ハルにゃん (73-757)

Last-modified: 2007-12-24 (月) 22:32:00

概要

作品名作者発表日保管日
ハルにゃん73-757氏07/12/2407/12/24

作品

「じ~ぃいいい」
何をジロジロ見ているのかというと俺ではない。
ハルヒはシャミセンの事をジロジロ見ていた。
こんなメタボリック猫を羨ましいとか言うなよ?
毎日暴走してこそのお前だからな。などと珍しくハルヒの行動を肯定してみる。
「うらやましいわ」
あんまり俺のアゴを外さないようにしてくれ。
冗談は程ほどにしろ。
「ネコって自由に動き回れていいと思うのよね」
そっちの意味か。ハルヒらしいと言えばそうだが、ネコ並みにあっちこっち動き回られると団員その1としてはそれはまた辛いものがあるね。
現状であれだけ動き回ってるから50歩100歩と言った所だろうが。
何かその後ハルヒが言いたそうにしていたようにも見えたが、ネコについて深く語ろうとしているようには見えなかったので今日は帰る事にした。
 
とまあ、昨日は休みだったわけだが、今日は終業式等という無駄な通過儀礼があるが為学校に行く事になっている。
ようやく暫くの間この坂を上らなくて済むと思いつつ、何故今日まで学校に来なければならないのかと落胆していると、教室に入った瞬間違和感を感じたね。
忘れようもない、あの時の出来事。
そりゃ行きに会った朝比奈さんや長門や古泉は何時も通りだったし、宇宙人製殺人アンドロイドが俺の後ろの席に座ってるなんてことはなかったが、俺にとって違和感を覚えるにはこれだけでも十分だった。
 
ハルヒが居ない。
俺の後ろの席は空いたままだ。
間もなく岡部教師が教壇に上がると、
「急なことだが、涼宮は父親がマラリアと大腸癌と膀胱炎を併発してドイツに引っ越すことに…」
岡部の話が終わる前に俺は教室を飛び出し、何時もハルヒが俺を連れ出すときのごとく古泉の襟首を掴んだ。
「何があったのか説明してくれ」
すると古泉は困ったような顔をして
「それが、僕にもよく分からないんですよ。機関の方でも色々と調査を進めていますが…今はっきり分かっているのは涼宮さんが居ないという事だけです」
古泉が分からないとなったらあいつしか居ない。
頼む、何か知っていてくれ。
「先ほど大規模な情報改竄が行われた」
長門は淡々と話し始める。
「涼宮ハルヒの存在を認知できない。しかし情報の爆発は停止していない」
何が起こってるんだ!?
ハルヒはどこに行ったんだ……
 
収まらない心を持ったまま、俺は再び席に付いた。
今度は本当にハルヒが居ないという事なのか?
あの時は一応お嬢様学校が進学校に化けていたりはしたがハルヒそのものは居たはずだ。
だが今回変わったのはハルヒだけだ。
などと二回目なので一応カバンの中を整理する余裕を見せながら考えていると、ハルヒのカチューシャを小さくしたような物がカバンの中に入っていた。
そしてそれを奪い返しにカバンの奥底から飛び出したのは
「にゃあ」

 

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