愛情で熱いお茶 (26-193)

Last-modified: 2007-01-27 (土) 00:27:33

概要

作品名作者発表日保管日(初)
愛情で熱いお茶26-193氏06/11/1106/11/13

作品

深夜にこっそり。
調子に乗って若奥様ハルヒ。
結婚して一年、ハルヒは今日も元気です。

 
 

『愛情で熱いお茶』

 

キョンが遅い。なかなか帰ってこない。
今日は珍しく遅くまでお仕事みたい。……仕事のはずよね。
なんかさびしい、と思う。早く帰って来なさいよね!

 

まさかと思うけど変なところに寄り道してんじゃないでしょうね。
む、と口をへの字にしたところでキョンが帰ってきた。
パタパタと玄関に向かうあたし。
「ふぅ疲れた。今日は珍しく残業だよ」
「もう、だったら連絡くらいしなさい」
「あれ?したぞ。ほらメール」
と言って携帯を差し出すキョン。
あたしはテーブルの上に置いた自分の携帯を見る。
……気付かなかった。
変に疑ってごめんね。
お疲れ様の意味もこめて、キョンのためにお茶を入れた。

 

「お、ハルヒ、ありがとさん」
「どういたしまして」
あたしはしずしずとうなずく。
「ん、疲れが取れるね」
なんだがキョンはうれしそう。
あたしも自然と笑顔になる。

 

「当たり前よ!このお茶にはあたしの愛情がたくさん入ってるんだから」
「そうかい」
なんか投げやりね。でも口元がニヤケてるのが見えてるわよ。
ちょっとからかってみようかしら。

 

「アツアツのあたしの愛で口の中がヤケドしそうに熱いはずよっ」
「……うおっ熱い!マジで今ヤケドしそうだったぞ」
キョンも乗ってくれる。
「だから言ったでしょ。あたしのハートに火をつけると、ヤケドするわよ!」
バキュンっと人差し指でテッポウを打つ。
「……っぶ、くくく」
「こらバカキョン!なに笑ってんのっ」

 

あたしの気持ちはお茶に濁されてしまった。
もう……バカキョン