学校を出ようとコラボってみた (126-430)

Last-modified: 2010-04-25 (日) 02:25:53

概要

作品名作者発表日保管日
学校を出ようとコラボってみた126-430氏10/04/1810/04/24

 
学校を出ようとコラボってみたが、知らない奴には一応謝っとくm(_ _)m
谷川氏のもう一つの作品なのでコラボってみたいのだ
完全に自分勝手だけど
 

真琴とキョンの会話 (677氏)

「うん?ここはどこだ・・・?」
確かさっきまで授業中だったはずだ。そして俺はひたすら睡魔と激戦を繰り広げてはいたが、やはり人間の根本的な欲求に勝てるわけもなくあえなく惨敗し、
こうやって船を漕ぎ始めていたのだが・・・・。気づいてみればここはどこだろう。俺の回顧記録に一切記録されていない場所。
それどころか部屋中に観葉植物達が埋め尽くされている。ここは夢の世界か?頬をつねってみる。いてぇ。こりゃ現実だ。
「あんた誰?」
やはりこれまた聞いた覚えが微塵もない声がした。視線を向けてみると、そこにはソファーにだらけた感じで横たわっている女がいた。
長いポニーテールを枕代わりに寝そべり、見た目は俺と同じ年齢に見えるが、この若さで醸し出せるとは思えない色気すらある。
この女が街中を歩けば男女問わず十人中九人は振り返るであろう美人さだ。・・・て、何俺はこんなに分析してんだ。谷口じゃあるまいに。
「それ、俺に言ってんのか」
「他に誰かいんの?」
俺は自分の名前を告げたが、この女は大して面白くもなさそうに目線を下げた。何もしてないないのに俺に興味がなくなったらしい。
「ふ~ん、そういう名前なんだ。で、どうしてここにいんの?」
「知らん。気づいたらここにいた」
「一般人が紛れ込むねぇ・・・・」
何やら思索を巡らしてるっぽい。
しかし、一般人とはどういう意味だろう。確かに俺は疑いようもない純然たる一般の高校生男子だが、
こういうセリフは「一般人」という枠に納められていない奴らが使うものだ。つまり、この女は一般人ではない。
まあ、だからどうしたという話なのだが。俺には宇宙人未来人超能力者や神様モドキの奴らと知り合いなのだ。これ以上何に驚けというのか。
それに俺だって自分から首突っ込みたくはないので、この女が何であろうがどうだっていい。ハルヒと関わるのでなければ。
「あんた、普通の人間じゃなさそうね」
言葉を選んで発しているような慎重さが見受けられる。何でだろう。俺に事情聴取したって何も得られねえぞ。
「ここに来ちまうんだから、まあ普通じゃないんだろうな」
「気に入らないわねぇ。何?その態度。少しは混乱とかしなさいよ。それなりに場数を踏んでるっぽいけど」
こいつの言う通り、確かに俺は他の一般人と比べりゃ経験値はかなりのもんだ。中ボスくらいなら片手で倒せるかもしれん。
だが何故解る?俺はお前の意図するようなことは何も言っていないぞ。
「興味ないんでしょ?知らなくていいわよ」
「ああ、確かに興味ないな。だが俺は何故ここにいるのか知りたいんでな」
「さあてね。あたしにも解らないわ。お手上げ。予期せぬ事態ね」
「じゃあ、ここにいても無意味だな。他んとこ行って探す」
この女、何が本気か嘘か判断に迷うような笑みを浮かべやがる。本当は俺が来た理由知ってんのか?からかってんのか、もしや。
「そうね。そうした方がいいわ。まあ無駄だと思うけど」
「・・・・・・・最後に一つだけ聞きたい。お前ら涼宮ハルヒについて、何か知ってるか?」
そいつを誰か知っていたら、俺は誰であろうと警戒せざを得ない。そんな出来事が春にあったからだ。
「は?誰それ。珍しい名前ね。聞いた事ないわよ」
「なら、いい。邪魔したな」
部屋の扉から出ると、真っ白い光に包まれて目をつむったが最後、俺の意識は消失した。奥でこんな声が聞こえたのは覚えてる。
 
「宮野の言う上位世界がまたここに干渉してきた・・・?何考えてんの、インスペクタ――」
お前の言ってるいることの方が何ひとつ理解出来ない、なんて考える暇もなく、次俺が目を覚ました場所は、
 
見覚えのある2年5組の教室だった。しかも英語の授業中。
夢か現かも解らない出来事の前の世界でも、確かこんな日常風景だった。つまり、俺は戻ってきたのだ。
後ろのハルヒにシャープペンで包まれてこう言われた。
「あんたさっきまで唸ってたわよ。何の夢見てたの?」
・・・・そう言われると、何故か思い出せない。はて、俺は何を見ていたんだろうか。
とある日の午後のことだった。

高崎兄妹との会話 (773氏)

どうやら、俺はまたこのアホな幻想をみているらしい。
どうしてまたこんなもんを見ているのだろう。今は眠気を誘うような授業中じゃなくて部活の真っ最中だぞ。
目覚めたらハルヒに何て言われるか、想像するのも怖い。
果たしてこれは夢なのか、あの時は目覚めたら教室にいて、なるほどあの一件は夢なのだと頭に思い込ませていたのに
現実はどうも俺の好きな解釈は望まないようだ。ちったあ俺の願いを聞いてくれてもよくないか?
今度いるのはあの観葉植物の緑に包まれた空間ではなかった。どこかの部屋の一室。これは寮の中と言った方が正しいのか?
「ん?誰だお前、音もなくいきなり現われやがって。宮野2号かよ」
いつもの俺がこんな表情をしてそうな顔で、声から類推するまでもなく見ての通りの野郎がこちらを面倒臭そうに視線を向けてきた。
これからは仏頂面しないように気をつけよう。俺はこの野郎を見てそう決意する。
「見れない奴だな。しかもその制服、この学園の生徒じゃないようだが、どうやってここに入ってきた?」
「解らん。気づいたらここにいた」
前にも同じセリフを吐いたような気がする。
「特殊なEMP能力でも持ち合わせてるとかないのか?まああの能力に特殊もなにもないが」
「EMP・・・?何だそれは。新しい魔法か何かか」
その男はキョトンとし、次に何かに思い当たったようにこう言った。
「・・・・一般人か、お前」
てことはこいつは一般人ではないようだ。・・・・・またか。
「あー今の会話は忘れてくれ。忘れた方が身のためだ。こちらの失言だ。そうだな、お前のような奴がここに紛れ込んだ理由を知ってるかもしれん奴を一人知ってる。
案内しよう。俺も真琴に聞きたいことは他にたくさんあるからな」
「悪いがいきなりそんなことを言われてもな。なにより信用ならん。人を信用させてからそういう行動は取ってくれ。
俺は純粋な一般人なんだ。万が一何か危険なことに巻き込まれちゃ困るんだよ」
「・・・確かにそうだ。僕も状況把握能力に欠けているようだな。僕は高崎佳行。ちなみにお前と同じ何の力もない一般人だ」
「お前でなくここが普通じゃねぇってことか」
「そうだ。だがこれ以上の詮索はやめといた方がいい。それ以上はお前の記憶を消去せざるを得なくなるらしい。性根最悪だが一級のテレパスを持つ――それが真琴だ」
別にお前らに興味もない。俺はさっさとここから出られれば文句はないのだ。また光やんあやに包まれて今度は部室で目覚める、そんな展開を俺は希望する。それ以上は望まん。
「じゃあ案内しよう。たぶん真琴なら解決してくれるだろうさ。今の時間なら生徒会室にいるだろ、たぶん」
えらく協力的なのが疑わしいが、この際帰れるのなら何でも利用してやろう。
・・・・・・しかし、何故ここには長門も古泉も朝比奈さんも登場してくれないのか。これが俺の夢であるならば、俺は臨めば出てくると思うのだが。
高崎がドアを開けようとしたその時。
ドアの向こう側にいた何かが高崎に突っ込んできた。
「いったぁ~い。あれ、兄さん何寝転んでるの?」
なんとなくだが、いきなり突貫してきた女の子に突き飛ばされた高崎がかわいそうに思った。
「・・・・・春奈、お前が僕を押し倒したんだぞ」
会話から類推するに兄妹のようだ。羨ましい、妹から兄さんと呼ばれてるとは。
誰か俺を「兄さん」や「お兄ちゃん」と呼んでくれる奴はいないのか。決してキョンくんなどではなく。
「で、何しに来たんだ春奈?」
「それがね兄さん。さっき真琴先輩から呼び出されたんだけどさ、
一般人にしては変な侵入者がいるから見つけ次第捕獲とかなんとか言われたんだけど・・・・・・もしやその人?」
「何でお前が?いつもなら校内放送とかされるはずだ」
「宮野くんに嗅ぎ付けられたら面倒だって」
「その意見には同調する」
前にもその宮野というたぶん男の名前を聞くが、一体そいつはどういう奴なのだろうか。
「でさ、兄さん。その人捕まえていいの?」
「捕まえるも何も、たったいま真琴の所へ行こうとしたんだよ」
勝手に話を進めないで欲しい。
「おい。さっきから宮野だの真琴だのなんなんだ?やっぱり俺は誰かも解らん奴のとこなんか行きたくねえ。
しかもその一人は性根最悪なんだろ?危ない橋は渡りたくない」
「宮野くんは・・・・・えっとね、ちょっと変だけど頼りになる人だよ。真琴先輩も変だけど、こっちも頼りになるかなあ」
「どっちもかなり変だ。とにかく今はついてきてくれないか?でないとのちのち面倒なことになる。それはお前にも不都合じゃないか?」
不都合というよりは不快だな。
高崎兄妹は強引に俺を廊下に出させようとする。流されるままにドアを開けようとした。というか開けた。
 
そしたらなんということだろう。またもや白い光に包まれた俺は、また意識を奪われた。
今度は何も聞こえてこなかった。
 
覚醒するとまず気づいたのが―というか気づかないはずがない、至近距離でハルヒの顔があったことだ。さすがに飛び起きることはしないが、驚いたぞおい。
「おおっ、相変わらずよく眠ってんのね」
目を逸らすな。何やってたんだ、俺が寝てる間に。顔にらくがきとかしてないだろうな?
「しないわよ、バカ。別に、2、3回ほっぺつねってたらあんたが起きただけ」
どおりでだんだん頬が痛み出したわけだ。俺の寝つき良さに感謝しろよ、敏感だったら反撃してたぜ。
「そんなことはとうに知ってたわよ。合宿で船乗ってたときも何枚写真とられても起きなかったもん、あんた」
ああ全くだ。起きとけば朝比奈さんと憩いの時間を過ごすことがあったのかもしれんのに。うん、俺って奴はどうしようもねえ。
それより、もう8時だと?お前今までずっと待ってたのか。
「あんたが起きないから」
そりゃどうも。じゃあ、帰るとしますか。ジュースで良かったらお詫びに奢ってやるぞ」
「別に謝礼が欲しくてそんなことしたんじゃないけど、好意には甘えるわ」
 
それからフツーに帰宅したわけだが、別れる間際にこんなこと言われたのがちょっと気になってしまった。
「あんた、最近寝すぎよね。睡眠不足?授業中に寝てたんじゃあんたまたテストで悲惨な目に合うわよ。じゃあまた明日ね!」
テスト云々は余計だが、そんなに俺は寝てるのか。しかも眠る度に変な夢をみるのだが、これは一体どういうことだ。
今度長門にでも聞いてみよう。