概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日 |
小ネタ『寝顔を撮れ』 | 82-27氏 | 08/02/26 | 08/02/26 |
作品
俺は今困惑していた。
事の発端はこうだ、暇潰し程度にPCをいじっていたら『kyon』と題されたフォルダを発見。
中を覗くと俺の寝顔ばかりが写ってやがる!部室で寝こける俺、孤島へ向かうフェリーの中で寝る俺、屋敷のベッドの中で眠る俺、授業中に寝ている俺!
っていうかどうやって撮りやがった…これは。
犯人はわかってる。こんな事をして俺を嘲笑うのは独りしかいない。
朝比奈さん?まさか、彼女は極度の機械音痴だ。PCなぞに触ったら三秒でショートしちまう(両方が)
長門?あいつはこんな無駄な事はしない、そもそも必要ないだろうよ。
と言う訳で残るはハルヒだ…あの野郎。
こうなったら復讐だ!逆襲だ!下剋上だ!!
俺はカメラを持ってハルヒを求めて部室を飛び出した。
ハルヒの奴はあっさり見つかった。いつかの中庭に聳え立つ樹に背中を預け、春の陽気にあてられながら寝てやがる。なんてご都合主義!俺はシャッターを切った!!
「…………」
で、冒頭に戻る訳だが…
写真は撮った…しかしそこに映し出されているハルヒの寝顔を見て俺は狼狽を禁じ得ない
―綺麗だ…―
陽にあてられたせいか頬はほんのり紅色に、春の風に棚引く繊細且つ極め細やかな髪の毛
そしてとても安らかな表情――自分の顔に血が集まるのが分かる
くそ!こんなのどうすりゃいいんだ!?
……とりあえず、俺はハルヒの隣に腰を落ち着かせ、もう少しだけその寝顔を眺める事にした。