500年後からの来訪者After Future5-2(163-39)

Last-modified: 2016-10-03 (月) 22:22:31

概要

作品名作者
500年後からの来訪者After Future5-2163-39氏

作品

バレーボール女子日本代表選手たちの滞在期間もハルヒの鶴の一声により、こちら側は年中無休で滞在OKとし、毎週金曜日をディナー(食べ放題メニュー)プラス夜練無しの日とした。ついに解禁となった俺の映画も『全米が二度見た』とまで記事に書かれるほどの人気ぶり。ヒロインも記事を見て溜まっていたストレスが吹っ飛んでいた。告知の間は青ハルヒとの温泉旅行は不可能だと踏んでいたのだが、告知しながらでもいいから温泉旅行に行きたいという本人の強い希望により、赤いポルシェが唸りを上げた。

 

 OGたちのフロアに張ったものと同じ閉鎖空間を展開。オープンカーでも会話が通るようにしたが、青ハルヒは不服だと言いたげな表情をしていた。さっきのやりとりで気を悪くさせてしまったかもしれん。ギアチェンジの必要の無い閉鎖空間の中でスピードを落としてポルシェを止めた。
「首都高のど真ん中で停止してどうしたっていうのよ!?さっさと旅館行くんじゃないの!?」
「旅館に着くまで離れてなきゃいけないだろう?シートベルトはずすからこっちに来い、ハルヒ」
「そんなことしたらあんた、運転できなくなるじゃない!!どうやって前を見るのよ!?」
「サイコメトリーとスカ○ターで対処できる。さて、服を脱いでくっつくのとウェディングドレスとタキシードでいるのとどっちがいい?」
「そんなのどっちだっていいわよ!あんたが決めなさい!」
「後で文句いうなよ?」
「言わないわよ!」
俺はテレポートで、青ハルヒは下着も含めて全て脱がせて二人でくっついた。俺の分身は青ハルヒの体内に身を潜めている。シートベルトで更に強く抱きしめて運転再開。
「スカ○ターがあたって冷たいんだけど?」
「ハルヒの体温でそのうち温まる。今から本社に戻るまでの三日間、ずっとこうやってくっついていよう。離れたとしても、せいぜい旅館に着いて部屋に入るまでのほんの数分程度だ。それでもおまえが腕をからませてくればいい。絶対に離さないからそのつもりでいろよ?風呂に入るときはハルヒが俺の身体洗ってくれるか?」
「トイレはどうするのよ!?あんたの見ている前でなんて嫌よ?」
「心配いらない。みくるや佐々木たちみたいに不要物は全てテレポートで取り除く」
「あんた、みくるちゃんや佐々木さん達にはしているクセに、どうしてあたしや黄あたしにはしないのよ?」
「ハルヒ達にしていないって一体何のことだ?」
「分かっているクセに、あたしに言わせないでよ!このバカキョン!」
「話を振ってきたのはハルヒの方だ。俺にはおまえの言わんとしていることがピンと来ない。もう少し詳しく教えてもらえないか?一体何の話だ?」
「も―――――このバカキョン!………お、お尻のことよ。あんたみくるちゃん達にはお尻の方まで責めるクセにどうしてあたしと黄あたしにはしないわけ!?」
「なんだ、ハルヒもして欲しかったのか?」
「そんなことないわよ!なんでみくるちゃん達にあんな真似しているのか聞いてるの!」
「簡単な話だ。みくるたちはお通じが良くないせいで不要物がたまるとお腹がぽっこり出てしまう。いくらジョンの世界でバレーをしていたとしても、それではモデルとして撮影ができん。佐々木たちの方は妊娠期間中の欲求不満を解消するためだ。青佐々木はもう二、三ヶ月間妊娠させるわけにはいかないし、双子のときはハルヒだったからこそ妊娠期間中でも問題が無かっただけに過ぎん。佐々木たちはどうなるかわからんからな。アイツもたとえ体調が悪くても顔には出さない奴だから、逆に心配なだけだ。良いんだぞ?ハルヒもして欲しいのなら不要物は排除してみくるたちと同じように責めてやるよ。みくるも後ろの方も結構気持ち良かったそうだしな?」

 

 言葉を発しなくなった青ハルヒの局部を触り、気にしている場所に徐々に指を近づけていく。
「どうする?嫌なら嫌と言ってくれ。俺だって嫁を不快な思いになんかさせたくないんだよ」
「このエロキョン!あ……あたしにも、体験させなさいよ」
「プ……くくくく……」
「何がおかしいのよ!」
「ハルヒ達には『後ろの方もして欲しい』と自分から言わせてみたくてな。敢えて今までやってこなかっただけだ。因みに、みくるや佐々木たちの不要物のテレポート先、どこだと思う?」
「そんなの……と、トイレじゃないの?」
「いや、アホの谷口の胃の中だ。くくく……みくるたちを抱いた日は毎晩トイレにこもって口から吐き出しているらしい。今からハルヒの分もテレポートしてしまおう。みくるや佐々木と違って嫌がられるかもしれんな」
「フン!あんな奴どうなろうと、あたしには関係ないわ!やるなら早くしな……っ!!」
「流石にこの状態で後ろの方までは指が届かないんでな。玩具を使ってみた。不要物ならとっくにテレポートさせたよ。一応、潤滑液を塗っておいたが、どうだ?感触は。ハルヒならこのくらいからでも問題ないだろ」
と言いつつも二本指くらいの太さのものをいきなり奥まで入れたからな。いくら青ハルヒといえど驚いたらしい。
「もう、これ以上恥ずかしくなるようなこと言わないでよ!バカ!」
「シートベルトを一旦外すから自分で動いてみろ。俺はハンドルから手が離せない。後は玩具を操作するくらいで限界なんだ」

 

耳まで紅潮させた顔が見られたくなかったのか、シートベルトを外してからしばらくは抱きついたままだったが、両手を俺の肩に添えると、青ハルヒが次第に動き出した。それに呼応するように後ろの玩具も動いていく。いい眺めだ。スカ○ターで前を確認して運転しながら、右目には青ハルヒの喘ぐ姿を直視していた。青古泉にスカ○ターを渡して、この光景を拝ませてやろうかとついつい悪戯心が出てしまう。呼吸が荒くなり、少しずつ声も大きくなっていく。会話をするために張ったはずの閉鎖空間が青ハルヒの声をより大きく響かせていた。
「プ―――――――――――――――ッ!!」
しばらく痙攣していたかと思うと、急に力が抜けて後ろに倒れた。車のクラクションが鳴り響いている。ポルシェを止めて青ハルヒを抱きかかえる。
「可愛い奴ほどつい、苛めたくなってしまう。男の悪い癖だな。だが、そんな可愛い奴が俺の嫁で良かったよ。告知のせいで旅行に行けないとばかり思っていたんだが、告知のせいでほとんど寝られないことに今気付いた。その分たっぷり付き合ってもらうぞ?本社に戻るまでハルヒは俺が一人占めにする」
絶頂の余韻を味わった青ハルヒがようやく動いた。俺の首を絞めつけるかのように抱きつく。
「……このバカキョン。あたしのセリフを横取りするんじゃないわよ!旅行先から帰るまであんたはあたしだけのもの!絶対に離さないんだから覚悟しなさい!!」
「ああ、一時たりとも離れるんじゃないぞ?」
髪を撫でるとようやく絞めつけが緩くなり、潰れそうになっていた胸もあたっているのが気持ちがいいくらいにまで落ち着いた。もう助手席には戻りそうにないな。片手で青ハルヒを抱いたままポルシェを走らせていた。

 

 赴くままに車を走らせていると、次第に東北地方へとやってきた。スキー場は次のシーズンオープン出来るが、温泉旅館は復旧していない上に、おそらく営業もしていまい。せめて日本海側にしようと、あと少しで宮城県の県境が見えてくるというところで宿を取った。山形県の蔵王温泉。駐車場に着くと青ハルヒに黒のパールショーツを足に通していく。
「ちょっと待ちなさいよ!あんたと繋がったままで下着がつけられるわけないじゃない!」
「前にバトルで見せただろ?部分テレポートってヤツだよ」
パールショーツを履かせてから濡れたときの対策としてアンスコ。俺の分身の根元が白く光り、一見女になってしまったようにも見える。アスリートなら身近にたくさんいるが、さすがにここまで筋肉のついた女性はいないだろう。上は勿論ノーブラ。その上から服を着せてようやく旅館へと入った。最安値でも10000円ということに少々驚いたが、俺たちには関係ない。夫婦だとバレている以上別人になりすますこともないのだが、二人で抱き合っている最中にサインや料理をとせがまれるのも癪にさわる。催眠で別人になりすますと、青ハルヒが貸切風呂に目をつけそこに部屋をとった。恋人繋ぎで腕をからめて離そうとしない。ようやく部屋で落ち着くことができそうだ。
「そういや、昼食もまだだったな。弁当作ったから二人で食べようぜ」
「昼食ってあんた、いつの間に作ったのよ!?」
「告知の時間短縮だよ。俺も最初は世界中の料理を堪能して新川流にアレンジしてみようと思っていたんだが、ホテルで出される朝食や夕食を食べていたんじゃ、ヒロインは美味くないというし、睡眠時間が削られる。リムジンの中で朝食や昼食、ヒロインの自宅に戻ってきたときのための夕食を作る要因として一体ヒロインの自宅に待機させているんだ。勿論、ここにいる俺が本物だ」
「ちょっと待ちなさいよ!告知以外は全部……って、その一体も告知のための影分身ってわけね」
「そういうこと。今は1%の意識しか残していない。出番が来るのを待っているだけだ。どうする?横に来て一緒に食べるか?」
「一時たりとも離れるなって言ったのあんたじゃない!」

 

 ハルヒらしいと言えばそうなるが、言い方はどうあれくっついて食べていることに変わりはない。二人で風呂に入ってからも、馬乗りの状態でいる青ハルヒが上半身から丁寧に俺の身体を洗っていく。
「あたしが全身洗ってあげるから、いい加減テレポート解きなさいよ!洗えないでしょうが!それに、あたしがあんたのこと洗っている間に、あんたもあたしの身体を洗いなさい!」
「あたしの身体を洗え」と言われて何をさせられるのかと思ったら、顔面に秘部を押しつけられた。言われた通りに前後両方とも中まで綺麗に洗っていると、しばらくして青ハルヒの手が止まる。
「どうかしたか?」
「もう!そんなところまで洗わなくてもいいわよ!あんたはもう動かなくていいわ!」
ようやくシャンプー台とエアマットを情報結合して、青ハルヒ用のシャンプーからボディオイルまですべて本社からテレポート。夕食までの間たっぷりと時間をかけて青ハルヒの全身を洗い、徹底的にマッサージを施した。
「こんなの……されたら、全然……力が入らないわよ。これじゃ、夕食に……行けないじゃない」
青ハルヒの隣で横になると、エアマットの上で抱きしめて腕枕。クールケットを情報結合して青ハルヒに被せた。
「とりあえず、夕食までこれで話しながら時間を潰そう。布団が敷かれてからずっと抱いててやるから。ハルヒに言われて閃いたんだが、腰痛や肩こりに効く温泉を本社にテレポートしてこようと思ってる。70階の大浴場と69階、100階のOGやハルヒ達のフロアの浴槽に入れる。これなら温泉旅行中だけと言わずに毎日でも入れるだろ?」
「あんたもよくそこまで頭が回るわね。金曜の夜練無しの件もそうだし、日本代表を迎え入れるのもそう。あたし達の世界でビラ配りをするって言い出したのもあんただし……少しは社長のあたしを立てなさいよ!」
「それは青古泉がやってくれる。ただ、異世界支部はこっちの世界と違ってみくるの影響力がほとんどないからな。青圭一さんからCMの依頼が来たなんて話、まだ一回も出ていないだろ?これから浸透していくにつれて次第に会社も大きくなるだろうが、それでもこっちの世界までにはならない。それだけ俺たちも年を喰ったってことだ」

 

 どうやら今後の異世界支部の発展について、青ハルヒなりに色々と考えているらしい。そういや、涼宮ハルヒ、長門優希、佐倉玲子の他に青みくるを入れるのをすっかり忘れていた。
「ダメね。有希と涼子に催眠をかけるのと、みくるちゃんもビラ配りに参戦させるくらいしか思いつかないわ。本社の社員食堂とあたしたちの会議室とデザイン課でしょ、編集部、経理課、人事部、購買部、通販用の作業場以外は何のスペースとして使ったらいいか分からないわよ!」
「異世界支部に81階を会議室として作ったとしても、会議はこっちでやることになるだろうし、青OG達もこっちで寝泊まりすると言いだす筈だ。全員の食事も二人が分かれてやるよりも、俺が影分身して全員分作った方が早い。青OG達……特に退社していない残りの二人については異世界移動を覚えてもらおうと思っているんだが、どこ○もドアでも設置して青圭一さん達も簡単に二つの世界を行き来できるようにすればいい。子供たちに注意を促しておけばそれで済む。とりあえずホテルフロアで埋め尽くせばいいんじゃないか?70階より上は、しばらくの間使わせないけどな」
「とりあえず、そうするしか無さそうね。……って、結局こんなところまで来て仕事の話になっちゃったじゃない!」
「俺はハルヒが言ったセリフを元に風呂の話をしただけだ。それより、ハルヒにも何か記念になるものをと考えているんだが皆目見当もつかん。こっちのみくるとはピアスを見に行こうかと思っている」
「どうしてあたしには何も無くて黄みくるちゃんにピアスなのよ!?」
「理由は大きく分けて二つ。みくる同士の区別をつけることと、次のセカンドシーズンのために少しでも大人びたものをと考えたらそれが浮かんできた。ネックレスで胸元を撮るよりピアスの方が分かりやすいだろ?」
「それもそうね……むー…ダメだわ。役作りのために…と思って考えてみたけど、何も浮かんでこないわよ」
「色々と考えていた分、大分暗くなってきたな。そろそろ起きられそうか?」
「ん―――!!駄目ね。起き上がれそうにないわ」
「じゃあ、俺がお姫様抱っこで抱えて行こう」
「それで廊下を歩くわけ!?」
「あれ?おまえ、周りの目を気にする奴だったか?」
「気にするわよ!そんな状態で歩いてたら、周りの人から笑われるじゃない!」
「なら、ここに来るときみたいに恋人繋ぎをしているカップルに見える催眠をかけよう。座るのも無理そうなら、それも催眠で何とかしてやるから、俺の横に来い」

 

 ようやく納得した青ハルヒを抱えて食事処へ。部屋毎に間仕切りされて個室のようになっている。二人で向かい合う形で食事と座布団が置かれていたが、俺が支えてやっとの状態の青ハルヒを隣に座らせて食事と座布団をテレポート。箸すら持てそうにないな。普通に食べているようにこちらも催眠をかけておこう。
「ちょっとあんた!こんな状態で食べていたら、舌噛んじゃうわよ!」
「この程度で弱音を吐くなんて、ハルヒらしくないな。もうギブアップか?」
「あんたがあたしをマッサージしたからこうなったんでしょうが!責任取りなさいよ!」
青ハルヒが喋っている間も身体がビクンと反応していた。シャンプー台とエアマットの情報結合を解除した後、青ハルヒの秘部に玩具を埋めてパールショーツとアンスコを履かせた。その上に部屋にあった浴衣を着てここにいるのだが、中に入れた玩具とパールにランダムで振動するよう条件をつけておいた。間隔は長くとも五分以内、強さもその時々によって変わり、すぐに収まるときもあれば、長いときは十分近く動き続けるように細工を施しておいた。両方とも強い震動を繰り返せば、流石の涼宮ハルヒもお手上げ状態のようだ。振動するのをやめて青ハルヒに一つずつ食べさせていた。
「分かってはいたけど、やっぱり美味しくないわね。こんな切り方じゃ高級食材の旨味が台無しよ!」
「俺たちで作った方がよっぽど旨くできそうだ。高級フランス料理店より新川さんの料理の方がよっぽど旨い。情報結合の方もそうだが、何かをプレゼントしたり、レストランで食事なんて選択肢が無くなるからな。探すのも結構苦労しているんだ」
「あたしはこの三日間で十分満足できそう。こんなに長い時間あんたの傍にいられたのはいつ以来かな。早く部屋に戻ってあんたに抱かれたい」
「じゃあ、そろそろ部屋に戻ろう。初体験させてやるよ」

 

 夕食もほぼ手づかずの状態だったが、俺も青ハルヒももう十分だ。青ハルヒを抱えて部屋に戻ると、見事にシングルサイズの布団が二人分敷かれていた。政治家連中もここまで見事にやってのけられるといいんだが、自分のことしか考えない使えない連中だからな。まぁ、今はそんなことより早く体験してみたいという嫁の要望を叶えてやるとしよう。青ハルヒを寝かせて浴衣をはだけると、豊満なバストと玩具とパールの振動で濡れてしまったアンスコが眼に映る。これもコレクション入りさせておくことにしよう。下着をすべて脱がせると、受け入れ態勢万全の秘部を俺の分身が貫く。玩具がさらに奥まで届き、青ハルヒと俺の分身の両方を刺激していた。口づけを交わして舌をからめると青ハルヒがそれを拒絶。秘部の刺激だけで歯を喰いしばる程のようだ。抱きあげて体勢を変え、俺が下になると、力の入らない青ハルヒは重力に身を任せるだけしかできなかった。影分身を一体情報結合すると、力が抜けた秘部の後ろに俺の分身がもう一本突き刺さる。声にならない声を上げ、俺の分身をキツく絞めつけるとまた力が抜けた状態に戻ってしまった。テレポートで玩具だけを取り出し、俺の分身が青ハルヒの体内に入ったまま布団に横になった。腕枕をして青ハルヒを抱きよせ、髪を撫でる。
「みくるや佐々木たちと同じ体験をしたご感想は?」
「ダメよ、こんなの……癖になっちゃいそう」
「いいんじゃないか?癖になっても。ハルヒが望むのなら、いくらでも付き合うぞ?」
「しばらく、このままでいさせて。お願い」
「仰せの儘に」
それから三日間、青ハルヒとずっと触れ合ったまま離れることもなく抱き合い、帰りの車では例の下着と玩具を身につけ、後ろの方は俺の分身が貫いた状態を保っていた。ポルシェのシートに秘部から蜜が滴り落ちていた。

 

「ハルヒ、自分で動けそうか?」
「無茶言わないでよ。腰が抜けて立てそうにないわよ」
「じゃあ着替えさせてやるから、ちょっと待ってろ」
玩具とパールショーツをテレポートさせて濡れた秘部を優しく拭うと、俺の分身が青ハルヒの体内から抜け出た。
「あふんっ!」
やれやれ、どうやらこの三日間で新境地を開拓してしまったらしい。普通のランジェリーに念のためアンスコを履かせると、私服を着せて俺もドレスチェンジ。お姫様抱っこでかかえたまま81階のエレベーターから降りた。俺の首に腕を巻きつけたまま離れそうにない。
「ただいま」
『おかえり~』
夕食前に到着できて何よりだ。だが、青ハルヒを抱えている状態を見て文句を言ってくる奴が約一名。
「ちょっとあんた!青あたしに何したのよ!?」
「旅館に着いてから全身マッサージしていたら力が入らなくなったとかで、ずっとこの調子だ。食事をするのも苦労したんだぞ?まともに座れもしないで、身体を支えながら食べさせていたくらいだ。おまえ夕飯食べられそうか?」
「あたしの分残しておいてくれれば、後で食べるわよ。それより、キョン。100階で腕枕して」
「へいへい。とりあえず、コイツ寝かせてくるから先に食べていてくれ。夜練には行くから」
「ちょっと待ちなさいよ!この三日間、あんたはあたし一人のものなんだから!告知以外で影分身したら許さないわよ!?」
「分かったって。とりあえず100階に行くぞ」
「あたしに任せなさい!」
「なんだか、涼宮さん、思いっきり空回りしていたわね。ホントに大丈夫かしら?」
「しばらくすれば、黄俺だけ戻ってくるんじゃないか?何にせよ、こっちの古泉にあんなシーン見られなくて済んだから大丈夫だろ。このまま北口駅前店の店長ってことにしないか?」
『問題ない』

 

100階に着くなり個室に入り青ハルヒを寝かせた。すぐにでも眠ってしまいそうだが、早々と催促がかかる。
「ちょっと!あたしとずっと離れないって言ったの、あんたの方じゃない!早く腕枕しなさいよ!」
「ああ、それはいいんだが、このまま腕枕だけでいいのか?それともさっきみたいにつながっていようか?」
「向こうでやっていたのと同じようにして!あんたと寝るのに服を着たままなんて嫌よ!全部脱がせなさいよ!」
「それだと、影分身一体出さないと同じようにはできないぞ?影分身はダメなんだろう?」
「もう!それくらい良いに決まっているじゃない!少しは察しなさいよ!こういうところはいっつも鈍感なんだから!あたしに言わせないで!」
「よし、それならさっさと服を脱がせてやる」
本社の地下で履かせたばかりのランジェリーが既に濡れていたが、もはや濡れていようがそうでなかろうが関係ない。服を脱がせながら、影分身で口づけを交わす。青ハルヒが眼を瞑っている間にもう一体影分身を用意すると本体と入れ替わり81階へとテレポートした。あとはそこまで時間もかかるまい。
『キョンパパ、おかえり!』
「ああ、ただいま。やっとこの料理にありつける。たまには違うものを食べてみるのもいいかと思って青ハルヒと意見が一致していたんだが、高級食材の旨味を全然活かせてないのがサイコメトリーしなくても伝わってきていたからな。告知の方も世界各国のグルメを堪能しようと思っていたが、俺が弁当を作って正解だったかもしれん」
「くっくっ、上手く彼女をごまかしたようだね。あともう一日、お預けを喰らうんじゃないかと思っていたところだよ」
「やっとキョン君のマッサージが体感できるんですね。もうわたし、キョン君が傍に居てくれないとダメみたいです。でも、涼宮さんがあんな状態で帰ってくるなんて思いませんでした。何か特別なことでもしたんですか?」
「いや、単純にマッサージの時間を長くしただけだ。たったそれだけであんな状態になるなんて、こっちの方が予想外だよ。昨日、一昨日とできなかった分、少し量増しする予定だが、みんな注意してくれ。それに夜練が終わったら先週の野球の試合の件が放送されるはずだ。どんな展開にこれからなっていくのか、みんなで見てみようぜ」
『問題ない』

 

 青ハルヒの方は俺の分身で両方串刺しにした瞬間に気を失ったようだが、一応起こして見せてみるか。告知の方も南米を終え、いよいよニュージーランドに向けて出立する日が訪れた。ブラジルがポルトガル語というのも驚いていたが、南米のほとんどの国がスペイン語で話せるのは意外だった。地理や他の国の歴史についてはよく知らんが、ハルヒもこれを見越してスペイン語を覚えてくれていたのかもしれん。夜練も半日差ならこちらを少し重視して変化球もと思っていたのだが、それもできなくなってしまった。球を投げ続けることおよそ二時間。日本代表選手がいなくなったところで69階と100階へと向かった。100階では夜練が終わる前から影分身が青ハルヒの疲れや眠気を取り去っていたのだが、それでもなかなか起きず、少々キツく抱きしめて髪を撫でたところでようやく眼を覚ました。
「ハルヒ、おはよう」
「えっ、あ、うん、おはよう。って、もう朝になっちゃったわけ!?あんたを一人占めできる時間も終わっちゃったの!?」
「いや、正確にはあと三時間残ってる。今はまだ夜の九時前だ。本社に着いてから二時間くらいかな。ハルヒにも見せたいものがあったから眠気と疲れを取って起こしたんだ。そのまま寝かせておくと『なんであたしを起こしてくれなかったのよ!?』なんて言われかねんからな」
「見せたいもの?あんた、まさかあたしにへんなことしたんじゃないでしょうね!?」
「今の状態がハルヒの言う『変なこと』の中に入っているなら別だが、一昨日からずっとこの状態だったんだ。これで文句を言うのだけは勘弁してくれよ?」
後ろの方をちょっと動かしただけで「ひぁっ!」なんて声が漏れていた。コイツがそんな声出すなんてこの三日間が初めてになるだろう。
「……これは………入らないわよ。で、あんたの見せたいものって何よ?」
「先週、こっちの世界で野球の試合をしただろ?その番組がもうすぐ始まるんだ。俺たちのことではないかもしれんが、どうなっているか見てみないか?」
「見るのはいいけど、どうやって見るのよ?」
「スカ○ターに映すからそれで見るといい」
青ハルヒの左耳にスカ○ターを取り付けると、右目を閉じてモニターに集中し始めた。丁度始まったようだな。

 

 遅れること十数分、69階では個室で青OG数人で番組を既に見ていたのだが、「録画したものをもう一度全員で確認しようと提案し、服を脱いだOG達がシャンプー台に首を預けた。しかし……色は違えども何で12人揃って例の布地がほとんどないセクシーテディを履いていたのかが分からん。こんなこと次はないかもしれん。濡れたアンスコも含めて、全員分コレクションに追加しておこう。OG達の目の前にモニターを映しだし、シャンプーをしながら番組を見ていた。俺もスカ○ターで番組を一緒にチェック。番組の内容は……俺たちとの試合のことで間違いない。
『一週間前に番組表が出るんだ。それを見れば確認できたんじゃないのか?』
そういうことは先に言って欲しかった。俺が不安に思っていたことはジョンにも伝わっていたはずじゃないのか?
『いや、なぜそんなに不安がる必要があるのか分からなかっただけだ。涼宮ハルヒと二人っきりで生活しているところに俺が口出しをするわけにはいかないだろう?』
それはそれで青ハルヒに怒鳴られそうだな。すまないジョン、ありがとう。
『いえいえ』
ジョンと会話しながらもサイコメトリーでそれぞれの髪が少しずつ良くなってきていることが伝わってきた。こっちのOG達だけでなく、他の日本代表選手たちの髪質も良くなってくれればそれでいい。100階にいる妻たちも二日ぶりのシャンプー&マッサージを堪能しているようだ。ただのサイコメトリーだけなんだから、やろうと思えば誰にだってできるだろうに。

 

「それで、試合はどうだったの?」
「いや、もうね。ボッコボコにやられちゃいましたよ。アンダースローってあんなに打ちにくいものなんですか!?三者凡退で一回表が終わったと思ったら、その裏で僕の投球を全部打たれて、一っつもアウトを取れないままコールド負け。もう、悔しくて仕方が無いですね。チーム入れ替えてまた挑戦しに行きます!今度はぜっっったいに負けねぇ!」
「挑戦するのは構わないけど、番組の主旨にちゃんと沿ってる?企画さえすれば何でもありだった中○君の前の番組じゃないけども……」
「VTRを見ていただければ分かります。あんなの、世界中が仰天しますよ?」
天空スタジアムの内部に入ったところからVTRがスタート。最初に見せた天空スタジアムからの絶景、満天の星空が収められ、青ハルヒの投球で三アウト、そこからは点数とランナーが表示されながら九人に打たれるシーンが連続で続き、最後に俺の180km/h投球。この前の電話ではないが、秘密裏に入ろうとしても映せるのはスタジアムの内部のみ。閉鎖空間の条件を変えないと見られないあの夜景までは収められん。
「へ――――――――180km/h台ってメジャーリーガーでも出せないでしょ?ギネス記録に認定されるんじゃないの?」
「どう見たって普通の投球フォームにしか見えないのに、あれだけのスピードが出せるってね、ありえないっすよ。それにあの夜景、僕たちが第一号らしいです。あの景色を見ながら野球は出来ませんけど、あれは何度も見てみたい。既に今週末はコンサートもやるようですし、僕もまた行きたいと思います!」
そのセリフを機にエンドロールが流れ、来週の予告。たった一つの番組だけでここまで宣伝してくれるとはありがたい。コンサートに来る客に紛れてどれだけ報道陣が来るかは分からんが、対策は万全。場合によってはバレーの生放送もたまには他の局に変えてみてもいいかもしれん。この時点で同期してみたが、この内容に満足しているのが数名。二日ぶりのマッサージを味わって、それどころじゃないのが残り全員か。青ハルヒには残りの二時間、新境地の快楽に呑まれてもらうことにして、個室から出さないでおこう。

 

『キョン、僕をベッドに運んでもらえないかい?』
「どうした?青ハルヒみたいに力が入らなくなったのか?」
『違うよ。キミ達が帰ってきたときのように、僕も彼女と同じ体験がしたいんだ』
やれやれ、揃ってお姫様抱っこで連れて行って欲しい……か。人がやっているところを見るとすぐ自分も真似したがるのはコイツの悪い癖だな。ベッドに寝かせて閉鎖空間を展開すると、それぞれ身体を抱き寄せて腕枕。
「どうだ?少しは満足できたか?」
「やはりキミとこうしていないと私はもうダメみたいだ。昨日も一昨日も寝ようとしても一向に寝られなかったんだからね」
「ジョンの世界にテレポートするイメージを持てば、すぐにでも寝ることができることくらい知っているだろ?」
「それはこの前のような緊急時に使うものだ。でないと、ゆっくり休んだ気がしないじゃないか。いくら目覚めが良いと言ってもね。キミにこうやって抱きしめてもらうと本当に安心する。年中無休で頼みたいんだけど、キミの例の企画で、来年も寂しい二日間を過ごさないとならないと思うと、先が思いやられるよ」
「おまえも相変わらず大袈裟な奴だな。365日のうちの、たったの二日間だろうが。それに、おまえが一位を取るか俺が選ばれなければいいだけだろ?」
「キミのネックレスにいくつ指輪が連なっていると思っているんだい?そのうち一つは私のものだけれど、下にいるOGの子達も含めて、キミのことを一人占めしたいと考えている人間がどれだけいるのかちゃんと数えてくれたまえ。そんな中で私が一位になるなんてどれほど過酷か、考えてもみたまえ」
「そうだな、おまえら八人の中でもみくるやOGにはどんなにあがいても勝てそうにない。かといって、毎年恒例になってしまった企画を潰せるとも思えないしな」
「お願いだよ、キョン。1%でいいから僕の部屋にキミの影分身を置いてくれないかい?」
「おまえ、それじゃ青古泉の『一家に一体涼宮体』とほとんど変わりがないだろう。一年でたったの二日間だけなんだ。それ以外の日にその分を取り返せばいいんじゃないのか?それに、こうやってできるようになったのもつい最近だ。それまでのことを考えれば、こっちの方がよっぽどいいだろう?おまえの存在意義だって満たしているんだからな。やるなら、おまえの部屋じゃなく研究室の方だ。この先体調を崩すことが多くなってくるだろう」
「そうだね、青私のことも考えるとそっちの方がいい。たまに我儘も言うかもしれないけれど、私のこと見捨てないでくれよ?」
「何のために指輪を買ったと思っているんだおまえは。絶対に離さないと誓ったからここにおまえの指輪が通っているんだ。おまえは生涯俺の妻だ。それだけは変わらん」
「嬉しいよ。今日はこのまま寝かせてくれるかい?」
「勿論だ」

 

W佐々木の発言を受けてWみくるも同じようにお姫様抱っこでベッドへと連れてきた。閉鎖空間を展開してすぐ、青ハルヒとも話していた話題をみくるに振った。
「みくる、明日は空いているか?一緒に行きたいところがあるんだ」
「えっ?明日ですか?ビラ配り以外ならいつでも大丈夫ですけど……キョン君何をするんですか?」
「みくるに似合うイヤリングを選びに行きたいと思っている」
「本当ですか!?キョン君とデートすることができて、記念品まで買って貰えるなんて嬉しいです!でも、どうしてイヤリングなんですか?」
「動機としてはどちらかというと不純かもしれないんだが、みくる達の区別をつけるためとドラマの第二シーズンで少しでも大人びた雰囲気にしたい。ネックレスだと胸元を映す必要が出てくるだろ?それよりはパッと見で分かるものの方がいい。それじゃダメか?」
「ダメじゃありません!だってそれって、キョン君がわたし達のことを一生懸命考えてくれたからですよね?明日が待ち遠しくなりました。キョン君、ありがとうございます!」
「一つだけじゃ物足りないかもしれん。気分を変えたくなったら、またそのときに行こう」
「はぁい。うふふ……キョン君、今日はわたしのこといっぱい抱いてくれませんか?」
「いいのか?俺も三日ぶりにみくるを抱けるんだ。俺が満足するまで付き合ってもらうことになるぞ?」
「わたしはキョン君のものですから。キョン君の好きなようにしてください!」
「じゃ、遠慮なく」

 
 

…To be continued