涼宮ハルヒの電磁波 (24-665)

Last-modified: 2007-01-31 (水) 23:17:30

概要

作品名作者発表日保管日(初)
涼宮ハルヒの電磁波24-665氏06/10/2806/11/06

作品

帰宅して、夕飯も食って風呂に入る。
部屋に戻ってまったりすると、そこからは携帯タイム。
ハルヒに言わせればこれも雑用係の義務らしい。

 

はじめはだいたいハルヒからかけてきていたのだが、
あいつもバイトとかしていないしな。最近はこちらから
かけてやるようにしてる。

 

やれやれ。それで無くとも探索日のおごりだけでも
大変な出費なんだがな。毎晩4時間はしゃべってるからなぁ。

 

ハルヒと一緒に何処もから禿TELに換えた方が
いいんだろうか。

 
 
 

ある日登校して教室に入ると、せっぱ詰まった表情のハルヒが
ずかずかと迫ってきた。

 

ハルヒ「キョン!いますぐあんたの携帯出しなさい!」

 

キョン「なんだよハルヒ…朝からいきなりなんだってんだ?」

 

顔面にかかったハルヒの唾液をぬぐいながら、腰のホルダーから
携帯を手渡すと、

 

ガシャーン!
グシャッ!バキッ!

 

ハルヒは俺の携帯を床にたたきつけたかと思うと、
足で何度も踏みつけ破壊した。

 

キョン「な、なにしやがるんだハルヒ!」

 

思わずハルヒにつかみかかり顔を睨めつけてやったら、驚いた。
ハルヒは目に涙を一杯にうかべて、とうとう泣き出した。

 

ハルヒ「ごめんなさい、キョン。ごめんなさいごめんなさい…」

 

キョン「おいおいハルヒ、謝るくらいならはじめからこんなことするなよ…」

 

ハルヒ「違うの!違うのよ…ひっく。うぇーん」

 

胸に飛び込んできて泣き出したハルヒの頭をなでてやる。
今が朝で、ここが教室で、まわりには当然クラスメートがいることは
この際忘れよう。

 
 

ようやく落ち着いてきたのか、俺の胸から顔を上げたハルヒは、
真っ赤な目でこういった。

 

ハルヒ「ニューオリンズにあるアメリカ生殖医学学会
(American Society for Reproductive Medicine)で発表された
オハイオ州で364名の男性被験者を対象に行われた研究結果によると、
携帯電話を1日に4時間以上使用する男性は、そうでない男性と比べて
精子の数が少なくなり、精子の質も劣化し、活動力も低下してしまう
んだって…。
Agarwal博士によると、携帯電話から発せられる電波が精子のDNAに
傷をつけ、精管にも悪影響が及んで、男性ホルモンのテストステロンを
生成する器官である睾丸の細胞にも悪影響を与えるらしいのよ…
ごめんなさい、あたし知らなかったの…あたし…」

 

…教室の時間が止まった。またか。

 
 
 
 

と、思ったのもつかの間。突然ハルヒの頭上に電球がともった。

 

ハルヒ「でも安心して!キョン!諸悪の根源は駆逐されたわ!」

 

さようなら俺の諸悪の根源。まだ買ってから1年未満だから機種変も
無理だろうな。

 

ハルヒ「何言ってるの!もうあんたは二度と携帯もっちゃダメよ!」

 

キョン「団員は常に団長から連絡が取れるようにしないといけないん
じゃなかったか?」

 

ハルヒ「だから安心しなさいって言ったでしょ!これからは常時
あたしが一緒にいてあげるわ!これで問題ないでしょ!」

 

もはや教室の時間や温度はどうでもいい。

 

キョン「待ってくれハルヒ。その常時ってのh『ハルヒ「そうと
決まったら早速ひっこししなくちゃ!今日はSOS団の活動は中止!
放課後はあたしの荷物をあんたの部屋に運ぶわよ!」

 

キョン「俺の部屋に住む気かよ!」

 

ハルヒ「当然じゃない。それにあたしにはあんたの精子の質に
ダメージを与えた責任があるの!これからケアしていきましょ!
毎晩チェックしてあげるから安心しなさい!」

 

そういってハルヒは100ワットの笑顔で着席した。
まあ、さっきの泣いているハルヒよりはこっちのハルヒの方が好きではあるが、
教室の全視線を感じ、今度は俺の方が泣きたくなったのだった。

 
 

おわり。