500年後からの来訪者After Future5-3(163-39)

Last-modified: 2016-10-13 (木) 18:11:15

概要

作品名作者
500年後からの来訪者After Future5-3163-39氏

作品

青ハルヒとの濃密な三日間を終え、俺の前には二日ぶりの青新川さんの料理が用意されていた。青ハルヒには100階の個室で開拓した新境地を執拗に責め立て、俺との二人っきりの生活を最後の一秒まで過ごしていた。これで明日の朝も力が入らないなんてことにならないといいんだが。温泉旅行の最終日に本社の最上階SOS天空スタジアムを取材した番組が放映され、告知としては全員が納得のいくものになっていた。

 

「いくら相手が青あたしでも、夫婦の時間が二日も無かったんだから、今日はとことん付き合いなさい!」
全身マッサージを終え、番組にも納得の表情を見せたハルヒから容赦の欠片もない一言。まぁ、それだけ溜まっていたということで理解して良さそうだ。妊娠して双子を産んだ分、胸の大きさで言えばハルヒの方に軍配があがる。そうだとしても、今日は随分と張っているな。母乳を双子に与えなくなってからは、代わりに俺が飲んでいたようなもんだったが、それでも大部分はハルヒが自分で搾り出してそのまま捨てていたようなもの。今日も影分身二体でとことんハルヒを責めてやることにした。青ハルヒの新境地開拓ぶりを見れば、いずれハルヒもすがるようになるだろう。全身マッサージの段階で既に秘部からは別の蜜が垂れていた。すぐさま秘部を貫き、両房から出てくる母乳に吸いついていた。今日は少し玩具も使ってみるか。青ハルヒにつけていたものと同じ玩具を秘部の突起にあてると、MAXパワーの振動がハルヒの弱点を襲う。もう一体の影分身と舌を絡ませ合っていたが、急な刺激に耐えきれなくなり、青ハルヒ同様、絡ませていた舌を拒絶して、振動に悶えていた。ハルヒの身体が痙攣しても尚、玩具の振動と秘部を貫く俺の分身は緩むことなく続けられ、ようやく耐えきれなくなったのか、俺の腹筋を押して俺の分身から逃れようとしていた。俺の分身はハルヒの体内に隠れたままだが、玩具の振動を止めてハルヒが落ち着くのを待った。未だに痙攣し続けるハルヒの髪を撫で、体勢を変えて俺もベッドに横になると、ハルヒを抱き寄せた。
「『とことん付き合いなさい!』なんて言っていたのは誰だったかな?……返事もまともにできないか。相変わらず可愛い奴だな。可愛い奴ほどこうやって苛めたくなってしまう。たまにはこういうのもいいかと思ったが、ちょっと刺激が強すぎたようだ。今日はこのまま抱いていてやるから、ゆっくり休め。また今度たっぷりとしようぜ?」
抱き寄せた頭が僅かに縦に動く。額にキスをして、ハルヒを抱きしめていた。

 

『キョン先輩、今日もわたしのこと抱いてください!』
12人とも例のセクシーテディを着けていただけあり、全身マッサージを終えるとすぐに手を引かれてベッドにダイブ。アンスコの状態を見れば秘部がどうなっているかなど確認する必要もない。まだこれが二回目の子たちにはゆっくりと、何度も経験している子は一気に秘部を貫き、それ以外の弱いところもサイコメトリーが全て教えてくれた。青チームのセッターの子には影分身二人がかりで前後両方貫いていた。みくると同様、不要物を匂いと一緒に全てアホの谷口の胃の中へと送りクリーンになった体内を俺の分身が何度も出入りしていた。
「全員同じ下着をつけなきゃいけないほど待ち望んでいたのか?」
「もう私、玩具だけじゃ満足できない。他のみんなも同じはずです!黄ハルヒ先輩たちに見つかったら、私も自分からキョン先輩に何度も頼んだって説明します!だから、この疼いた身体を解消してください!」
黄チーム側でも初体験を終えたばかりだというのに、この瞬間を待ちわびていたと言わんばかりの表情だ。
「これでまだ二回目だってのに、随分大胆になったな?」
「キョン先輩の前でなら、私、どんな格好でもします!だから、私のこといっぱい抱いて欲しいんです!」
「一人抱くときはみんな一緒だ。二回くらいじゃ満足できないだろ?」
「私も一夫多妻制に入れて欲しかったです。でも、もうあんなに人数がいるんじゃ……」
「じゃあ、その分要望に応えてやる。どうして欲しいか全部言ってみろ。誰にも見られていないんだ。どんなに大胆なことでも俺しか知らない」
「でも……恥ずかしくて言えません」
「だったら言わなくても構わん。どんなことをされたいかイメージしてくれるか?それを読み取るだけだ」
頬どころか両耳まで紅潮させていたが、髪を撫でると何をして欲しいかは伝わった。
「これからは影分身が二体になりそうだ。青チームの影響もあるんだろうが、二回目で後ろもなんて流石に言えないよな。分かった。まずは、お腹のものをすべてテレポートさせてスッキリさせてしまおう」
「……キョン先輩、私のこと変態って思ってますか?」
「あんなの見せられて、どんな感じになるのか気にならない方がおかしいだろう?この際だ、色々玩具も使って試してみよう。やってみて嫌な気分になるようならやめればいいし、気持ちいいと思えば後ろも一緒に責めてやる。まだ俺しか知らないんだ。みんなに話してもいいと思えるようになったら自分で言うなり、実際にしているところを見せるだけだ。それまでは俺たちだけの秘密にしようぜ?」
「先輩……私に優しくしないでください!でないと私、先輩の妻じゃなきゃ満足できそうにないです!」
「毎日でもこうやっていたいって思っている奴もいるんだ。そのときに一緒に混ざればいいだけだ。妻じゃなくとも抱いて欲しいと自分から主張すれば、周りも同調してくるだろう」
秘部を責めていたところで俺に抱きついてきた。その子の髪を何度も撫でて口づけを交わす。この子も大学を受験せずにずっと俺たちと共に生活していた仲間の一人。俺なんかに惹かれてここまでのセリフを吐くなんて思っていなかったが、ハルヒ達にも事情を説明して俺の妻として迎えたっていいくらいだ。ウェディングドレスは北口駅前店オープン前に着ていたあのドレスがいいだろう。
「テレポートはしたが、後ろの方を体験してみるのはまた今度にしよう。ずっと抱きしめていてやるから、今日は一緒に寝よう」
「嬉しい。繋がったままでもいいですか?」
「勿論だ」

 

 このフロアの中で唯一の妻から事情を聞いてみた。
「全員あの下着をつけていたのを見たときは驚いたぞ。この三日間で何があったんだ?」
「私もそうだったけど、キョンのシャンプーやマッサージじゃないと、もうみんなダメみたい。一応毎日お風呂には入ってたんだけど全然満足できなくて……誰だったかな、みんなで湯船に浸かっていたら自分であそこを触りだしたのがきっかけで、全員に火がついちゃったの。玩具も色々使ってみたりしてたんだけど、全然気持ち良くなかった。だからキョンが帰って来るのをずっと待ってた。『今日くらい夜練なんて無くてもいいのに』ってテレパシーで話してたくらい」
「俺のエネルギーなら全員に渡しているんだ。お互いでマッサージしたりしなかったのか?」
「やっぱり、私たちじゃ男の人の指の太さにはならないからかも。キョンのマッサージであの気持ちよさを知っちゃったから、まったく同じでないとダメみたい。今こうやってキョンに抱かれているのも、一人じゃ真似できない気持ち良さを経験したせいだと思う。初めてをキョンに捧げたみんなは特にそうなんじゃないかな。だって、私がそうだったから」
「今こうして抱かれていてどんな気分だ?」
「ずっとこの時間が続けばいいのにっていうのが一番。でも、バレーの練習をして、あの料理を食べて、疲れた身体をマッサージしてもらって、キョンに抱かれて、キョンに抱きしめられたまま眠る。毎日このルーティンワークがいい。初体験したばっかりっていうのも多分あると思うんだけど、キョンと繋がってないと何か違和感があるの。自分の身体なのに、自分の身体じゃないみたいなそんな感じ。変だよね、キョンと繋がってないと自分の身体じゃないみたいだなんて」
「いいんじゃないか?それはそれで。違和感がなくなるまでこうしていればいいだけだ」
「キョンにそう言ってもらえると私は嬉しいけど、いいの?私たち全員を一度に抱くなんて……」
「まったく違う行動をしていたら影分身を保てないが、似たようなことをやっているだけなら心配いらない。あの漫画の主人公と違って、自分と同じ人形を作って意識を送って操作しているだけだから、何人になろうと俺に疲れが溜まることはない。この本体以外はな」
「先輩たちだっているのに、結婚してからはずっと私の傍にいてくれるなんて、私、今が一番幸せ」
「こうやって二人で居る時間も一番短いし、つい先日、初体験したばっかりなら尚更だ。少しずつ、色んなことしてみようぜ」
「ん……、でも今日はこうやってキョンと向き合ったままがいい」
「じゃあ、明日はどんな風にしたいかちゃんと考えておけよ?」
「えっ!?明日も抱いてくれるの!?」
「早く違和感を取り除かないと、零式のような高度な技ができなくなるだろうが」
「キョン、いっぱいキスして」
「お安い御用だ」

 

 全員がようやく寝静まった頃、一度同期をして情報を共有。明日も抱くと言っておいて正解だったらしい。初体験して一週間も経たずに後ろの方もやってみたいとはな。明日の夜にでも妻たちに話をしてみよう。これだけ人数がいるんだ。一人増えたところでそう変わりはない。さて、これで69階と100階の影分身は1%ずつで十分。明後日のディナーに備えた準備を始めることにしよう。告知の方も料理を作って待っていないといかん。81階でディナーの下準備を始めた。自家製デミグラスソース作りと……みじん切りにした玉ねぎを大鍋で炒める作業。弱火で数時間もかかってしまうのが難点だが、単調な作業だから意識の分配も数%あれば十分。あとはサイコメトリーしか使わないからな。生の状態でリンゴと同じ糖度だったな。某CMではないが、玉ねぎ一つだけでリンゴと蜂蜜が隠し味のカレールーと同じ味が引き出せるということになる。他の食材を加えながらスパイスを調整していけばいい。当日にならないと肉が届かないというのが難点だが、デミグラスソースもこのカレーも新川流料理ではなく、俺のオリジナル料理と言えるものが作れそうだ。W有希のためにも大量に作っておくことにしよう。
 翌朝、青新川さんが起きてきたところで99階へと移動。ジョンの合図を受けて調理を止めそのまま熟成させることにした。OGには二度目になるか。名前を呼んでおはようと告げると、キスをしてきたり、抱きついてきたりと様々。それぞれ下着からすべて俺が着せると身支度を整えに各フロアに戻っていった。シャワーを浴びて81階に戻ると、ほぼ全員が出揃いつつあった。
「黄キョン君」
青有希から呼ばれてそちらに視線を向けるとよだれが止まらない青有希の口元をタオルで拭いている青俺がいた。いくらW有希がカレー好きとはいえ、閉鎖空間で換気しているから匂いなんて残ってないはずだが……
「その様子を見ると昨日カレーを作っていたのがバレたようだな。今からそんな状態じゃ明日のディナーが終わるまで待てそうにないだろう?」
「エレベーターから降りた瞬間に匂いが伝わってきた。今まで食べたことない味。早く食べてみたい」
「まったく、どういう嗅覚をしているんだおまえは。有希のカレー好きは今に始まったことじゃないが、匂いなんて俺には全く分からなかったぞ」
「ママ、カレーってそんなに美味しいの?」
「幸も明日はお腹を空かせておいた方がいい。黄キョン君のカレーなら絶対美味しい」
「青有希さんがあそこまでになるということは相当のもののようですね。こちらの有希さんもおそらく匂いに気付いていると思いますが、先ほどから何の反応も……」
「多分、風呂桶か何かを用意した方がいいと思うぞ?青有希でこんな状態なんだ。有希の場合口の中がよだれでいっぱいでこのままじゃ朝食も食べられないんじゃないのか?」
北高入学当初のように何の言葉も発さずに、首が小さく縦に動いた。風呂桶一個じゃ足りそうにないな。
「もめにひょうもういひへ」
「阿呆――――――!そんな状態で口を開くなおまえは!!」
風呂桶二つでもまだ足りず、三つの風呂桶が満たされたところでようやく止まった。

 

「それで、何を言いたかったのか言ってみろ」
「米二升用意して。わたしが全部食べる」
「寿司のシャリも用意しなきゃならんのにそんな量の米が炊けるか!!」
「それで、あんた一体どんなカレー作っているのよ?」
「完成形がどうなるか俺にも分からん。野菜の旨味を最大限活かしつつスパイスの量を調整していた。肉が当日にならないと届かないのが難点だが、みんながジョンの世界に行っている間はサイコメトリーでルーと会話していたようなもんだ。デミグラスソースも一緒に作っていたんだが、どちらも俺のオリジナル料理になりそうだ」
『オリジナル料理!?』
「そこまでの料理ならわたしも食べてみたくなったわね。今日朝一で連絡してみるから今日中に届くか聞いてみるわね」
「ああ、可能ならそれで頼む」
「ですが、あなたが『新川流料理』ではなく『オリジナル料理』と言い出すからには、新川さんが作るカレーとはスパイスの配分がまるで違うようですね。W有希さんではありませんが、匂いだけでも味合わせていただけませんか?」
「おまえ、閉鎖空間の換気機能をもってしてもW有希を止められなかったのに、匂いだけで終われるはずがないだろう。米さえあればたった二人で食いつくされてしまうぞ。大食い選手権をしているわけじゃないんだ」
「くっくっ、メインになる肉がまだ入っていない段階でこの状態なんだ。米の方も何かしらの工夫をするだろうし完成形を味わうことにした方がいいんじゃないかい?それに彼女は一体どうしたのか教えてくれたまえ」

 

 眠気や疲れを取ってもまだ起きることはなく、ようやく服を着せた青ハルヒを81階へとテレポート。椅子をもう一つ情報結合して横で食べさせることになりそうだ。
「みんら、おはよ~」
「ちょっとあんた!青あたしに一体何したのよ!?お酒でダウンする寸前のみくるちゃんとほとんど変わらないじゃない!」
「えっ!?お酒を飲んだときのわたしってこんな感じなんですか?」
みくるの問いに全員が縦に首を振った。前にも酔ったときのみくるのイメージを渡したはずだが……まぁ、いいか。
「『午前零時になるまで、あんたはあたしのものなんだから、いいからさっさと付き合いなさいよ!』と言われて付き合った結果がこれだ。寝てもまだ駄目だったらしい。とりあえず、俺の責任だから俺が食べさせる。おまえ、昨日の夕食も食べられるか?」
「あらしにまかしぇなしゃ~い!」
大分話が盛り上がり過ぎたせいか、青俺のアラームが鳴った。
「仕方がない。今日は俺が双子を連れていく。有希に任せると保育園まで歩いているだけでよだれが止まりそうにない」
「ちょっと待ちたまえ。子供たちを空腹のまま行かせるつもりかい?ただでさえ給食を嫌がっているんだ。今日は僕たちが喋りすぎた結果こうなってしまったんだ。保育園にも小学校にも連絡して行かせた方がいい」
「なら、早く食べましょ」
『いただきます』

 

「とりあえず、今日から異世界の原宿店がオープンする。もう『本日オープン』のシールは貼ってきたが、青圭一さん、アルバイト希望者からの電話は来ていますか?」
「ああ、二人来ることになっている。彼が面接をしてくれたよ」
さすがに青圭一さんたちと青古泉では全く関わり合いが無かったせいか、青圭一さんは青古泉のことを「古泉」と呼ばずに「彼」と呼んでいた。
「じゃあ、俺とその二人でまわします。青チームのOG 三人でヘアメイクの練習でもしないか?有希が撮影してくれたDVDもあるし、全員のメイクが終わってもテレポートでメイク落としをすればいい」
『やってみたいです!』
「じゃあ、一緒に行こう。店の裏で練習をしながら、込み合ってきたらメイクを取って接客にまわればいい」
『みくる、昨日話したデートは午後からにしよう。ビラ配り中はアレを動かしたりしない。帰ってきたら100階でみくるが満足するまで抱いてやる』
『本当ですか!?午後が楽しみです!』
「ところで、今日のニュースはどうだった?」
「昨日の番組のVTRをそのまま静止画で掲載していましたよ。天空スタジアムとあなたの投球で一面を飾っていました」
「くっくっ、面白いじゃないか。だったら、報道陣に彼のバックアップをさせてみないかい?」
『バックアップ?』
「佐々木先輩、一体何をするんですか?」
「番組取材の電話が来たら、『番組取材の内容が彼の作った野球チームとSOS団の対戦ならOK』だと伝えるのさ。これなら番組に関係なく彼がプロ球団を連れてくることができるだろう?」
「面白いじゃない!」「おもひろいひゃない!」
話の内容は理解しているようだが、こりゃ丸一日ダウンしていそうだな。
「おまえは喋らなくていい。食べ終えたら100階に戻って休むぞ」
「あんらのうれまふらひゃないといひゃ!(あんたの腕枕じゃないと嫌!)」
「分かったから早く食え」
「フフン、あんらはあらしひとりろもろなんらかられ!(あんたはあたし一人のものなんだからね!)」
「とりあえず、涼宮さんは彼に任せるしか無いようですね。ですが、名案です。早速対応にあたります」
「そのようだ。社員にもそう対応するよう伝えることにする」
『幸パパ!保育園!』
「二人とももう食べ終わったのか!?とにかく連れて行ってくるから連絡頼む」
「わたしも小学校!」
「じゃあ、四人で降りるぞ」
『問題ない!』

 

 青ハルヒが二食分を食べ終わる頃には既に片付けも終わっていた。片付け担当になっていたW佐々木からの「シンクにおいてくれれば昼にまとめて洗うから気にしないでくれたまえ」という言葉に甘えることにした。100階の個室に戻ると抱きついて離れようとしなかったもののすぐに寝てくれて助かった。また佐々木たちが「私にも食べさせてもらえないかい?」などと言い出しそうだから怖い。「まだ途中だから僕たちの分だけ送ってくれたまえ」とでも言えば、すぐにでも可能だからな。異世界移動で原宿店に移動すると、DVDプレイヤーでヘアメイクのやり方を青OG三人に見せていた。アルバイト二人と自己紹介をして毎月の無料コーディネート。二人ともファッションセンスが良くて何よりだ。青OG三人と交代で昼食を食べていたのだが、青ハルヒは結局起きられず仕舞い。ヘアメイクに飽きたのかは良く分からんが、『午後は私たちに任せてください!』とのセリフを受け、みくるとのデートに出かけることにした。平日でも原宿というだけあり、店に来店する客も午前中からかなり集まってきていたから気にはなったが、後で見に行くことにしよう。正直、告知、バイクの運転に加えて店員では影分身で全部こなせるかどうか心配だったんだ。みくるを地下駐車場に呼んで、スタンバイOK。
「午前中はどんな感じだった?」
「大勢の人がいる前だと、絶対分かるわけがないって思っていてもやっぱり恥ずかしくて……」
みくるには今朝の段階で秘部の中には玩具。パールショーツを履かせて温泉旅行中に青ハルヒにしたのとほぼ同じ状態。違いはみくるには後ろの方には俺の分身が突き刺さっていること。
「じゃあ、始めようか」
指を鳴らすとショーツについているパールと玩具がランダムに振動し始める。
「………っ!!キョン君、こんな状態でお店に行くんですか?」
「ああ、どの道別人に見えるように催眠をかけるし、立っていられなくなったとしても店員にその姿を見られるわけじゃない。どうしても無理ってときは止めてやるから心配するな。ちょっと刺激的にしたかっただけだ。みくるが頑張った分、あとでたっぷり抱いてやるから」
「恥ずかしいですけど、キョン君にいっぱい抱いてもらえるように、わたし頑張ります!」
「じゃ、俺の後ろにまたがれ。絶対離すなよ?」
「はいっ!」

 

 バイクに乗るには股を大きく広げる必要がある。今みくるが履いているパールショーツでは、パールがより食い込み、パールの振動でより秘部に刺激が加わる。ようやく乗ったかと思ったら、俺の身体を絞めつけるくらいキツく抱きついている。まぁ、この状態で落ちない様にするためだろうが、最初から超能力で貼り付けるつもりだったし、たとえ落ちたとしても備え付けた閉鎖空間でダメージはゼロ。万端の状態で例の店へと向かった。店の前にバイクを止めて降りると、みくるがバイクにまたがったまま降りて来ない。
「みくる、どうした?自分で降りられなくなったのか?」
俺の問いに対してヘルメットが大きく縦に動いた。
「しょうがないな。じゃあ、俺が降ろしてやるよ」
胸の横から手を入れてみくるを抱きあげ、バイクから降ろしたのだが、振動のせいですぐにしゃがみこんでしまった。ヘルメットを外すと刺激を必死に堪えているみくるの顔が出てきた。再度立たせて話しかけた。
「さっきも言ったが、まったく別人のカップルが仲良く歩いて入ってくるようにしか見えないよう催眠をかけてる。みくるが倒れそうな状態になったら、体勢を保っていられるよう俺が補助してやるから、俺の腕にしがみついてろ」
「キョン君、ありがとうございます」
足取りは重かったが、二人でゆっくりと入店。周りにあるものを眺めながらゆっくりと店の中を歩いているようにすれば問題あるまい。イヤリングのある場所は指輪ほど遠くない。ようやく辿り着くとみくると二人でみくるに似合うものを探し始めた。
「指輪のときも言ったが、気に入ったものがあれば、額はいくらでも構わん。OGのように指輪とセットになりそうなものでもいいし、誕生石をあしらったものでもいい。みくるの場合は……確かペリドットだったか?」
「嬉しいです!キョン君にわたしのことそこまで知ってもらえているなんて」
「誕生日を覚えていれば、後は調べるくらい簡単だろ?」
俺の左腕に対する締め付けがさらに強くなったが、その分みくるの豊満な胸があたっているからよしとしよう。

 

 しばらく二人で悩んだ末、指輪に合ったローズゴールドのものに決まった。なるべくなら耳から垂れ下った、アメリカンピアスやチェーンピアスで、つけていると周りからはっきり分かるものをと思っていたんだ。ピアスホールにダイヤモンド、ローズゴールドのドロップにオープンハートピアス。値段は185000円。いくらだろうが、つけている人間が気に入って毎日でもつけていたいと思うようなものが選べればそれでいい。試着して、首を左右に振って鏡でピアスを確認すると、みくるも納得の表情。即購入して、ピアスを入れる箱だけ貰うと、ピアスをつけたまま店を出た。
「みくる、折角だからヘルメット無しで帰ろう。それに、これで玩具の振動も終わりだ。よく頑張ったな」
みくるを抱きしめてそっと髪を撫でる。周りの目を気にする必要はない。まったく違った光景が映っているんだからな。
「帰ったら思う存分抱いてやる。ただ、青ハルヒみたいな状態にはなるなよ?」
「はいっ。わたし、今凄く幸せです!帰ったらいっぱい抱いてください」
「よし、じゃあ寄り道せずに帰るか」
「はぁい」

 

 バイクの運転さえ終えてしまえば、影分身を増やして原宿店に行くことも可能だ。急いで様子を見に行くと、俺たちの会社に所属して二ヶ月も経っていないというのに、俺の出る幕がない。レジのそばの値札入れには山のように値札が入っていた。「これ、お願いします」と会計をしに来た客に対応してこっちはこのまま接客を続けよう。
 100階にテレポートすると、意識1%の影分身一体が待機していた。みくるの後ろを貫いている俺の分身はこの影分身のもの。すぐに服を脱がせてアンスコとパールショーツを確認する。大分刺激的だったようだな。コレクションに追加というより、みくるのこれまでのアンスコの中では殿堂入りと言った方がいいかもしれん。今までのコレクションはすべて一つのキューブに収めてこの中央のベッドの下に眠っているのだが、閉鎖空間に触れるだけで誰のどんな場面で濡れたアンスコと下着なのかはっきり伝わっていくるようになっている。そろそろ人物別に仕分けようかと思っているのだが、暫定ではあるが、今日のみくるのパールショーツとアンスコは一位を獲得したと言っても過言ではなさそうだ。
「みくる、折角買ったばっかりのピアスをつけているんだ。横にならずに抱いてもいいか?俺にもピアスを見せてくれ」
青ハルヒはまだ眠ったまま。夕食まで三時間弱。みくるを満足させるには充分すぎるほどの時間だ。玩具を中に入れたまま、サイコキネシスで宙に浮かせたみくるの秘部に俺の分身が勢いよく入りこみ、みくるを突きあげる。玩具の振動を再開して、俺はベッドに座り込んだ。みくるの豊満なバストが上下に揺れている。片方の乳房を掴んで優しく愛撫していた。そろそろ後ろの方も動かすか。今はみくるが自分で動いているわけでも俺が持ちあげているわけでもない。サイコキネシスで上下に運動を繰り返し、もう一体の影分身が俺の分身のテレポート位置を弄り始めた。それにより、後ろの方も前とは違ったリズムで動き始める。本体も影分身も微動だにせず、サイコキネシスとテレポートだけでみくるを責めていた。他の能力もうまく使ってみたいのだが、今のところ思いつくものといえば、精々ハルヒに催眠をかけて俺の分身をしゃぶりたくて仕方が無いと思わせる程度。いかにも、ありきたりすぎる。もっと上手い使い方はないものかと思っているうちにみくるの身体が震えて力が抜けた。超能力を解いてみくるを俺の上に乗せるように横になった。その後もしばらく痙攣を繰り返し、その余韻に浸っていた。

 

「キョン君、夕食までこのままいさせてくれませんか?」
「なんだ、もういいのか?それに、これ以上この体勢でいるのはみくるの方がキツいだろ?」
「キョン君とバイクで一緒にデートして、イヤリングも買ってもらって、キョン君に抱いてもらったら、わたしは十分満足です。体勢だけ変えてもいいですか?イヤリングも一旦外させてください。でないと、キョン君に腕枕して貰えなくなっちゃいますから」
「イヤリングの欠点が発覚してしまったな。ネックレスならまだいいが、その状態で腕枕するとお互いイヤリングがあたって邪魔になる……か。やっぱり違うものの方が良かったかもしれん」
「ふふっ、そんなに気にしないでください。今回が特別なだけです。キョン君たちが夜練を手伝っている間に自分の部屋で外せますし、朝起きた後もキョン君に着替えさせてもらってから付ければいいだけです」
俺の胸を押して起き上がると、みくるがイヤリングを外し始めた。ケースに丁寧にしまって自室へとテレポート。みくるも随分と超能力をつかいこなすようになったもんだ。体勢を変えて横になると、いつものように抱き寄せてから腕枕。何度かみくるとキスを交わして、両腕で抱きしめる。
「わたし、キョン君にこうしてもらえたらなって、今までずっと考えていたんです。ようやくそれが叶いました。こんなに幸せな気分になれたのは今日が初めてかもしれません」
「こんなことで良いのなら、これからいくらでも体験できるだろ?」
「はい。わたしももうキョン君と一緒じゃなきゃ寝られません。わたしも書き初めで鶴屋さんから一位を貰ってキョン君のことを一人占めしたいって思いますけど、一位じゃなかったときのことを考えたら……」
「昨日も誰かが言っていたな。一位を取って一人占めしたいとは思うけど、たった二日でも俺がいない日々を過ごさなきゃいけないのは嫌だって……OGだったかな?」
「わたしも同じ気持ちです。でも、書き初めの賞品を無くしたいなんて言ってもみんな納得してくれるかどうか…」
「二人の妻がそう思っているんだったら、ハルヒ達だって納得するだろう。俺も進言してみようか。ランキング発表はするが、賞品は無し!青古泉が真っ向から反対しかねないけどな。あるいは俺が指名されてもここと69階には影分身を置いていくことにするかのどちらかだ。他の妻が寂しい思いをしているなんて知ったら、一緒に行けない」
「わたしからもお願いします。ついでのついででもいいので、キョン君の傍にいさせてください」
「夕食までもう少しあるから、それまでこうしていよう」
「嬉しい……幸せな気分でまだいられるなんて……」

 

 イヤリングをつけに自室に戻ったみくるを置いて先に81階に戻ると、明日の食材が既に届いていた。肉だけでなく魚もか。すぐにでも調理に入らないと間に合わんかもしれん。すでに夕食の支度を終えた青新川さんの隣で、カレーとデミグラスソースの入った鍋をテレポートさせて肉と鍋の両方をサイコメトリー。どんな調理法をすれば二つがかみ合ってくれるのかすべて教えてくれた。これが俺のスペシャリテになりそうだ。気がつくと目の前にW有希がよだれをたらしてスプーンを構えていた。
「おまえらには絶対味見なんてさせんからな!まだ完成してないんだから明日の夜まで待ってろ!」
「問題ない。味見は本来、完成形により近付けるためにある」
「よだれをたらしながら言うセリフじゃないだろ!真っ当なことを言っても駄目なものは駄目だ!」
キューブで縮小してテレポートしたが、有希ならどこに隠しても見つけられてしまう。だが、そのときは有希に食べさせなければいいだけの話だ。そうしている間に降りてきたみくるのイヤリングに視線が集まっていた。青ハルヒもどうやら復活したらしいな。
「黄みくるちゃん、それがキョンに買ってもらったイヤリングなの?やっぱりあたしも何か欲しくなったわよ」
『キョン先輩に買ってもらった!?』
「みくる先輩、それいくらしたんですか?」
「えっと……キョン君、いくらでしたっけ?」
「185000円だ。金額はいくらだろうが関係ない。選んだ本人が気に入ればそれでいい。もっとも、ちゃんとした目的があればの話だけどな」
「羨ましいなぁ……因みにキョン先輩、目的って何ですか?」
「みくる達の違いをはっきりさせるのと、ドラマの第二シーズンでもう少し大人びた女刑事にするためのものだ」
「みくる先輩の場合は、大人びたと言うより、可愛らしいって感じがしますけど……ハートもついてますし」
「キョン……あんた、正妻をほったらかしにしてみくるちゃんとデートしてたっていうわけ……?」
「あのな、前にも説明しただろう。おまえも含めてみんなのことを考えていたら、思いついたのがこの二人だっただけの話だ。そりゃあ俺だっておまえを一番にしたいんだ。おまえに似合うものが見つかるまで、順番が違っても勘弁してくれ。それと、そろそろ食べ始めようぜ。店舗組と入れ替わらないとな。俺は夜練に出なきゃならん。誰か原宿店に代わりに行ってくれないか?」
「じゃあ、わたしがキョン君の代わりに行きます。このイヤリングもう少しつけていたいですから」

 

「ねぇ、アルバイトの子たちに経験を積ませるまで、こっちの世界のときはあたし達何してたっけ?」
「黄俺に異世界移動してもらって大学に行って、放課後はバレーの練習をしていただろ?その分の時間が空いているから何かできることがないかって考えているだけだ。こればっかりは月日が経たないと今よりももっとメンバーが揃わなくなるぞ。おまえが寝ている間、有希や朝倉、朝比奈さんを連れて向こうでもビラ配りしていたんだ。明日はおまえにも入ってもらうぞ?」
「当ったり前よ!あたしがこの会社を日本全国に広めてやるんだから!」
「しかし、青ハルヒはインタビューを受けているからいいとして、有希や朝倉、青みくるはメットを被った状態でしか映っていないだろうからサインまで求められるのは青ハルヒくらいじゃないか?」
「あら、わたしもサイン求められたわよ?佐倉玲子としてだけど」
「それはわたしも嬉しいわね。今度はヘルメットを付けずにバッターボックスに立とうかしら?」
「あたしたちなら安心して見ていられるでしょうけど、黄あたしみたいに頭部スレスレの球が飛んでくるわよ?」
「その前に審判から警告を受けて戻ってくることにな……」
『ふむ、どうやらこれが最後の晩餐のようだ。君たちとの生活も悪くなかったぞ』
「何ぃ!?最後の晩餐だと!?おい、シャミセン!待て!!まだ逝くんじゃない!!!」
ゴトッと皿がフロアにあたる鈍い音がした。シャミセンの頭部が皿の上に落ち、皿が床に接触した音だった。シャミセン用に用意された料理は見事にたいらげられていた。すぐにサイコメトリーしたが……すでに事切れていた。
『キョンパパ、シャミセンどうしたの?』
「キョン……」
「キョン君……」
「すまん古泉、ペット葬儀屋を呼んでくれるか?」
「了解しました」
「やっぱり……もう駄目なんですか?」
「何かの番組で見たことがある。ラットが死んでしまったときに、ほんのちょっとだけ軽くなるって話だ。俺がサイコメトリーした直後、0.0いくつの世界だが、シャミセンがほんの少しだけ軽くなっちまった。いくら情報結合で衰えた身体を強靭にしようと、魂がもう無くなっちまってる………ぐっ…もう少し……もう少し早く言えよ………おまえの遺言、みんなに伝えられたのに………ち、くしょ……う」
「あたしたちにも教えてよ。シャミセン、最後に何て言ってたの?」
「『ふむ、どうやらこれが最後の晩餐のようだ。君たちとの生活も悪くなかったぞ』だとさ。新川さんの料理が長生きの秘訣になっていたらしい。完食してから『最後の晩餐』だとぬかして逝きやがって………何、満足してんだよ………馬ッ鹿野郎!」
みくるは愕然として床に座り込んでしまい、両手で顔を隠して泣き叫んでいた。力を失ったハルヒはみくると同様その場にへたりこんで溢れる涙を堪えもせずに垂れ流していた。

 
 

…To be continued