概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日 |
ふくらはぎ | 79-912氏、914氏 | 08/02/11 | 08/02/11 |
作品
このクソ寒い中、体育で短パン姿強制というのは、何かの嫌がらせなのだろうか、などという文句も言葉にならない程、俺を含めた男子連中は疲労困憊の体であった……一人の例外を除いて。
「おい、キョン。なにそんなところでヘバってんだ。いいからこっち来いよ」
何故か妙に元気な谷口の野郎が大声で俺を呼ぶ。どうせこいつのことだ、きっと女子の様子でも遠くから眺めようぜ、とかそんなくだらんことに違いあるまい。
「なに当たり前のこと言ってんだ?まあ、どうせお前は涼宮のことしか目に入らないんだろうがな」
谷口に釣られたわけじゃないが、俺は自然とハルヒの姿を探していた。
遠くからでもハッキリと解る黄色のリボン。
ハルヒは今まさに女子数人をゴボウ抜きして、全力でトラック上を疾走しているところであった。
しかし、あいつは脚が速いな。
上半身の捻りを巧みに生かし、理想的なラインを描いてしなやかに伸ばされた両脚は、健やかなふくらはぎを揺らしながらストライドを刻む。その動きには一点の無駄もなかった。
「ほんと、涼宮さんは凄いよね。もしかしたら、キョンより速いんじゃないの?」
いつの間にか隣に座っていた国木田も、ハルヒの走りに注目していたらしい。
「なんだよ、国木田。お前まで涼宮か?まあ、確かに涼宮はルックス的にもプロポーション的にもかなりのレベルだってのは俺も認めるが、なんせ、あのキャラじゃな。それよりも……」
俺は谷口の戯言をスルーしつつ、走り終えたあとの、膝に手をついて肩で息をしているハルヒの姿から目を離せずにいたのだった。
放課後、文芸部室兼SOS団のアジトには、ハルヒが一人だけ。部室の主である長門はどうしたんだ?
「有希ならコンピ研に行くってちょっと前に出ていっ――」
何だ、変なところでセリフが切れてるな。そんな編集ミスをしてるようでは、職人と呼ばれるまでの道のりはまだまだ遠いぞ。
などというメタなことを考えていたところ、団長席の方からか細い声が俺の耳に届けられた。
「ちょ……キョン……お願い……助けて」
お、おい、ハルヒ。何があったんだ?
「足――攣っちゃった――」
見れば、ハルヒは団長専用椅子に、妙な脚の組み方をしていたようだが、その左足が妙な痙攣をしている。
「ねえ、キョン。何とかしなさいよ。これじゃあ、あたし動けな……痛っ!」
泣きそうなハルヒのレア顔も乙なものかも知れんが、今はそんなことを言っている場合では無さそうだ。
「解った解った。いいから、こっちに脚を伸ばせ」
「そ、そんなこと言われても、動けないから困ってんじゃない」
やれやれ、仕方ないな。
俺は椅子ごとハルヒを正面に向かせると、左脚に手を伸ばす。って、ちょっとこの位置はマズかったか?なんつうか、その、見えちまいそうだ、アレが。
思わず目を逸らした俺を、ハルヒは怪訝に思ったらしく、
「もう、なにしてんのよ。あんた、あたしを助ける気がほんとにあるわけ?」
と、必死な声で叫びを上げる。
ええい、とばかりにハルヒの脚を掴んで伸ばさせる。
「ぎゃっ!ちょ、ちょっと、なにすんの、キョン。あんまり無茶しないでよ」
何するって、脚を伸ばさないと、こむら返りは治らないだろ。
「む~~……。それって、ほんと?」
嘘ついて何の意味がある?
ところで、足が攣る原因は運動不足が一番に挙げられるが、ハルヒに関してそれは無さそうだ。どうやらさっきの体育で筋肉に負担を掛けた挙句、妙な脚の組み方をしたってのがありそうな線だな。
「なによ、あんた……ひょっとして、さっきの体育のとき、あたしのこと見てたの?」
「まあな。――ちょっとばかし、ハルヒの走りに見惚れてた」
ふくらはぎ辺りを念入りに揉み解しながら、俺はハルヒに答える。
「バ、バカ!……恥かしいこと言わないでよね」
俺の言葉の何が気に障ったのか、ハルヒは顔を真っ赤にするぐらいにむくれると、そっぽを向いてしまった。
「おい、まだ痛むか?」
「ん~、だいぶ良くなったみたい……でも」
でも?
「もうちょっと――――続けなさい。その……マッサージ……」
なんだ、俺のマッサージがそんなに気に入ったのか?
「うん…………そこ、その辺……とっても、気持ちいいわ」
やれやれ。あとどのくらい御奉仕させられることになるんだろうな、とか考えながら、俺はひたすら指に掛かる柔らかな反発力と奮闘するのであった。
「おや、朝比奈さん。そんなところで一体……」
「しーっ、こ、古泉くん。お願いですから、その、し、静かにしてくださ~い。今、キョンくんと涼宮さんが、いいところなんです!(><;)」
イラスト
スレの流れ
ハルにゃんの白い足。キョン、触り心地をもっと丹念に教えてくれ。イメージするから
何、ハルヒの脚をマッサージしたときのこと?ああ、筋肉質だったってのには間違いはなかったんだが、だからといって硬いとかそういうのは全然感じなかったな。
指に力を掛けると、すんなり押し込めるんだが、緩めるとすぐに押し戻してくる。なんていうか、ふかふかなんだけど、キュッ、みたいな、そんな感じだな。
えっ、肌触り?……そうだな、マッサージのときはソックス越しだったから何とも言えんが、以前――いつだったっけな、細かいことは忘れちまったが、あのときの感触は今でも覚えてるよ。
滑らかっていうか、全然抵抗を感じなかったな。シルクのハンカチとか、ああいったのを想像してみてくれれば―――って、なんだ、ハルヒ。そこにいたのか。
っておい、何でお前そんな怖い顔をしてるんだ?ちょ、ネクタイは掴むな。く、首が苦しくぁwせdfrtgyふじこ