リレー「一緒にコンビニに」 (104-113)

Last-modified: 2009-01-13 (火) 01:20:19

概要

作品名作者発表日保管日
リレー「一緒にコンビニに」104-113氏、114氏、123氏、122氏、118氏、120氏、126氏09/01/0509/01/12

お題 (113氏、114氏)

皆の衆、明けましておめでとう。
さて、本日からまた学校が始まり、俺達は休み明けの集会が終わった後の部室である者はネットサーフィン、ある者は読者、ある者は編み物、ある者と俺はボードゲームといったわけのわからぬ活動をしている。
しかし…昨日は真夜中にやっていたB級映画を最後まで見ちまったおかげで寝不足だ。
「さて、俺は飲み物でも買ってくるかな。」
俺は自称ニキビ治療薬にとどめを刺した後、立ち上がりながら言った。
「何よキョン!みくるちゃんのお茶飲めばいいじゃない!」
ハルヒがディスプレイから顔を上げ、俺を睨みながら言う。
勿論もういただいたさ!だがな
「コーヒーが飲みたい気分でな。」
とりあえずマジで眠いんだよ。
「じゃぁ…あたしのも買ってきなさい。あ!どうせならコンビニ行ってプリン買ってきてよ。
もちろん!あんたのポケットマネーから。」
「は?なんで俺の財布からなんだ?しかも坂の下のコンビニまで行けだと?残念だがハルヒ、断固拒否する。」
まぁそんだけ歩けば眠気は無くなるだろうがそれ以上にしんどいだろ。
「いいじゃない!団長命令!」
ハルヒよ、それ多用しすぎじゃぁないのか?そうだな…たまにはお前も
「やれやれ…。じゃぁハルヒ…“一緒に”行こうぜ。」
どれだけ大変か味わうべきだよな。
「…え?」
ハルヒの顔がみるみる内に赤くなった。
 
心優しい人、誰か続けィ

 

結構、分岐がありそうだな。
 
「あなたが落としたのは、この金のルートですか?それとも銀のルートですか?」
 
金ルート:
 コンビニから、さらに連れ立って出かけてしまい、SOS団はおいてけぼりにするハルキョン。
 
銀ルート:
 コンビニの喫茶コーナーで一服。眠ってしまうキョンをなでなでして、しばし至福の時をすごすハルヒ。 
 
銅ルート:
 坂の下で、新川さんが移動パン屋「まっするコアラ」を開店しているのに出会うハルキョン。
 
鉄ルート:
 ゆれるハルヒのツンデレ・ゲージが、結局ツン側に振り切れてしまい、
「なにいってるの、このバカキョン!!」と追い出されて
結局じぶん一人でパシリすることになるキョン。

外道ルート (123氏)

ハルヒが表情を変えた瞬間、すかさず
「嘘、てか自分の欲しいものは自分で買えよ。このアホゥ」
 
バタン
 
部室のドアを閉めた俺は頭にハンマーで殴られたようなでかいコブをお供にコンビニへと歩を進める。
あーあ、こりゃ古泉や朝比奈さんから後で大目玉を喰らいそうだ。
けど、あの団長のプルプル震えて怒った顔の傑作ぶりを思うと俺の足取りはほんの少しだけ軽くなったかも知れない。
 
俺は心の中で大笑いした

爆弾斧ルート (122氏)

二人で校門をでてコンビニの近くまできたら
反対側から他校の女の子数人が歩いてきた
 
ポニーテールの子にしばし見とれるキョン
 
次の瞬間つまずいて転んでしまう
 
ヨロヨロと立ち上がるとハルヒが猛スピードで突っ込んでくる
 
そして82年IWGP決勝戦で場外に落ちた猪木がリング戻ろうとした瞬間にアックスボンバーを叩き込んだハルクホーガンのように今度はハルヒホーガンの斧爆弾が炸裂した。
 
どこからかレフェリーがやって来てハルヒの手を揚げる
 
「イッチバーン!」と叫びハルヒは去って行った…

鉄ルート (118氏)

「ハァ?あんた団長に頼みごとするつもり」
そんなに顔赤くして怒るなよ。しょうがない、最近大人しいハルヒをワザワザ刺激することもないか。
俺は半ば無理矢理に自分に言い聞かせ、ニヤケ面の妙になま暖かい視線と
なぜか真っ赤な顔の天使様の優しい視線に見送られながら、後ろ手でハルヒに手を振りつつ
長い坂下をついでのプリンを買いに歩き始めた。あぁ、忌々しい。
まだ寒い一月の空は、半覚醒状態だった俺の頭を強制的に覚醒させようと
冷たい息吹を俺の露出した肌にすり寄せてくる。
コンビニでハルヒお気に入りのプリンと俺のホットコーヒー、いくばくかの茶菓子を買い
長い坂道を登り始めたときは、コーヒーは当初の目的を忘れ
すっかり冷え切った俺の体を内部から暖めるために、校門にたどり着く頃には空になっていた。
「戻ったぞ」
そう言って部室のドアを開けると……誰も居ないぞ?
ハルヒは兎も角他の三人、特に長門まで居ないとなると……なんか面倒起こりそうな予感がするな。
買い物袋を机に置き、自分で入れるとちっとも美味しくないお茶をすすりながら暫し待つが
だーーれも戻ってくる気配はない、カバンがあるし帰ったんじゃないと思うが、どこ行ったんだあいつら?
どうにも手持ちぶたさになった俺は、なんとはなしに団長席に移動しさっきまでハルヒが使っていたパソコンを起動する。
特に調べるものや見たいニュースが合った訳じゃなかったので、久し振りにMkuruフォルダでも眺めるかとファイルを開くと……
ふ、増えてる。しかも、増えてるのって、ハ、ハルヒの画像……だな。
登校中のワンショットや真っ赤なバニーに、学校指定の水着まで。
な、なんでハルヒ画像が紛れ込んでるんだ? いったい誰が? 何のために?
 
ん、一応鉄ルートになるか?
誰か続きよろしく

金ルート (120氏)

「ありがとうございましたー」
「さ、帰りましょ」
コンビニの店員の声を聞き流し、勢いよく前を歩き始めるハルヒに対して俺の足取りは重い。
どうやらこいつにとって坂道などどうでも良いのか妙に機嫌が良いのだが、俺の機嫌はすこぶる不調、正確には財布の中身が、だが。
ホントに着いて来るだけで全て俺が払うことになるとは。
…まぁ、分かってはいたことだが、こいつの笑顔を見ているとわざわざ言う気にもなれない。
そんな後の祭りなことを考えながら二人並んで歩いていると20代と思わしきカップルが横を通り、その時の会話が少しだけ聞こえた。
…悪魔の囁きが。
 
 
「…あの新しいカフェのサービスよかったな」
「うん、半額は…」
 
 
これだけの会話。
そう。たったこれだけの会話なのだが、
「キョン、今の聞いたわよね?」
ハルヒを立ち止まらせるには十二分であった。
…俺は何も聞いてない。聞いてないぞ。

誰か続けてちょ

 

 
『半額キャンペーン実施中! (清算の際、サービス券をお見せ下さい)』
 
半額で勘定し注文していた俺とハルヒがカッコ内の言葉を知ったのは、持ち金の倍ほどの料理を平らげた後であった。
半額だからといって限界まで頼んだのはやりすぎた……。流石に途方にくれる俺だったが、よくよく店内を見渡して見ると『カップルなら特別に』という文字が踊っているのに気がついた。
……おい、どうするハルヒ?
「かかかカップルなら、ですって!? キョンなんかとカップルになるくらいなら喰っぱらって逃げてやるわ!」
どう見てもハルヒさんの目は正気でない光に満ちている。そんなに顔を赤くするほどテンパるなよ。ちょっと傷つくじゃないか。それに背に腹は変えられんとはこのことだ、ハルヒ。俺は喰っぱらってワッパを頂戴したくはない。
「いいだろハルヒ、少しの間くらい付き合ってくれたってさ」
「…………あんたがソコまで言うなら、あたしだってやぶさかではないけどさ」
「決まりだな」
そして俺達がレジに向かっていたときだった。
「よおキョン、涼宮。今日はデートってか?」
「ち、違うわよ馬鹿谷口! そんなわけないでしょ!?」
俺が清算中、背後からこんな声がホールに鳴り響いた。
「えっと……お客様……」
店員が申し訳なさそうにしつつ、俺の目の前で半額の処理をためらっている。
「……ハルヒ、ちょっとこっちに来い」
食い逃げ犯リーチのかかった俺はハルヒを呼び寄せ、なぜか憮然とした顔をしているハルヒを肩に寄せて言った。
「……今日からカップルじゃいけませんかね?」
谷口が後にいること、そしてこのアホから金を借りればよかったということに気付いたのは、翌日学校でよからぬ噂が蔓延していたときであった。

銅ルート(まっするコアラルート) (148氏)

ハルヒは頭から蒸気が噴出しそうなくらい真っ赤になって、何やらぶつぶつ言っており、どうやらフリーズ状態だ。こんな反撃を予想さえしておらず不意をつかれたせいか? 
やれやれ。もう一歩歩み寄って、もとい『とどめを刺して』やらんといかんのかね。
「たまには『二人で』行くのもいいだろ?な?」
ハルヒの顔はさらに赤さを増し、口は酸欠の金魚状態。それでも、なんとか次の言葉を吐き出した。
「そ、そこまで言うなら、着いてってあげないこともないわ!」
そこまでは言ってないぞ。多分。
「う、うん、不肖の団員の監視と再教育は団長のつとめでもあるしね。そういうわけだから、ちょっとこのバカと出てくるわ。古泉くん、みくるちゃん、有希、あとはお願いね」
「承知しました、閣下」
「ふぁあ、いってらっしゃいでしゅ」
「・・・」
ハルヒは強引に自分を納得させ、俺の手を強引につかんだ。
「ほら、ぼさっとしない。とっとと行くわよ!」
やれやれ。ネクタイでないだけ、ありがたいと思うべきなのかね。
 
奇天烈魔人ハルヒに引きずられる普通人学生など、校内ではとっくに既定事項になっているらしく、これはということもなく、俺たちは毎度おなじみのハイキング・コースを転がり落ちるかのように下っていた。その速度たるや、斜面で行われたガリレオの落下実験のごとく、加速度的に大きくなったのであり、その坂の最後あたりで、なさけないことに暴走特急ハルヒの速度についていけなくなった俺の足は、とうとうからまりずっこける結果とあいなった。万力が締め付けるがごとく、ハルヒにかたく握られた俺の手はふりほどくことかなわず、必然的にすっころんだ俺はハルヒを引き倒すことになったが、そんな中でも俺は上体をひねり、その身を犠牲にしてハルヒの体がアスファルトと激しくお友達になるのを避けるべく、ハルヒの下敷きになった。いや、突然ジェントルマンになったわけじゃないぞ。そうでもしないと、この先天性暴君がどんな罰ゲームを俺に課すかわからないからであり、ひいては世界の存亡と人類の平和のために、って誰に演説してるんだろうね、おれ。
「な、な、なにすんのよ、このエロキョン!! 昼真っからこんな往来の真ん中で!」
叫ぶな、暴れるな。誤解を招くような発言をするな。地面とハルヒにサンドイッチされて、肺が一時的に圧迫されたらしく、呼吸困難になった俺は、せきこむことしかできず、タイミングよくつっこむこともできなかった。と、そこに大きな頑丈そうな手が俺たちに差し出されているのが、目の端に写った。
「これはこれは。大丈夫ですかな」
ハルヒはその手をつかって自分の体を起こし、ようやく俺の上からのいてくれた。
「あ、新川さんじゃない。こんなところで何してるの?」
おまえはお礼すら言えんのか。と、言いながら、俺もようやくにして、せき込むのがおさまり、新川さんの助けを借りて、なんとか立ちあがる。
「すみません。ありがとうございます。っと、あれ?」
新川さんはいつか見た執事ルックではなく、「まっするコアラ」とロゴの入ったエプロンなんぞをつけ、北校下の坂の終わりにいる。なんで?そっちのバンは新川さんのですか?
「さようです。料理を作るのが唯一の趣味でしてな。たまの休暇に、こうして移動パン屋など営んでおるのです」
にわかに信じがたいが、今日ハルヒと二人で買い出しに出たのは、さっき思いついた俺の気まぐれであって、それに応じて「機関」が仕込みをやらかしたと考えるには、時間が足りなすぎる。それとも、移動パン屋とやらも、街角に潜む方便のひとつで、いつもこうやって町にいても不自然でない何かに身をやつし、俺たちの、もといハルヒの行動を観察しているという訳だろうか?
「へえ。おいしそう。プリンもあるのね。これも新川さんが?」
「さようです。実はそれは新作でして、食べてごらんになりますか?」
「ええ、いただくわ。キョンも早く来なさい」
来なさいじゃないだろ。身を呈しておまえをかばったあわれな団員その一に、何かしらねぎらいの言葉があってしかるべきではないでしょうかね、不肖の団長さん。などと思ったが、もちろん口にした後が面倒なので声にはださない。いまいましい。
少しよろっとしながら、バンの中をのぞきこんでいるハルヒの隣に並ぶ。何かのCMで「女の子の好きなもの、甘いお菓子に新発売」とかなんとか言うのがあった気がするが、こういうところを見ると、こいつもいくらかの女の子成分を持っているということかね。
「おいしい。キョンも食べなさい」
などと言いながら、たぶんハルヒの言うところのマヌケ面をしていた俺の半開きだった口に、新川さん新作のプリンののったスプーンをつっこんでくる。
「!うまい」
新川さんは、古泉のそれとはずいぶん違った微笑み、年季が入っている分つくり笑いではなさそうに思えるほどの自然なそれ、を受かべてうなずいている。ハルヒはハルヒで、100ワットの笑顔を浮かべ目の中には数個の星団を引き連れて、勧められてもいないのにパンの方にまで手を伸ばし、口に運んでいる。おいおい。むぎゅ。こらこら、何も言わず口にねじ込むな。食べ物を粗末にするな。というか、ちぎって渡すとか、なんとかやり方があるだろう。
「うっさいわね。人は本当においしいものの前には言葉を失うの!」
それは批評する言葉が見つからないほどおいしいということであって、受け渡しの合図や意思疎通を怠るという意味じゃないと思うぞ。しかし、ほんとにおいしいな。
「でしょでしょ。ねえ、どうしてこんなにおいしいのに、あたしたちの他に客がいないの?」
ハルヒらしいといえばハルヒらしいが、直接に不しつけなことを尋ねる。
「さあ、どうしてでしょうな。普段あちこちで営業しておりますが、この町で店を開いたのは今日が初めてだということも、あるやもしれません」
「それよ、それ!こんなおいしいもの、知ったらみんなただじゃおかないわ」
物騒なことを言う。が、もっと物騒なことを思いついたであろうハルヒの瞳が輝きを増す。ああ、俺の中のセンサーが警報を鳴らしてる。こうなったハルヒを止められるものなど、この宇宙に存在しないのだ。
 
「そうと決まったら、キョン、さっそく準備してきなさい!」
どう決まったんだ?何の準備だ? 何か聞きたくない気持ちでいっぱいだが、一応聞いてやるぞ。
「宣伝よ、宣伝。あたしたちSOS団プロデュースで、『まっするコアラ』のおいしさを世界に広めるのよ!」
あーあ。言っちまいやがった。俺はこっそりと新川さんを見て、無言で「いいんですか?」と聞いてみる。無論、答えは決まってるだろうがね。
「それはそれは。なにぶん売上がまだありませんので広告料はお支払いできませんが、その代わりに好きなものをお持ちください」
「えっ、いいの?」
いやいや、おまえ、最初からそのつもりだったろ。
「なんか悪いわね。でもそういうことなら、なおさらがんばらないとね。あたしは詳細を新川さんと詰めるから、キョン、前払い分のパンを持って部室に戻ってみんなを連れてきて。古泉君に言えば、必要なものはそろえてくれると思うわ。看板その他は有希に頼もうかしら。あの子なら速くて確実だし、出来栄えも期待を裏切らないしね。それと、みくるちゃんは、ちゃんと宣伝用のコスプレをさせてよこしてちょうだい。それからキョン、どんなに魅力的でも踊り子さんに手を触れちゃ駄目だからね。もしそんなことしたら死刑だから」
こら、誤解を招くようなことをいうんじゃありません。というか、朝比奈さんは踊り子かよ。って、聞いちゃいねえか。
 
(つづけ)

『Agルート』 (418氏)

「やれやれ…。じゃぁハルヒ…“一緒に”行こうぜ。」
 
本日から新しいSOS団スタートって時にも相変わらず眠そうなキョンがコーヒー買いに行くと言い出した。
せっかくみくるちゃんが美味しいお茶を入れてくれてるのにキョンったら全く有難味を感じてないわ!
そんなキョンに折角だからコンビニでプリンも買ってくるように言い付けたのがついさっきの事。
何時もだった『やれやれ』とか言いながら出かけていくのに今日に限って行き成り上の様なことを言ってきた。
本来ならそんなの一笑してキョンを送り出すんだけど何故かあたしはキョンと"一緒"にコンビにまで来てしまっていた。
 
流石に1月になっただけあって外は思った以上に寒かった。
こんな事ならカーディガンだけじゃなくてジャンバーも着てくれば良かった。
そしたらキョンの奴、何時もは超が付く位気が利かないのに今日に限って。
『そんな格好じゃ風邪引くだろ。俺のコートとマフラー巻いてろ。』とか言ってあたしにかけてきたのよ。
ふ、ふん!雑用にしては良い心がけじゃない!大体アンタは日頃からあたしに対する敬いの心が足りないのよ!
って言ったら『やれやれ、また始まった』って顔するのよ!
こうなったら只のプリンじゃ許されないわ!そうね今から行くコンビニで一番高い奴をこの団長に献上しなさい。
そしたら許してあげるわ。って言ってやったら『まったく、新年早々散財か…』って呟くのよ。
こうなったらプリン以外にも色々頼んでやるわ!
 
で当のコンビニまで来て買い物を済ませたのは良いんだけど。この寒い中をまた部室まで帰るのはちょっと骨ね。
それに折角かった肉まんやらも冷めちゃうわ。キョンが『まったくプリンだけじゃなかったのかよ』って言ってるけど。
少しは甲斐性あるとこ見せなさいよね。まったく将来思いやられるわ……ってなんであたしが将来の事心配しないといけないのよ、アホキョン!
 
しょうがないからコンビニの喫茶コーナーで食べていく事にしたんだけどキョンったら眠気覚ますために態々ここまでコーヒー買いに来たのにあたしがプリンに悪戦苦闘してる間に横で寝ちゃったのよ。まったく信じらんないわ!
で何時もの感じで起こそうとしたんだけど。
 
…キョンの寝顔…
 
何時もは憎たらしい事言ったり、やる気のないような事言ってるコイツのだらしない顔。
でも言うほど変な顔じゃない。ううん、古泉君が何時も居るから比較されがちだけどキョンも結構良い線行ってると思う。
ただそんな事に無頓着なだけで、ちゃんとしたら結構いけると思う。それに寝顔は案外可愛いかも。
こうやって見てると、入院してた時の事思う出しちゃう。このまま目を覚まさなかったらって。
急に不安になってキョンの顔をまじまじと見つめたらちゃんと寝息を立てていた。
どうせ今日から学校なのに夜中のB級映画でも見て寝不足なんでしょうけど、団長を暇にさせるなんて良い度胸ね!
罰として寝顔観察の刑に処するわ!
 
でもそんなキョンを見ながらつい頭をなでてしまった。
ナンダカンダ言ってあたしの無茶な思いつきに付き合ってくれてるのはキョンだ。
有希やみくるちゃんや古泉君達もそうだけど、キョンは他の三人とは何か違う気がする。
それにキョンはあたしには言えないような事をしてるような気がする。あくまでそんな気がするだけだけど。
それも全部あたしが関係してる気がする。それでも"一緒"に居てくれるキョン。
SOS団を作る切欠をくれたキョン。髪型の事に最初に気付いてくれたキョン。映画の時本気であたしを怒ってくれたキョン。
ずっと一緒に居られるか判らないし。あたしの中にあるこのモヤモヤが何を表してるのか今はまだ気付きたくないけど。
それがモシそうなら………これって本当は精神病じゃないのかもしれない。だからもう少し。まだあたしが答えを出せないうちはいまのままで良いかな?
 
ね?キョン
 
追記
 
気付かなかったけど、コンビニの外には何故か阪中さんや国木田といった5組の連中が何人かいて。
あたし達の姿を見られてたなんて一生の不覚だわ!いいことキョン?アンタ責任とんなさいよね!