概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初) |
キョン=ジョン=○○○ | 18-328氏 | 06/09/09 | 06/09/15 |
作品
「…い…か?」
「…よく分からない。…でも…今は…今はあのときと違って、みんながいる…」
「……った……ヒ」
「うん…。でも!…アンタは…?」
「……へ……る」
「そんな!……そんなのイヤ…――――――
*
最近、おかしな夢をよく見る。
それには決まってハルヒともう一人の誰かが出てくるのだが、
それが一体何の夢なのか、俺は分からないでいる。
不確かではあるが把握できるのは、その…夢の中でのハルヒはひどく動揺している様子で、
そのもうひとつの声の主がハルヒとなにかしら話をしているということだった。
「――――――ハルヒも同じ夢を見ているのか――――――?」
*
学校。
今日はいつもより早めに登校し、教室へ入った。
いつもと変わらない日常。
…いや、すでに俺の日常はハルヒとそれを取り巻くものたちによって、
確実に日常ではなくなりつつあるのだが、それさえも今では日常と感じてしまう自分がいた。
「おはよっ、キョン」
「ああ、おはよ。ハルヒ」
いつからだろうか、ハルヒの方から先に挨拶なんてものをしてくるようになったのは。
「どうしたの?元気ないみたいね?」
「いや、そんなことない。いつもと同じだ」
「うそ。…あんた、最近なんか変よ。悩みでもあんの?」
「…そうじゃないんだ。ただ、変な夢を見るんだ、最近…」
「へぇ。…それ、どんな夢?」
…チャンスだ。ハルヒも同じ夢を見ているのだろうか?…俺はハルヒに自分の見る夢について語った。
もちろん、一部改変したのは言うまでもないが。
「ふーん…確かに変な夢ね。…って!あんた夢にあたしが出てくんの?や、やめなさいよ」
ハルヒの頬が紅潮している。自分で言っていてはなんだが、俺も変に顔が明るくなっているのが分かる。
だが、俺は話を続けた。
「変な夢だろ?――――――ハルヒ、お前はこんなことないか?」
「あ、あたしはそんな夢みないわよ?そりゃ…たまにアンタが夢に出てきたりはするけど…って!」
ハルヒはさもしまったと言わんばかりに俺から目を背け、窓から見える明日の方角へと目をやる。
「そうか」
それでハルヒとの朝の会話は終了した。だが、俺の心には未だに疑問が残る。
――――――あの「夢」は、ハルヒによるものではない。だとしたら、一体何なんだ?――――――
*
午前午後の授業とも、特にこれと変わったことはなく終了した。
特徴的なことをあえて一つあげるとすれば――――――
昼食の時間に、ハルヒが俺に弁当を作ってきた…ということくらいだ。
以前の俺やクラスの連中にすれば、さすがにこれは天地が入れ替わるほどの大事件ではあっただろうが、
今となっては誰一人…さらには俺でさえ特に動揺などといったものは微塵も感じず
…いや、スマン。確かに少しは驚いたが…
それでも俺は、ハルヒが俺のために割いてくれた時間と手間に感謝しつつ、
いつもと変わらないややささくれた態度でその弁当を頂戴したのだった。
・・・
「キョン!アンタのお弁当、私によこしなさい!」
「は?なぜ俺がお前に自分の弁当をよこさにゃならんのだ」
「いいから!――――――それと、…あ、アンタはこれを食べるの」
「…これ、なんだ?」
「お弁当よ!見て分からないの?」
「じゃなくて、これ、お前が作ったのか?…で、俺に食えと?」
「そ、そうよ。嫌ならいいわよ!もう二度と作らないから」
「…いや、食う。すまん、ハルヒ」
「ばか。そこはお礼を言うところでしょ!…本当バカキョンなんだから」
「バカは余計だ、バカは。てかまあ…ありがとな、ハルヒ――――――」
・・・
*
放課後。
今となっては何も疑問に感じることなく、もはや習慣とも言える様子で俺は文芸部室の扉をノックする。
(コンコン)
「はーい」
(ガチャ)
「あ、キョン君。こんにちは」
「ええ。こんにちは…」
ん?妙だ。…辺りを見渡す。寡黙な読書少女は定位置でやはり読書をしている。
これはいつもと変わらない。
だが…俺は長机をはさんで向かい合って座る可愛らしいメイドさんと胡散臭いニヒル野郎に視線を送った。
「どうも。…あれ?今日は涼宮さんとご一緒ではないのですか?」
余計なお世話だ。…それよりお前たち、いつから向かい合って楽しげに会話をするような仲になったんだ?
「あぁ、いえ。これはですね…あなたについて朝比奈さんと話をしていたんです」
俺の話?…それ、ますます訳わかんないぞ。
「ふふふ。ダメですよ、キョン君。焼き餅は」
朝比奈さんが嬉しそうに笑って俺を見る。いや、まぁ…あえて否定はしませんが。
「それで…二人は一体俺の何について話してたんだ?」
「ほう。あなたでも気になりますか?」
当たり前だ。ったく、自分のことをコソコソと話されて気にならない奴なんてそういるわけないだろう。
ま、ハルヒなら話は別かもしれんがな。
だが…俺は朝比奈さんを見る。少なくともこの方に噂されて気にならない男なんてこの世に存在するわけない。
これだけは断言できる。
「キョン君の正体について話をしていたの」
「…何ですかそれ。俺、実は宇宙人・未来人・超能力者だったとかそういうのありませんよ?」
やれやれ。何の話かと思ったらそんなことか。勘弁してくれよ。それに、俺はただの人間だって以前古泉も言っていたじゃないか。
「ええ。確かにそう言いました。ですが…そうとも言い切れないかもしれません」
「どういうことだ?」
「涼宮さんです。我々機関にとって、彼女は…神…いや、でなくとも僕たちにとって彼女はSOS団団長です」
朝比奈さんのことを気にして言い換えたのか、はてさてお前の本音なのかは知りたくもないが…で、だから何だっていうんだ。
「その涼宮さんにあなたは選ばれた」
「っ!お、お前殴るぞ!」
「素直じゃないですよキョン君。だったら昼のアレは何なんですか?」
朝比奈さんが小悪魔的な笑みを浮かべて俺を睨み付ける。そんな顔されても困ります。あれはハルヒが…
って!何で学年の違う朝比奈さんがそのことを知っているんだ?
「あれ?不味かったですか?僕としては同じ部員として知っておくのは当然だと思ったのですが」
といって古泉はいつもの営業スマイルを浮かべる。おいおい…まぁ隠し通せることでもないしな…いつかはバレるだろうし…。
だがお前に話されるのはなぜかしらんが気に食わん。えーいっとにかく気に食わんのだ。
…俺は窓際でひたすら本を読み続ける長門へ視線を送る。
「長門、…お前も知ってるのか?」
「………(こくん)」
はあ。なんと仲の良い宇宙人・未来人・超能力者たちなのだろうか。全く…。
余談だが、そのときの俺はなぜ古泉が俺とハルヒの昼の一件について知っているのかは問いつめなかった。
なんとなく予想はついたから。
「…で、結局俺は何者だったんだ?」
「長門さんによると『あなたが人間であるが98.9%』、『宇宙人であるが0.3%』、『未来人であるが0.3%』、『ちょ…」
「もういい。やめろ」
俺はタイミングを見極めそこで言い放った。古泉が少し寂しげな笑顔を浮かべている。
てか、そもそも最初の時点で人間確定じゃないか?俺。
「未来人であるところの朝比奈さんなら、そんな詮索はせずとも俺がなんなのかくらい分かるんじゃないんですか?」
「禁則事項です」
聞く方が野暮だったか。俺はやれやれといった様子で下を向く。だが…
「あのね、キョン君。本当のところ、私にも分からないの…」
何とも表現しがたい、複雑な表情で朝比奈さんは言った。
どういうことだ?…俺、未来には存在しないのか?…ってことは死んでる?…でもそれは寿命を全うしたから?
…うーん悩めば悩むほどに分からん。つーか、そもそも俺が考えてこの3人に勝るような回答なんて導き出せる訳ない。
止めた止めた。
そんなことより、俺には長門に聞かなくてはならないことがある。
――――――あの夢のことについてだ。
「長門、ちょっといいか?」
俺は部室の外を指さす。
「………(こくん)」
*
「――――――っと、つまりこんなとこだ。俺の見た夢ってのは」
俺は今朝のハルヒに話した改変内容ではなく、ありのままを長門に語った。
そもそも俺がいくら嘘をついたところで、長門には通用しないだろうしな。
「どう思う?これはハルヒの仕業か?…アイツに聞いたところじゃ、何も知らない様子なんだが」
「………分からない」
愕然としたね。いや、逆にホッとしたというのか。
…長門でも分からないことってあるんだなと思ったと表現するのが適当か。
だが、そう断言されると…やはり多少は不安が残る。未だに謎の――――――あの雪山での一件もあるしな。
「そうか…分かった。それに…いつもお前に頼ってばかりだったしな。今度ばっかりは自分で解決するよ」
「………そう………でも…」
ん?
「…最近の貴方からはある強い『何か』を感じる。だが、うまく言語化できない。それ故、伝える術がない。
…でも大丈夫…それはあなたにとって危害を与えるものではない…それに…」
「それになんだ?」
「…貴方に不安を与えたくない」
気のせいだろうか、少し潤みがかった黒曜石の瞳が俺を見つめる。
「あぁ…ありがとな、長門」
「………(こくん)」
「アンタたち、なーにやってんの?」
すぐさま後ろを振り返ると、そこには掃除当番を終えた様子のハルヒが不敵な笑みを浮かべ、仁王立ちしていた。
「キョン?分かってるわよね?」
へいへい。罰金だろ。なぜか腑に落ちないがまあ仕方ないさ。
…このところハルヒは、長門問わず俺が他の女子と会話したり、並んで歩こうものならいつも決まってこの調子である。
深い詮索などしたくはないが、俺もそろそろ腹を決める準備を…。いや、嘘である。多分。
「それより!有希!キョンに変なことされてない?」
長門は首を横に振る。それを見て安心する俺。…全く、なんてこと言いやがんだ、この団長様は。
「…まあいいわ!それより、二人供、さっさと部室へ集合よ!明日の不思議探索についてのミーティングを始めるから!」
*
「…うん。今日はここまでね!また明後日九時に駅前集合よ!遅れたら罰金!特に…」
「わーったよ」
もう耳にタコができるくらい聞いたぞ、そのセリフ。
「じゃ、解散!」
「それでは、お先に失礼します。…ああ、一応言っておきますがバイトではありませんので。ご安心を」
「私も、お買い物に行かなくちゃいけないので、お先に失礼させてもらいますね」
「…………コンビニが閉まる」
お前らみんな楽しみやがって。っつーか長門、お前のセリフはなんだ。
(バタン)
あーあ…3人そろって帰っちまいやがった。
外であいつらの話してる内容が手に取るように分かっちまうぜ。あぁ、忌々しい…忌々しい…。
「キョン!か、帰るわよ!」
「あ、あぁ…」
*
終始無言。
…気まずい。な、何を話せばいいんだ…?昨日見たテレビの話か…?いや、ハルヒがそんなもんに興味を示す訳ねえし…。
あぁ…困ったぜ…。
俺が足りない脳をフル回転で検索しているときだった。沈黙が破られたのは。
――――――「アンタ、有希となに話してたの?」
受け手のことなんておかまいなしの様子で、ただ前を向きながらハルヒはぶっきらぼうに言った。
いきなりそれか。だが…別に話して都合が悪くなることでもないしな。…いいだろ。
「今朝の夢についてさ。…お前にも話したろ」
「うそ」
「嘘なんかじゃねえ。…じゃあ明日長門に聞いてみろ」
「有希に聞いても、本当のこと話してくれないもの」
何だそりゃ。おいおい…お前ら仲良かったんじゃないのか?…いつからそんな風に…
「…前から思ってたんだけど…ねえ。キョン、アンタ…私に隠し事してる?」
っ!この期に及んでなんだ?…ハルヒは少し悲しそうな瞳を俺に向ける。…隠している…というか言っちゃマズイことはもちろんある。
だが…どうする?真実を言うのか?言わないのか?
だが、俺の思考とは無縁に
「そりゃ、少しは…ある」
咄嗟に言葉が出てしまった。だが…そうだろ?誰にだって秘密はあるもんだぜ。それをないといえばそれこそ嘘になるだろう?
ハルヒは怒りとも悲しみともとれる表情を俺に向けている。だが、俺は続けた。
「でもな、ハルヒ。それはお前を裏切るような内容じゃない。俺はお前を信用しているし…」
「信用しているし…何?」
言葉に詰まった――――――
…俺の次の一言で…世界は終わるのか、救われるのか?…いいや、そんなことは関係ない…。関係ないんだ!
――――――俺は――――――『自分の言葉で』言った。
「好きなんだ、ハルヒが」
「え――――――――――――」
――――――心臓がバクバク鳴っているのが分かる。身体が煮えたぎっているように熱い。
…言うべきじゃなかったか。後悔、疑念、自己嫌悪、失敗、破滅…――――――ありとあらゆるネガティブな語彙が俺の頭を過ぎる。
「あたしも」
(!…まじ…?)
すぐさまハルヒの表情を伺う。
そこには――――――そこには、100万Wの最高の笑顔があった。
「あたしも、キョンのこと好き」
*
その後、並んで歩きながらハルヒと沢山話をした。
それまでの沈黙が嘘だったかのように。
そのときは、気が動転していて、何を話したのかはよく覚えていないが――――――だが、とにかく俺とハルヒは笑顔だった。
幸せって言うのは、こいうことを言うんだろうなって、生まれて初めて思えた気がしたんだ。
*
駅前の公園。明日、俺たちがまた性懲りもなく集合する場所。一応、見渡して見るが――――――
さすがにまだあいつらは来ていないようだ。
当たり前といっちゃ当たり前なんだがな、なんとなく。
「なにキョロキョロしてんの?」
「いや、あいつらもう集合してんのかなと思って」
「バカじゃないの。そんわけないじゃない」
ん。そうなんだが。………何も言い返せねえ。
*
駅についた。…今日はここでお別れか。なんだかよく分からないが、俺は自分が寂しいと感じていることに驚いた。
だから、こんなこと言ったのかもしれないね。
「…やっぱ送っていくぞ?ハルヒん家まで」
「いいわよ。ありがと、キョン。でも遠いから悪いわ」
らしくないね、団長様。
…いつから俺をそこまで気遣うようになったんだ?俺は雑用係なんだぜ?それくらいお安いご用なのによ。
「あっ!キョン、お弁当…」
ん?あ、ああ。完全に忘れていた。ハルヒの弁当――――――つまり、今俺のカバンに入ってる訳だが。
「私のお弁当、返しなさい!」
「ああ…(ゴソゴソゴソ)…ほら。ありがとな」
俺は淡い色の綺麗な風呂敷で覆われた包みを渡す。で、俺のは…あれ?
「?…おい、俺の弁当」
「あたしが洗うわ。悪い?」
悪くはないが…ってことはまた作る気か?
「?そうよ?彼女が彼氏のお弁当を作るのは当たり前でしょ?これから一生私が作るから。アンタのお母さんに言っておいて」
…あのなぁ、ハルヒ…それなんて純情乙女だ?…ってか一生って。ま、ハルヒらしいけどさ。
「そういえば…感想、聞いてなかったわ。…どうだった?アンタの好みが分からなかったから、自信ないんだけど」
今朝とはまた趣の違った紅潮を頬に浮かべながら、ハルヒは俺に尋ねた。
「言わなくても分かるだろ」
「もう!ちゃんといいなさいよ」
「旨かった。あぁ、そりゃめちゃくちゃ旨かったぜ。特に…」
「とくに…何?」
「たまごやき」
「っぷ。バカ。子どもじゃないんだからっ!」
悪かったなガキで。好きなんだからしょうがないだろう?それに…な、ハルヒ?
「なによ?」
…何でも完璧にこなしちまうのによ、ハルヒらしくないぞ?…昨日、その指には絆創膏なんてなかったよな?
「無理するなよ」
俺の視線を悟ったのか、ハルヒは指を隠した。
「バカ」
*
「…じゃあ。また明日な、ハルヒ」
「…うん。じゃあね、キョン」
俺はハルヒの姿が見えなくなるまで、その場に立ちつくしていた。
―――今になって確信した。
――――――俺、本当好きなんだな、ハルヒが。
*
「…寝てた?」
「いや、起きてた」
「もしかして…私が電話するの待ってた?」
「さあな」
「もうっ。ハッキリ言いなさいよ」
「…あぁ。待ってたさ。っつーか、今そっちに電話しようと思ってたんだ。でも鳴り出したから笑った」
「そ、そうなの!?あははっ。不思議なこともあるもんね」
「そうだな。で…何の用だ?」
「そっちこそ。何の用よ?」
「別に…ただなんとなく挨拶したくなっただけさ」
「す、素直じゃないわね!なら早く言いなさいよ」
「…あぁ。おやすみ、ハルヒ」
「おやすみ…キョン――――――・・・
*
――――――何も見えない――――――
――――――何も聞こえない――――――
――――――ここ、どこ?――――――
「ハルヒ」
――――――だれか、いる――――――
「ハルヒ」
―――――誰?私を呼んでる―――――
「ハルヒ」
――――――キョン?――――――
「ハルヒ!」
(はっ!)
「――――――ようやくお目覚めか?」
アンタ誰?ってか、ここ…どこ?これ…夢?えっ…?ワケわかんない…!
本当…ここ、どこなの?とにかく真っ暗。宇宙みたいな。どこまでが空間なのか分からない。
ただ、暗くて…ここは部屋なの?それに…声の主はどこ?私を知ってる?
「分からないみたいだな?だが…俺の顔は覚えてるだろ?」
…空間の奥から白い光が少しずつ漏れてくる。…あれが声の主?…顔が…少し…ずつ見え…
(!!!!)
アンタ、何やってんの?
――――――キョン。
そこには、キョンがいた。でも!でも…なにかいつもと様子…ううん。雰囲気が違う。
「キョン?…まぁ、確かにそれは合ってるんだが…今は違う」
は?…キョン、何言ってるの?確かに違和感はあるけど…あんた、確かにキョンよ!私が間違えるわけな…っ???
(!?)
違う!…この人は――――――
「やっと思い出したか?」
アンタは…――――――ジョン?ジョン=スミスよ!
そうでしょ?ジョン!あ…逢いたかった!やっと逢えたのね!ジョン!
「――――――すまないが、それも違う。だが、その2人は確かに俺だ。
混乱させてすまない。恐らく、記憶が抜けているんだろう」
な…に…言ってるの…?!――――――ま、まぶしい…白い光が私を包んでいる…
「――――――思い出せ、ハルヒ――――――俺とお前が――――――最初に出会ったときのことを」
う…。頭が痛い…なんだろう…この感覚…。
もう訳分かんない…キョン助けて…ジョン…!?
――――――?
―――あれ?
――私、知ってる?
―私、ここに来たことがある?
ううう…。
「――――――俺が分かるか、ハルヒ?――――――」
――――――あんたは――――――
――――――キョンじゃない――――――
――――――ジョンでもない――――――
――――――あんたは――――――
神…サ…マ?
<続>
この作品は未完です。