Bar.K (131-160)

Last-modified: 2010-08-03 (火) 21:41:14

概要

作品名作者発表日保管日
Bar.K131-160氏10/07/2410/08/03

 

作品

カランカラーン
 
「よう、ハルヒか」キュッキュッ
「相変わらずしけたバーよね、ここ」
「挨拶がそれかい、まぁ座れよ」
「どっこいしょっと」ズカッ
「雰囲気壊す掛け声出すない、仮にもバーだぜ?」
「フン、何よ。似合わない髭なんか生やしちゃって」
「若く見えると色々と質の悪い客に舐められるんでね。それより何にする?」
「バーボン、ジンジャー割りにしなさい」
「へいへい」シャカシャカ
「ねえ、あんた最近どう?」
「どうって?別に変わった所もねえな」
「何よ、つまんないわね」
「そうでもないぜ、店を開いてからというもの色々あってね」
「色々って?」
「そいつは長くなるからおいおい話すとして、お前はどうなんだ?」カラン
「あたしのなんか聞いてどうすんのよ」
「お前が最初に聞いてきたんだからむしろお前の方から話すのが道理と思わんか?」
「うっさい、バカキョンの癖して」
「年を取ると誰だってうるさくなるもんだ、ホラ、出来たぞ」スッ
「あんたは高校時代からそんな調子でしょうが・・・戴くわ」グッ
「どうだい?これでも評判は上々の味だと思うけど」
「あんたにしては中々じゃない、団長から及第点を進呈するわ」
「やれやれ、団長に掛かれば及第点レベルか」キュッキュッ
「悔しかったら精々精進しなさい・・・飲めない訳じゃないんだから」グッ
「そう一気に行くもんじゃないぜ、カクテルってのは」
「チビチビ飲むなんてあたしの性に合わないのよ。・・・あ、その写真は」
「ああ、これか。何、単なる話題の種さ。」
「懐かしいわね、あれからどの位経ったかしら?」
「さあね、数えてない。」
「億劫がり。有希達って元気にしてるかしらね?」
「多分してるんじゃないか、いつか店のドアを開けて突然来たりしてな。」
「だといいわね。ねえ、あんた寂しくないの?みくるちゃん、好きだったんじゃないの?」
「ンー、確かにあの人の事は好きといっちゃ好きだったんだけど、こと恋愛として見れば違うんだよな。
 アイドルを遠くから見ているうちはよかった・・・って、そんな感覚だった気がする。女って面倒だな」
「あ、それ差別よ」
「茶化すなよ。寂しい、なんて事は無かったな・・・お前が今居るから」
「何それ?口説くんならもっとましな文句考えときなさいよ」
「生憎大して学が無いんでね、これ以上が浮かばかったよ。お前はどうだ、今、寂しいか?」
「・・・馬鹿ね、寂しい訳ないじゃない。一人より二人いれば充分よ。」
「ああ、そうだな。もう一杯行くか?」
「寄越しなさい、今は酔いたい気分なの」カラ
「へいへい、手間の掛かる団長だ」シャカシャカ