500年後からの来訪者After Future6-7(163-39)

Last-modified: 2016-11-07 (月) 01:42:43

概要

作品名作者
500年後からの来訪者After Future6-7163-39氏

作品

古泉の結婚相手がメンバー内にいることがバレてしまった日の翌朝。催眠を解いて、左手の薬指に指輪をはめた森さんが姿を現した。『青森さん』、『黄森さん』なんて言うのも心苦しかったこともあり、ハルヒ達のようにこちらの森さんを『園生さん』と呼び、青チームの森さんのことをそのまま『森さん』と呼ぶよう全員で統一。『今さら「園生」と呼ぶのも恥ずかしい』などと新川さんも口にしていたが、これでようやく森さん達の区別をつけることができた。三組目の夫婦として、有希と園生さんの自室の場所を入れ替え、97階を古泉と園生さんのフロアとして一つにまとめることに。加えて、結婚式の式場もハルヒの鶴の一声により、それぞれが選んだ式場の中から古泉たちが選ぶという手筈が整った。

 

 文芸部室の連中に別れを告げ、本社に戻ってみくるの煎れたお茶を味わいながら、一時の休息を堪能していた。何もつまむものがないのも物足りない気がするし、クラブハウスサンドを出してしまおう。小腹が空いていれば、みくるも食べるだろう。
「キョン君、こんなにたくさんサンドイッチを作っていたんですか?」
「ディナーが終わるまで此処で待機しているメンバー全員分だ。みくるもこの後は明日のコンサートのリハーサルもあるし、今のうちにつまんでくれて構わない。おにぎりでもよかったんだが、ご飯とノンドレッシングサラダはおかわり自由にしたから、炊いた米は全部三階だ。その分パンも自家製のもので作ってみた。俺や古泉、青ハルヒは調理している間に匂いだけで腹が膨れるし、どうしても我慢できなくなったときは、味見ついでに作ったものを食べるだけだ」
「じゃあ、ちょっとだけわたしにも食べさせてください。こんなに美味しそうなサンドイッチを見たのは初めてです!」
「みくるも大袈裟だよ。しかしまぁ、影分身のおかげで時間短縮することができたし、見た目も豪華なものが作れるようになったのは事実だ。話し相手がいないのが唯一のデメリットになるかな?それでも、告知が終わって朝食の支度もするようになれば、青ハルヒも降りて来てくれるだろうし、そのあとは誰かしら片付け当番がいてくれるからな。バレー合宿中はずっとみくるが居てくれたが、楽団の練習が本格化するようになってからは当番制にしていても、朝食の片付けはどうしても青佐々木かENOZになってしまう。過去のハルヒ達の影響かどうかは分からんが、青ハルヒは自分たちの世界の発展に気合いが入っているからな。青俺や青有希、青みくる、青朝倉も似たようなもんだ」
「そうですね。わたしも涼宮さんに催眠をかけてもらって、みなさんと一緒にビラ配りしていますけど、異世界でのビラ配りの方が気合いが入っている気がします。こっちの世界でのビラ配りを怠けているってわけじゃないんですけど、キョン君に言われて、そういえば……って納得できました!このサンドイッチも凄く美味しいです!これもキョン君のオリジナル料理なんですか?」
「いや、レシピは新川さんのものだ。冬のバレーのオンシーズン中は日本代表に朝食として出すのも悪くないと思ってる。それに、自家製パンをサイコメトリーしてクラブハウスサンドに合った食材と調味料をどうするか相談するつもりだ。そっちの方は俺のオリジナル料理ってことになりそうだな」
「サイコメトリーだけでこんなに美味しいものが作れるなんて未だに信じられないです。それに、わたしが使っていた椅子から下着のデザインを聞くなんて発想、キョン君じゃないとできません。デザインはもう貰ったんですか?」
「ああ、ファーストシーズンを見てアイツが考えていたものをいくつか貰ってきた。ただのパイプ椅子がこんなデザインを考えていたなんて知ったら、デザイン課の社員が引き籠もってしまいそうだ。それに、みくるが北高生時代に着けていた下着がどれも似合っていたなんて言っていた長机もサイコメトリーしてきた。おそらく、当時のみくるが持っていた下着全部ってことになるだろうな。ディナーさえなければ、このまま100階でみくるとずっと抱き合っていたいくらいだ。変態的な性癖の持ち主でなくとも、みくるが着けていた下着の情報をこんなに沢山もらったら誰だってそうなる。あの頃の下着はまだ持っているのか?」

 

 『北高時代にみくるが着けていた下着のデザインを全部貰った』なんて言われて赤面しない方がおかしい。今は俺の目の前で着替えても平気だと言ってくれているが、当時は間違えてノックをせずに部室に入ったら、みくるの下着姿が目に入ってきた瞬間に叫ばれていたからな。有希に情報を渡して記憶から抹消して欲しいなんて言われてもおかしくはない。ようやくみくるの口元が動いて声が聞こえてくる。
「キョン君、あのー…あっ、でも、キョン君になら話してもいいですね。えっと、わたしが高校生のときに着けていた下着は、大学三年生頃まではなんとか使えたんですけど……胸がどんどん大きくなってきちゃって、もう捨てちゃったんです。わたしのお気に入りの下着もいくつもあったんですけど、全部着けられなくなっちゃって……」
「だったら、みくるのそのお気に入りとやらの情報を俺に寄こせ。どの道、俺はもうその下着の情報を持っているんだ。今のみくるにあったサイズで情報結合すればいいだろ?それとも、あの頃の下着は恥ずかしくてもう着けられないか?俺が貰ったのはみくるが北高生のときの情報だ。今のみくるがつけたらどうなるのか俺にも見せてくれ」
「本当ですか!?わたし、そんなに簡単な解決方法があるなんて考えもしませんでした!こんなことならもっと早くキョン君に相談すれば良かったです!わたしのスリーサイズも、お気に入りの下着のことも、ちょっと恥ずかしいですけど、キョン君になら知られても平気です!……キョン君、わたしも100階に行きたくなりました。連れて行ってもらえませんか?」
「シャンプーやマッサージをしている暇はなさそうだが、それでもいいか?」
「少しでもキョン君の傍にいさせて欲しいです!」
「分かった。行こう」
 みくるの煎れたお茶も、結局一人分しか堪能できなかったが、現状維持の閉鎖空間でかためてある。空腹ついでに誰かが飲むだろう。有希の服や本が詰まったキューブがベッドの中央に置かれていた。みくるを100階に連れてきたのはいいが、抱き合う時間もロクに残っていない。みくるから伝わってきた一番のお気に入りの下着を、今のみくるのスリーサイズに合わせて情報結合。着ている服やランジェリーをすべて脱がせて、みくるが選んだブラをつけてショーツを履かせた。着替えさせている間に秘部が蜜で溢れている。折角のお気に入りもすぐに脱がないといけなくなってしまうぞ……まぁ、そのときはもう一枚情報結合すればいいだけか。みくるを抱き寄せて、二の腕に小さな頭を乗せて会話を再開した。

 

「ブラのサイズも問題なさそうだし、またあいつらに『可愛い』と言われてしまいそうだ。どうして、これがみくるの一番のお気に入りなのか聞いてもいいか?」
「わたしのお気に入りと言っても、お風呂に入った後の気分で着けていた中で特に使う頻度が高かっただけで、『どうして』って聞かれると答えづらいんですけど……」
「風呂上がりのどんな気分のときに着けるんだ?」
「そうですね……一日無事に過ごすことができたときに着けることが多かったと思います」
「ハルヒと一緒に生活をしていて、一日無事に過ごせた日なんてそんなに多くなかったと思うんだが……あんまり例を挙げると、みくるに嫌な出来事を思い出させてしまいかねん」
ついでに、俺もこの下着を着けたみくるを一度も見た覚えがない。SOS団結成当初に使っていたものでないことだけは確かだな。それに、TPDDでこの時間平面上に来たときは何も持って来なかったはずだし、来たときの服も廃棄しているはず。未来のみくるがつけていた下着もこの時間平面上のものとほとんど差がなかった。そんなに今のこのデザインや性能が良いとは正直思えないんだが……いやいや、そんなことを言ってしまえば、織田信長が使い始めた鉄砲が未だに使われていることの説明にならない。古来の文化や知識はそのまま後世に残しておくのはどの時間平面上でも変わらないようだ。
「そんなことはありません。ハルヒさんにとっては退屈な日々だったかもしれませんけど、わたしにとっては充実した毎日でしたから。キョン君やハルヒさんが、一日に何杯もわたしの煎れたお茶を飲んでくれた日は特に」
「俺がみくるのお茶を何杯も飲んでいた日………あぁ、どこにぶつけていいのやら分からんイライラを、みくるが煎れてくれたお茶に癒しを求めていた日でまず間違いない。みくるのお茶が無かったら、過去の俺のように確実にSOS団を抜けてるな。まぁ、それだけみくるからの恩恵に身を委ねていたってことだ」
「わたしのお茶で良ければ、いつでも声をかけてください。それに、また北高の文芸部室に連れて行ってください。キョン君お願いします!」
「まさか、みくるとのデートスポットがあの部室になるなんて俺も思って無かったよ。あいつらもみくるのことをずっと待っててくれているし、また遊びに行こう。セカンドシーズンのドラマは放送される度に見せに行くと、もうあいつらと約束してしまった。ドラマを見た感想も聞きに行かないとな」
「キョン君、ディナーの準備を始めるまででいいですから、キョン君に抱きついていてもいいですか?」
「みくるのお茶と同じだよ。そんなことでいいのなら、いつでも言え」
「わたし、今、凄く嬉しいです!」

 

 濡れたショーツのままで本当に大丈夫なのかと疑いたくなるほど、満足気な顔で眠ってしまったみくるを置いていくというのは何とも心許ないが、後でたっぷりと続きをすることにしよう。式場の件に関しては、みくるはほとんど決まっているようなものだからな。影分身をみくるを起こす係として残して、ランチタイムを終えた社員食堂へと出向いた。拡大した調理場の内側に鉄板を置くスペースを確保すると、寿司食べ放題のときと同様、調理場を囲む形で椅子を配置。大皿が置けるだけのテーブルの広さを確保して、残ったスペースにおかわり用のご飯とノンドレッシングサラダ、飲み物、取り皿等。後は客の注文に合わせて仕込んだものを調理していけばいい。タイミングを見計らったかのように古泉と青ハルヒが姿を現した。古泉には牛肩ロースの赤身肉を焼く作業を頼み、影分身一体を入れた四人が、調理場の一辺をそれぞれ一人ずつ担当するよう説明をして材料を手渡していた。やれやれ……どうやら、さっきのみくるとの会話であの理不尽極まりない映画撮影のことを思い出してしまったらしい。あの年の文化祭当日、みくるや鶴屋さんを含めたクラスの女子生徒が身に纏っていた焼きそば喫茶の例の衣装。これをディナーの接客にと提案をしたのは俺で間違いないが、ちょっと話題にあがると未だに当時の撮影にどれだけの労力を費やされたかを思い出してしまう。万全の態勢で青佐々木や青みくる、ENOZが足を踏み入れた。ノンドレッシングサラダを小皿に盛る作業を頼み、日本代表メンバーが来たらご飯をと話しているところで、監督やコーチ、選手たちが降りてきた。そう言えば、あいつらに注意しておくのをすっかり忘れてた。
『六人とも、他の選手からは俺は単なる夜の調理スタッフにしか映らない。俺に向かって「先輩!」とは呼ばない様に充分注意してくれ。みんなと交代した後は、いつも通りで構わない』
『問題ない』
 今日の食べ放題のルールを古泉が説明している間に、青みくる達がご飯をついでまわっていた。青みくるが選手たちの傍に近づく度に、選手たちが青みくるの方へと視線を移している。OGと宝石違いの青みくるのネックレスを見てみたい……か?考えてみれば、ハルヒや有希、ENOZ、子供たちは試合に参加していたが、ドラマ撮影もないのに青みくるが試合に参加できない理由などありはしない。異世界でのSOS団の発展に貢献し、ツインタワーの手伝いをしてくれているが、そこはみくるに任せてもいいんじゃないか?土日は朝倉とW古泉が将棋に専念してしまうが、ENOZを楽曲作りとツインタワーの手伝いに向かわせて、日曜はハルヒ、有希、青みくる、子供たちでチームが完成する。来週からはW古泉も試合に出るだろう。本人たちと相談することにしよう。

 

 81階では、日本代表メンバーに渡したものと同じメニューとモニターを見ながら、シャミセンに食べたいものを考えさせているはず。100階で眠っていたみくるを起こしてコンサート用のドレスを着せると、伝言を一つ頼んでリハーサルへと向かわせた。その頃には、調理場の一辺に座っている選手全員分の広島風お好み焼きを焼き終えているのだが、更にジンギスカンや回鍋肉、焼き肉の注文が続き、ご飯のおかわりの声も止む気配がない。監督やコーチ達は鉄板料理を酒の肴にして酔いしれていた。今回は食べ放題ディナーとはいえ、監督やコーチ達からすれば酒が飲める絶好のチャンス。夜練を半分にしたのもつい最近だし、楽団が結成されてからはこのフロアで夕食後におでんを食べることができなくなってしまった。時間を制限するとそれはそれで楽団員と日本代表メンバーがカチ合ってしまうし……これはすぐに解決できるような問題ではなさそうだ。青みくるにそろそろ着替えてリハーサルに向かうよう伝えて、この件については明日相談することにしよう。既にハルヒ達にアプローチが来ていて、何かしらの方策を立てているやもしれん。
 野菜スイーツはやはり別格らしいな。もうギブアップと言わんばかりに椅子の背もたれに上半身を委ねている選手が次第に増え、監督やコーチ達も話は弾んでいるが、酒も大して減らなくなっていた。OG達にはキューブも教えたし、もし食べ過ぎて胃がキツければ、余分に摂取したものも縮小するなんてキューブの応用技を伝授しても良かったが、佐々木たちの研究のように、方程式もロクに解けないクセに、解く手順を省略して解を一気に導き出そうとしているのと何ら変わりはない。週明けには最終段階のサイコメトリー&情報結合の修行が待っている。変態セッター辺りは影分身とまではいかずとも、外見だけなら情報結合できるかもしれん。アイツの場合、自分自身の人形を作るとは到底思えないけどな。毎日のように頭脳も身体もサイコメトリーしているから大体の想像はできる。
「相変わらず良く食べるね。でも、カメラに映っているってことも気にした方がいいんじゃない?」
「そうだけど、こんなに美味しい料理が食べ放題だなんて、もう一生無いかもしれないよ?」
「そこは私も否定しないけど……胃が流石にもう限界だって」
選手たちが小声で話していた。TVカメラの集音マイクでも、今のような会話までは捉えきれないだろうな。

 

『ちょっと、キョン!あたし達の出番まだ来ないの!?』
『食べ放題の内容を隔週で変えていたからな。二度と食べられないかもしれないからなんて選手が大勢いるだけだ。だが、もう時間の問題だろう。そろそろ選手が動き始めるはずだ』
『ところで、僕だけ直接行かずに81階に残れというのは、一体どういうことなのか説明したまえ。僕はその「二度と食べられないかもしれない料理」にありつけないのかい?』
『リハーサルの方が遅くなると思っていたから、みくるに伝言を頼んでおいたんだ。今やることをやってしまおう。その様子じゃ、クラブハウスサンドも全部食べきってしまったみたいだからな。すぐそっちに向かう』
100階で待機させていた影分身を起動させてそのまま81階へとテレポート。クラブハウスサンドもみくるのお茶も一つ残らず食べつくされていた。
『キョンパパ!わたし、お好み焼きと玉子焼き!!』
「じゃあこの後すぐにでも作っておこう。シャミセンも決まったか?」
『僕はお肉が食べたい。食べられるだけ全部頼んでもいいかい?』
「後で苦しくなったら必ず俺に声をかけろよ?苦しい状態を軽減してやるから」
『キミ、そんなこともできるの?』
「できないことを提案したりしないさ。それでだ、佐々木。本題に移るとしよう。やる内容から先に言うとだな。身体にもう一つテレポートの膜を張って、閉鎖空間の条件を追加する。それだけだ」
「やれやれ……相変わらず、やることを説明されてもキミが一体僕に何をしようとしているのか見当もつかないよ」
「このままあのフロアに行くと、おまえがさっき言っていた通り、料理にありつけなくなる可能性が高いんだよ」
「あっ、それで佐々木さんだけ……えっ!?でも、黄キョン君、対応策なんてあるの!?」
『対応策!?』

 

 青有希は経験者だからすぐに気づけたようだな。園生さんもしばらくすれば……いや、もしかするとすでに佐々木と同じ状態になっているかもしれん。
「対応策って、あんた一体佐々木さんに何をするつもりよ!」
「おまえだって経験者なんだから、もう少しその辺の勘は鍛えてもらいたいもんだが……バレーの最中やその後に起きた出来事って言ったら分かるか?」
「有希と黄ハルヒが経験者で、今の黄佐々木がこのままでは食べ放題に参加できないっていったら……『つわり』しか思い浮かばないな。二人ともバレーの練習中や大会が終わった後に胃の中のものをもどしてしまっただろ?」
『あ~なるほど!』
「そう。これから佐々木の閉鎖空間につわりを引き起こすような匂いは遮断するという条件を取りつけて、それでも逆流して口から吐き出しそうになったら、そのおう吐物をテレポートさせる膜を胃の入口に張る。テレポート先は当然、あのアホの胃の中。逆流性胃腸炎も防げるし、食べる量は少ないかもしれんがちゃんと子どもの分も食べないとな。体調が悪くなるようなことに関しては、これから一緒に考えていくことになる。明日のコンサートが終わったら、一年間の活動休止だ。楽団の練習もコンサートもライブもすべて青佐々木に出てもらって、その間は研究に没頭したり、脚本を考えたり、体調のいいときは復興支援の手伝いになるかな」
『活動休止!?一年間も?』
「でも、ここに残れという理由がようやく判明したよ。僕の身体のことを気遣ってくれていたなんて嬉しいじゃないか。確かにここ数日、あまり体調が良くないときが多くてね。お寿司や野菜スイーツならまだしも、お好み焼きや焼き肉じゃ、匂いで吐き気を感じることも十分ありえる。条件を変えて膜を張るだけなら僕でもできるけど、キミにお願いしてもいいかい?」
「任せとけ」

 

「だが、明日のコンサートを機に一年間の活動休止はいくらなんでも急過ぎないか?黄佐々木だってもう少しやりたいと思っているはずだし、妊娠してまだ二ヶ月だっていうのにもう休みに入るとなると、こっちの佐々木はいつ頃妊娠させるつもりだ?できれば、同じ学年って話だったと思うんだが……」
「いくら眼に見えてお腹が大きくなってきたとしても、体調が良ければ催眠をかけてバレーやビラ配りなら可能だし、俺も最初は年末のライブくらいまでなら……と考えていたんだ。ただ、今年のライブは紅白も含めて青俺の提案したSOS団初のバラード曲で間違いないし、年末のライブを除いて、明日のコンサートからはほとんどクラシック音楽で構成される。いつ調子を崩すか分からないところで一音でも外したら、聞いている客にもバレてしまう。要は一時たりともミスは許されないんだ。加えて、ライブやコンサートの爆音じゃ、赤ん坊にどんな影響があるか分かったもんじゃない。自室でベースやコントラバスの練習程度なら、生まれた後もそれで泣き止むなんてこともあるだろうし、それくらいはいいと思うんだが、それ以外はデメリットにしかならない。青佐々木の方はバレーのオンシーズンを終えたあたりで子宮の様子を見ながらってところだ。三月から四月に妊娠が確定すれば、早生まれだが同じ学年の扱いになる。だが、それだと、どうしても六、七月は二人が被ってしまう。全国ツアーやコンサート程度なら、青俺やジョンが代わりに出ればそれでいい。女性として他のメンバーが出るより、佐々木をよく知るものとして出た方が、コイツならこう返すだろうと簡単に予想ができる。ドレスチェンジもできるんだし、他のメンバーが着替えている姿を見られるなんてこともありえない。それに、ジョンに至っては性欲がないんだからな」
「それで、明日のコンサートが終わってからは、こっちの佐々木さんにってことだったのね」
「くっくっ、こっちのキョンなら僕はいいけれど、僕たちの代わりがジョンというのはちょっと勘弁してもらえないかい?口調だけは完璧にトレースしてしまうだろうけれど、何を発言するか分かったものじゃないからね」
「どうしても気になるというのなら、スカ○ターでその映像を見ていればいい。取り返しのつかない発言をしたとしても、以前のような刑罰を下されるとなれば、ジョンも行動には充分気を付けるだろ?」
『お待たせしました。日本代表メンバーが部屋に戻りましたので、今度は皆さんの出番です。心配する必要はないかと思いますが、残った食材すべて食べ尽くすくらいのつもりでお願いしますよ?』
『問題ない』

 

 佐々木の一年間の活動休止に、本人も周りのメンバーも納得したところで三階へとテレポート。カメラも撤退したのを見計らって、テレパシーを送ってきてくれたらしい。本人にも話したが、活動休止とはいえ、脚本を考えたり、ドラマの撮影をしたり、研究に没頭することは可能だ。コンサートやライブ、野球の試合に出られないというだけであって、コイツのなすべきことなら山のようにある。同期した情報を元に既に三階では子供たちのお好み焼き、玉子焼きとシャミセンの焼き肉は用意されていた。シャミセンの焼き肉の方はもうしばらく冷ます必要があると本人に説明して快諾を得た。それ以外のメンバーからも、注文が来るたびに鉄板料理を振る舞い、こちらのOGはご飯のおかわりや飲み物の担当。一通り食べる物が出揃ったところで、古泉と青ハルヒにも席についてもらい、俺の影分身四体で厨房を担当することにした。
『キョンパパ、お好み焼き美味しい!』
「他にもたくさんあるから好きなだけ食べるといい。また作ってやるから、そのときまた食べような」
『問題ない!』
「くっくっ、キミに止められて正解だったようだ。これなら食べられそうだよ」
「ところで、普段の食事の方はどうされるおつもりなんです?彼の用意した策は匂いとおう吐しそうになったときの対策のみ。普段と同じ量を食べて体調の方は大丈夫なんですか?」
「そうだね、頭ではあの至極の料理の数々をすべて食べつくしたいと思うんだけど、そのときになってみないとどうなるかは分からない。明後日の野球も、涼宮さんのクリーンナップに僕が入ってなかったことにホッとしたよ。以前は、あの布陣を敷かれてどうすればいいのかと思い悩んでいただけだった。でも、野球の方も練習には参加できるかもしれないけれど、試合の方になると難しくなりそうだ。守備のときは特にね」
「おっと、今回は涼宮さんにお任せしましたが、次回からはそのことも考えて采配をする必要があるということをすっかり忘れていましたよ。来週以降の試合のオーダーも考え直す必要がありそうですね」

 

「それで、食べてみた感想はどうだ?シャミセン」
『お肉がこんなに美味しいなんて吃驚したよ!まだあったら食べてみたいな。それにお水ももらえないかい?』
「すまん、料理のことばっかりでそれをすっかり忘れていた。今用意する。焼きたては熱いから注意しろよ?」
『分かった』
Wハルヒ、有希、エージェント達を中心に仕込んでいた食材が次第に底をつき、出せるメニューも絞られてきた頃、子供たちとシャミセンのギブアップを気に四人と一匹でエレベーターへと乗り込んだ。
「黄キョン君、いつもごめんなさい。まだ食べ足りないんじゃない?」
「心配するな。それに、『いつもごめんなさい』はこっちのセリフだ。平日毎日のように保育園まで連れて行ってもらっているんだからな。作っている最中に匂いで腹が膨れた分だと思ってくれればいい。この後のことも考えてみんなより先に俺も風呂に入る必要があるんでな」
「じゃあ、この子のことお願い」
「ああ、任せとけ」
もっとも、本体が風呂へと向かっただけで、調理場には影分身が残っている。俺がわざわざ頼まなくとも、有希が情報結合を元に戻しておいてくれるだろう。81階でシャミセンが自分で降りると、あとは眠るだけとばかりにいつもの定位置に座って眼を瞑っていた。子供たちもお互いの身体を洗い合いながら楽しんで風呂に入っているし、一時はこの三人だけ孤立してしまうんじゃないかと心配していたが、これなら双子が小学校に行っても周りに付いていけないなんてこともないだろう。精々文句を言うとすれば、小学校の給食くらい。もう、俺がいちいち言わずとも風呂からあがった後の行動は自分たちでできるだろうし、幸も一人で98階へと降りることができる。俺が69階と100階に向かうころにはOGは12人が揃い、100階の方もあとはWハルヒと有希を待つだけってところか。
「あ``~~~~もう食べられない……お腹が苦しい」
「日本代表ならまだしも、おまえらなら今後食べるチャンスはいくらでもあるってのに、どうしてそう限界まで食べようとするんだか……食べ放題でなくても、ジンギスカンや回鍋肉なら通常の夕食でもいくらでも出せるだろう」
「でも、あんな美味しいものを目の前にして、腹八分目で我慢しろって言われるよりは、こっちの方がよっぽどマシです!」
「まぁ、全員毎日のように運動しているから、『太った』なんてことはもう無いだろうが、限度を超えすぎないように注意しろよ?」
『問題ない』
問題ないと返ってきたとはいえ、シャンプーやマッサージをするにはもうしばらく時間がかかりそうだな。

 

 100階の方は佐々木は別枠としてもリミッターがちゃんと付いているメンバーが揃っていたこともあり、いつものようにシャンプーや全身マッサージを始めていた。リミッターが付いていないどころか、最初からそんなものは存在しないと宣言しかねない連中はまだ三階に残ったまま食べ続けていた。日本代表の分の食器はOG達が片付けてくれたし、今は影分身二体で片付け作業中。すべて無くなる頃に残っている皿は情報結合を解除してしまえばいいだろう。エージェントですらギブアップして自室に戻ったというのに、Wハルヒと有希は未だに食べ続けていた。古泉と園生さんは今頃フロアの間取りについて二人で考えているはず。俺は俺のやるべきことを進めることにしよう。さすがにリハーサル前からショーツが濡れていたみくるは下着を脱ぎ、裸体でシャンプー台へとやってきた。確かに可愛いとは思うが、あんな下着をつけていたことなんて今まで一度も見たことがないからな。本当に一番のお気に入りなのか正直疑問を感じているのだが、久しぶりにコレクションの一つとして加えられそうなものが現れたのは確かだ。ブラと合わせてコレクションに追加しておこう。
「みくる、さっきの下着をあとでもう一回情報結合するから、着けてもらえないか?今日はあの下着をつけたままみくると抱き合いたい」
「そうですね、わたしももう着けられないと思っていたお気に入りの下着を着ることができたんです。キョン君に着替えさせてもらっている間に濡れちゃいましたけど、新しいものをまた用意してもらえるのなら、わたしもまた着けたいです!」
「他の下着はどうする?全部情報結合してみくるの自室にでも置いておこうか?それとも、今度は毎朝の気分でどれにするか決めるか?」
シャンプーをしている最中に急に会話が止まった。何か変なことでも言ったか?俺。
「……キョン君、どうしてそんなに優しくしてくれるんですか?佐々木さんのこともそうでしたし、今もわたしのこと考えてくれて……これじゃわたし、キョン君の傍から離れられなくなっちゃいます!」
「ずっとこの時間平面上に残るって言ってたのに、どうして離れなくちゃいかん。何のために結婚したと思っているんだ?妻のことを考えて何が悪い。傍に居たいならいくらでもいればいいだろう。定期的に有希に情報結合弄ってもらって、ずっと生き続けるってこの前二人で話していたのをもう忘れたのか?」
「わたし、本当にキョン君の傍に居てもいいんですか?」
「居ちゃいけない理由がどこにある?さっきもベッドで話していただろう。みくるの煎れたお茶と一緒だ。そんなことでいいなら、いつでも俺に言えって伝えたのに、もう忘れたのか?」
「嬉しい……早くベッドで抱かれたいです」
「楽しみは後にとっておけ。それで、下着はどうするか決まったのか?」
「キョン君が言っていた通り、毎朝の気分で決めたいです!それに、今日は部室で着ていたメイド服も着たいです!」
ブラははだける程度だし、あのメイド服を着けた状態でとなると、下着もメイド服もまた濡れてしまいそうだが、寝る前にどうするか二人で考えればいいか。新しいものに着替えるのならコレクションがまた一つ増えるだけだ。『分かった』と伝えて、マッサージを開始した。

 

 佐々木とは夕食前に充分話をしたし、青みくるのネックレスの件は明日にでも伝えればいい。ようやく100階に現れたハルヒ達と交代するようにみくるを抱きあげて、中央のベッドに寝かせる。いつもと同じマッサージしかしていないはずだが、もう身体に力が入らんらしい。お気に入りの下着とメイド服を着せると、俺に向かって両手を伸ばしてくる。それに応じるように移動すると、頭を引き寄せられてみくるからディープキス。この前のOGとのドライブ中のキスも『いつまでこの状態でいるつもりだ?』と思わせるほどだったが、今回は力が緩むことはあっても、寝る直前まで話してくれそうにない。メイド服の上から豊満な胸を揉むと、先ほど閉めたばかりの背中のファスナーを降ろして乳房を露わにした。ブラの内側が母乳で湿っている。乳首を刺激すると母乳が勢いよく飛び出しメイド服やブラを濡らす。口がふさがっている以上、母乳は吸えそうにないな。胸を諦めてショーツの上から秘部に触れると、すでに蜜が滲み出ていた。やれやれ、こんな調子じゃ寝る前に履き替えても同じことになりそうだ。準備万端の秘部を俺の分身と触手が出入りを繰り返していると、みくるの胸から母乳が噴水のように溢れて止まる気配がない。例のトレーニングの効果もあってか、みくるが達するたびに俺の分身が絞めつけられ、とうとう子宮に遺伝子が注ぎ込まれた。ようやく頭部が解放され、すぐさま母乳を吸い取る。みくるの手が今は駄目だとばかりに俺を離そうとするのだが、これっぽっちも力が入っていなかった。両方の母乳を吸いつくす頃には、身体中を痙攣させて眼の焦点が合っていないみくるの姿があった。俺の分身と触手がみくるの体内に身を潜めたまま抱き寄せて、みくるの頭を二の腕に乗せた。腰に腕をまわして、俺に抱きつくだけで精一杯のようだ。
「今日はこのまま休もう」
と話しかけると、満足気な表情でみくるが眼を閉じた。

 

 土曜日の昼食、夕食、コンサート後の打ち上げ用の料理と作り終えて朝を迎えた。ハルヒ達五人は打ち上げに参加でいいだろうが、俺たちの打ち上げは正直必要なのか?と考えてしまう。昨日も食べ放題メニューだったし、日本代表選手たちの夜練には何も影響はない。指揮&演奏をする五人と警備&案内の俺の影分身以外は大してやることがないからな。W俺とジョン以外はステルス状態で特等席から見物する程度。議題として離してみよう。今後は青佐々木にも関連してくることだ。
『キョン、時間だ』
ジョンのセリフを受けて100階の中央のベッドでは妻達が目を覚ましてきた。
「みくる、着替える前に軽くシャワーで身体を流そう。浴室まで俺が運んでやるから、抱きついたまま離れるなよ?」
返答は無かったが腕の締め付けが強くなった。未だ刺さったままの俺の分身を触手がみくるの身体を支えている。
「あっ!……はふんっ!」
エアマットに寝かせたところで触手を抜き、俺の分身が姿を現した。体内の刺激に耐えきれず、ようやくみくるが声を上げた。一枚ずつ脱がせた下着とメイド服を綺麗に折りたたんでコレクションに追加すると、胸や秘部を中心にベタ付いた部分をボディソープで洗い流す。頬を染めてはいたが、表情は明るくダウンしたままということもなさそうだ。午前の練習から参加できるだろう。
「みくる、今日の下着はどうする?」
『その日の朝の気分で決める』と昨日話していたのに、どうやら考えていなかったらしい。しばらくしてみくるの指からようやくその情報が伝わってきた。これは………確かメイド服を着た当初にみくるが着けていた下着だったはず。どうして俺がそんなことを覚えているのかなんて、理由を述べる必要もないんだが、ハルヒが写真で撮影したものをデータとしてパソコンに入れたときのものだ。星型のほくろもこれで確認したんだから間違うはずがない。てっきり、みくるのお気に入りNo.2が発表されるものだと確信めいたものがあったんだが、理由を聞かなくて済みそうだし、胸のサイズも問題ない。

 

 どうやら、身体を洗っていた分、今日はみくるが最後になったようだ。ようやく81階に姿を現した。双子はこの後の練習に参加するための練習着を着ていたが、幸の方はドライブのことを聞いていたのだろう。練習着ではなく私服を着ていた。もっとも、この後ウェディングドレスに変わることもあり得るけどな。
「昼食と夕食、コンサート後の打ち上げの準備はできているし、今日と明日で引っ越しを終わらせることができそうだ。引っ越しの方は影分身六体に鈴木四郎の催眠をかけて対応する。電話対応の方も四体くらいは出せるはずだ。SPを稼働させるのは夕方からでいい」
「えっ!?黄キョン君、六体とも同じ催眠をかけるってこと?違う人に見られた方がいいんじゃ……?」
「園生さんと森さんが何の催眠もかけずに面談をしているのと一緒だよ。ツインタワーのそれぞれの棟に三体ずつ、階層も10階くらいの違いがあれば同じ催眠でも、今住んでいる住居さえ近くなければ気付かれない。告知の方も14%くらいにまで抑えることができている。引っ越しに10%ずつ、電話対応に4~5%、SPに1%ずつで問題ない」
「俺と黄古泉が二人がかりでやっていた仕事をさらに上乗せして、それを一人でこなすなんて、本当に大丈夫なのか?」
「何事も修錬ってヤツだ。毎晩のように影分身20体以上でシャンプーから全身マッサージまでやっていれば、嫌でも短期間で上達する。それに、告知もパターン化して大きな事件が起きているわけでもないし、シャンプーやマッサージも、誰のどの部分が凝りやすいかもすべて把握しているから、あとは1%でどれだけのことができるか精練していくだけだ。舞空術で一定の高さを保ったまま維持し続ける修行と大して変わらん。ところで、一つ聞きたい事があるんだが、ハルヒ達が天空スタジアムで打ち上げをやっている以上、こっちまで打ち上げにする必要はない。特に今回は、昨日あれだけの肉や野菜を食べているし、今日の夕食もしっかり用意してある。どちらに転ぶか分からなかったから両方準備したが、来月のようにライブとコンサートを同時にやる日は別として、今後どうするかこの場で決めておきたい。明日も異世界で野球の試合だからな。いくらジョンの世界で運動して、昼間はバレーの練習に参加していたとしても、さすがに食べ過ぎじゃないか?」
「それもそうね。わたしも食べすぎには注意しないと……黄佐々木さんも今日は夕食と打ち上げ両方あるけど、大丈夫なのかしら?」
「そうだね、流石に打ち上げの料理までは入りそうにないよ」
「来週は別だが、俺と黄俺はどの道夜練で参加できんしな」
「我々はコンサートが終わり次第、解散で良いでしょう。今日が最後で僕はいいと思いますよ?それよりも、警備や案内の方は交代しなくてもいいのですか?」
「ああ、夕方五時ごろから入場させるから夜練に影響はない。影響が出るとすれば来月からだ。来月から夜練は月、水、金だが、金曜はレストランの料理長のおススメ作りと被る。『鈴木四郎』は変化球も投げられるようになったが、『今泉和樹』はまだそれを見せていない。ストレートがぶれなければ残りをレストランのおススメメニュー作りに向かわせることができる。それと、今日は報道陣に対する対応の仕方をもう一段階上げようと思っている。サイコメトリーの閉鎖空間に引っ掛かった時点でSPが腕を上げて道を阻む。文句を言ってきたら会社名と本名をバラしてチケットを奪い取るまで。チケット代を持って行くかどうかはそいつ次第だ。SPに殴りかかろうとしてきたら、小指一本で相手をしてやる。何回か続けてようやく諦めるようになればそのときに変わってくれればいい」
「小指一本で受け止められたんじゃ、いくらアホの谷口と同レベルでも力の差に気付くだろうな。てっきり機材ごと川に殴り飛ばすもんだと思っていたぞ」
「そこまで議題がないのであればそろそろ佐々木さんのラボへと向かいたいのですが、よろしいですか?」
「すまん、報道陣の対応ごときで時間を使ってしまった。とりあえず今日の流れについては以上。あとは細かいことなんだが、相談に乗って欲しい内容がいくつかあるんで聞いて欲しい」
『相談?』
「そうだな……まずは例のパイプ椅子がデザインしたランジェリーを見せるところからかな。俺も情報を受け取ってデザイン課の社員が引き籠もってしまうんじゃないかと心配したぞ。今月末にWみくるを連れて行ってくるんだが、本人は『いいだろう。ドラマの枠の中では収めきれない程のデザインを考えておこう』なんてやる気になっているんでな。たかがパイプ椅子の考えたデザインとはいえ、甘く見ない方がいいかもしれん」
「面白そうね。本当にデザイン課の社員が引き籠もってしまう程のものになるのかどうか、見せてもらおうじゃない!」
「じゃあ、昨日受け取った分のランジェリーをマネキンに着せて情報結合する。青チームは後ろを向いてくれ」

 
 

…To be continued