涼宮ハルヒとねるねるねるね (15-79)

Last-modified: 2007-01-25 (木) 02:30:21

概要

作品名作者発表日保管日(初)
涼宮ハルヒとねるねるねるね15-79氏06/08/1806/09/04

作品

ハルヒ「とゆー訳で、SOS団恒例駄菓子大会やるわよっ!!」

 

いつもながらいきなりかよ。つーか何時の間に恒例になったんだ?
ハルヒ「こないだから」
ああお前が俺の写真ぐっしょり濡らした日か。本当かウソか知らんが。
ハルヒ「もういいでしょそんな事。それより今から駄菓子買いに行くわよ!」
さっきから何振り回してると思ったら、駄菓子輸送用巨大ナップサック。まあ用意のいいこって。
ハルヒ「早く行かないとお店閉まっちゃうわよ!買ったら有希の部屋に集合ね!」
団長様の号令により、SOS団駄菓子買い出し部隊は出動した。

 
 

────で、何ですかこのねるねるねるねの山は?ハルヒさん?

 

長門 「私が望んだ」
ハルヒ「有希がね、どーしてもやりたい事が有るからって。わざわざマツキヨまで行って箱買いしたんだから」
みくる「ふえ、重かったです……」
そして古泉と俺は軽音楽部からシンセサイザー借りて来た訳だが、何する気だ?

 

ハルヒ「はーいじゃあ有希、コレに着替えてー。キョン、シンセの配線頼むわよ」
何だ何だ一体なんだ?ハルヒと朝比奈さんは布で長門の着替えを隠してるし。…何笑ってんだ古泉。
古泉「いや、大体予想はつきますからね。判りませんか?アレしかないでしょう」
判らん。つか知らん。俺の脳細胞はお前ほど落ちぶれちゃ居ないぜ。

 

ハルヒ「はーい!おまたせしました~!じゃーん!!」
ハルヒと朝比奈さんが布を落とす。────其処に居る長門は、真っ黒魔法少女姿にメガネまで掛けていた。
……何だ?今から映画続編の撮影始める気か?
ハルヒ「中々カンが鋭くなってきたじゃない。でも映画じゃないわ」
つか朝比奈さん、其の御手にお持ちの謎物体は何ですか?放射状に豆電球が並んでる。
みくる「映画研究部さんから借りてきました。すごいんですよ?このスイッチ押すと点滅するんです」
クリスマスツリーみたいに点滅する謎物体。えと、未来には豆電球とか無いんでしょうか。
ハルヒ「古泉君、ハイコレ。スモーク係りね」
古泉にドライアイスの包みとうちわが手渡される。そして俺にはビデオカメラ。ハルヒが顔を近づけた。
ハルヒ「キョンは撮影係!頼むわよー!」

 

真っ暗な部室。机の上に用意されたねるねるねるね。ソレを前に座る魔女っ子長門。
長門の背後にはあの光る怪物体が設置され、前からは懐中電灯とスタンド。長門の顔が浮かび上がる。
古泉は脇でドライアイスを炊いている。朝比奈さんは例のスイッチを握りしめて真剣な顔。
ハルヒはシンセサイザーの前で何か調整している。で、俺はカメラ係。これしかできんのか、俺?
ハルヒ「じゃあ行くわよ────……     …用意、スタートゥ!」

 

長門「ねるねるねるねは………ふぇっふぇっふぇっふぇッ」

 

真顔で奇怪な笑い声を発する長門。怖いぞおい。      ……って、え?

 

長門「ねればねるほどいろがかわって」

 

ねるねるねるねをねる長門。古泉の必死の団扇の音が続く。   ……つーか、まさか。

 

長門「こうやってつけて」

 

ねるねるねるねの表面にトッピングをつけた。            ……やりますかやっぱり?

 

長門「ウマイ」

 

            ~テーレッテレー!~

 

ハルヒ「 ね っ て お い し い ねるねるねーるねっ!!!」

 
 

……ヤッパリですかハルヒ超監督。ニブい俺でも途中で判ったよ。
電気の付いた部室。長門の背後で放射状に光が点滅している。つかあのCMソング、どうやって再現した?
ハルヒ「んー、アドリブで。結構上手くいったわね」
シンセであのファンファーレと音楽を再現しながらあの台詞を叫んだらしい。無駄だ。史上最大の才能の無駄使いだ。
さっそく映像鑑賞。  ……ヤバい。結構面白い。笑える。
つか古泉、いつものサワヤカサンスマイルなのに何か我慢してるようにみえるのは気のせいか?
ハルヒはPCに取り込み編集し始めた。命令されて俺も手伝う。そしてSOS団史上、最強のバカ映像が出来上がった。
  ……鶴屋さんに見せたら、ものすごい事になりそうだ。

 
 

さて。ひとしきり笑った後ふと机の上をみると、ねるねるねるねが大量に余っている。
どうすんだこれ?てゆーか何でこんなに買って来た?そんなにリテイクの予定でも有ったのか?
長門 「それは私の。皆で食す」
ハルヒ「そーよっ!今から駄菓子パーティ改め、ねるねるねるねパーティ始めるわよ!」
どんなパーティだよ。

 
 

案の定、開始十分でパーティは暗礁に乗り上げた。……はっきり言おう。飽きたのだ。
元々種類はうまい棒よりも少ない上、このいかにも合成しましたといった身体に悪そうな味。
10分で俺とハルヒ、古泉は閉口。長門はもくもくとねっては食べねっては食べている。
意外なのは朝比奈さん。「なつかしいです~」とか言って結構食べてるが、もしや未来の食物って……
と、ここでハルヒはまた妙な事を言い出した。

 

ハルヒ「全部混ぜてみましょ!!」
あああおいこらやめんかやめんか。つか調子に乗って他の駄菓子も混ぜるな。
ハルヒ「みくるちゃんボウル取ってー」
あああ朝比奈さん言いなりにならないで。ワーオグリコ投下。ポテチがねるねの海を泳いでやがる。
────何か泡出てきたんですが。臭いもすごい。おーい古泉ー我慢するなー。
あああもう何かすごい事になってる。表面に虹色の油膜ができた。既に食いモンじゃねえぞ。で、誰が食うんだ?

 

ハルヒ「あんた」
待てィ!!こんな何沸いてるか判らんモノを俺に食わせるか!!
ハルヒ「大丈夫よ。今から加熱するから」
大丈夫じゃねえー!!殺す気か!?そりゃあ俺はお前の手料理食ってみたいとはちょっとは思ったこともあったかもしたりしなかったりするが
何もバージンハルヒ手料理がこんな原初の闇よりい出し忌まわしき原形質なんてあそういえばクリスマスハルヒ鍋も手料理だからある意味いいか
って俺何言ってんでしょ─────アハンハン~~♪

 

ハルヒ「あーもーうっさいわねー!!じゃああたしが毒味したげる毒味!文句無いでしょ!?」
そういうとガスコンロで不気味に胎動しているねるねるねるねだった物体へ向かうハルヒ。
ふたを開けると────お?何だこの旨そうな匂いは?おたまですくって、ハルヒが一口。

 

ハルヒ「う………うまい!!!」

 

女子高生の海原雄山が降臨いたしました。信じられないといった様子で舌の上で転がしてやがる。
ハルヒ「すごい…あの材料からこんな美味なるものが生まれるなんて……まさに至高の……!?」
いきなりうつむいた。  ……どした?やっぱりか?
ハルヒ「…ごめん、トイレ」
そう言うと、ハルヒは部室を超光速で飛び出していった。

 
 

さて、残された俺含め4人と、謎のねるねるねるね物体。
さっきのハルヒの行動を見る限りまともな物とは思えないが────……  あの、匂いが。
古泉 「…おいしそうですね」
みくる「   …ジュル…    はわっ!?」
皆似たような反応だ。何せ匂いがイイ。匂いだけで飯3杯はいけそうだ。只、長門だけが、
長門 「…………」
マイクロ単位で眉をひそめていた。だが、遂に匂いに抗えなくなったのか、
古泉 「ちょっと、味見してみますか」
みくる「 …そう、ですね。もったいないですし」
4人分の小皿を用意し始めた。あのお二人さん?ちょっと怖いですよ?
とりあえず配膳終了。  ……頂いて、みましょうか。いただきます。

 

ウ・マ・イ・ゾ-!!!!!

 

北高部室棟文芸部室に味王が三人降臨いたしました。
うまい。本気でウマい。マジでハルヒ究極かつ全く新しい味を開発したのか?いかんこれはもう一杯グホッ!?
古泉 「……ウッ…」
みくる「う、うえ~~」
えぐッ。これはエグッ。後味の悪さは史上最強。
何だこのラザニアの下にドブのヘドロが入ってたような味は?うめきながら長門を見ると、
長門 「うかつ」
  ………────長門?どした?

 

長門 「皆、聞いて」
長門が、いつになくはっきりした声をあげる。悶えながら注目する俺と二人。
長門 「この食物の中に、既存生命とは全く系統を異にする新有機生命体が発生した」
    「涼宮ハルヒの調合した有機物及び与えた刺激により発生した、全く新しい有機生命体」
…は?
長門 「この生命体は、既存有機生命体の肉体を侵食する事により自己の代謝能力を確保する」
    「潜伏期間は予測で約半日、それまでに抗体注入が必要、私自身も例外ではない」
    「しかし私が生命体の遺伝情報を分析し抗体作成するのに一日以上かかる可能性大」
…えー?つまり?
わかりやすい言葉で言ってくれんか、長門?

 

長門 「…………バイオハザード」

 

ハルヒ「うひー!おまたせ────!! って、あれ?どしたの?」
長門がハルヒをキッと睨んだ。ハルヒがその迫力に思わずたじろく。
長門のひときわ重々しい声。

 

長門 「……涼宮ハルヒの体内に、新有機生命体に対する抗体を確認」

 
 

「え~と・・・・・・皆?  ・・・えと、どしたの?」

 

あなめずらしや団長席に妙にかしこまって座るハルヒ。
それもその筈、他三人が長机に座ってハルヒを見つめているのだ。無言で。
とりあえず朝比奈さんにハルヒお茶を注ぎまくってもらい、お茶ウンチクで文字通り茶を濁して貰ってるが・・・

 
 

以下は、これまでハルヒを中心に環視しながら小声で行った議論だ。
俺 (・・・・・・で、どうなんだ長門)
長門(抗体は涼宮ハルヒの体液に拡散している。涼宮ハルヒの体液の経口摂取が最も効率が良い)
古泉(どうします?涼宮さんに血液を少々分けてもらいますか?それとも・・・・・・唾液を?)
俺 (バカ言え何であの変態空間でもないのにンな真似せにゃならん。お前にだってやらせるかい)
古泉(おや、私は只唾液といっただけですよ?別に口移しとは言ってませんが?)
俺 (!!!!   ・・・───もういい。長門、血液採取だ。指を針か何かで付いて、そこに布でも───)
長門(駄目)
俺 (何!?)
長門(新有機生命体への抗体を複数種確認。涼宮ハルヒの体内各所にて偏在している)
古泉(じゃあ、涼宮さんの複数箇所の体液を摂取せねばらならないと?それは────)
長門(大丈夫、一箇所抗体全種が存在する部分がある。其処の体液を摂取すれば解決)
俺 (何処だそれは!?)
長門(口腔)

 
 

まああどうしましょ奥さん?すなわち、何だか皆でハルヒにキッス乱交を迫らねばならないようですよ?
いやいや、ちょっと待て?口移しで無くてもスポイトか何かで吸って回し飲みすりゃどうだ?それも如何かと思うが。
長門(抗体は口腔から隔離して数秒で自然消滅する。やはり直接経口摂取が確実)
   ・・・・・・さいですか。

 
 

既に残された道は一つしかない。SOS団存続の為、ひいてはハルヒの為、世界の為。
────────覚悟は決まった。やるか。皆。
古泉 「ええ」
みくる「あ、はい」
長門 「・・・・・・」
SOS団四人が立ち上がり、ゆらりとハルヒの方を向く。古泉が部室のカギをカチリと掛けた。
ハルヒ「え?   ・・・何?皆、何事??」
以上を察知したか、ハルヒも団長席からそそくさと立ち上がった。SOS団面々を見回す。

 

じりじりと動く。少しづつ、だが確実に。
ハルヒの事だ。生半可なウソ事情ついても突っ込んでくるだろうし、何より今回は時間が無い。
朝比奈さん以外、決闘中の剣客もかくやと思う程ゆっくりと間合いを狭めてゆく。
ハルヒの運動能力は周知の事実。生半可な動きでは捉えられない。だからこそ。
呼吸が荒い。いや、全神経系統が研ぎ澄まされた今、通常の呼吸音でさえ鼓膜は騒音と捕らえる。
うわあ俺何か拳法の達人みてえ。というかこの動き本当に拳法か?また別の動きとして俺の脳細胞は認知してるぞ?
包囲網が狭まってゆく。窓を背中に、ハルヒ専用の半月状の制空圏が形成される。

 

ハルヒの顔に疑念の、困惑の、そして恐怖の色が次々と浮かんでいく。

 

────────陣形は整った。其の刹那、

 

長門が構え、
古泉が構え、
朝比奈さんがあわあわし、
俺は気付いた。

 
 

             ~これカバディじゃね?~

 
 

その日は結構部活により生徒が残っていたらしい。よって目撃者多数だったようだ。
何せ部室棟の窓ガラスが突如破壊されたと思うと、渡り廊下の屋根の上にいきなり女子高生が降って来たのだ。
渡り廊下のトタンを思い切りへこませると、その女子高生は雨どいを伝って地面へ降下。
そのまま校内の何処かへと駆け出した。目撃者はその女子高生の顔を見紛う筈も無かった。

 

涼宮ハルヒ。
北高部室棟を根城にする大魔王は、まるで更なる名状し難き恐怖にまみえたが如く逃亡しやがった。

 

長門 「うかつ」
長門も予想できなかったらしい。まさか窓を体当りで破壊して飛び降り逃亡するとは。ハリウッドのスタントメンか?
古泉 「どうも脅え切っていた様でしたが・・・・・・よっぽど貴方が怖い顔してたんじゃ無いですか?」
バカ言え。俺にハルヒが恐怖する程の顔が出来るか。お前の笑顔が怖かったんだ。なあ長門?
長門 「涼宮ハルヒは恐怖していた。目標達成に囚われすぎて顔がデフォルトモードになってしまった」
・・・デフォルトモードの顔??怖いのかそれ?
長門 「見る?」
結構でございます。

 
 

とにかく校内に逃亡したハルヒを追う為、残りSOS団四人で手分けする事になった。
階段を上がり、教室へ。一クラス毎確認するが、成果なし。夕闇に包まれかけた机と椅子の群れ。
やれやれと溜息をついてもう一階上に行こうとして────・・・   ・・・?
泣き声?しゃっくりあげる様な声。どこからだ?僅かな声を頼りに辿り着いたそこは────

 

女子トイレ。確かにココからだ。そしてこの声。泣いていようとも間違う筈が無い。
ハルヒだ。ココに居る。
   ・・・・・・・・・さてどうすんべ?さすがの俺も女子トイレに堂々と侵入する程の変態ではない。
辺りを見回す。誰も居ない、気配も無いのを確認し、そっと足音を消して入る。
一番奥、ちょっと薄汚れたトイレの扉が閉まっている。その奥からしゃっくり上がる声。
────────ハルヒ?

 

ハルヒ「!!!??クヒッ!?」
矢張りか。ハルヒ?ハルヒだな?そうなら返事しろ。
ハルヒ「  ・・・・・・キョン・・・    ・・・なの・・・?」
そうだ。さっきは脅かして悪かった。もう怖がらせたりしないから早く出てこい。な?

 

ハルヒ「 ・・・本当に、キョンなの? ・・・・・・本物の、キョンなの?」
ああそうだ。ドッペルゲンガーでもコピーロボットでも隠神刑部狸でも無いぞ。

 

ハルヒ「さっきのは何だったの?トイレから帰ったら皆が全然雰囲気違ってて、まるでニセモノみたいで・・・」
すまん。どうしてもハルヒに頼まにゃならん事があってな、それであんな態度になってしまった。

 

ハルヒ「頼み・・・・・・・・・?  ・・・何なの・・・?」
もう時間が無い。とっととハルヒを引きずり出して抗体を摂取せねば。そして、他の連中にも。
あああ焦るなオレ。でも────・・・そうだ。頼むぜハルヒ。俺の一世一代の懇願だ。

 
 

『ハルヒ、キスしてくれ』

 
 

沈黙。────百歳千歳とも取れる長い時間。そしてハルヒの返す言葉。

 

ハルヒ「嘘よ」
  ・・・────ハルヒ?
ハルヒ「・・・キョンが、  ・・・・・・自分からそんな事言う筈が無い」
  ・・・──────おい、ハルヒ?
ハルヒ「 ・・・やっぱり、あのねるねるねるねのせいで、皆おかしくなっちゃったんだ」
  ・・・・・・────────おい、ハルヒ!?おい!!!
ハルヒ「あんたはキョンじゃない!!ニセモノだ!!!」

 

バタンという大きな音と共に、ハルヒがトイレの壁を乗り越える。男子トイレ側に逃げ出したのだ
足音が掛けていく。俺は壁を挟んで追いかける。おい、ハルヒッ!!待てっ!!
俺がトイレから出ると、既に足音は更に上階へと消えていくところだった。

 

くそ・・・!悪態をついて逃げるハルヒを追おうとすると、ポケットの携帯が鳴った。長門だ。
息が切れる。立ち止まって携帯を開く。どうした長門?

 

長門「・・・・・・・・・・・・・・・」
おいどうした?
長門「イレギュラー事態発生。新有機生命体に更なる変異を確認」
  「感染対象の神経系統を侵食し行動に異常を発生させる。非常に危険。火急的速やかに抗体の確保を」
何!?どういうことだ?一体何が起こったんだ!?

 
 

長門「つまり、みんな変になっちゃったふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇッ」

 
 

    長 門 ──────────────── ! ! ! ! ?

 
 

長門は今体育館に居るとの事だった。おかしくなった?おかしくなっちゃった?WHY!?
とにかく真相を確かめる為に体育館のドアを思い切り開放した俺を待っていたモノは、

 

みくる「あ、キョンくん」
同上 「あ、どうも」
同上 「うん?」
同上 「ふぇ……」
同上 「ああ…」
同上 「…………       ………ハアハア」
我等がSOS団の守護天使朝比奈みくるさんが大増殖してらっしゃる。あの、何ですかこの数は?
古泉 「ああ、やっと来ましたか。事態は深刻化していますよ?閉鎖空間が大量発生だそうです」
いや閉鎖空間ズの前にこの朝比奈さんズを説明してくれ。一体何が有った?
古泉 「いや、先程いきなり体育館倉庫に行くと言い出しまして、次に扉を開いたらゾロゾロと」

 

長門 「それは私が説明するふぇっふぇっふぇっふぇっふぇっふぇッ」
朝比奈ミクル海をモーゼの様に割って魔女っ子姿の長門が出現した。つか長門、何持ってる?
長門 「ねるねるねるね」
くっちゃくっちゃいわせながら混ぜている。長門、お前の様子も気になるが…先ずは朝比奈さんを説明しろ。
長門 「朝比奈みくるは涼宮ハルヒ捜索の為に自らの時間同位体を未来から各時間軸毎に100人召喚した」
長門 「彼等は各々現時点より未来、一時間毎の時間同位体と思われるゼ!」
…ゼ?……────というかマジですか?朝比奈さん?

 

みくる「みたいです……」
同上 「はい…どうも規定事項だそうで……」
同上 「うう…」
同上 「………」
同上 「……      ……ゼエゼエ」
同上 「はいそうですよ~ぅ、うふふふふ~♪」
長門 「あれが現時点の朝比奈みくるにゃ」
…にゃ?何か朝比奈さん(現在)のぽわぽわ度が500%増しになってる。あの~、朝比奈さん?聞いてます??
みくる(現在)「は~いみなさ~ん、今からぁ、第一回涼宮さん捕獲大作戦をかいししま~すぅ♪」
みくる(×約100)「はあ~~………い……」
みくる(現在)「一番先に涼宮さんを捕まえた人が勝ちで~す♪商品は、こちらのねるねるねるね大体一年分でぇ~す♪」

 

みくる(現在)以外は全く覇気が無い。ま、覇気タップリの朝比奈さんもそれはそれで恐ろしいかと────
みくる(89時間目)「やろうぶっころしてやる!!!」
突如101匹朝比奈さんから凄まじい覇気つーか殺気を放つ朝比奈さんが躍り出た!手には包丁!!
みくる(3時間目)「ふえ~……止めてくださーい」
みくる(9時間目)「…自分同士の争いはみにくいですぅ……」
みくる(17時間目)「…………」
みくる(100時間目)「…………………キュウ」  バタッ。

 

一人が倒れるのを皮切りに、十数人の朝比奈さんがふらりと倒れた。
そりゃそうだ、連続100時間も過去と未来を行ったり来たりでは普通の人間でも耐えられたもんじゃない。
しかも規定事項なんですか?    ……ご愁傷様です。
みくる(現在)「はいはいみなさんおちついて~♪がんばっていきましょ~♪」
…もう止めてください朝比奈さん正視に堪えません。それ以上は著作権を侵害します。

 
 

古泉 「大丈夫ですよ。長門さんは少し口調が変ですが健在ですし、何より僕が居ますからね」

 

ほほう古泉、今回はやけに自信満々だな?何か策でも有るのか?
古泉 「『組織』のコネクションの総力を挙げて涼宮さんを確保します。大丈夫、期待してください」
ほう、遂に古泉の『組織』の真の姿が垣間見えるのか?一体どんな手を使うんだ。

 

古泉 「CIA、ペンタゴン、モサド及び中国軍に連絡しました。役30分後には在日米軍が動き出します」
……な、なにをする古泉ィ────────────────!!??
マジか!?お前の組織はそこまで影響力があるのかオイ!?
つかお前日本を世界各勢力入り乱れる地政学史上最大の研究対象ににする気か!?

 

古泉 「フッ、望むところです」

 

鼻で笑うんじゃねェ────!!戻せ!今すぐ命令撤回しろ!おい、聴いてるのか!?
古泉 「今の日本の停滞した現状を打破する為にはこれしか有りませんよ?大体あの61年前の戦争で……」

 

正露丸戦隊のレッドは見事に大魔王にクラスチェンジしていた。あかん、コイツも駄目だ。

 

視線を横に向けると、魔女っ子姿の長門が立っていた。何かを背負っている。
姿はちと異常だが、俺に向けるその瞳と表情は、…────間違いない。いつもの長門だ。それだけで安堵感が広がる。
長門、お前はどうなんだ?
長門「新有機生命体の侵食により言語野が侵されているが、他の思考能力や情報操作には問題は無いっぽい」
…っぽい?
長門「この生命体は宿主の体内で増殖すると同時に急速に情報ネットワークを形成、宿主の神経系統に情報面で干渉してくる」
  「干渉に屈し制圧された場合、あのように通常では考えられない行動をさせられ始めるみたいナリ」
…ナリ?
長門「最初は宿主の体内で増殖し身体に悪影響を与えるだけの存在だったが、先程の情報爆発で変異が始まった」
  「朝比奈みくると古泉一樹は既に制圧された。早急に涼宮ハルヒから抗体を採取する必要があるっぺよ」
…っぺよ?
おい長門、……お前は大丈夫だよな?
長門「先程言及した通り、言語野は進入を受けているが他の部分は対抗措置により無事。問題ないにょろ」
何か鶴屋さんも出てきましたよ?本当に大丈夫なんだな長門?

 
 

長門 「……」
おい、沈黙しないでくれ。頼む。

 

長門 「……正直、言語野部分は制圧される可能性大。新有機生命体ネットワークは私の弱点を発見したのね」
阪中さん?いやじゃなくって、お前の弱点?何だ、お前の情報面に一体どんな弱点が!?
長門 「ねるねるねるね」

 

       ~ テ ー レ ッ テ レ ー ! ~

 

例の音がシンセから響き、例の放射状豆電球が長門の背中でペカペカ光った。
ああ、そうだな。お前むちゃくちゃ気に入ってたもんな箱買いする位。ねるねるねるねに嫉妬するぜ。
兎に角長門、お前言葉はともかく思考回路と能力はまともなんだな?

 

長門 「そうずら」
……まあいい、長門、俺は古泉を捕まえる。お前は朝比奈さんを捕まえてハルヒのとこまで連れて来てくれ。
あ、朝比奈さんは今現在の朝比奈さんだけな?いいか?OK?

 

長門 「それは駄目ぽん」
…どういうことだ?

 

長門 「涼宮ハルヒを捕まえられるのは貴方だけ。私が二人を捕まえて行くから貴方は先行して捕まえて欲しいぞな」
…わかった。すまん長門、二人を頼む。
長門 「了解した、sir」

 

ついに語尾が日本語でなくなってしまった長門を残し、俺は体育館を出る。
外から見ると体育館は静まり返っている。長門が情報操作で騒ぎを隠蔽しているんだろうか。
101匹朝比奈さん阿鼻叫喚地獄絵図を脳内に渦巻かせながら、校舎へと向かう。

 

もう薄暗くなった学び舎の中を、ハルヒの姿を求めてひた走る。
何処だ?部室から出て、教室は不在。中庭にも居ない。他にハルヒが居そうなトコロは────────
そこで、ふっと思いつく。ハルヒに初めてネクタイを引っ張られ、拉致された場所。

 
 

階段を上り詰めた場所。美術の石膏像の向うで、開いた扉から夜風が吹き込んでいる。
そっと屋上への敷居をまたぐ。真正面の手すりの前、最も空が見渡せる場所に、

 
 

天を見上げる北高の制服姿の少女。
涼宮ハルヒが、其処に居た。

 
 

ハルヒは夕闇の空を見上げている。
こちらには揺れる黒髪のみが見え、表情は伺い知れない。ゆっくりと近づく。
ハルヒ、…と呼びかけかけた刹那、

 
 

ハルヒ「あたしね、タマに妙な感覚に襲われるのよ」
空を見上げたまま話し始める。相手は俺なのか、はたまた別の第三者か。今更新キャラは勘弁して欲しいが。
ハルヒ「自分の周りの人間が、ある日突然全員別人に入れ替わってしまうような感じ」
   「今日トイレから帰ってきた時、皆の態度がおかしかったから……それで急に怖くなって」
何処かしおらしいハルヒ。元気の無いのは見たことあるがここまでのは初めてだ。

 

ハルヒ「正直ねるねるねるねがあんなになるなんて思ってもみなかった。我ながら恐るべき調合具合だったわ」
   「トイレでうがいしながら、有希の魔女の扮装思い出して、魔女の鍋みたいなねるねるねるね思い出して」
   「あの鍋からヘンな生き物が誕生して、皆の身体に寄生するのを想像しちゃって、そしたら…」
訥々と語るハルヒ。大丈夫かお前、何かヘンな物でも喰って────……
         ……────────思い出した。そうだ、ハルヒもアレを喰っている。
でももう抗体が出来てるんだから、おかしくなってる訳じゃないよな?そうだろう?

 

ハルヒが振り向いた。不安と憂いを瞳の小宇宙一杯に溜め込んだ表情。
ハルヒ「キョンも食べてたよねねるねるねるね。キョンもおかしくなってるんでしょう?」

 

そうだ。俺もあの恐るべきねるねるねるねを口にしている。だが俺は大丈夫────
────だが朝比奈さんと古泉は、自覚が無かった。長門は自覚していても止められなかった。
じゃあ俺は?今の俺は狂って無いのか?あのアンドロメダ的カオスねるねるねるねに侵されてないと保障できるか?

 

────────今の俺は、ちゃんと俺なのか?

 

ハルヒが、悲壮さを含んだ真剣な声を上げる。
ハルヒ「答えて。あんたは、本当にキョンなの?」

 

ハルヒ「そうだと言うなら、証拠を見せて」

 

俺の灰色の脳細胞が海馬体の全記憶をグーグルより早く検索する。
証拠?俺が俺である証拠?住所?氏名?年齢?家族構成?経歴?交友関係?
駄目だ。そんなもの今のハルヒでは証拠になるか。ならば、SOS団の活動内容?市内探索、合宿、映画、鍋パーティ。
いや、もっと鮮烈に、ハルヒと共有した記憶?引かれるネクタイ、孤島の洞窟、わがまま超監督、病室のイモムシハルヒ。
違う。他に、他に────────

 
 

銀河宇宙の崩壊を見つめる事しか出来ない姫君のように、ハルヒが俺を見つめてくる。

 
 

────────すまん、ハルヒ。俺はバカだ。どうしようもないバカだ。
この期に及んでこんな事しか思いつかない。殴るなら殴れ。逃げるなら逃げろ。だがこの俺が、今の俺だ。

 

ハルヒの細い肩を掴む。何か言いかけたハルヒの唇を、俺の唇で覆い隠す。

 

唇をこじあけ、ハルヒの口腔に舌を這わせる。驚いた唇も、やがて順化し俺の舌を中へ迎える。

 

互いの唾液を貪りあう濃密な時間の後、ゆっくりと互いの唇が離れる。

 
 

ハルヒ「ッぷは………」
深呼吸して俺を見上げるハルヒ。俺はハルヒの背中に手を回す。少しピクリと動くハルヒの体。
両手はハルヒの背中を進み、うなじを上がり、さらさらな黒髪をそっと掴んで────

 

『やっぱり、ポニーテールが一番似合うぞ、ハルヒ』

 

ハルヒの顔にさっと赤みがさす。おでこを俺の胸にぽすんと置いて────────……うごっ!!?
強烈なボディブロー。うはあ…………油断してたから効いたぜとっつぁん………
ハルヒ「ったく……ベタ過ぎんのよあんたは」
胸の上から、不機嫌な黒髪カモノハシが、奇跡により蘇った銀河群を内包する大きな黒い眼で見つめていた。
いつものハルヒの顔。一気に安堵がこみ上げる。ようやくこれで────

 
 
 

    …────何か忘れているような?
ん、誰だ俺の袖を引っ張るのは?思い切り迷惑そうに振り向くと、

 
 

ぷちゅ。

 

………
………………
…………………………
長門────────────────!!!!!??

 

ハルヒ「んな、ちょ、有希!!?」
待てッ、長門!?お前どうして此処に?というかなんで俺にキス!?ハルヒじゃないのかよ!!?
ちょ、おい、お前舌までウオーチョウゼツテクニック-じゃなくて!!うお首根っこ押さえるなよアアーキモチヨスーじゃねー!!?

 

みくる「ふあーい♪涼宮さ~ん♪」
ハルヒ「ギゃあ!!?ちょっとみくるちゃんフゴフモフ」
俺と長門の横で、ハルヒを押し倒しディープキスを迫る朝比奈さんという世紀の官能劇が展開されている。
あ、今ハルヒが負けて唇奪われた。なまめかしく絡みつく二人の肢体。やばいっす俺ヤバイッス!!

 

と、長門が唇を離した。な、長門、お前抗体はハルヒの口腔に有るんじゃ無かったのか?
長門 「貴方の摂取所要時間から判断して、間接的であれ貴方から全抗体の情報を採取出来ると判断した」
   「摂取した抗体により私の異常は現時点で全て消失、通常モードに移行完了」
そうか?じゃあもういいんだな?
長門 「だが一部不完全な情報しか得られなかった。よって改めて抗体を採取する必要がある」
はい?どういう意味ですか?

 

そういって長門は振り向き、やっと朝比奈さんの可憐な唇を引き離したハルヒに向かい、しゃがんでハルヒの頭を固定すると、

 

むちゅ。
ハルヒ「────────!!────────!!!────────!!?」

 

ハルヒが声無き悲鳴を上げる。ハルヒに朝比奈さんが馬乗りに、更に長門がディープキスを開始した。
しまった、携帯持ってねえ。

 

古泉 「携帯、お貸ししましょうか?」
お前か。お前も長門が終わったら早くしろよ?緊急事態だからしょうがないが、舌は許さん。
古泉 「いえ、ご心配頂かなくて大丈夫ですよ。私は別の方から摂取します」
別?長門か?朝比奈さんか?
古泉 「違いますよ。分りませんか?」
いや、とんと分らんが。ホラ早くしないとどうなるか分らんぞ?とっとと済ませろ。
古泉 「そうですね。では失礼して────……」

 

古泉?おい?何で俺の手を掴む?何でそこで眼をつぶる?なんで俺の肩を掴む?
そしてお前の顔が急接近してくる!?待て!!?落ち着け古泉!!何か間違ってるぞ!!?
離せ!!むおお前こんなに握力強かったか!?っておい俺の頭を掴むな!!!止めろ!!止めんかこの赤ホモ大魔王!!?
おわやめてめうわひえいいおshbふぉpっばうohkxryfmf

 
 
 

アッー!?

 

●<マッガーレ

 
 
 

………
其の時点で昨日の俺の記憶は途切れ、翌日ジャンピングエルボー妹スペシャルにより眼を覚ました。
紅い死兆星が古泉ボイスで何か言ってた様な気がするが、思い出したくない。
ああ、それにしても凄い疲労感。

 

登校すると、ハルヒは机に突っ伏していた。よお、今日もポニーテールか?
ハルヒ「今日も…?ま、いいわ。ちょっと昨日ヤな夢見ちゃって体の調子悪いのよ。そのおまじない」
俺はまだHR前だというのに手足を投げ出し、上を仰いだ。いかん、だりい。持つのか今日?

 

と、だらりと垂れた俺の腕をハルヒが掴み、自分の頭の下に敷いた。おおう?
ハルヒ「あんた、ちょっとも少し姿勢正しなさい。腕が伸びないでしょ」
ハルヒにだらけた姿勢を矯正され、出した右腕で腕枕(と、いうのかコレ?)をさせられた。
ああだりい。気持ちよさそうに寝て屋がるなハルヒ。

 

ハルヒ「ホントは膝枕が最高なんだけどねー」

 
 

放課後、部室で神経衰弱しながら古泉に聞いた。

 

古泉 「まあ涼宮さんには少々ショックの強い体験でしたからね、長門さんに夢オチ処理を頼んだんです」
まあな。豹変したSOS団なぞ夢にしといたほうがなんぼかましだ。
古泉 「おや?それだけでは無い筈ですが?」
思い出させるなこのヘンタイ野郎。俺はあの体験を本当に夢オチにしたい位だぞ!?
古泉 「ま、そういう事にしておきましょうか」
分ってて言ってんじゃないかコイツ。

 

ところで古泉、その横に積んであるダンボール箱何だ?ガラスビンみたいだが。
古泉 「朝比奈さんへの差し入れです。栄養ドリンクですよ」
どうも『組織』が朝比奈さんの昨夜の後始末に対し完全なバックアップを取っているそうだ。
古泉 「眠くならないクスリとか紹介しようと思ったんですが、拒絶されてしまいましてね」
当たり前だ。SOS団悩殺乱れ守護天使をシャブ漬けにするんじゃない。あれ?

 

で、お前の召還したハズの米軍とかはどうなった?ちゃんとお詫びは入れたのか?
古泉 「僕が本気で言ってると思いました?」
冗談なのか?にしては古泉の目がいつもと違ってマジだったような……いかん、古泉表情専門家になってどうする。

 

トランプの枚数が少なくなった所で、気になっていた質問をした。
あの時、ハルヒに言われた言葉。ネルネ菌(通称)に感染し、正確の豹変した古泉達。俺も感染していたハズだ。
あの時、ハルヒにキスをした俺は、本当に俺だったのだろうか?

 

古泉 「人間の意識って、生まれてから死ぬまで絶え間なく続いていると思いますか?」
……違うのか?
古泉 「人間の意識は川の流れの様に連続ではなく、分断されているという考え方があります」
   「そう、丁度アニメと同じと考えて下さい。本当は分断された静止画の集まりなんですが────」
   「それらが連続して出現する事で、あたかも連続した流れが有る様に見える」
……で?
古泉 「例えその静止画内の一枚に恐るべき怪物の姿が描かれていたとしても、他の絵に影響が無い限り支障は有りません」
   「だからこそ全ての意識の静止画は相対的なんです。いつもの絵も怪物の絵も、あなたですよ」
そうなのか?
古泉 「そうですよ」

 

…………何か、古泉お得意ヘリクツマジックで誤魔化された様なきがするが。まあいい。

 
 

更に後日。朝比奈さんが一週間以上の休み(体力回復期間も含むのだろう)から抜け、いつものSOS団が帰ってきた日。
ハルヒ「ホラ皆、面白そうでしょ!これに応募するわよ!」

 

…『ねるねるねるねキャッチフレーズ募集』だそうだ。
何時も通り皆でわいわい騒ぎながら葉書に記入、その日の内に切手を張りポストに投函した。
以下に、我がSOS団面々の応募したフレーズを掲示してこの話を終わろう。

 
 

”つかれもとれて とってもおいしい”
……これは朝比奈さん。あんなに酷い目に遭ったのに、なおも肩を持ちますか。

 

”ねるねるパーティ始めよう!”
……これは古泉。まだ懲りて無いのかお前?

 

”混沌”
……これは長門。ある意味正鵠を突いたフレーズだ。

 
 

そして我がSOS団団長、涼宮ハルヒのフレーズである。

 

”ねるねるねるねは、キスの味”

 

…何というか、もう、勝手にしてくれ。それでは。

 
 
 
 

ハルヒ「キョン、あんたのは?」
…………待て、やっぱり発表せねばならんのか。五秒で考え付いたフレーズだぞ?
ハルヒ「フレーズに思索時間なんて関係ないでしょ?問題はセンスよセンス!」
分かった、分かったよ。俺のはこれだ。

 

”混ぜるな危険”

 

ハルヒ「……何これ」
これ以上聞くな。じゃ。