概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初) |
涼宮ハルヒの夢物語 | 21-134氏 | 06/10/01 | 06/10/02 |
作品
クリスマスを直前に控えた寒い日のこと、アイツが階段から落ちて意識を失った。
アイツの回復を願いながら、病室で寝袋にくるまりながら眠っていると。
とても悲しい夢を見た。
あたしが今と違う高校へ進み、アイツに出会うことなく日々を過ごす夢だ。
そこには有希もみくるちゃんも居なくて、SOS団は結成されていない。
あたしは毎日不機嫌で退屈していた。
さらに最悪なのは、この夢が解析夢だったことだ。
あたしはどうすれば楽しくなるかを知りながら、夢の『あたし』はそれに気付かない。
夢の中のあたしは、日々の退屈さに憤りながら日々を過ごす。
それを見るあたしは、みんなが居ない寂しさに引き裂かれながら日々を過ごす。
無限に続くと思った、とても辛い夢だった。
けど、最後にアイツは来てくれた。
白馬の王子様みたいに現れて、あたしを空虚で寂しい日々から救ってくれた。
一つ心残りなのは、夢の中でアイツを信じる理由となった台詞を忘れてしまったことだ。
あたしを救ってくれたあの言葉は何処に消えてしまったのだろう?
ねえ、キョン。あたしがまた悲しんでたら、その言葉を言って救ってくれる?
そしたらあたしも、素直になれるかもしれないから。
今は夢の中でしか言えないけど…。
「大好きだよ…キョン」
「!? …なんだ寝言か。ったく、おいハルヒ、。こんな所で寝てると風邪ひくぞ」