概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初) |
無題(雨の駅前で) | 21-92氏 | 06/10/01 | 06/10/01 |
作品
雨が地面をばちばち叩く夕方の駅で、俺を迎えに来てたはずのハルヒが小学生
くらいの女の子と話してるのを見つけた
少し何か話した後、ハルヒの方も俺に気づいてちらっとこっちを見てから、
女の子に傘を渡す。
ハルヒはは小さく手を振りながら、何度も振り返りつつ雨の街へと遠ざかって行く
女の子をニコニコ笑って見送った後、俺のところまで来て、言った。
「傘持ってるの見えたから、あたしのはご近所の子に貸しちゃった。二人でさそ」
うつむいて視線をそらしながらそう言うハルヒは、ちょっとかわいかった。
「え、あーうん」
レスポンスの悪い俺の顔を覗き込んで、ハルヒは大げさに眉間に皺を寄せた。
「何幼女に見とれてんの?ロリコン?嫌だよ、あたし着ないからね、園児服とか」
「ロリコン違う!ていうか見とれてません、ちっとも!」
いや、ほんとは確かに見とれてたよ。
でも、それは勿論女の子にじゃなくて、
照れ臭いのをふざけてはぐらかすけど本当はすごく優しい、ハルヒ、
おまえに、なんだよ。
言うとまた照れてふざけるから、これ本人には言わないけどな。