概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初代) |
無題 | 431氏(11スレ目) | 06/07/23 | 06/08/10 |
作品
今日はハルヒ『教官』が皆に勉強を教えてくれるという大変ありがたい日なのだ。
わざわざ伊達メガネまでして妙にうれしそうなハルヒなんつうのは滅多に見れないだろうな。
アイツがその気ならこっちもそうしてやろうか。そのほうが雰囲気が出ていいだろうし。
ちょうど質問したいこともあるしな。俺は久しぶりにその名前を口に出してみた。
キョン「涼宮さん」
ハルヒ「な、なによいきなりかしこまっちゃって気持ち悪いわね」
ハルヒはアヒル口で俺を見ている。
キョン「べつに、だって間違えちゃいないだろ」
ハルヒ「そりゃそうだけど、あんたにそんな風に呼ばれたくないの」
キョン「涼宮」
ハルヒ「ふざけないでよ、なぐるわよ!!!」
今度は本気で怒っているようだ、鋭い眼光がわき目もふらずに飛んでいる。
久しぶりに見るねこいつのマジな怒り顔っていうのもさ。
ハルヒ「キョン、あたしのことはちゃんと名前で呼びなさい」
キョン「呼んでるじゃないか」
ハルヒ「ちがうわよ、あんたがいつも言ってる呼び方でいうの!」
キョン「どんな風に?」
ハルヒは珍しく戸惑っているようなそれでいてどこかふてくされているような顔をして
ハルヒ「だ、だからさ、その『ハルヒ』って///」
キョン「おまえ耳まで真っ赤だぞ」
ハルヒ「う、うるさいわねこれは命令よ団長命令、破ったら死刑だからね!!」
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「な、なによ」
キョン「これでいいか?」
ハルヒは団員の前でしか見せない100ワットの笑みを浮かべて
ハルヒ「そうそれでいいわ、いいことキョンあんたがあたしを呼ぶときは
『ハルヒ』っていうのよ絶対よ覚えておきなさい!」
続けざまにここぞとばかりハルヒはまくし立てる。
ハルヒ「あたしのことを『ハルヒ』って呼んでいいのは後にも先にもあんただけなんだからね
感謝しなさいよ馬鹿キョン」
というとハルヒはプイとあらぬ方角をむいている、あいかわらず顔はトマトみたいに真っ赤だ。
ん、もしかして今のはあいつなりの告白だったのか?などと思考をめぐらせていると
次の瞬間ハルヒは俺の手をつかんで元気に歩き出した。
キョン「おいおいどこに行くつもりだ?」
ハルヒ「あんたが変なこと言うからお腹が空いたわ、何か食べに行きましょ
もちろんあんたのおごりでね!」
今日の部活はどうするんだよなんて考えをよそにハルヒは楽しそうに俺の手を引っ張っている。
きっと俺の顔は「やれやれ」という浮かない表情をしているだろう。
でも俺はまんざらでもないと感じているのさ。
だって考えてみろよ、ハルヒみたいな女は世界中捜しても他にはいないだろ?
そんな奴が今目の前にいて俺の手を引っ張って歩いてるんだ、しかも極上の笑顔を
ふりまきながら。そうさ今の俺はハルヒとSOS団の皆で過ごす時間が好きなんだ。
俺が素直な気持ちを言っちまってSOS団が壊れたりするのは正直勘弁してほしい。
だからさもう少しだけこの時間を楽しませてくれてもいいだろ?
お前もわかってくれるよな
『ハルヒ』
おわり