18-451 リレー

Last-modified: 2014-07-24 (木) 11:41:23

概要

作品名作者発表日保管日(初)
リレー系作品「まじデートじゃないんだからね!」18-451氏、452氏、453氏、455氏、456氏、495氏06/09/1006/09/15

作品・スレの流れ

わかってる?デートじゃないからね!まじデートじゃないんだからね!
いーい?ただ秋物の洋服探しに行くだけなんだからね!

 

すばらしいツンだね
で、どうデレるんですか?

 

「どうキョン。…その、に、似合う? 」

 

「ここがみくるちゃんお勧めのフルーツパーラーらしいの、ちょっとのぞいて見ましょ!」
「不思議系オカルト本を漁るならこの古書店がいいって有希が教えてくれたわ!」
「おなかすいちゃったわ、ねえ何か食べたい料理ある?」
「ねえ、さっきの黒いカーディガンとこっちのカーディガンどっちがいいかしら?どう思う?」
「ねえ!見てみて!あそこで大道芸やってるわ見に行きましょ!」
「歩きつかれたわね、そこのドトールで休みましょ。何よ?わかったわよ、あたしが半額出してあげる」
「そうそう、古泉くんからディナーの半額チケットもらってたの!せっかくだから行きましょ!」

 

「似合わん!お前に似合う服はこれしかない!!」
そう言って、俺は例のバニーガールセットを差し出す。
「ふふん……面白いわ、やってやろうじゃないの!」
そんなわけで、今俺の隣にはバニーガールの格好をしたハルヒが歩いている。
歩を進めるたびにウサ耳がピョコピョコと揺れるのはご愛嬌だ。
「おい」
「なによ」
いつの間にか、ハルヒは俺の手を握っていた。
はん、周りからの刺すような視線が心地良いぜ。
このまま美術館にでも行ってやろうか。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

「あの……そのような衣装での入館はお断りさせていただいております……」
まったく、度量の狭い美術館だ。

 

「何で、入れないのよ!ちゃんとネクタイだってしてるじゃない」
ハルヒは自分の首元の蝶ネクタイを指差して主張する。
そこを覗き込むと、ハルヒの胸の谷間が……いかん、今はそんなことじゃない。
というか、ツッコミ所が多いぜ。
そもそも、ここは高級レストランとか、高級ホテルとかではないか、ネクタイの有る無しは関係ない。
そして、今お前がしている蝶ネクタイは、高級レストランとか、高級ホテルが求めているネクタイではない。
ええと、それから、
「もう行こ、キョン。こんな聞き分けの無い美術館なんて、相手にしない方がいいわ」
「そうか」
「それに、別に美術館に行きたいわけじゃなかったし」
なら、行く前にそう言え。
いや、かく言う俺も、『バニー姿で最も拒否されそうなところはどこか?』とう捻くれた観点から美術館を選んだだけだがな。
まあ、ある意味『計画通り』とも言える。
しかし、逆に中に入れたら、荘厳な美術品が立ち並ぶ中に突然現れたバニーガール、というシュールなギャップが楽しめたかもしれない。
そう思うと残念でもあるな。
「ねえ」
ではどこに行けば良いのか思案しているところに、ハルヒが声をかけてくる。
「ゲーセンでも行きましょ」
やれやれ、落ち着きのないヤツだ。

 

というわけでゲーセンにやってきた。
今、ハルヒは俺の前で「ダンスダンスレボリューション」をプレイしている。
もちろん、バニーガールの衣装ままだ。
ゲームの音楽に合わせてピョコピョコと動き回る様子は、正しくウサギの様相であったが、
それよりも、キュッとくびれた腰が踊りまわる光景は、何と艶かしい。
ハルヒって、ムチムチしてイイケツしてるよな、ぶちこみたいぜ。
などと考えたのは俺ばかりではなかったらしい。
いつの間にか、ゲーム台の周りを数人の男が囲んでいる。
こいつら、俺たちを何かのイベントかと思ってか、さっきまでは遠巻きに見ていただけだったのに。
「ふぅーー!うまいもんでしょ!」
そんな中、ゲームを終えたハルヒが一息つく。
そこを見計らっていたかのように、一人の男がハルヒに近づいていった。
「よぉ、ひょっとして俺らのこと誘ってんのか?」
顔のあちこちにピアスやらリングやらを埋め込んだ、いかにも頭がイカれてそうなその男は、
あろうことか、ハルヒのケツを撫で回した。
「な、なにすんのよ!触んないで!!」
手を振りかざすハルヒ。だが、ハルヒの拳が飛ぶよりも速く、俺の蹴りが男の膝裏に炸裂する。
「おい!俺の女に手を出すな!」
「えっ……キョン?!」
おい、ハルヒ、勘違いするな。手っ取り早く済ませるにはこう言うのが一番良いと思っただけだ。
決して、お前は俺の……
「てめえっ!」
取り巻きの男どもから次々と拳が飛んでくる。
乱闘だ。乱闘パーティーの始まりだ。

 

ちなみに、ハルヒはその辺の男に負けるような女ではない。
確認しただけでも5人は悶絶させていた。
ただ、いかんせん数が多すぎるぜ。
おいおい、関係ないやつも混ざってんじゃないだろうな。
「キリがないわ!キョン、こっち!!」
ハルヒは俺の手を引っ張ると、一目散に出口に向かって走り出す。
途中、行く手をふさぐヤツが現れたが、
「邪魔よっ!!」
ハルヒの必殺ドロップキックにより、気絶してしまった。
いや、しかしドロップキックは良くなかった。
ハルヒが倒れこんでしまったのだ。
マズい、逃げに入ってから止まってしまうのは非常に良くない。
「えーい!世話の焼ける!!」
俺はすぐさま屈みこむと、ハルヒの身体を抱き上げた。
「えっ!これって……お姫さま……」
「しゃべるな!舌噛むぞ!!」
俺はハルヒを抱えて走り出した。
ええい、目の前で揺れるウサ耳で前が見難い!
だが、ハルヒのケツはいい感触だな、ぶちこみたいぜ。

 
 

「はあ……はあ……」
「はあ……んっ!……キ、キョン……」
別にいかがわしいことをしているわけではない。
二人とも走りすぎて息が切れているだけだ。
途中からはハルヒにも走らせた。
重かったからな。
「ふん……い、言ってくれるじゃない」
悪態つく余裕があるなら大丈夫だな。
俺たちはいつの間にか河原の公園までやってきていた。
二人ともベンチにもたれかかり、息を整えている。
「あー!!面白かった!」
おいおい、ひどい目にあったのに面白かったのかよ。
まったく捻くれたヤツだ。
「あーあ……ストッキングが破れちゃった……」
ハルヒの方を見遣ると、バニーセットの一つである、茶色のストッキングに一つ穴が開いている。
そこからは、ハルヒの柔らかそうな白い生フトモモが顔を覗かせていた。
破れたストッキングというのは、男の潜在的なサドの部分をくすぐるのかもしれない。

 
 

(中略)

 
 

俺のせいでビリビリに破れてしまったストキングは公園の屑カゴに捨て、
今はコンビニに向かって歩いている。

 

ハルヒが元々着てきた服を入れたバッグは、さっきのゲーセンに置いてきちまった。
お陰で、今のハルヒは生足にレオタードという、何とも扇情的な姿だ。
夜の堤防沿いには人も少なく、それは幸いであった。

 
 

(中略)

 
 

「はあ……キョン……もう少し、ゆっくり」
何だ、珍しくハルヒの歩調が遅い。
まさか、疲れたというのか?
「ちがうわよ!さっきの喧嘩で、靴が壊れて歩きづらいの!」
何だ、そういうことは早く言え。
まったく、世話が焼けるな。
俺はハルヒの前に屈みこむ。
「わかったよ、ほれ、おぶってやるから」
「えっ?」
何を戸惑っている。
別にお前のためを思っているんじゃない。
遅いヤツに合わせるのが嫌なだけだ。
「わかったわよ。おぶさってやるわ」
もうすこし、感謝するとかいう感情はないものか。
ともかくも、ハルヒの身体が俺にのしかかってくる。
まあ、さきほども経験した重量なので、特に問題は無い。
だが、背中に当たるハルヒの胸の感触が、反則的に柔らかいな、ぶちこみたいぜ。
まったく、こんな姿を知り合いに見られたら、勘違いされてしまうな。
夜の堤防沿いには人も少なく、それは幸いであった。

 
 

(中略)

 
 

「キョン……このままだと、ちょっと……恥ずかしいんじゃない?」
コンビニが迫ってくると、さすがに人が増えてくる。
ハルヒの言う、「恥ずかしいんじゃない?」とは、ひょっとして俺のことか?
こいつが人のことを気遣うなんて、珍しいこともあるものだ。
俺は、ハルヒをコンビニの建物の影に降ろすと、
「ちょっと待ってろ、買ってくるから」
そう言い置きして、コンビニの中へと向かった。
あんな恥ずかしい格好のヤツと一緒だと思われたくないからな。
別に、あんな恥ずかしい格好のハルヒを他人に見せたくないとか、そういうのじゃない。
「これください」
俺は、ストッキングのことなどよくわからないので、適当に目に付いたものをレジへと持って行った。
男がストッキングを買っちゃいけないのか?
店員の目が何かを訴えかけていたが、気にしない。
こいうときは堂々としていた方が良いのだ。
「525円になります」
安いな。まあ、安物で充分だろう。
こういうのは消耗品だからな。

 

「おい、買ってきてやったぞ、ハルヒ……」
俺が戻っていくと、あろうことか。
「くー、くー」
ハルヒはなんと、壁にもたれかかって寝息を立てていた。
やれやれ。
やっぱり疲れてたのか。
しかたない、このストッキングは俺が履かせてやるか。
しかし、この衣装の構造上、ストッキングを履かせようとすると……

 
 

(中略)

 
 

「ん……んん……あ……」
俺の背中で、ときどき艶かしい声がする。
仕方ないので、眠ってしまったハルヒを、またもおぶって運ぶことにしたのだ。
問題は、俺がハルヒの家を知らないことだ。
やれやれ。
こなったら、俺の家にでも運ぶか。
幸い、深夜のため、両親、妹とも寝静まっているようだった。
俺は、誰も起こさないように、抜き足差し足で自分の部屋へと向かう。
「ふぅー……」
ようやく、自分の部屋に辿り着いた俺は、思わず安堵の溜息をついてしまった。
何で、俺がここまでしなけりゃならんのだ。
ともかくも、ハルヒをベッドの上に降ろして、ようやく、仕事が完了した気がした。
ベッドの上では、無垢な表情を湛えたハルヒが、静かな寝息を立てている。
俺は、ハルヒのウサ耳に手を掛け、そっと外してやった。
「んっ……」
お、脅かすな!
俺がウサ耳を外した瞬間、ハルヒが寝返りをうったのだ。
それにしても、ハルヒってムチムチしてイイケツしてるよな、ぶちこみたいぜ。

 
 

(中略)

 
 

「んっ……ああああぁ……」
俺の隣で、大きな欠伸をかますハルヒ。
翌朝、俺とハルヒは一緒に登校した。
ハルヒはバニーガールの格好のままだ。
何せ、他に服がなかったからな。
周りからの、刺すような視線が心地いいぜ。

 

(おしまい)

 
 

良し!!エロは無いぞ!