500年後からの来訪者After Future8-16(163-39)

Last-modified: 2017-01-19 (木) 09:49:31

概要

作品名作者
500年後からの来訪者After Future8-16163-39氏

作品

異世界支部の運営も含めて今後の予定も着々と決まっていく中、例の映画を再アフレコしたものを日本テレビに送り付け、後は向こうの判断に任せることにした。そして、改築が滞っていたタイタニック号も妻と二人で客室や資料室が完成。あとは施設を整えればタイタニック号の完全復活を果たすことができる。まだシェルターから出ることすらできてないであろう未来については、あの時間平面上のジョンが修行をサボっている間に他の三人が建物を直しに向かおうとしているかもしれないが、超サ○ヤ人状態で絶対に壊せない閉鎖空間で覆われている。解除できるのは精々俺か青俺くらい。それを解除した上で修理しないと、閉鎖空間内で修理してもその分の苦労が無駄になってしまう。その件に関してはジョンが連絡しているだろうし、俺が向こうに行けるときに手伝ってもらえばいい。

 

 シャンプー&マッサージを終えると、青佐々木からシャンプー&マッサージを受けている本体を見たみくるが、何やら不満そうな表情をしていた。おおよその察しは付くが一声かけておくか。中央のベッドにお姫様抱っこで連れて行き、ベッドに寝かせたみくるを抱いて髪を撫でてから話を切り出した。
「みくる、明日本体がいなくなるせいで、俺へのシャンプーとマッサージができなくて残念だと顔に書いてあるぞ?」
「えっ!?キョン君、どうしてそれを……」
「青佐々木のシャンプーとマッサージを受けている俺の本体を見ながらそんな顔をしていたら、容易に想像がつく。影分身でみくるのシャンプーとマッサージを受けて、その情報を本体と同期するんじゃ駄目なのか?それに、今年の温泉旅行とその副賞の権利はみくるにもあるんだ。温泉旅行中は二日間ともみくるにシャンプーとマッサージをしてもらいたいと思っている。いつ、どこに行くかは、これからみくると決めないといけないが、そのときの分だと思っていればいいんじゃないか?みくるがそんな状態じゃ、明後日担当の有希は影分身で我慢する以外に方法がないだろう?」
「そうですね。そのときまで楽しみに待っています!でも、キョン君。明日からどこに行くつもりなんですか?わたしもキョン君と温泉旅行に行くならどこが良いかずっと迷ってて……」
「どの道バレそうだし、その時まで待っていればいい。今回は二人の意見が一致してそこに決まった。今の段階で言えるのはこれくらいだ」
「キョン君が行きたかった場所なら、わたしもそこに連れて行ってください!」
「そうだな。時期を変えてもう一回行くのも悪くない。ただ……ハルヒ達からクレームが届きそうだ。先に言っておくが、温泉じゃなくなるからな?」
「えっ!?温泉じゃない!?」
「アイツの提案を二つ返事でOKした理由は、俺もそこの料理を食べてみたかったから。俺が行ってみたいってのはそういう理由なんだ。みくるは二人で温泉を満喫する方がよかったか?」
「でも、温泉を満喫するなんて言っても、そんなに長い時間入っていられませんし、わたしも行きたいところの見当もつきません。キョン君と二人っきりの時間を過ごせるのなら、わたしはそれでいいです!」
「なら、あとはいつ行くかだな。四月の終わりまではスキー場の運営の他にも色々とあるが、異世界支部の運営に関しては青チームでやるようだし、我慢できなくなったらいつでも言え。どの道、影分身を残していくことになるから大差はない。さて、今日はどうして欲しいか言ってみろ」
「はいっ!」

 

 翌朝のニュースはレストランに入れるところとそうでないところに分かれ、レストラン内の映像を貰っていた新聞社も別の記事で一面を飾っていた。そろそろ同じメニューを繰り返していることに気付けばいいと思うんだが……どいつもこいつも頭脳はアホの谷口と同レベル、プライドだけは急進派の変態親玉と変わらずと来れば、それも無茶な話か。掲載している方はさぞ鼻が高いだろうなぁ。四月の終わり頃には新聞社が一つか二つ潰れるなんてことがあれば、それはそれで面白い。
「じゃあ、これがNG集の台本だ。間違えた後の周りの反応も含めて細かく書いておいたから、サイコメトリーしておいてくれたまえ」
『ぶっ、あっははははははははは!いくらNG集でも、あたしが入れ違いに入ってきたみくるとぶつかるなんてありえないにょろ!「みくるの胸の弾力のおかげで無傷で済んだようっさ!」なんてセリフをあたしが言うっさ!?こっ、これは傑作にょろ!あははははははははははははは……』
「以前聞いていたこととはいえ、今の鶴屋さん達を大爆笑させるほどのNG集を本当に作り上げてくるとは思いませんでした。確かに、いくら急いでいても、合気道では師範クラスの腕前の持ち主が人とぶつかるなんて滅多にないでしょうね」
「ところで、一つ気になっていることがあるんだが……話してもいいか?」
「急に改まって、一体どうしたっていうのよ。あんた」
「第七話が放送される前に確かめておきたいんだよ。もしかすると、再撮影後差し替えなんてことも十分あり得る」
『差し替え!?』
「キョン、またキミは監督と脚本家を振りまわすつもりかい?一体何のシーンを再撮影するっていうのか、僕たちにも教えてくれたまえ」

 

 フロア内の空気が一気に重くなったが、なぁに大したことじゃない。本物と偽物の違いを見極めるだけだ。
「本人たちはこの回を見て、『異世界の自分が出演しているようにしか見えない』と言っていたが、俺の英語の授業が終わった後、みくるの胸を見て、仮面ラ○ダーのように跳んだ鶴屋さんがみくるの胸に襲いかかるシーン。これが鶴屋さんの催眠をかけて役に成りきった青みくるでなく、本物の鶴屋さんならどうなるのか確認してみたくなった。これで本物の方が良いと判断されれば、このシーンだけ再撮影をして差し替えになるだろ?要は、クオリティの問題だ。折角本人がいるのに試さないわけにはいかないだろう?」
「おぉっ!キョン君、それは名案っさ!みくるも早く制服に着替えるにょろよ!スカートは脱ぐ必要は無いから、そこまで恥ずかしいなんてことはないっさ!どれだけ成長したか確かめさせてもらうにょろ!」
「有希、念のため、撮影してくれるか?」
「問題ない」
「フフン、そういうことなら、監督として見過ごすわけにはいかないわね!どっちがいいか、じっくり見せてもらうわ!みくるちゃん、ランジェリーも含めて、早くドレスチェンジしなさい!」
「キキ、キョ、キョン君、みっ、みんなの前でなんて恥ずかしいですよぅ……」
「どの道、あの映像が全国放映されるにょろ!みんなから聞いたにょろが、ここにいる全員で披露試写会をしたのなら、同じシーンを演じるだけにょろよ!」
「そ、そそそ、そんなぁぁぁ………」
「くっくっ、お取り込み中に申し訳ないんだけれど、NG集を撮影する側の人間として『待った』をかけさせてくれないかい?今の彼女の反応を見ただけでも、NG集に仲間入りしてもおかしくないくらいなんだ。ちゃんとした教室のセットでやって見せてくれたまえ。キョンの言う通り、鶴屋さん本人が演じた方がクオリティが良ければ、そのまま再撮影ってことになりそうだからね」

 

 俺たち二人は後からVTRで確認することになるだろうが、午前中はSOS女学院のセットをラスベガスに建て直して、実際にやってみることになった。みくるはそれまでに心の準備と着替え、鶴屋さんにはそのシーンのセリフ等が佐々木からサイコメトリーで受け渡された。まぁ、確認するまでもない。佐々木が止めに入るくらいなんだ。本物の方が、みくるの弱点を知り尽くしているに決まってる。って、昨日はみくるの要望に従って、抱きしめたまま眠ってしまったが、母乳を搾りとっておいた方が良かったかもしれん。母乳が漏れないように細工を施しておこう。今夜絞り取ればいい。
「それと、全員に一つ提案だ。タイタニック号の修繕なんだが、全客室を作りなおして、当時のものを再現した資料室を設置した。後は各施設を作るだけで修理が終わる。そこで、再来週の月曜日から処女航海に出たいと考えている。ルートは勿論、当時と同様イギリスのサウサンプトン港からニューヨークまで。ディーゼルエンジンに変えたからそこまで日数はかからないだろうが、処女航海の間はタイタニック号で食事を摂り、船内の客室で寝泊まりする。異世界支部に繋がっているものとは別のどこ○もドアを設置しておくから、朝食や昼食を食べたらこっちに戻ってくるって寸法だ。69階や100階でシャンプーとマッサージをしているメンバーは、タイタニック号のスパで同じことをしてから自室に戻ることにする。夜間は有希の張った閉鎖空間でその場所に留まるだけだ。交代で眠気を取って動かすわけにもいかんしな。船長は当ぜ……」
『面白いじゃない!船長は当然、このあたしよ!絶対に誰にも譲らないんだから!!』
「話は最後まで聞け。某海賊漫画の主人公のような能天気には本来、船の船長は務まらないんだよ。操舵室の当時のシステムは復旧しておくが、基本的には進行方向をサイコメトリーして、あの船の処女航海のように氷山のような邪魔物がないか確認しながら進んでもらうことになる。緊急時には船体にぶつかる前に有希のつけた閉鎖空間が防いでくれるが、それでも船全体に衝撃を受けることに変わりはない。電車でいうところの急ブレーキをかけたときと似たようなものだと思ってくれればいい。迂回しなければならない事例はいくつもあるが、基本的には真っ直ぐニューヨークを目指してもらう。要するに、船長ってのは操舵室で舵を握ったまま何時間も離れられないってことだ。俺たちの場合、影分身があるから交代制にせずとも一人でまかなえるんだが、操舵室に引き籠もって、常にサイコメトリーをしながら舵を操作するだけの『地味で、目立たない、めんどくさい仕事』をおまえ等二人で引き受けるというんだな?」

 

『うっ……そっ、そんなのこのあたしには向かないわ!こういうときこそ雑用係を使わなくちゃ!有希、あんたが操縦しなさい!いいわね!』
『分かった』
確信に近いものを感じていたが、やはりどちらのハルヒも『船長』という称号を持って偉ぶりたいだけだった。有希は元からそのつもりだったのかどうかは分からんが、青有希の方は半ば諦めた状態で『分かった』と告げた。
「くっくっ、優雅にクルージングを楽しみながら、キミや新川さんの至極の料理を堪能できるのかい?客室はどうやって決めるのか僕たちにも教えてくれたまえ」
「ハリウッドスター達が一人一部屋選んでもまだ、あり余るほどの一等客室を用意した。つまり、俺たち全員一等客室を選んでも何ら問題はないってことだ。その日になったら、一人ずつ黄色か青色のプレートを渡す。それに自分の名前を書いて、部屋が決まった段階で、そのプレートを扉にはめておいてくれれば、後から鍵を配って回る。ドラマの最終話の例の館と似たようなものだと思ってくれればいい。十種類近くの部屋を用意したが、それでも100以上客室があるからな。部屋の取り合いにはならんだろう。まぁ、何日か航海することになるから、その日の気分で変えてもらっても構わない。他の客室や乗務員室がどうなっているか確かめるのも悪くはない。もっとも、どの部屋もかなり豪華に変えておいたけどな。実際はどんな部屋だったか知りたければ、昨日俺と行動を共にしていたOGが資料室にまとめてくれたからそこで確かめてくれ。俺が見た限り、年越しパーティのときは日本語の説明文を英語にするだけでいいだろうと思ってたくらいだ。施設を作り終えた段階で一度全員を呼ぶからそのときに見に来てくれればいい。何か改善する必要があれば教えてくれ。因みに俺たちの処女航海が終わった週の翌週。日本代表を呼んでビュッフェ形式の鉄板料理食べ放題ディナーを船首でやろうかと思っている。楽団員を呼んでもいいんだが……SOS団で例の曲を演奏して青みくるが歌うのはどうかと思っている。去年のバラード曲の衣装とネックレスがそのまま似合いそうだからな。因みに調理場は船首に一番近い煙突の中に設置するつもりだ。ディナー後、俺たちと同様のやり方でその日はそれぞれで選んだ客室に泊まり、翌朝の食事も船首でビュッフェ形式だ。どうだ?」
『問題ない!』

 

「キョン君、わたしがあの曲を歌うんですか?歌いきれるかどうか不安になってきました。それに船の上でなんてちゃんと声が届くかどうか……」
「そんなもの、閉鎖空間の条件でどうにでもなるし、場の雰囲気を更に優雅にするためのものだ。そこまで大声を張る必要はない。因みにその予定でいくと、日時は三月二日(木)だ。練習する時間なら十分過ぎるほどある。有希、楽譜の用意をしておいてくれるか?それと、二月二十二日(水)に社員旅行として今運営中の三つのスキー場に出かける。全店舗にFAXを流して、スキーウェアを持ってない社員には店舗内が切り替わる前にスキーウェアを選ばせておいてくれ。本社の社員と楽団員は本店で選ぶように伝えて欲しい。裕さんや本店の店員でまかないきれないときは、俺たちが影分身で対応すればいい。当日は九時半までに天空スタジアムに集合。各店舗の社員は忘年会のときと同様迎えに行くから九時から九時半の間は店舗でいつでも行けるよう準備しておくように伝えてくれ。九時半には俺がマイクを持って話し始める」
「問題ない。楽譜は昼までに用意する。FAXも今日中に送って出欠を確認しておく。楽団員には明日全体で話す」
「だが、天空スタジアムに集めて地下に降りるのか?おそらく安比高原が一番多くなりそうだが、いくらなんでもあの人数はバスに収めきれない。情報結合でバスを増やす必要がありそうだ」
「いや、どこ○もドアで直接現地に行くだけだ。現地の駐車場にバス一台分のスペースを使って催眠をかけておく。どこ○もドアで現地に着いたら、さもバスから降りてきたかのように見せる。誰がどこに行ったかについてはドアを通った時点でサイコメトリーすることも考えたが、全社員と楽団員の情報を脳内にインプットしておくのは流石に情報量が多すぎるんでな。古典的な形式になるが、用紙に店舗名と名前を書きこませてからドアを潜らせるつもりでいる。そのときに一日使えるリフト券とホルダーを持ってなければデザインしたものの中から選ばせればいい。帰ってきたときにまた印をつけさせるだけで済む。因みに青俺、迎えに行く地域はどうする?変えてみるか?」
「凄い。バスに乗らずにそのまま現地に行って、周りから不自然に見えなくするなんて……」
「有希、そんなことを言ったら、今までのやり方の方がよっぽど不自然だっただろう?いきなりテレポート膜からバスが現れるんだからな。それと比べれば黄俺の提案したやり方の方が自然だし、面倒な作業をしなくてもいい。社員の迎えについては変えて欲しいと言いたいところだが、全体の進行にも関わる。もう少し修行を積んでからにさせてくれ」

 

 第七話のNG集撮影兼再撮影、今月二十日からの処女航海、二十二日の社員旅行、三月二日の日本代表ディナーと話したが、反対する声を上げる、あるいは、そのような表情を見せているメンバーはいないようだ。周りと違った表情をしているのは、早く旅行に出かけたい妻と、早く練習に向かいたい子供たちくらい。青古泉辺りは異世界支部の運営関係で忙しくなるだろうが、今話した内容でアイツの負担が増すようなことは何一つ無い。任せておいて問題はないだろう。全員朝食も食べ終えているし、タイミング的には丁度いい。確実に声を上げて慌てる奴が一人出てくるからな。
「なら、俺からは最後だ。渡したいものがある」
久しぶりの俺のその一言に、妻たちやOG達が歓喜の声を上げた。おいおい、これ以上作ってくれと言われても、もう何も思いつかんぞ……俺のデザインセンスなんかに期待せんでくれ、頼むから。指を鳴らして小箱が四つ現れた。ハルヒ達と青佐々木、それに変態セッターの四人。ハルヒ達はすかさず小箱を鷲掴みにして蓋を開けると、箱の中身の気になったメンバーが周囲に集まってくる。変態セッターの周りには、青OG残り五人が集まっていた。
「うわあっ!たっ!とっ、いぃっ!ひっ、ふう………。まったく、プレゼントを貰って無性に怒りたくなったのはこれが初めてだよ。事前に何が入っているか話すなり、心の準備をする時間を僕に与えるなり、何か方策を立てるくらいキミには造作もないだろう?」
「勘の鋭いおまえのことだ。そのネックレスに合ったピアスとなれば、それ以外考えられないことくらい、以前から想像はついていたはず。心の準備をする時間なんて十分過ぎるほどあったはずだ。俺からすれば、おまえがそんな反応をする方が予想外だぞ。関係者以外の人間にもピアスやネックレスを見せたいと言っていたのはおまえの方だ。現時点をもって、ネックレスにかけた催眠の条件を変える。関係者以外には色がピンクになって見えるようにした。生放送前には渡したかったんだが……すまん」
叫び声をあげそうだとは予想していたが、あまりの衝撃に手から離れる程とは驚いた。何度もキャッチしようとして失敗し、宙に上げること数回。ようやく青佐々木の手に収まって一息ついていた。まぁ、生放送の時点で佐々木までネックレスとピアスを揃えていたら、みくるのイヤリングが霞んでしまうからな。口頭では謝ったが、どちらかと言えば、今回はつけない方が良かっただろう。そのやりとりで……いや、やりとり以前の問題か。青佐々木のピアスが一体何なのかすぐに察した奴とそうでない奴に分かれた。

 

「やれやれと言いたくなりましたよ。金庫に残っているレッドダイヤモンドは極僅かではなかったのですか?この大きさですと、その域を軽くオーバーしています。ジョンの世界にも来ていましたし、一体いつ採りに出かけたんです?ネックレスとピアスだけで、巨大な宝石をあしらった装飾品を惜しみなく着けてくる大富豪たちが、束になってようやく佐々木さんと対等になれるほどの額とみて間違いなさそうですね」
『えぇ――――――――――――――――――――――――っ!?』
「ちょっと待て。ネックレスだけで約20億だと青古泉の説明をここにいる全員が聞いていただろう。あれはラウンドブリリアンカットのレッドダイヤモンドが『単数』だったからこそ値段が跳ね上がるだけであって、俺が青佐々木に渡したのはラウンドシェイプに加工しただけの片方3カラット程度のものだ。それを24Kプラチナの土台に六爪で固定しただけのピアス。金庫の残りで作ってみたら、それだけのものが出来上がっただけに過ぎん。おまえもいつまでもそんな仰々しい顔をしていないで、着けてみてくれないか?」
「キョン、あたし達のピアスももう少し具体的に説明してくれない?24Kっていうのが何のことだったのか、また忘れちゃって……それに、あたしとこっちのOGのはネックレスに合わせて作ったものだっていうのは分かるけど、黄あたしのイヤリングはどうしてあんな形になったわけ?あたしも同じものが欲しいくらいだけど、どうして?」
「プラチナにせよゴールドにせよ、24をMAXとする、純度を現す数字のことだ。24Kプラチナと言われたら99.99%純プラチナで作られたもので、宝石店によくあるのは18Kの代物。18Kゴールドと言われたら、75%が金で、残りの25%はそれ以外の物質でできているってことだ。青OGに渡したものは、24Kプラチナでネックレスと同様猫をかたどったもの。青ハルヒのイヤリングを考えていたら浮かんできたんだよ。青ハルヒの方もできればマリンブルーのような青系の宝石を入れたかったんだが……ダイヤモンドは別としてもネックレスとイヤリングだけで二色もあったら服のコーディネートの方がやり辛くなるからな。青ハルヒのイヤリングは24Kプラチナで大小二つのハートをネックレス同様縦につなげて、ハートの内部にカナリートルマリンとダイヤモンドをあしらったもの。みくる達と同様、ネックレスとイヤリングのセットを別のデザインで考えている最中だ。ハルヒの方は24Kのゴールドのドロップの先に三日月と星をデザインしたもの。三日月だけじゃつまらないから中に紋様を入れてみた。最近めっきり見なくなったが、ハルヒの黄色いカチューシャをイヤリングにできないかと考えていたら、その代案として三日月が頭に浮かんだだけだ。同じものが欲しいと言われて俺も嬉しいんだが、できれば一人に一つのデザインにしたい。プラチナで色違いを作るのも手だが、プラチナじゃ、いくら形が同じでも、月と星の色にはならないだろ?」

 

 カチューシャをイメージして作ったと聞いて、ハルヒの機嫌が更に上昇し、ハルヒと同じイヤリングをと所望していた青ハルヒが残念そうにしていた。もっとも、ハルヒがカチューシャをつけなくなった理由は、隣にいる美姫がトレードマークを横取りするようにつけるようになったからであって、どちらが嫌がったのかは俺も知らんが、親子でペアルックにするつもりは無いらしい。そういえば、青ハルヒの方も『もう子供っぽい』と言わんばかりにつけなくなったな。俺がアクセサリーをデザインして、そっちを着けるようになったせいか?青佐々木も手を震わせながらようやく両耳にピアスをつけることができ、これまで付けていたピアスは外すことになった。有希のピアスも含めて、俺の方はつけたままの方が良いだろう。
「いいなぁ。キョン先輩、私にも作ってください!」
「OG達の場合はドロップのついたイヤリングにできないから困っているんだ。できれば世界大会で見映えのするデザインをと考えてはいるんだが、ネックレスと同じ宝石をどうピアスにあしらうかで迷っているところだ。どれもピンとくるものが無くてな。良いデザインが閃いたら必ず渡す。すまないがもう少し時間をもらえないか?」
『それで良いです!!作ってください!』
「うー…ん、あたしも試合に出るときは、今までのピアスの方がいいかもしれないわね。コンサート以外の楽団の練習のときはこっちにしようかな。ねぇ、キョン。このイヤリング、催眠はかけてあるの?」
「いや、青佐々木のレッドダイヤモンドがピンクに見えるようにしただけで、関係者以外にも見えるようになっている。どうする?見えない様に催眠をかけておくか?」
「あたしはこのままの方が良いな」「あたしも」「私もこのままで」
「一樹、私にはネックレスやイヤリングは作ってもらえないの?」
「彼と同程度のデザインセンスはどうやら僕には無いようです。いくつか思い浮かんではいるんですが、周りのものと比べると、どうしても見劣りしてしまって……」
「デザインセンスまで、こっちの古泉と両極端だとは俺には思えない。ランジェリーや女子高の制服のデザインをあんな大量に考えていたと知ったときは、俺も自分でも驚くほど引いたもんだが、アクセサリーも含めて、古泉のデザインはハルヒ達に似合うものをと色々調べて考えた結果だろ?黄古泉にも知識と時間があれば相応以上のものが出来上がると思うんだが……」
「妙だね。そのときは僕もこの場にいたはずだ。キミが『自分でも驚くほど引いた』という顔をテーブルの反対側から見ていたはずなんだけれど……本当にそんな顔をしていたのかい?」
「問題ない。そういうときほど、逆に表情には出ないもの」
『あんたの言うセリフじゃないわよ!』
ははは……声も含めて、カレー関連の話になったときと有希を抱いているときは例外だが、まぁ、この中で一番似合わない奴のセリフと言えそうだ。大分表情は豊かになったし、喋るようになったんだけどな。この辺が、有希の茶目っ気な部分ってところか。

 

「それにしても、困っちゃったわね。またアクセサリーの特集を組みたくなってきたわよ。でも、店舗じゃそこまで扱えないし、定期的に出していかないと、折角いいデザインでも通販の方の売れ行きまで低迷しちゃうわ。でも、今度はそこまで数は用意できそうにないわね。どうしようかしら?」
「問題ない。コーディネートの一つとして見せれば、特集を組む必要なくアクセサリーを掲載できる。店舗にもアクセサリーのコーナーを広げるより、マネキンに付けてみればいい。マネキンにピアス穴を空けるくらい、黄わたしなら簡単なはず」
「確かに有希さんなら簡単でしょうが、異世界の店舗ならまだしも、こちらの世界の全店舗となると厳しそうですね。僕も影分身を使って、一緒にまわることにします。前回のアクセサリー特集で扱った品々も、もう一度店舗に置いてくる必要がありそうですからね。どの店舗も、スキーウェアを着せている状態でしょうし、コーディネートは各店舗の社員に任せればよいかと。そのついでにアクセサリーのデザインを色々と勉強させてください」
「では、影分身の修行を兼ねて、こちらの人事部には僕がつくことにします」
「それもそうね。じゃあ、わたしは今日中に三月号を仕上げてくることにするわね!」
「すみませんが、男性誌は女性誌より若干遅れます。ランジェリーの特集の分を、別のもので埋めている最中ですので」
「では、わたくしもランチの仕込みに向かうことにします」
「じゃあ、影分身は置いていくがこの後旅行に行ってくる。撮影の方は佐々木やハルヒ中心で頼む。有希はカメラの他にFAXと楽譜だ。マネキンの件も知らせておいてくれ。それから、青チームで考えて異世界支部の運営を行っていくのはいいが、報告しておくべきことは全体で必ず話すようにしてくれ。今後の方策等も含めてな」
「それじゃ、とっとと解散!」

 

 ジョンもいつの間にやら青俺の方に移住したらしい。使う予定はないが念のためポルシェを持ってビバリーヒルズへとテレポート。顔だけ催眠をかけてホテルへと入っていった。俺の場合は即、クレイジーゴッドだとバレるが、妻の方も俺と同様の零式使いだと世界中に顔が知れ渡っている。両腕で俺の左腕に絡みついてフロントの前へと立った。てっきり偽名で予約しているのかと思いきや、思いっきり本名で予約を取っていた。大丈夫なのか?
『もう!朝の会議長すぎ!』
『あんまり早すぎるとホテルのチェックインの時間にすらならない。イヤリングを渡したいのもあったしな』
『キョン、私の分は無いの?』
『おまえのピアスは一番条件が厳しくて困り果てていたんだ。ネックレスは青みくるの方が後でも、ピアスまで青みくるの色違いってだけじゃ嫌だろう?まったく別のデザインを考えるとはいっても、ネックレスを無視したデザインというのも、ちょっとどうかと思ってな』
持ってきたものと言えば、キューブ化したポルシェと精々財布程度。運ぶ荷物も無く、案内するだけでチップをコンシェルジュに分捕っていかれるのもどうかと思うが、折角のスイートルームを満喫することなく、すかさずキングサイズのベッドにダイブした後の会話がコレ。ハルヒなら『それもそうね』なんて言うところだろうが、そのセリフも無し。だが、そのときのハルヒと似たような表情で自分のピアスのデザインを考えていた。
『な?困るだろう?これがイヤリングだったら簡単なんだが……』
『ちなみに、イヤリングだったらどんなデザインになるの?』
『単純にそのネックレスの縮小版をドロップで吊るすだけというのもありだし、片翼ずつエンジェルウィングをつけてみるとか、とにかく、ネックレスの方がイメージが湧きやすいってことだけは確かだ』
『青私が零式をマスターしたら引退しようかな、私……』
『随分なカミングアウトだな。確かに零式が完成したら、実際の試合で使ってみたいと思うだろうし、世界大会中に入れ替わるのもいいかもしれん。アイツには昼の間に不完全な零式が撃てるようになったとしても、あまりはしゃぎ回るなとは言っておいた。だが、俺もおまえもあの防御力と零式が続く限り、日本代表から引退できそうにないな』
『私の代わりなら伊織ちゃんがいるもん!』
『おいおい、あと二ヶ月足らずでようやく卒園式を迎える奴に代役が務まるか!次世代というにはいくらなんでも離れすぎだ!作戦が伝えられても、何のことかさっぱり分からずに行動してしまう。それに、二人ともOG以外の日本代表選手と組むのは嫌がりそうだ。俺たちの全員攻撃に慣れてしまったからな。美姫の方はそれでもまだ不満らしい』
『どうして?』
『いくらハルヒや有希、朝倉の三人でも、俺が指示して動くダイレクトドライブゾーンより若干遅れるらしい。そのワンテンポ差が気にくわず「キョンパパと一緒がいい!」と言い出す始末だ。青俺が影分身の修行を通じて覚醒状態にでもならない限りは難しいだろうな。俺もまさか有希や朝倉と同じコートに立っていて、不満を言ってくるとは思わなかった。あいつらより上なんて、それ以外方法がない。いくらなんでも高望みしすぎだ』
『有希先輩たちですら、遅い!?』
『ああ、本人達には内緒にしておいてくれ。今日は有希を正セッターにして美姫に実感させてやるつもりだ』

 

 しかし、相変わらずテレパシーで話していると時間の経過を忘れてしまう。影分身から同期してきた情報を受け取ってようやく夕食時だと気付き、急いでプールサイドのレストランに足を運んでいた。
『それで、どんな情報が届いたの?』
『俺が提示したシーンの再撮影の情報だ。思った通り、本家本元は違うらしい。だが、俺も予想だにしていなかったNGが出た。後で見せてやるよ』
『キョンも予想していなかったNG?どんなNGだったの?』
『みくるの胸の感触を確かめていたら、サイコメトリーしたセリフも忘れてしまうほどの成長の度合いに鶴屋さんが驚いて何も言えなくなったそうだ。それより、食事のときくらいは普通に話さないか?日本語ならどんな話をしていても周りには通じないし、テレパシーじゃ周りから声をかけられても気付けないだろ』
「テレパシー無しで話すのはいいけど、みくる先輩、まだ胸が成長してるの!?」
「おまえらだって似たようなもんだろう?特にこっちのOG達は、いい加減ブラのサイズを変えないといけない奴がほとんど。今だって下着がキツイのに、無理して着てるだろ?」
「それは……でも、もうつけられないからって、お気に入りの下着まで捨てたくない!」
「何のために情報結合の修行を積んでいると思っているんだ?そのお気に入りの下着をサイコメトリーして、同じデザインで一つ上のサイズの下着を情報結合すればいいだけだ」
「あっ……その考えには至らなかった。帰ったらみんなにも話してみる!」
「ところで、カレーのときのあのキューブの案は誰の発案だったんだ?青チームから案が出るわけがないし、六人のうちの誰かだろう?自分の胃の中をサイコメトリーして、余分なカレーをキューブに収めるなんて高等技術、六人とも良く出来たもんだと、あのときは別の意味で呆れたよ」
「それはほら!キョンが一段階ずつちゃんと教えてくれたからだよ!」
「それで、誰の発案なんだ?………やれやれ、ジョンと同じく隠し事をするのが下手らしいな。おまえで決まりだ。朝食を食べてから三時間も経っていないっていうのに、俺が何も言わずとも平気な顔でここのディナーを食べているし、今も朝食をキューブに収めただろ?」
「……私もここの料理を食べ尽くしてみたかったんだもん。味はそこまででもないけど……」
「新川さん達の料理と比べる方が間違ってる。だが、再現しようと思えば出来なくもなさそうだ。作って欲しいものがあれば候補としてまとめておけ。帰ったら昼食で出してやるよ」
「ホント!?え~でも、覚えていられるかどうか不安だな……」
「サイコメトリーで情報を共有しておけばいい。それなら忘れることはないし、俺にも情報が伝わる。候補として挙がったものにチェックでも入れて情報を渡せ。帰ってからどれにするか聞けるだろ?」

 

 受け取った情報をそのまま返して共有すると、『明日も食べられるんだから、周りから変な眼で見られないうちに部屋に戻ろう』と告げてレストランを後にした。部屋に戻ってまず提案したのが下着のサイコメトリーと情報結合。現役の日本代表がウエストを気にする必要は一切ないが、サイズが大きくなったのは胸だけなんてことはあるまい。情報結合するなら上下両方だな。
『四月号以降、モデルとして朝倉に写真を撮ってもらったらどうだ?今なら自慢気にスリーサイズをかけるんじゃないか?それに、妻のウェディングドレス姿なら俺も見てみたいからな』
『毎日練習ばっかりで、これ以上成長しそうにないなって正直諦めてたのに、どうして?』
『去年の夏までとそれ以降で何が違うか考えればすぐに分かるだろう。みくるの胸が成長した理由もそれと同じだ。とりあえず、早く作ってしまったらどうだ?シャンプーとマッサージをしてから話そう。一人だけ裸の状態で話すわけにもいかないだろ?』
答えが分かったからなのか、今の状況を把握したからなのかは分からんが、耳まで紅く染まってしまった。
『やれやれ、そんな状態じゃまともに情報結合できそうにないな。シャンプーしてやるから、こっちに来い』
『ねぇ、キョン。キョンとこんな関係になっただけで、こんなに違いが出るの?』
『なんだ、一番手っ取り早く、胸を大きくすることができる方法を知らなかったのか?』
『抱いてもらうのが一番いいってこと?』
『正確には、ただ抱き合うだけじゃなく意識して胸を揉んでもらうことだ。それで女性ホルモンの分泌が向上してバストやヒップに影響する。今もやってもらってる最中だが、玩具を使ったトレーニングも妖艶なボディを手に入れる秘訣の一つだ。そしてもう一つ、大きく影響するのが妊娠して出産したかどうか。体格、特に身長なら青ハルヒに軍配が上がるが、胸の大きさで言うならハルヒの方に軍配が上がるだろ?』

 

 シャンプーの真っ最中ということもあり、頭の中でハルヒ達をイメージして比べているのがサイコメトリーで直接伝わってくるんだが、服の上からじゃ良く分からないって顔だな。もう片方の妻も連れて、一時期は100階に足を踏み入れていたが、今じゃ円形のベッドで何人かのOG達を一緒に抱くことはあっても、100階に行くなんて話はその存在を記憶から抹消したかのように話題に出た試しが無い。
『うー…ん、服の上からだとどっちが大きいかまでは……でも、体格差の割には、胸の大きさはほとんど変わらなかったような気がする』
『何なら、タイタニック号の温水プールで、みんなで泳ぎたいとでも提案してみるといい。100階でハルヒ達と一緒のベッドで寝るのは、まだ抵抗があるんだろ?』
『あっ、100階に行けば直接見られるんだった。ん~~でも、そうだね。やっぱりまだ抵抗が……』
『ったく、69階じゃ、円形ベッドでみんな一緒に抱くようになるまでに至ったっていうのによく言うぜ。姫始めを終えた後のあのブーイングは俺も想定外だったぞ。周りに見られてもいいと思えるくらいにまでなったんじゃないのか?それがハルヒ達に変わるだけだろ?』
『それは、その……キョンにシャンプーやマッサージをしてもらっている間もみんなに見られていたからで、あのブーイングは………思ったことが、つい、口から出ちゃったの!』
『つまり、みんなと一緒に抱かれるのも悪くなかったと?』
『……もう!私にそんな恥ずかしいこと言わせないでよ!』
テレパシーで会話をしながらも、マッサージで身体の弱い部分に触れただけで敏感に反応し、胸に意識が集中していたせいもあってか、軽く一揉みしただけで声を漏らしていた。秘部に挿入してトレーニングをさせていた玩具も抜き取り情報結合を解除。下着の情報結合は明日にすることにして、着ていた服と一緒にテレポートさせた。お姫様抱っこで抱きあげてキングベッドへと連れていく。妻の両腕は俺の首に絡みついたまま離そうとしなかった。シーツの上に寝かされたところで、ようやくあることに気が付いた。

 

『あれ?キョンはお風呂どうしているの?双子と一緒に入ってるの?』
『ちょっと前まではそうだった。最近は100階にいる七人で曜日の担当を決めて、シャンプーとマッサージをしてもらっている。とはいえ、それを言い出したのはあいつらの方なんだけどな「いつもやってもらっているばっかりだから」だそうだ。初日は七人揃って俺の周囲に集まるもんだから吃驚したぞ。そんなハーレムみたいな状況を作られても、みんなに申し訳なくてな。俺から妥協案を提示したんだ』
『え―――――――――っ!!ってことは、それが始まってから、キョンの本体は69階に来てないってこと!?』
『毎日のように……もとい、毎日抱いて欲しいとせがんでくる有希と青ハルヒ……ついでに、アイツも入れておくか。とりあえず、100階にいる七人も本体と過ごすのは週に一回ペースになるからな。有希とハルヒ達は本体でないと嫌がるが、みくるや佐々木たち四人は「下にも妻がいるから」と事情を話せば、先に眠ったところで降りてくるようにはしてる。でないと、おまえら二人に申し訳が立たん。シャンプーとマッサージをするときはどうしても影分身になってしまうが、一緒に寝るときは本体と入れ替わっていることの方が多いくらいだ。抱き合っているときは特にな。昨日もみくるが俺の本体を見ながら寂しそうな顔をしてたよ。「日曜のシャンプー&マッサージはわたしがやります!」なんて自分から立候補していたくらいなのに、「今日は出来なくなる」って残念がっていた。みくるだって同率一位を取ったんだ。温泉旅行に行けば二日間は俺のシャンプーとマッサージはみくるの仕事になる。たとえ影分身でも、シャンプーやマッサージをしてもらって気持ち良かったという情報は、同期すれば伝わるからと説明して、ようやく表情が明るくなっていたくらいだ』
『毎日抱いて欲しいとキョンにせがんでくるアイツ……?って、あぁ、そういうこと……「ついでに」って言った意味が良く分かった。でも、そうだよね。七人もいるんじゃ、私たちが入る隙間なんて無さそう。でも、キョンが私たちのことを考えて来てくれてたっていうのは凄く嬉しい!じゃあ、この二日間はキョンのシャンプーとマッサージは私にやらせて!』

 
 

…To be continued