概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日 |
自覚なし? | 89-252氏 | 08/05/11 | 08/05/11 |
作品
金曜日の放課後、いつものように坂道を下る俺たち。さて、週末は少しでもゆっくりしたいところなんだが……、
「ねえキョン、あんたは母の日のプレゼントになにを贈るわけ? やっぱ、カーネーションとか、そういうの?」
ハルヒに訊かれて俺は気付いた。そういえば今度の日曜日、五月十一日は母の日だっけ。
すっかり忘れるところだった。思い出させてくれてありがとうな、ハルヒ。
「もう、キョンったら! もっとしっかりしないとダメじゃないのよ」
すまんすまん。ってハルヒに謝るのも何か違うような気もするが、細かいことはどうでもいいか。
「でもなあハルヒ。俺は自分の母親に感謝しなけりゃならん日ってのは、母の日以外にもあると思うんだ」
「ふーん、それって一体いつなの?」
「自分の誕生日――だな」
「なによ? それってどういうこと?」
まあ聞いてくれ。自分の誕生日というのは、自分がこの世に生まれた日、つまり母親が自分を出産した日の記念でもあるわけだろ?
「まあ、そういうことになるかしら」
んで、男の俺には詳しいことなんてさっぱり解らんが、出産ってものは女の人にとっては相当な苦労を伴うらしいじゃないか。
「あ、あたしに訊かれてもまだわかんないわよ。――まあでも、確かにそうかもね」
だろ? しかも、場合によっては母子共々に生命のリスクまで掛かってたりとかあるらしいな。
まあ要するに、そういった困難を母親が全て乗り越えてくれたからこそ、今の俺たちの存在があるわけで、つまり誕生日ってのはそんな奇跡に感謝する日でもあるんじゃないのか、ってことをこの前ちょっと考えてな。
ん? ハルヒ、どうかしたのか?
「な、なんでもないって。……なによ、キョンにしては妙に立派なこと言っちゃって、調子狂っちゃうじゃないの」
すまん。ちょっと、俺の柄じゃなかったかも知れん。
「でも、そうね……あんたの言う通りだわ。――ねえキョン、あたしも頑張るから、あんたもあたしに協力してちょうだいよね」
「ああ、俺にできる範囲でならな」
そうは答えたものの、ハルヒが一体何を頑張るのやら、俺にはサッパリ解っていないのだった。
イラスト
ついでにラクガキも貼っておく
内容とあんまり関係ないって言うかなんかこういうの描いてみたかっただけw
相変わらず雑で済みません orz