31-520 イラスト

Last-modified: 2007-01-17 (水) 03:45:28

概要

作品名作者発表日保管日
消失ネタ (みくハル)31-520氏06/12/0807/01/12

作品

消失ネタ

 

みくるがキョンの病室に入ると、ハルヒがベッドの隣に座ってすすり泣いていた。
慌ててごまかそうとするハルヒの背中に手を置き、隠すことじゃありませんと諭すみくる。

 

「…だって、本当みたいじゃない。
 あたしまで泣いたり落ち込んだりしたら、本当にキョンがもう起きてこないみたいじゃない」
「…そんなこと考えてたんですか」
みくるは、泣きじゃくる自分の隣で口を真横に引き結び、顔を上げていた二日前のハルヒを思い出した。
「口に出したら本当になっちゃいそうで、…ずっと怖くて、
 でも、今こいつのバカ面見てたら、なんかいろいろ思い出しちゃって…、気がついたらこんな、もうやだ…っ」
「涼宮さん」
みくるは顔を伏せるハルヒの隣に腰かけた。
「怖いことや不安なことを口に出したからって、本当になるわけじゃないです。言いたいことを溜め込んで、涼宮さんが辛い思いをすることの方があたしには心配」
「…」
「…あたしには弱音吐いてください。ひとりで怖がるより、みんなで怖がった方がずっといいです。
 …キョンくんが寝てるスキに、普段は彼の前で言えないようなことも。ね?」
みくるはハルヒを抱き寄せた。
「みくるちゃ…っ」
声を詰まらせ、涙目でみくるを見るハルヒ。
「…っ、…キョンが」
「はい」
「…キョンが、死んだらどうしよう」
「大丈夫です、そんなことにはなりません。こんなにしっかり息をしてるもの」
「…」
「絶対に大丈夫。あなたがそう望んでさえいれば。キョンくんがあなたのお願いを無視したことがある?」
ハルヒは声を上げて泣き出し、みくるは優しくハルヒの髪を撫で続けた。
やがてハルヒが眠るまで、つられて沸き上がる涙を必死にこらえながら。

 

31-520 mikuharu.jpg

 
 

自分の感情を表現する点ではみくるの方が素直で大人かもなぁ、こういう時にはハルヒをうまく慰めて言いたいこと言わせてあげられるんじゃないかなぁとか妄想しました。
ハルヒの機嫌がそう簡単に悪くならないと知ってからも、みくるが全力でハルヒに抵抗しないのは、年上としての最後のプライドだったりしたら萌えます。「お姉さんだから我慢」みたいな感じで。
ハルヒは有希を妹みたいに可愛がっていて、みくるいじめは優しい姉に対する甘えっ子の態度なのでは、とかなんとか。