒ、カレーは逃げはしないわ」
 
「え~と、以上でご注文お決まりでしょうか?」
「一度言えば十分でしょ、さっさと持ってきなさいよバカキョン!」
「こらハルヒ!ごめんなさいねキョン君」
「いえ、全然。いつもの事ですから、フフ」
「ガハハハ、気に入ったよ。男は余裕を持ってなくちゃな。じゃあお願いするよ」
「はい、では後ほど」
 
「親父、ちょっと話があるの」
「ン、話って何かあったかな?」
「お父さん、今日はあの日ですよ」
「あの日?う~ん・・・母さん、ペットボトルの日だったかな」
「ゴミの日じゃありませんよ」
「ボケ親父!よりによってゴミの日と間違えるなんて何事よ!
・・・・ホ、ホラ!これで解るでしょ?」スッ
「ホホ、ネクタイか・・・・おかしいな、まだ誕生日は先だったと思うんだが」
「お父さん、父の日ですよ、今日は」
「・・・おお、そうだったか!ありがとうな、ハルヒ。どれ、成長したお前の乳もついでに・・・」バコッ!バコッ!
「お父さん、ボケが過ぎますよ」
「エロ親父!」
「う~む、ツインでラリアットはキツい・・・」ピヨピヨ
「もう、最初から言ってくれればこんな間違いしないで済んだのに」
「お父さん、ハルヒは恥ずかしいからそんな素直に言うような子じゃありませんよ」
「そういう訳じゃないわよ、母さん。ただ、二人とも働きに出てて家でも
こんな風に3人揃う、なんて事滅多に無いでしょ?だから3人揃った時は
家族で美味しいお店で食べられたら、って考えてたのよ」
「本当か?」ニヤニヤ
「何よ馬鹿親父、言いたいことがあるなら言ったら?」
「十中八九キョン君だろ?」
「ッ!バ、そ、そんな事ないわよ!」
「顔真っ赤だな、隠さなくていいぞ。父さん鋭いだろう、なあ母さん」
「ホント、家に呼んでくれればいつでも歓迎するのに」
「お待たせしたした」
「遅い、罰金!」
「こらハルヒ、私達はお金を払う側でしょ。全くごめんなさいね、フフ」
「そうだキョン君、良かったら今から君も一緒に食事しないか?」
「へ、今から!?でも俺仕事がまだ」
 
「キョンく~ん、すみません。ここは私達に任せて行ってください」ニコッ
「朝比奈さん!?そのエプロンは・・・それに奥に見えるのは古泉、長門まで!?」
「どうも」ニヤ
「・・・」コク
「・・・」ニッ
「母さん・・・でも朝比奈さん達には」
「わ、わたし達なら心配いりましぇん!これでも一応焼きそば喫茶とかやってたんでしゅからお仕事がんばりましゅ!
ですから注文があったら遠慮なく言ってくだしゃい!」
「駄目よみくるちゃん!バカキョンの仕事が」
「キョン君の仕事は涼宮さんたちとお食事する事だと思いましゅ!」
「でも朝比奈さん、俺」
「まあまあ良いじゃないかキョン君、せっかくこの可愛いらしい店員さんが気を利かせてくれてるんだ。
男ならご好意には甘えるもんだ」
「ささ、キョン君。もっとこっちにいらっしゃいな」
「え、ちょっと。ハルヒに近付き過ぎますよ!」
「ちょ、ちょっと!もう、余計なこと喋ったら死刑なんだからね」
「ハハ、じゃあ何から聞こうかな」
 
とあるハチャメチャな食卓の風景であった。

カレー屋キョン ツルヤ アンド ミクル (646)

ガチャ チャランチャラン
 
「キョン君また来たっさ!」
「こんにちはぁ~」
「やあ、鶴屋さんに朝比奈さん。いらっしゃいませ、さ、どうぞどうぞ」
「それじゃみくる、行くっさ!
あ、キョン君こないだはご馳走様にょろ、特に食後のスモークチーズが一番美味しかったっさ!」
「それ・・・カレーの立場が無いですよぅ~」
「あれ?アッハッハ、それもそうにょろね。ごめんキョン君!」
「いえいえ、気に入ってくれれば嬉しいですよ」
「本当かいっ?じゃあ今日もスモークチーズお願いするっさ!カレーもこないだと同じ野菜で。みくるは何にするっさ?」
「あ・・・じゃあ私はパイナップルとかカボチャとか入った甘口カレーのハーフでお願いします。あんまり辛いのは苦手なので・・・」
「お、ダイエットでもしてるのかいっ?みくるはおっぱい以外十分細いんだからそいういのは贅沢な悩みってものっさ!ウリウリ」モミモミ
「ひ、ひ~ん、涼宮さんみたいな事しないでくださぁ~い」
「ハルにゃんならこれに加えて激辛トッピングカレーを食べさせると思うっさね」
「ひ~!?」ブルブル
「あ、あの鶴屋さん、もうその辺にして」
「アッハッハッハ、冗談にょろよ。みくるはいじり甲斐があってハルにゃんが気に入るのも納得にょろね、じゃあキョン君、今のでお願いするっさ」
「も、も~う、からかわないでくださいよぉ~」
「ハルにゃんと言えばキョン君、今日はここに来てないのかいっ?」
「ええ、あいつはあいつで何か用事があるみたいだし、来ない方が店も安心するというか。」
「ハルにゃんから聞いてるっさ、とんでもなく激辛を極めたカレーを作ろうとして止めたんだってね?」
「そうですね、いつもながら無茶な真似をする奴ですから、そんなの食ったら体壊すぞって。居ないと平和なものですよ」
「あのぅ、ですけどキョン君何か寂しそうに見えますね」
「そんな事無いですよ、朝比奈さん。確かにいつか手伝ってもらったときは悔しいですけど手際の良さで店は大助かりだったし
本当これで無茶な事しなけりゃいいんですけどね」
「でも無茶なところあってのハルにゃんだと私は思うにょろ、さしずめキョン君は無鉄砲な旦那を甲斐甲斐しく世話する奥さんって所かなっ?」
「前半は俺も同意しますが後半は・・・ハハハ」
「あのぅ・・・それ、普通は逆だと思います。」

カレー屋キョン家 ブロウクン ザ ミーティング (794)

ガチャ チャリンチャリーン
 
「ようハルヒ、皆。」
「おはようございます」
「お邪魔する」
「どうもぉ~」
「朝から早いなお前ら」
「当然じゃない、不思議を見つけるには
普段からいついかなる時も早寝早起きは大原則よ!」
「それがどう不思議と繋がるかイマイチわからんのだが」
「バカキョン何言ってんのよ、甘いわ!
もし不思議や正体不明なモノが現れたときに寝坊して見逃しました、じゃ話にならないわ!」
「成程、流石は涼宮さん、その注意力には恐れ入ります。」
「涼宮さん、すごく張り切ってますぅ~」
「至極正論」
「という訳だからキョンはそんなぶったるんだ気持ちの償いとしてあたし達にカレー奢りなさ!
これは団長命令よ、反対苦情いっさい許さないわ!」
「ハァ・・・やれやれ、解ったから店内でそう叫ばんでくれ。
他のお客が入れなくなる。」
 
 
「・・・でね、あたしはまず不思議はこの地区にはもう無いと思うから範囲を広げるべきなのよ。
今回はもう少し足を伸ばしてここら辺まで・・・ってみくるちゃん!?」
「ケホッケホッ・・・あ、すみません長門さぁん。背中、摩って貰って」ゴクッ
「いい」
「ったく、ちゃんと噛まないからよ。大丈夫?」ハム
「涼宮さん、よろしいでしょうか?」
「何か異論でもあるかしら?古泉くん」
「いえ、先程からお話されている提案は非常に建設的で異論は無いのですが
先程から涼宮さんが彼の方をチラチラと伺っているのが目に付きましたので。
やはり気になりますか?」
「な、ナニ言ってんのよ古泉君!そりゃあいつはいつもグズでドン臭いから団長としてはいつヘマやらかすか気に留める必要があるじゃない
ウン、こいつは要注意だわ!」
「でもキョン君お家の手伝い、凄くしてて働く男の人って何かいいなって思いますよぉ~」
「みくるちゃん!キョンにそんな事言っちゃダメよ、アイツすぐ図に乗って鼻の下伸ばすんだから!」
「わ、解りましたからほっぺから手を離してくだしゃい、痛い~」
「流石涼宮さん、彼の事をよくご存知です。どうでしょう、彼のお仕事を共にお手伝いしてあげるのは。
涼宮さんが懸命に働いている所を見せれば彼が他の女性によこしまな気持ちを抱くのを防ぐのには良いと思いますし
会議はその後でも遅くは無いのでは?」
「・・・それもそうね、流石我が部の副団長、いいアイデアだわ!
みくるちゃんも有希もいい!?
これ食べたらバイトよ!後でキョンに何を追加で奢らせようかしら」
「ふぇ、わ、わかりましたけどまだ食べるんですかぁ~!?」
「食欲旺盛、カレーなら何皿でもいける」

関連作品

 

小ネタ「カレー屋のせがれになったキョン」