奴はおだてりゃ木に登る (79-27)

Last-modified: 2008-02-04 (月) 22:45:57

概要

作品名作者発表日保管日
奴はおだてりゃ木に登る79-27氏、79-40氏、43氏08/02/0308/02/03

作品

「……何やってんだお前」
俺は遥か頭上にいるハルヒに呆れながら話しかけた。その本人は木の枝に腰掛け空を眺めている。
「UFOでも見えないかなって思って」
「屋上行けよ」
現在ハルヒがいる高さは屋上どころか3階にすら届いていない。もっと高いとこの方が見つけやすいんじゃないのか?よくわからんが。
「鍵かかってたのよ。いくらあたしでも錠破りの技は持ってないわ」
残念そうに物騒な事をほざくハルヒ。なら3階でもいいだろうが。煙とほにゃららは高いとこが好きって奴か?
「……あんたもここ来なさいよ」
ほにゃららの仲間入りしようってか?
「断る。お前こそ早く降りろ。危ないぞ」
「なによ、あんた木登りも出来ないわけ?」
哀れむような目で見下ろすハルヒ。俺を沸騰させるにはそれだけで十分だった。
「バカにするなよ。俺は小学生時代木登りマスターと呼ばれていたんだ」
言うが早いか、よっと幹に足をかけ登り始める。む、この木、枝が少ないな。
うぉっ!?あ…危ねぇ、危うく落ちるとこだった。っと。そりゃっ。
 
「……すみません本当は呼ばれてませんでした」
ようやくハルヒがいる枝に辿り着いた時、俺は見るも無残なくらい疲労困憊していた。
「だらしないわねぇ。変な見栄張るからよ」
見栄と一切無関係なハルヒが冷ややかな視線を送る。継続ですか。
「せっかくだからあんたもUFO探しなさい」
「へいへい」
なこと言ったって、軽く赤みの入った空にはボツボツと雲が浮かんでいるだけだ。あとは鳥とか。
「………」
学校の3階から外を見るのと、木の上から辺りを見るのは、なんか同じ景色でも違う雰囲気が感じられるな。上手くは説明出来んが。
すぐ隣にハルヒがいるせいか妙に意識してしまう。我ながら情けない…。とその時、ハルヒの体が若干揺れた。
「おっと」
「…え?」
いや、別に落ちそうなぐらい揺れたわけじゃないんだが、気がついたら俺はハルヒの肩を抱いていた。ヤバいどう言い訳するか。
「か、勘違いするなよ!落ちそうだったから支えてるだけだぞ!」
「……そう」
長門のような返答をしたっきりまた空を眺める作業に戻るハルヒ。その間俺はずっとこいつを抱いてなきゃならんのか?
自分で蒔いた種とはいえ、何でこんなことになっちまったんだか。説明してくれよ団長。
「ありがと」
「ん?何か言ったか?」
「別にぃ」
そうかい。…何で急に嬉しそうなんだよ。気色悪いなおい。

イラスト・スレの流れ

79-40 haruhi_kinobori.png
 
とりあえず、木に登らせてみたけど、キョンを配置できなかったんで
代わりに豆撒きさせてみた。ってもう日付が変わっとるがな orz
 
「福は~うち~っ!UFOも~うち~っ!」
キョンはハルヒの真下にいるとでも思ってください。

 

「ちょっとキョン!あんたなんであたしの真下にいるのよ!まさかスカートの中覗こうってんじゃ……」
「俺がどこに居ようと俺の勝手だろ。それにお前のスカートの中なんぞ覗かんから安心しろ」
なんだよ古泉。はぁ。何言ってやがんだ。
ハルヒが万一落ちてきたとき受け止めるためなわけねぇだろ!
ってニヤニヤしてんじゃねぇ気色悪い!