概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日(初) |
無題(ポニテの理由) | 21-993氏 | 06/10/07 | 06/10/07 |
作品
あー、もう、どうしてこんなに捻くれてるの? 自分でも嫌になる。
その場の勢いとはいえ、「みくるちゃんはあたしのおもちゃ」なんてとんでもない事を
言ってしまった。キョンに殴られてもおかしくなかったわ。
映画の撮影がなかなか思い通りにならなくて、日にちばかりが過ぎ――――。
あたしは、いつの間にか一番大切な事を忘れていた。最低だ自分。
もう取り返しがつかないかな……。あたし、また独りぼっちになっちゃうの?
ここはいつもの教室。でも、キョンとあたしの間には見えない壁のようなものがある。
「ごめん……あたしが悪かったから」
たったこれだけの台詞なのに、いま目の前にいるキョンには――。
あたしはどう頑張っても言えない。いたずらに時間だけが過ぎて昼休みになっちゃった。
ポニーテールにしてみようかな……。昼休みに部室に逃げ込んだあたしは、ふと思った。
あたしは何かにすがるように、誰もいない部室で一人寂しくポニーテールを作った。
むなしさを感じつつ、カレーパンを齧りながら、ビデオカメラをパソコンに繋いで映画を見つめてた。
その時、キョンが現れた。
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