機動戦士ガンダムSosEED (55-943)

Last-modified: 2007-08-15 (水) 02:05:28

概要

作品名作者発表日保管日
機動戦士ガンダムSosEED55-943氏07/08/1507/08/15

スレの流れ

昔誰かが角川はハルヒ、ガンダム文庫だと言った。
それを受け、住人の一人は「ハルヒをガンダムに乗せればいいんだよ!」と言った。
なんかそれが具現化されたので書いてみる。
種を一通り知っている人推奨。

機動戦士ガンダムSosEED

 俺が世界の命運を握ることがありうるかと聞かれれば、俺は地球シュミレータよりも素早く
NOの答えを出しただろうし、実際そんな状況にもなりたくなかった。
だが若干一名我らが団長様はそんなシチュエーションを心待ちにしていたらしく、西に木星帰りの
男がいれば行って質問攻めにし、東にモビルスーツでのファイトがあれば観戦し、
平和なときはひたすら欠伸し、戦争になりそうなときはちょっかいを出し、ヘリオポリス北高校の
ボロボロの文芸部校舎で少しの茶を飲み、まあ要するに不謹慎なことに自分がヒーローになれる
チャンスを待っていたって事さ。
 
 ある晴れた日、俺は谷口、国木田となぜかコロニー内にありながら重力制御されていない坂道を
汗だくになりながら上りつつ、今回の試験の俺と谷口の希望的観測ながらも絶望的な点数と、国木田の
俺にはサッパリわからん解説を話のネタにして学校へと歩いていた。
 教室で俺の後ろの席で退屈そうな目をしていたハルヒが、急に目をマグネシウムリボンを火中に投じたような
輝かせ方をし出した。こういう場合、たいていは俺が疲れ、朝比奈さんが限りなく透明に近いブルーな気分に
なることはわかりきっていた。
「今度は何を思いついた?」
そう俺が聞くと、ハルヒは意外にも厳しい顔を俺に向け、小声で耳打ちした。
「キョン、さっきの見た?」
何をだ。
「爆発よ。さっきコロニーの奥のほうで大きな爆発が見えたわ。あんたも気になるでしょ。見に行くわよっ!」
俺の意見を聞いているようで1ミリたりとも聞いていないのはデフォルトの仕様のようだ。しかし、爆発なんて
物騒なことがあるんなら、余計見に行くなんてわざわざ危険を冒す必要がある?
「いい!好奇心を無くした人間は馬鹿であり阿呆であり無能で団員じゃないの!あんたもSOS団の団員なら
少しは変わった事が起きて嬉しそうな顔をしなさい!」
そう言うと俺にウンともスンとも言わせず、俺のネクタイをつかんで校門まで一気に引っ張っていった。
俺は安全な学校で安全に非難したい。だが地球の夜空に輝く満月のごとく輝く表情の団長殿はそうは思わないようだ。
俺は今や常套句となった1フレーズをつぶやく。やれやれ。
 
爆発現場に着くまでもなく、ハルヒを喜ばせそうな物は難なく見つかった。
工業カレッジの倉庫地帯を横切る時に、チラッと見えたそれをハルヒは見逃さなかった。
「ちょっとキョン、あれ、何だと思う?」
壊れた倉庫からはやたらとでかい足のようなものが見える。そんな足を有する機械を俺は
1種類しか知らない。
「モビルスーツだろ。」
「そんなことあたしにだって分かるわよ。問題は、それが何でこんなとこにあるかって事よ。」
んなもん俺にわかるか。
「ていうか、さっきのさっきの爆発もザフトの攻撃でしょ。ニュースで警戒せよとか言ってたし。
こうなったら道は一つね!」
何する気だ。聞きたくもないが。
「あたしたちがこれでやつらを追っ払うのよ!」
・・・・・・・・なあハルヒ、俺らは平凡な高校生で、平和な生活を満喫してた筈だよな。
ならあえてそんな危険を冒す意味はあるのか?
「今までそうだったからっていってずっとそうじゃ人間進歩しないのよ!正義は時代とともに変わるのよ!」
意味は分からんが、俺にもこいつに乗れって?まあゲームでシュミレーターをやってたから
動かせんことは無いだろうが戦えるかどうかははなはだ疑問だぜ?
と、俺が思案していると、スマイル0円を浮かべつつ、汗だくになって走ってくる超能力者と、その背中で
体力を使い果たしぐったりしている未来人、汗一つかいていない宇宙人が現れた。
こら古泉何朝比奈さんを背中に抱いてやがるうらやましすぎだ離れろ俺と代われ。
「長門さんが異変を察知しましてね。」
いいから朝比奈さんを降ろせ。
「さっすがあたしのSOS団ねっ!全員集合!これからあたしたちはザフトの奴らを迎え撃つわよ!」
「ふぇえ~?」
「・・・」
「さすが涼宮さんですね。」
おい、なぜお前ら納得している。俺は納得などできんぞ。それともこれも古泉、お前の寸劇か?
「いえ、さすがにこの件を組織が引き起こしたというのはありません。ただ、連合の幹部に僕の親戚がいるとでもしておきましょうか。」
もうそれで十分だ。
「さて、有希はこのデュエルってのに乗りなさい!古泉君はこのフォビドゥンってのに!みくるちゃんは・・・・ステルス機能のついた
そこのブリッツってのに乗ってその辺漂ってて。」
俺とお前は?
「あたしがこのストライク、あんたはそこのフリーダムに乗りなさい!」
 
はてさて、俺が一番高機能なモビルスーツをあてがわれた意味はなんなのかと考えていると古泉が人の思考にわりこみをかけて
通信を入れてきた。なあ古泉、いったいどういう意味だ?
「言ったでしょう。あなたと涼宮さんはこれ以上ないという信頼感で結ばれていると。」
あーもういい。お前の言いたいことは大方予想がついていた。しかし、俺はニュータイプでもなんでもなくましてやアニメージュやアニメディア
であるはずがない。そんなことを思案していると今度は別の奴から通信が入った。
「これだけの物をこんなOSで動かすのは無茶。キャリブレーション取りつつ、疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結。
ニュートラルリンケージ・ネットワーク、再構築。メタ運動野パラメータ更新。フィードフォワード制御再起動、伝達関数。コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続。システム、オンライン。ブートストラップ起動。動ける。」
と、さっきまで餌を与えられず殺されそうなゾウなみの鈍さだったモビルスーツが、シャミセンのような機敏さで動くようになった。
「これでちゃんと戦える。信じて。」
信じても何も、長門を疑う気などまったくありゃしない。
と、今度の通信はハルヒだ。
「何、急に動きがよくなったわよ!これ!いい、敵がきたわ。こんな不埒なことをしでかす奴らよ。ギッタギタのメタメタにして丁重にお帰り戴くのよ!」
言われなくてもそのつもりだ。だが、MSを勝手に弄っている俺らは不埒じゃないのか?
「いいのよ!あたし達は!」
何故だ。
「正当防衛よ!ほら、着たわよ!」
 
それからはアクションの連続である。ハルヒは次々と敵を撫で切りにし、古泉は「マッガーレ」とか言いながら曲がるビームを撃ち、
長門はちびちびとビームライフルを撃ち、朝比奈さんはどことも知れぬ空間を透明になりながら漂っていた。
だが想定外だったのは敵の数である。突出して突撃する癖はゲームと同じで抜けていないと見える。
と、ハルヒに向かって放たれたバズーカがストライクを直撃しそう、いや、間違いなくする!
 
「アブねえ!ハルヒ、下がってろ!」
俺の差し出した盾は敵の放った榴弾を爆破させ、衝撃を吸収した。
「何でよ!あたしがやらなきゃ誰がやるっていうの!」
「俺が何とかする!長門は自分でなんとかするだろうし古泉は死んじまわない程度にならどうでもいい。朝比奈さんはどこにいるか
俺にも敵にも分からん。だが、お前だけは危なっかしくて見てられん。早く安全圏に退避しろ。」
不自然に長い沈黙の後、不承不承といった感じの声で、ハルヒは「分かったわ。」と答えた。
「キョン。」
何だ、俺は忙しい。
「あたしを、守ってよね。」
 
 
言われなくてもそうするさ。団長殿。
 
結局俺たちは長門のOSアップデートのおかげで、敵を退け、目下なくなってしまったコロニーから
最寄の連合基地へ向けて宇宙遊泳中だ。
よく分からんが朝比奈さんはだいぶ前にそこへ流れ着いたらしい。
ハルヒはよく分からん上機嫌でハルヒ隊のエンブレムを考案中だ。
さて、使い古されたワンフレーズをもう一度遣わさせて頂こう。
やれやれ。
 
 
~赤服隊とスーパーコーディネイター~
イザーク  「なっ!全部。。バスターじゃないか!キィサマアアア!」
ディアッカ 「グゥレイト!」
 
 
キラ 「バスターガンダム?これ嫁補正かかるの?」
アスラン「シーッ」