概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初) |
無題(古泉と一杯) | 21-989氏 | 06/10/07 | 06/10/07 |
作品
仕事帰りに古泉とバッタリ会った。
俺としては早く帰ってハルヒの顔を見たくてたまらなかったのだが、話の流れで仕方なく飲み屋で一杯やることになった。
もちろんハルヒに電話を入れる。帰りが遅くなってハルヒに心配させちまうのは絶対に嫌だったし、
不満の分は夜にしっかり解消させてやるというのを伝えてやらなくちゃならんかったらな。
外でご飯を済ます事自体には難色を示したハルヒだったが古泉からの男同士で話しがしたいという旨を受け取ると、
どうやら渋々了承したようだった。夜の条件のハードルは予想よりも高くなったが、全然構わない。むしろどんとこいだ。
古泉一押しだという店の料理は旨いもんばっかだった。
だが、ハルヒの手料理には劣るな。なんだ古泉、その顔は。マジだぞ。マジ。
その後お互いの軽い近況を10分ほど話して、古泉にあれから彼女に対する気持ちはどうなりましたかと訊かれた。
馬鹿言うなよお前。大好き過ぎてたまんねえに決まってんだろうが。
一年経った今でも一日十回はキスするし、既に何万回愛し合ったかわかんねえよ。
他にもアイツはおはようといってらっしゃいとおかえりとただいまは欠かさず言ってくれるし、
朝に俺がパンを食べたい気分の日は何故か必ず熟成パンと程よい暖かさのコーヒーを用意してくれているし、
かと思えば俺がご飯を食べたいと思った日には白米と味噌汁と目玉焼きと焼き魚が作ってくれてある、
ハルヒが良いと思いながら起きた日にゃハルヒが裸エプロンで台所に居るわけだ。たまんないね。性欲の持て余しようが無いぜ。
それだけじゃないぞ。お昼ご飯だって俺の午後を最大限に活躍させる為に十分な愛情が込められているし、
夜ご飯には俺の一日に消費した活力を回復させてくれるハルヒ特製の極上手料理が待っているわけだ。
あ、勿論ご飯を食べる前に極上のスパイスであるハルヒのキスを味わうのも忘れちゃいないぞ。
ご飯ご飯とハルヒをシェフか何かのように言っちまったが俺にとってハルヒは当然その程度の存在じゃないぞ。
いや、俺に幸せという名のフルコースを運んで来てくれる三ツ星なんて目じゃない百星レベルの天才料理人ではあるがな。
と、イカンイカン。話がずれてしまった。何の話をしていたんだっけ?
そうそう、ハルヒの素晴らしさについてだったよな。他にもetcetcetcetcetcetcetcetcetcetc.........
おっと、この店に入ってもう一時間も経ってしまったじゃないか。
これ以上ハルヒを一人きりにさせるわけにはいかん。すぐに帰らねば。じゃあな、古泉。
去り際に古泉が
「やれやれ、
あなたにはどこかしらの感性が必ず鈍感になっている、という属性が付いているようですね。
高校時代のあなたの鈍感ぶりも大したものでしたが、今の方がよっぽど重態ですよ」と言っていた。
???
俺のどこが鈍感だって言うんだ? こんなにもハルヒへの気持ちに正直だってのによ。