概要
作品名 | 作者 | 発表日 | 保管日 |
無自覚夫婦 | 105-181氏 | 09/01/28 | 09/01/28 |
作品
「えっ?あいつ行くの?」
案の定、涼宮はどうしようか?と考え込む。
くくく、計算通り。
―――と言っても国木田の案なんだが。
「う~ん、『キョンも来るよ』って言えば涼宮さんも来るんじゃないかな?」
何を血迷ったのかクラスの打ち上げに女子連中が涼宮を呼びたいと言うから仕方なく涼宮にも声をかけようと思ったんだが良い案が浮かばず、国木田に言ったらそういう案が出されそのまま実行してるってわけだ。
「と、言う訳だ。『夫』も参加するぞ」
「しょうがないわね、キョンが参加するなら参加するわ。団長を差し置いて一人だけ良い思いをしようなんて許せないわ」
何か一人でうんうん頷いている。
何故、素で夫=キョンに変換されるのか今更突っ込むのもめんどくせぇ。
「じゃ、そういうことだから『夫婦』仲良く来てくれ」
敢えて夫婦の部分を強調する。
「ん、分かったわ」
ニヤついてるぞ。
「ぐはっ」
言ったら殴られた。
「で、どうだったの?谷口」
「いてて、あの野郎、野郎じゃねぇが、本気で殴りやがって」
まぁお前の予想通りキョンの名前をちらつかせただけでオッケーしやがったぜ。
「そう。キョンも『キョンの嫁さんも来るよ?』って言っただけなのに、『ハルヒも来るのか?しょうがないな、何するか分からなんしついていてやるか。やれやれ』って」
あのバカップルめ。
いつもは付き合って無いって言ってるくせにどう考えても付き合ってるを通り越して夫婦だろ。あれは。
いつもはキョンの台詞だが、言わせてもらう。
「やれやれだぜ」
その後打ち上げにて、酒の入った涼宮とキョンの想像を絶するいちゃつき具合にクラスの全員が誘ったことを後悔することになったのはまた別の話だ。
「と言うか、涼宮さん誘うならキョンから誘ってもらえば良かったんじゃないの?」
「殴られ損かよ俺!」
マジで早く結婚でも何でもしやがれこの野郎!!
(おわり)