60-838 無題

Last-modified: 2007-09-18 (火) 16:04:29

概要

作品名作者発表日保管日
無題(プリクラとぬいぐるみ)60-838氏07/09/1807/09/18

作品

今日は奇妙な偶然で俺とハルヒ以外は事情があって探索に参加できないらしく結局二人だけで街を探索しに行くことになってしまった
「で今日はどこを探索するんだ?」
「そんなの決めてないわよ。適当に歩いてれば不思議が見つかるんじゃない?」
このままじゃこっちの身が持たないぜ・・・不思議を発見するより不老不死の法を発見したほうが早いんじゃないか
「なんだよ結局ノープランかよ」
「何よ!じゃあキョンはどっか行きたい場所でもあるの?」
「無茶フリすんなよ・・・えーっとじゃあ○○なんかはどうだ?」
「しょうがない、じゃあそこでいいわ」
またえらくあっさり決まっちまったなおい・・・こいつは失敗・・いや大失敗だ
 
○○到着
 
そこには多数のカップルが、今この瞬間が幸せ~みたいな顔して歩いている
「・・・ねえなんかここカップル多くない?」
「いや気のせいだ、うんきっと気のせいだ」
出かける前にテレビでやってた「オススメデートスポット」を適当に発言したら採用されるなんて夢にも思わなかったぜ・・・
「まぁいいわ、とりあえず適当に歩きましょ」
というわけでとりあえず適当に歩き始めた俺たち、しかし本当に周りがカップルだらけだ
ハルヒもそれを感じてか何かぎこちない感じがする
しばらく沈黙が続いた。いつもならどんな状況でも平然と話しかけてくるハルヒが何故かさっきから一言もしゃべらない
「あのさハルヒ?」
「な、何?キョン」
突然話しかけたせいかハルヒは少し驚いたようだった
「何かしゃべれよ、さっきからずっとだんまりじゃないか」
「べ、別にそんなにアンタと話すことなんかないし!それに・・・」
「それに?」
「・・・なんかこの雰囲気嫌」
たしかに、なんか俺達だけ浮いてる感じがする。それにハルヒは耐え切れなくなったんだろう
「じゃあ喫茶店にでも入るか」
ハルヒはコクンと頷いた
俺達は喫茶店を探し、よさげな店を見つけたのでさっそく中に入った
 
「あぁ~もう何なのこの街!なんでこんなとこ選んだのよ!」
いやお前が決めたんじゃないか・・・チョイスした俺も悪いけど
「まあそういうなよ、せっかく来たんだから楽しまなきゃ損だぞ?」
「う~~」
まだハルヒは不満そうだった、とそこに定員が来た
割と可愛い定員だ、サービスいいなこの店
「お客様ご注文はお決まりでしょうか?」
「えっ?じ、じゃあコーヒー二つで」
「かしこまりました、本日カップルデーということで2割引とさせていただきますがよろしいでしょうか?」
「ちょっと待ってよ!あたしたちはカップルじゃうんぐぅぅ」
と俺はとっさにハルヒに口を塞いだ
「あははーじゃあそれでお願いします」
どうやら定員はそれで了解してくれたようで笑顔で離れていった
それにしてもあの定員の笑顔可愛いなぁ、まさにエンジェルスマイル
でまだ口を塞がれながら暴れてたハルヒ
「ぷはーっ!何すんのよキョン!」
「何って2割引だぞ?どう考えてもお得じゃないか」
「そういうことじゃないわ!あ、あたしたちカップルに見られたのよ!?」
「別にいいじゃんかそんなの」
「よくない!全然よくない!」
興奮してるせいかハルヒの赤くなっているように見えるの気のせいだろうか
「わかったわかった俺が悪かった、俺が悪かったよ」
素直に謝罪したがハルヒはまだ不機嫌でそっぽを向いて俺のほうを見ようとしない
「はぁ・・・じゃあ今日はお前の言うことなんでも聞いてやるよこれでどうだ?」
それを聞いてハルヒがチラっとこっちを見る
「・・・ホントに何でもあたしの言うこと聞くの?」
「ああそうだよ。だけどM○Bの基地探してこい!とかター○ネーター連れて来い!とかはなしだぜ?」
「そんなの頼まないわよ。ま、どうせキョンじゃそんなの無理だろうしね」
・・・なんかこれはこれでムカつくな
「でも許してあげるわ。これからあたしの言うこと何でも聞くのよ!わかった!?下僕!」
一体どんな無理難題をふっかけてくるつもりなんだ・・・想像しただけで昇天しそうだぜ・・・
「で何したらいいんだ?」
俺は恐る恐るハルヒに聞いた
「・・・あたしとプリクラ撮って」
「・・・は?」
「だからあたしとプリクラ撮ってって言ったの!」
これは思わぬ展開だ、正直拍子抜けな感じもするがまあいいだろう
「そんなのお安い御用だぜ、じゃあさっそく行こうぜ」
「えっ!?う、うん」
俺達コーヒーを飲み終え会計を済まし、ゲーセンへと向かった
 
やっとゲーセンに着いた俺達二人
プリクラは俺も何回か撮ったことはある
でもこのプリクラ人が入るスペース狭くないか?人二人分がやっとってどういうことだ
なるほどカップル専用機ってわけか、街の影響がこんなとこにまで及んでいるとはな・・・
「・・・でこれどうやってやるのよ?」
「え!?」
こいつは驚いた、シックスセンスのオチ並に驚いた
「お前プリクラ撮ったことないのか?」
「う、うるさいわね!だから撮ってみたいんじゃない!悪い!?」
「いや別に・・・撮るならさっさと撮っちまおうぜ」
設定を済ませ、いざポーズの準備に入る俺達
「おい、もっとこっち寄らないとカメラに写んないぞ?」
「わ、わかってるわよ!」
プリクラ初心者なのだろうかなんかぎこちないハルヒ
「ほら撮るぞーハイ笑ってー」
パシャ
1枚目終了
がハルヒの顔が全然笑ってない、緊張しすぎだろ個人写真じゃないんだから
「お前もっと楽しそうに写れよ、俺だけ笑っててバカみたいだぞ」
「あ、あたしは初心者よ!しょうがないじゃない!」
初心者とかそんなの関係ないだろこれ・・・
「これじゃ俺といても楽しくないみたいなに写っちまうじゃねーか」
そう言うとハルヒは
「そんなことないわよ!あたしはすごく楽・・しぃ・・・」
といきなり怒鳴っていきなり黙り込んでしまった、もうわけわからん
「じゃあちゃんと楽しそうに笑顔で写れよ、な?」
「・・・うん」
パシャ
今度は二人とも満面の笑みで写っている
「ほらよ、プリクラの完成ー」
俺はハルヒにプリクラ手渡した。プリクラを手に取りすごく嬉しそうなを顔している
そういえばこいつのこんな顔久しぶりに見たな・・・そんなにプリクラ楽しかったんだろうか
ハルヒはプリクラをまるで宝物のようにギュっと胸に抱きしめた、それも今まで見たこないほどのいい笑顔で
ま、こいつがこんなに喜んでるならいいか
「よしUFOキャッチャーでぬいぐるみで取ってやるか」
「ホント!?キョン気が利くじゃない!」
どうして俺はこいつのためにぬいぐるみ取ってやるなんて言っちまったのか
自分でもよくわからないがこいつが喜ぶならそれでいいとも思ってる
「じゃあキョンあれ取って!」
「おうよ任せろ!」
 
1時間後
 
 
俺はUFOキャッチャーとそして己の財布と戦っていた
「くそぉぉぉなんでぬいぐるみ一つ取れないんだ・・・」
心が折れそうだ俺、もう3000円もスっちまった・・・
だが男が一度宣言した以上実行しなくてはならない!
闘志が湧き上がり、いざ再戦!
がその時
「見て見てキョン!一発で取れちゃった~」
なんてことだ・・・俺もうダメだよパトラッシュ・・・
俺にトドメをさすには十分すぎる・・・
「はい」
「?」
パトラッシュ待ちしていた俺にハルヒは両手でぬいぐるみを俺に差し出した
「あんたこのままじゃ可愛そうだからあげる」
「てかそれじゃ意味な・・・」
「あたしがあげるって言ってるんだから素直に受け取りなさい!」
俺は渋々ぬいぐるみを受け取った、なんかすごく負けた気分だ・・・
と思っていたが違った。すごく嬉しい気分になっていた
ハルヒはそんな俺を見て満足そうな笑みをうかべている
俺はちょっとだけ複雑な気分になっていた
 
「さてそろそろ帰るか?」
「そうね」
俺達は街を出て地元へ向かってゆっくりと歩いていた
「なんだかんだ言って結構満喫できたよな」
「まあね、今日のキョンは50点ってとこね」
おいおいいつも俺は何点なんだよ、てか勝手に人を点数で評価するんじゃない
「ああそうかい。そいつは高得点だな」
「何勝手に満足してるのよ!もっと精進しなさいよ!」
「はいはい」
勝手に点数つけてといてよく言うぜ全く・・・
そうこう言ってる間に地元まで帰ってきていた
「じゃああたし家こっちだから・・・」
「おうじゃあまた学校でな」
「・・・うん」
俺は振り返らずに立ち去ろうした
「キョン!」
ハルヒの声で俺は振り返った
「今日はすっごく楽しかった!」
「俺もだ」
「あ、ありがとう・・・」
ハルヒから一生出るとは思えない言葉が出てきて俺は普通に驚いた
モルダーやスカリーも仰天ものだぜこりゃ・・・
「お前がそんなこと言ったら明日世界が滅んじまうぜ」
「な、何よバカキョン!」
やっぱハルヒはこうでなくちゃな
「まあいいわ。じゃあねー」
「ああ」
ハルヒは笑顔で手を振って走って帰っていった
俺は自宅に着き一息ついていた
なんか大変一日だったなぁ、でもなんだこの寂しさというか虚しさは・・・
あいつがこの場にいないだけで何かが違う・・・気がする
そう思ってしまうの何故なんだ?
ハルヒにもらったぬいぐるみを俺は大事に飾っておいた
何故ハルヒはこのぬいぐるみを俺にくれたんだろうか?散々ほしいほしいって言ってたくせに・・・
色々考えながらハルヒと撮ったプリクラを眺めた
あいつホントに楽しそうに写っていやがるな、見てるこっちまでおもわず笑ってしまうほどだ
明日あいつに会ったら聞いてみよう
どうしてこのぬいぐるみを俺にくれたのか
そしてどうしてお前はあんなに楽しそうだったのかを・・・
 
 
終わり