500年後からの来訪者After Future4-14(163-39)

Last-modified: 2016-09-26 (月) 07:38:23

概要

作品名作者
500年後からの来訪者After Future4-14163-39氏

作品

まさにドリームマッチとも言える試合もついに決着。白熱した試合内容で会場内も大盛り上がり。課題がいくつか残ったが、まずは海外組のインタビューから行われた。最初にマイクを向けられたのはイチロー選手。

 

「この一戦を終えて、いかがですか?」
「ここまで闘いがいのある相手だとは思っていませんでした。長門選手には僕のレーザービームでも得点を許してしまいましたが、僕の方は無得点ですからね。次は長門選手を倒しに来ることにします」
「イチロー選手、ありがとうございました」
「松井選手、引退後でも観客や視聴者に『未だゴジラ顕在』と思わせる打球でしたが、いかがでしたか?」
「彼のファインプレーとナックルボールには驚かされました。また対戦しに来ようと思ってます。はいっ!」
「松井選手、ありがとうございました」
「ダルビッシュ投手、試合を終えてどうでしたか?」
「悔しいの一言に尽きますね。これだけ打たれてしまったのも久しぶりです。機会があれば挽回させてください」
「ダルビッシュ投手、ありがとうございました」
「渡辺投手、今回の彼女たちの戦いぶりを見てどうですか?」
「九回裏までだらだらと続くより、こういう終わり方の方が逆に気持ちがいいくらいです。涼宮投手のアンダースローで慣れていたんだとは思いますが、それでも登板した後の連続ホームランを許してしまったのは、正直悔しいです。ですが、ベンチから見ていても本当に面白いと言える闘いでした。彼女たちとはまた勝負を繰り広げたいと思います」
「渡辺投手、ありがとうございました」
「中○さん今回のこのドリームマッチ、いかがでしたでしょうか?」
「海外から来て下さったお三方にあそこまで言わせるチームですから、今後も続けていきたいですね。『SOS団は俺が倒す!』と名乗りを上げる選手が出て来てくれることを心待ちにしたいと思います」
「中○さん、ありがとうございました」
「涼宮投手、今回の試合を終えてのご感想を一言お願いします」
「こんな光景が目の前に広がるなんて予想外です。本当に海外から来てくれた方々にも、あたし達と戦ってくれた選手の皆さんにも御礼申し上げます。でも、渡辺投手のアンダースローで修錬を積んでいた方が多かったようで、ここまで打たれてしまうとは思いませんでした。中○さんにも二打席連続で打たれてしまいました。まだまだ修錬を積む必要がありそうですが、是非また誘ってください。よろしくお願いします!」

 

 インタビュー後に呼び出されたのは当然W俺。イチロー選手がナックルボールを打ってみたいのと、松井選手が180km/h台の投球にチャレンジしたいとの事。180km/hの投球には手出しできなかったものの、ナックルボールの方はヒットで返された。本人は「今のはただの偶然」だと主張していたが、次の対戦までに対策を立ててくるかもしれん。ヒロインの方は、映画を見ながら満足のいくまで互いを責め合い、その余韻に浸っているに違いない。こちらから連絡するのはやめにしよう。本社81階には青新川さんが用意してくれた豪華絢爛の料理の数々が並んでいた。スカ○ターは全てジョンが回収し、ヒロインがいないのならと俺の頭の中に戻ってきていた。
「それじゃあ、今回のドリームマッチの勝利を祝して……『かんぱ~い!!』」
「しかし、毎回というわけにはいかないだろうが、今後もイチローが参戦してくるとなると、ダブルプレーの場面が訪れそうにない。黄ハルヒはセカンドよりショートの方が良くないか?それなら有希や朝倉をセカンドに配置して試合に出ることができるだろう?黄佐々木が狙われずに済む」
「僕は十分試合に出たからね。青僕や他のメンバーを選出してくれたまえ」
「それも一つの手ではありますね。投手の真後ろにいるセカンドより、出番が増えるでしょう。これまでレーザービームでダブルプレーを捕ることにこだわり過ぎていたのかもしれません」
「あたしが目立つようになるんだったらどこでもいいわ!」
「それにしても、今日一番目立っていたのはやっぱり有希さんですね。イチロー選手にあれだけ言わせたんですから」
「あれだけのプレーをすれば当然だろう。TVで見ていた我々も、それぞれのプレーに度肝を抜かされたよ。例の若手政治家の電話でイラついていたのが吹っ飛んだくらいだ」
「圭一さん、そんなにかかってきたの!?」
「ほぼ100%、首相の発言の揚げ足を取った連中ばかりだった。今朝の古泉の話通り、こんな奴等には重労働がお似合いだ。ブラックリスト入りしておいたから、振り分けをどうするかは君たちに任せる。真っ当な政治家にはそれなりの配慮をしてくれないかね?」
「ということであれば、真っ当な若手政治家にはホテルのレストランで接客という手もあります。去年の首相とそれ以外ではありませんが、働く環境に少しでも優劣をつけたいところですね。リフトの監視よりも調理場で皿洗いの方が幾分かマシでしょう」

 

「そういえば、ヒロインはどうしたんだい?」
「今、異世界の自分に会いに行っている。例の映画も見せるって言っていたから、打ち上げの最中には戻ってこないかもしれん。一応、テレパシーで連絡が来ることになっている。だが、会って正解だったよ。『子供の頃からの夢だったんだから、どんなにハードスケジュールでも依頼が来れば何歳になってでもやるわ!』なんて言われてたから、大分引退からは遠ざかったんじゃないかと俺は思っている」
「それで、あんた、いつまでいられるのよ?」
「日本時間で明日の午前四時にモスクワに到着予定だ。その時点でモスクワは午後八時。TV局を二つ回ってホテルに向かうことになるだろう。このあとは俺とヒロインの夕食を作ることになりそうだ」
「あんたが休む時間がほとんどないじゃない!」
「そうでもないさ。夕食と、それからホテルに着いた時点で翌日の朝と昼の弁当を作ったら寝られる。昨日も話したが、ジョンの世界にテレポートするイメージを持てば、の○太の昼寝より早く寝られる。ジョンの世界から抜け出たときは多少眠気が残っていても目覚めがいいのは言わずもがなってヤツだって、もう作り始めてしまうか」
影分身を一体情報結合すると、99階で夕食作りを始めた。みんなの前でつくるわけにもいかんだろう。
「結局みんな日付は入れなかったんだから、水曜以降で時間の取れる日は無いの?」
「ロシアでの告知が終わったら、ヨーロッパの残りの各国を回る。飛行機での移動時間はほとんどないが、ホテルで休んでいる時を狙ってやればいいだろう。昼食時にこだわる必要もなくなったしな。有希や佐々木たちは自分でデザインするんだろ?」
「問題ない」
「くっくっ、キミのタキシードのデザインも考えてあるんだ。文句は言わないでくれよ?」
「タキシードのデザインに文句も何もないだろう。どこに文句をつけろって言うんだ?それより、俺が言うのも何だが、青俺&青有希も一緒の方がいいんじゃないか?青有希だって今度は刻印を入れたいだろうし、ハルヒも青有希もドレスはどうするんだ?」
「じゃあ、明日にでも行ってくる。ドレスは一度しか使ってないから結婚式のときのドレスがいい」
「青有希ちゃんがそういうのならあたしもそうしようかな」
「ところで、ハルヒ。指輪にあんな細かい漢字入れられるのか?」
「心配いらないわよ!結婚式で鶴ちゃんが書くくらいなんだから、あの四文字を入れる人だって他にもいるわよ!」
「あの四文字って何のことっさ?」
「『鴛鴦之契』ですよ。ハルヒが結婚指輪に文字を刻むならこれがいいって言っていたんです。俺もようやくあの漢字を読めるようになりましたよ」
「そう言ってもらえると嬉しいにょろよ!ところで、他のみんなは何の文字をいれたっさ?」
「わたしも気になる。参考にさせて欲しい」
「青有希が逆に制限されそうだから言わない方がいい気がするが……内容が内容だっただけに俺は嬉しかったが、特に、青ハルヒはやめたほうがいい。ほぼ間違いなくパーティのテンションが下がる」
『あ~なるほど』

 

青俺と青有希で何を指輪に刻もうか悩み、青ハルヒが刻んだ内容は分からないにせよ落ち込んでいる奴が一人。当然、青古泉だ。みくると古泉もダウンしたし、二人をテレポートして佐々木と話すことにしよう。古泉は自室に、みくるは69階にテレポートした。影分身がお姫様抱っこで中央のベッドにみくるを寝かせて髪を撫でる。
「みくる、今日はこのまま寝るか?それとも、俺が髪と身体を洗ってやろうか?」
「アンスコと下着は脱がせて欲しいれしゅ。ここに来ることを考えていたら今履いているものも濡れちゃいまひた」
要望通りにアンスコを脱がせると、履き替える前とほとんど変わらないくらい濡れていた。パールショーツを脱がせると、栓も一緒に出てきてしまった。
「みくる、栓を抜いちゃダメだろ。それにアンスコもここまで濡れているなんて思わなかったぞ。ここに来てどうしたかったんだ?」
「昨日と一緒れす。キョン君に抱きしめられたまま寝たかったれしゅ」
「分かった。昨日と一緒でいいんだな?」
みくるを抱き寄せると、前後から秘部に俺の分身が突き刺さる。
「はふんっ。キョン君、服も脱がせてくらはい」
上はいいがスカートはテレポートだな。ブラも外してクールケットをかけた。栓はシャンプー台で洗って消毒。明日また使うことにしよう。シャンプーも本人たちと相談して髪質に合ったもので洗った方がよさそうだ。青古泉ではないが、みくるのこのアンスコ、どっかにしまっておきたいくらいだ。
「キョン君、わらし、キョン君にずっとこうやっれ抱きしめて欲しかったれしゅ。わたし毎日ここに来ます。だからキョン君にあまえさせてくらはい」
「指輪に刻んだ文字通りにしてやる。みくるはずっと俺のものだ」
「嬉しい……キョン君、おやすみらはい」
「ああ、おやすみ、みくる」
フロアの照明を消し、誰か来てみくるが起きない様に逆遮音膜と思っていたのだが、これはもう閉鎖空間で対応する方がよさそうだ。外側からは何も聞こえず、内側からの声は外に漏れない条件の閉鎖空間を張り、アンスコをたたんで閉鎖空間で囲ってベッドの下へ。つけた条件は今の状態を維持し続けること。これで何日経っても乾くことは無い。

 

「駄目だ。良い文字がまったく浮かんでこない。ハルヒ達はどうやって決めたんだ?」
「くっくっ、参考になるかどうかは分からないけれど、彼女だけでなくキョンに向けた思いがこめられたものばかりだったよ。こっちの朝比奈さんが一番大胆だったかもしれない。涼宮さんはその次くらいじゃないかい?」
「ああ、七人とも『コイツらしい』と思えるメッセ―ジだったよ。二人で考えるよりも青有希が青俺のことをどう思っているのかをストレートに刻印として刻んだ方がいいかもしれん。有希の刻印は有希らしいと思ったし、青佐々木も今までのことを一文で表したものだったし、みくるのは今日のトラック追突くらい衝撃的だったかな」
「ちょっと待ちなさいよ!『今日のトラック追突』ってどういうことよ!?あんたたち、無事に韓国を出たんじゃないの!?」
「あ``………しまった」
「まさかとは思うけど、わたし達に内緒でその組織を潰しに行くつもりだったんじゃないでしょうね?」
「やれやれ……青俺やジョンと相談して明日話すつもりだったんだが仕方がない。だが、朝倉やハルヒが満足できるほど大きな組織でもない。若手政治家のギャップの激しさにイラついていただろう圭一さんたちやヒロインを連れて乗り込むつもりだったんだ。要はそれくらい小規模で馬鹿な奴らだということだ」
「何が起こったのか説明してもらえないかね?」
「まずは俺とヒロインが空港から出てくる前の話だ。青俺のリムジンが到着した頃、拳銃を持った男が一人青俺の傍に寄ってきてリムジンを明け渡すように脅してきた。リムジンに張った閉鎖空間で撃った弾がそのまま跳ね返って逃げていった。その後、各TV局を回って空港に着いて降りようとしたときだ。一台のトラックがリムジン目掛けて突っ込んできたんだよ。当然、閉鎖空間に阻まれてリムジンは無傷。トラックだけが大破した。その場にいた報道陣が警察から事情を聞かれているような状態に陥っていて、ヒロインと二人で笑っていたよ。そのときにリムジンに備え付けておいたサイコメトリーで運転手の仲間とアジトを特定した。それと、今日の佐々木の名案をこっちでも活かそうと思って、リムジンのナンバープレートに細工をしておいた。韓国の車に見えるようにな。だからトラックが追突したときの映像だけなら、どこの誰が所有しているリムジンか特定することは不可能だが、空港から出てきたときのVTRが出ていると、あれは機関のリムジンだと特定されてしまう。機関はもうないが、警察が本社に事情聴取にくることもあり得る。これが事件の全貌だ。勝手に仕掛けてきて勝手に自爆した。それだけだ」

 

「まぁ、どちらにせよ、明日はこっちと異世界の両方のニュースを確認する必要がある。いつものことだけどな。敢えて加えるなら韓国のニュースをチェックするくらい。異世界の新聞記事は海外組三人と渡辺投手のホームランで決まりだろうがな」
「残念ね……黄有希さんがあんなに目立っていたのに。そう言われれば、わたしもそんな気がしてきたわよ」
「問題ない。次もわたしが一番目立つだけ」
「あ―――!!あんたちょっと待ちなさいよ!あたしにも出番をよこしなさい!!」
「とにかく、潰しに行くか、ほっとくかどっちにする?俺も青俺もあまりの低レベルさに呆れかえっているんだ。あんなアホは放置しておいても支障はない。逆に閉鎖空間の丈夫さにヒロインが自信をもてたくらいだ」
「フン、そんな奴相手にしても面白くも何ともないわ!もっとでかい組織の情報が手に入ったら教えてくれればいいわ」
「右に同じ」
「わたしも」
「圭一さんたちはどうします?」
「逆にストレスを溜めることになりかねない。私もパスさせてくれ」
「結局俺一人か。まぁいい、さっさと潰してくる」
「あんた、影分身残していきなさい!このあと69階に行くから」
「もうフロアで待たせてあるから心配する必要はない。ついでに青俺や青有希もあのフロア使いたかったら使ってくれて構わん」
「キョン先輩、69階になにがあるんですか?」
「夫婦専用部屋を用意しただけだ。見にきたければ、そこに入れるメンバーと一緒に来ればいい。許可された人間でないとここにいるメンバーでも入れないことになっているから注意しろよ?」
『ハルヒ先輩!私も見てみたいです!』
「別にいいけど、夫婦専用部屋だから見るだけで使えないわよ?」
『問題ない!』
「では、僕もいっ…『あんたは片付け当番でもやってなさい!』
「じゃあ、先に行く。後を頼む」
『問題ない』

 

 イタリアの末端組織と似たようなものか。サイコメトリーで得た情報では雑居ビルの地下の酒場をアジトにしているらしい。対してでかくもないクセに麻薬の取引まで行っているとは……まぁ、ラスベガスのカジノのように堂々と取引しているのもどうかと思うがな。その点に関して言えばこっちの方が発見が難しく取引がしやすい。真正面から乗り込んでやることにしよう。果たして、どんな反応をするんだか。
「よう、こっちから来てやったぞ」
「貴様!空港から飛び立ったはず。どうしてここにいる!?」
「おまえらが勝手に仕掛けてきて自爆したんだろうが。何の用か聞くこともできなかったんでな。気になって来てみただけだ。ついでに他の組織の情報もいただきにきた。俺の仲間がな、『おまえらのような奴を相手にしても面白くも何ともない』そうだ。もうちょっと張り合いのある組織が見つかったら呼んでくれといわれて渋々ここに来た、というわけだ。一体何の用だ?」
「お前を殺せと頼まれたんだよ」
「ほう、誰に、いくらで?」
「お前を憎んでいる奴だ。300万で手を打ってやった」
「たったの300万!?くくくく……あははははは……」
『何がおかしい!!』
「300万で殺せるほど俺は安くないってだけだ。殺せるもんならやってみな」
すかさず拳銃を構えて躊躇することなく発砲。閉鎖空間で次々と反射される中、ボスらしき男に近づいていく。弾切れの音もしないまま、しばしの間を置かずして辺りが静かになった。
「300万で殺せると思うか?」
ボスらしき男とその周囲にいた連中が揃って首を横に振る。
「つまらん連中だ。勝手に自爆しやがって。殺す価値もない。麻薬と現金だけいただいていく。喚くならいくらでも喚くといい。俺は今モスクワに向かっている最中なんだからな」

 

 念のため、韓国、イギリス、フランスの各支部をイタリアと同様の閉鎖空間に変えて本社に戻った。麻薬はアホの谷口のところにテレポート。何かあればそれを理由に警察を呼べばいい。本社69階に戻ると、エレベーターを降りて固まってしまったらしき異世界OG六人と青俺&青有希がいた。鏡部屋に有希、立体映写機のある個室では裸の佐々木と抱き合いながら話が盛り上がっている。同じく服を脱いだ青みくると青佐々木がシャンプー台で横になりシャンプー&マッサージ。Wハルヒは中央のベッドで影分身が二体ずつ、計四体から執拗に責められ、抵抗することすら叶わずにいた。
「真正面の個室が空いているから青有希たちはそこに入ったらどうだ?」
後ろから声をかけられて驚いた八人が振り向く。
「黄キョン君、みんなこんなことしていたの?」
「こんなことと言ってもまだ三日目だ。最初はここにいる連中も同じ反応だったが、髪の毛と身体を洗ってマッサージしたらみんな毎日来ると言いだした。青有希もどうだ?青俺にサイコメトリーでシャンプー&マッサージされたらここにいるメンバーの気持ちが分かるぞ。シャンプー台の方は別に服を脱ぐ必要もないしな」
「キョン先輩、ここにあるランジェリーと衣装はどうしたんですか?」
「衣装の方はハルヒや有希、みくるが実際に着ていたものもある。ランジェリーの方は実際に冊子として売られていたものとハルヒや有希なら身に着けてもおかしくないものをサイトで調べて実際に用意してみた。もっとも、ハリウッド女優の方はさらに大胆なものばかりだったけどな」
『これより更に大胆なもの!?』
「黄キョン先輩、どうしてそんなこと知っているんですか?」
「ヒロインと話して、機内やホテルにいる間は、ヒロインの自宅に戻ることになったんだよ。普段はそんな格好できないし、ストレスも溜まっているから自宅では少しでも大胆で開放感のある格好でいることが多いそうだ。俺も最初は『俺がいる前でそんな格好してもいいのか?』と聞いたんだが、『映画では夫婦の仲だったんだから、あなたならいいわ』だとさ。話のついでに増やしておこう。ヒロインが着ていたランジェリーを一種類に何色かずつ作る。なんなら履いてみるか?」
『どんなものがあるのか見てみたいです!』
「キョン、わたし達は戻ろ?」
「シャンプー&マッサージだけでもどうだ?服は脱がなくてもいいから。佐々木たちとは別のところでやればいい」

 

「黄キョン先輩、これ、服なんですか!?」
「ああ、俺も見せられたときは吃驚したよ。セクシーフロントテディってちゃんとした名前がある。ただ、その中でも布地がほとんどないものだけどな。よくこんなもの買ったなと俺も思ったよ」
「このショーツ、お尻が丸見えどころかあそこまで見えちゃいそう……」
六人でセクシーランジェリーを見ながら、他のメンバーに「これ着てみたら?」だの「これなんかどう?」だの押し付け合っている。その間に青有希は青俺のシャンプー&マッサージを受け、青みくると青佐々木はエアマットに横になっていた。Wハルヒは身体が弛緩したところでお姫様抱っこでシャンプー台へ。シャンプー&マッサージをしながら、容赦なく秘部を責めていた。
「今みくるに着せてるクールケット人数分作ってやるから、それぞれの部屋で着替えて、クールケットで隠せ。誰かの部屋に集まってみんなで見せ合ったらどうだ?女同士なら少しくらい大胆でも問題ないだろ?」
『黄キョン先輩ありがとうございます!』
「ちなみにこれ、いつお返しすればいいですか?」
「好きなだけ持って行くといい。ただし、あんまりその格好であちこちうろつくなよ?」
『やっっっった――――――――――――!!』
大胆下着がそんなに欲しかったのかこいつらは。ジョンの世界にそのままの服装でくるようなことがなければいいんだが……。大胆下着を何着も携えてOG達が自室へと戻っていった。OG達が持って行った分の下着を情報結合して俺も参戦することにした。身体を洗い終えてマッサージ中の青佐々木の内股に触れ、秘部を刺激し始める。
「キョン、そこはまだ待ってくれないかい?もうちょっとマッサージを体感させてくれたまえ」
仕方がない、ならばみくると同様、後ろの方を触ってみる。
「駄目……そこは、汚いよ……」
「身体を隅々まで洗ったんだから心配するな。中に詰まっているものならトイレに全てテレポートして一欠片たりとも残さん。おまえは当分妊娠できないんだ。こっちも使えるようにしないとな」

 

「黄キョン君、わたしにも佐々木さんや黄わたしと同じことして欲しいです。わたしが一番黄キョン君に愛されたい」
「だったらここでは黄、青関係なく俺のことを呼べばいい。今朝もそうだっただろ?『みくる』」
「嬉しいです。キョン君のためならわたし何でもします!」
二人揃って体内に詰まっていた不要物をトイレに流すと、不要物の代わりに牛乳風呂のお湯をテレポートさせながら秘部を貫きもう一体の影分身が二人の口を閉ざして敏感なところを容赦なく責め立てる。お尻の下には我慢できずに噴出した牛乳風呂のお湯で満たされていった。シャンプー&マッサージに満足したのか、牛乳風呂のエアマットにはうつろうつろとして服を脱がされた青有希がうつ伏せになり、青俺が身体を洗って全身マッサージを始めていた。シャンプー&マッサージを終えたWハルヒももはや失神寸前。身体は洗わずに中央のベッドに横になっていた。青みくると青佐々木も既に第三段階。秘部を俺の分身で突き立てながら、潤滑液を塗ったもう一つの方に指が二本ずつ侵入していた。有希の方も影分身二体で終盤戦。有希なら不要物を取り去るだけですぐにでも両方を俺の分身で埋められる。佐々木は俺の分身を挿入されたまま影分身と話している。結局、最初は嫌がっていた青有希も青俺と二人で参戦。その日はWみくると青佐々木に影分身二体の分身が体内に入り、Wハルヒは影分身一体の腕を枕にして、有希はそのまま鏡部屋で眠り、青俺と青有希も中央のベッドの空いているスペースに横になっていた。
「みんなが毎日来たいって言っていた理由がようやく分かった。こんなに気持ちがいいマッサージを体感したら、癖になっちゃいそう。ハルヒさんと一緒で幸が寝てから来ることになりそうだけど、明日もここでキョンとこうしていたい」
「なら、俺は幸と一緒に風呂に入って自分の髪と身体を洗ってこないとな。OG達が興味を示していたランジェリー、有希も付けてみるか?」
「ちょっとそれはまだ抵抗があるけど、みんなの様子を見ながらつけてみたい……かな」
「有希に合いそうなものを選んでおいてやるよ」
「今日はこのまま寝かせて」
「ああ、おやすみ。有希」

 

フロアの照明を切った後、青みくるたちに話を持ちかけた。
「みくる、一つ頼みがあるんだが、いいか?」
「キョン君のお願いなら何でもやります!」
「明日、ここのシャンプーやコンディショナーを買いに行きたいと思っている。みんな同じものを使うんじゃなくて、青有希を入れた八人の髪質や頭皮に合ったものを選びたい。みくるの場合はくせ毛予防になるかな?」
「わたし達のためにそこまで配慮してくれるなんて嬉しいです!恋人みたいに抱きついてもいいですか?」
「ああ、どうせ催眠で別人になるつもりだったんだ。みくるがそれで満足するのなら俺も嬉しいよ」
女神のキスもこれで何度目になるかな?お返しに抱きしめると、そのまま眼を瞑って眠っていった。
「佐々木、個室に入らなくてもここで話している声は周りには届かない。いくらでも話していられるぞ」
「これで次のパーティまで待つなんてしなくて済みそうだね。親友で止まっていたのが、キミの妻にまで昇格できて私も嬉しいよ。キミと話すネタをいくつか準備しておいたのに、こうやっているせいか、すっかり忘れてしまったよ。おかしいな。こういうときはどうすればいいのか教えてくれたまえ」
「簡単だ。今後は毎日こうしていられるんだから、思い出したときに話せばいい。今日はもう休め。明日また話せばいいだろう」
「そうだね、そうさせてもらうよ。おやすみ、キョン」
青佐々木と口づけを交わして瞳を閉じた。しかし、ヒロインからの連絡が一向に来ない。夕食の準備も済んだし連絡でも取ってみるか。影分身たちを残して本体だけテレポート。明日起きる時間になったら、今日と同じようにすればいい。

 

『おーい、ずっと連絡がないから心配したぞ。今どんな状態だ?』
『あ、キョン、ごめんなさい。映画も見終わって二人でさっきの続きをして余韻に浸っていたところだったの。私の自宅に送ってもらえないかしら。あんまり時間はないけれど、あなたに抱きついて寝かせて欲しいの』
『分かった。そのまま送るからちょっと待っててくれ』
ヒロインの自宅へ移動してからヒロインを連れ戻した。俺を見た瞬間抱きつかれたがこのまま照明を点けずにベッドに横になればいいだろう。
「やっぱりあなたといるときが一番幸せ」
「それで、映画を見て何て言っていたんだ?」
「あっ、ごめんなさい、DVD向こうにおいてきちゃった」
「最初から渡すつもりだったんだ。いくらでも作れるさ」
「よかった……でも、あなたのシーンを何度もスロー再生やコマ送りで見ていたわよ?あなたの料理のことも話したわ。そしたら、『私も彼にずっとついていて欲しい』って。考えることは同じようね。好きな食べ物も趣味もさっきみたいな格好も同じ。異世界の私とどこが違うのか私にも分からないわよ」
「俺たちも似たようなもんだから、そこまで気にする必要はない。こっちも未だに違いが分からないメンバーがいるんでな。時間になったら起こしてやるから、今日はゆっくり休め。また抱きしめていてやるから」
「おやすみなさい、キョン」
ジョンの世界に行っても良かったが、どの道短時間しかいられない上にニュースを確認することすらできまい。スカウターで確認することにして、俺も風呂に入るか。

 

 時刻は日本時間で午前三時。モスクワ到着まであと一時間というところでヒロインの眠気を取った。
「おはよう、キョン。これで何度目になるのかしら?あなたに抱かれたまま起きることができるなんて。あと何回こうしていられるのかも分からないし、モスクワに着いた後もこうさせてもらえないかしら?」
「ああ、TV局を二つ回って夕食を食べたら、また戻ってこよう」
「愛しているわ、あ・な・た」
口づけを交わした後、浴室に急いで入っていった。機内に戻ってから一つ目のTV局を訪れた頃にジョンの世界では雑談会。韓国でのことも含めて事件のことしか聞いて来ないインタビュアーに愛想をつかしてヒロインと再度スタジオを出る。『たった一つの国のたった一つのTV局で告知出来ないくらいで大して変わらん』とロシア語で堂々と言い放ち、案の定引き止めに来たディレクターに条件を付け、告知に戻っていった。青俺の予想に反して異世界の記事の一面を飾ったのは有希。イチローにライバル視されたとして、ほとんどの新聞社が有希に注目。他の新聞社は松井選手のバッティング、渡辺投手のホームランを打ったときのものが掲載されていた。こっちの世界のニュースは至って普通。韓国で報道された後になりそうだな。そして韓国の方では、俺たちが着いた直後のVTRは無く、トラック追突後、リムジンは傷一つ負うことなくそのまま消えていったと報道。リムジンにぶつかってどうしてこんな形の後が残っているのか専門家に話を聞いている場面が映っていた。だから、そう何度も言わせるなって。これに関しての専門家は俺たち以外あり得ないんだと。この様子だと警察に渡した映像もトラック衝突のシーンのみの可能性が高くなった。機関の車だと判明することなく事件を終えることができるかもしれん。

 

『キョン、時間だ』
ジョンの合図とともに起きてきた妻達に「おはよう」と告げ、昨日と同様、下着から服まですべて着替えさせた。みくるには俺の分身と同じ太さの栓にTバックショーツ、アンスコ。青みくると青佐々木には、昨日のみくると同じ栓で括約筋を緩め、パールショーツにアンスコを履かせていた。
「キョン君、わたしが昨日履いていたアンスコってどこにあるんですか?」
「二枚とも俺が貰いたいって言ったらダメか?」
「キョン君がそういうならわたしはそれでいいです。でも、『今日はわたしのことも抱いてくださいね?』」
「ああ、ついでに朝食後にシャンプー&マッサージをしよう。みくるの身体も洗ってやる。『その後抱いてもいいか?このフロアに俺とみくるの二人だけになるからな』」
「ふふっ、朝食後が楽しみです!」
八人全員着替え終わったところで各部屋に戻っていった。これで朝食後にみくるが来るまでここの影分身は1%でいい。俺が81階に行く頃には人妻以外の全員が揃っていたが、明らかに表情がおかしい奴が数人。
『おまえら、青俺と俺しか事情はわからないだろうが、服の下に昨日の大胆下着をつけていると顔に出てるぞ』
『え―――!?黄キョン先輩、何で分かるんですか!?』
『顔に出ていると言っただろうが。昨日のようなアンスコを履くなりして対策をちゃんととっておけよ?』
『分かりました!』
本当に分かっているのか……?この子たちは。

 

『キョンパパは食べないの?』
「ああ、俺はもう少し後で食べることになるから今は大丈夫だ」
「それで、昨日の件は結局どうなったのかね?」
「案の定、我が社に対する恨みを持った奴が依頼したようです。額はたったの300万ウォン。日本円にして27万円かな?まぁ、韓国の一般人の給料を考えれば、韓国では高額になるんだろう。末端組織ではあったが、麻薬の密売まで行っていた。あまりに拍子抜けしすぎて閉鎖空間で銃弾を反射しただけで、後は金品と麻薬を奪って戻ってきた。麻薬はアホの谷口の家に隠してある。何かあればそれでまた逮捕されるだろう」
「ちょっと待ちなさいよ!あんた、組織の連中を壊滅させたんじゃないの!?」
「ああ、自分たちで撃った弾に当たった連中以外は無傷だ。精々それで脅した程度で殺気を放つ気すら起こらなかった。他の組織の情報も手に入ったがこれ以上深入りはしないつもりだ」
「キョン、そのアジトの情報教えなさい!今からでもあたしが潰してきてやるわ!」
「駄目だ」
「なんで駄目なのよ!?そいつらがまた襲ってくるかもしれないのよ!?」
「だろうな。だが、さっきも言った通り我が社に対する恨みを持った奴があいつらに依頼したらしい。ということは、ハリウッドスターたちは俺たちのトラブルに巻き込まれたにすぎない。ただでさえイタリアの一件で警備が厳重になっているのに、告知を終えた韓国で組織を潰して回ろうとすれば、ハリウッドスターたちの誰かが命を狙われ、殺されてもおかしくない。俺たちのせいでな?末端組織でも麻薬の密売をしていたくらいだ。今後訪れることになる中国や台湾のマフィアが動き出してしまうかもしれん。俺たちはいいがハリウッドスター達には何の罪もない。リムジンの運転手のように杜撰な計画のためだけに誰かが殺されてもおかしくないんだよ。とりあえず今は様子見だ。それ以上この件についてふれることはしない。あと、別件で青俺と青有希に話したい事がある。ちょっと残って欲しい。それと青俺の代わりに誰か倉庫に向かって欲しいんだが行ってくれる奴はいないか?青俺たちが指輪を買いに行っている間だけだ」
「それなら僕が行くよ。どんな指輪にしたのか聞かせてくれたまえ」
「あっ!黄キョン先輩、今日から私こっちで働けるようになりました!宜しくお願いします!」
「これは心強い味方の登場ですね。五人はいつ頃からこちらに来られるようになるんです?」
青古泉の噂のせいで古泉に対しても嫌悪感を抱いていたが、十月からが三人、一月からが一人、四月からが一人か。最初の一人には今日は店舗の方に行ってもらうとして、来月から三人もメンバーが増えるとなれば心強い。
「なら、青チームの森さんや裕さんと一緒に店舗にまわってくれ。平日はデザインを考えて土日は店舗にいってもらうことになるだろう。休むときは休んでくれて構わない。こっちの圭一さんたちも今日は休みだし、人事部にはブラックリストに追加される若手政治家の電話が鳴るはずだ。サイコメトリーで駆逐して重労働を押し付けるでいいか?」
『問題ない』

 

『俺たちのせいで、ハリウッドスターの命にかかわる』と言ったところでWハルヒも矛を収めた。あとは年末のパーティでSPを含めた全員に閉鎖空間を取り付けるまで。
「黄キョン君、わたし達に話って一体何?」
「ああ、店が空いたら青みくると行こうと思っていたんだが、69階で髪を洗うときは、青有希を含めた八人の髪質に合ったシャンプーやコンディショナー、トリートメントを用意したいと思っているんだ。他の七人はサイコメトリーでどんなものを選べばいいか既に把握しているが、青有希の分をどうしようかと考えていた。いつもどんなものを使っているとか、青俺が昨日洗ってみてどうだったとか、こんな悩みを持っているとか、もしそういうものがあったら教えてほしい」
「たったそれだけ?」
「ああ、それだけだ」
「昨日、キョンに洗ってもらって、癖になりそうだったけど、黄キョン君がそれだけのためにそんなことまで考える必要ない」
「他の七人のついでに買ってくると思ってくれればそれでいい」
「じゃあ………」
青有希が情報をまとめて人差し指で俺に触れた。
「分かった。じゃあ、これにあったものを購入してくる。その情報は青俺に伝えておくから洗ってもらえ。98階で使ってもいいだろう」
「黄キョン君ありがとう」
さて、店がオープンするまでみくるの要望に応えることにしよう。

 
 

…To be continued