Dialogue II (髪) (82-432)

Last-modified: 2008-03-27 (木) 01:57:11

概要

作品名作者発表日保管日
Dialogue II (髪)82-432氏08/02/2908/02/29

作品

「なあ、ハルヒ」
「なによ?」
「お前、髪、切ったのか?」
「うん…………ああ、でも毛先をちょっと揃えてみただけよ」
「そうか……」
「――へえ、あんたでも気が付いてたのね。意外だわ」
「どういう意味だ?」
「いつものあんたが鈍感ってことよ。……で、キョン。あたしに、なにか言うことはないの?」
「特に、何もないが」
「バカキョン。……やっぱり鈍感なんだから……」
「まさかとは思うが、ハルヒ――お前、俺に褒めてもらいたいのか?」
「べ、別にそんなんじゃないわよ!…………ただ、あんた、男なんだし、髪を切った女の子に対して、なにか一言あってもいいんじゃない、とか、その…………知らない、バカ!」
「おいおい。毛先を揃えた程度だって言ったのはお前だろ。結局のところ、昨日とそんなに変わり映えしないんじゃないのか」
「む~~~」
「――まあ、俺としては、変にイメージが変わっちまうよりは、気が楽でいいんだがな。なんだ、普段見慣れているのが一番安心するっていうか、そんなところだ」
「……ふーん……そう、なんだ」
「ああ」
「ねえ、キョン。あんたさ――あたしが、毎日髪型変えてた頃のことって、覚えてる?」
「勿論、覚えてるさ。……あんなに強烈なの、忘れろって方が無理なんじゃないのか?――で、それがどうかしたのか」
「――あたしがアレを止めちゃって、髪を思い切って短く切ったとき――キョンって、妙にガッカリしてなかった?」
「まあ、驚いたのは確かだが。……お前にはそう見えた、ってことか」
「そうよ、何か凄いショックだったみたいにね。…………キョンって、その、やっぱり髪の長い女の子が好み、とかなわけ?例えば、みくるちゃんとか、鶴屋さんみたいな」
「い、いや、まあ、なんだ、その――そういうわけでもないぞ。確かに朝比奈さんも鶴屋さんも魅力的な女性だと俺は思うが――って、何怖い顔してんだよ」
「ふんだ。あたしは別に、怒ってなんかないもん」
「じゃあ、何でそんなに膨れっ面してるんだ、お前?」
「そんな顔してないってば!」
「……いいから、最後まで聞け。朝比奈さんも鶴屋さんも、髪の長さに関係なく二人とも魅力的だってことぐらい、ハルヒにだって解るだろ?」
「まあ、それはそうだけど――じゃあ、もし、有希の髪が長かったら、あんたどう思う?」
「それはそれで、結構興味深いというか、見てみたいような気が……って、何で睨むんだよ?」
「…………バカキョン」
「まあ、俺に限らず、男ってのは一般的に、髪の長い女性に憧れるもんだ、ってのは理解して欲しいんだがな。でも、俺はそこまで拘ってるつもりは全くは無いんだけどな」
「だって…………キョン、あんた――『ポニーテール萌え』――なんでしょ?前に言ってたじゃない」
「えーと、ハルヒ。――いつ俺がそんなことを言ったのか――お前は、覚えてるのか?」
「えっ……だって、あんた、あのとき……って、やだ!――――お、覚えてるけど、あんたには教えないから」
「やれやれ、しまったな。余計なこと言ったら却って面倒なことに……」
「キョン?」
「何でもない。独り言だ。まあ、その、別に、以前のハルヒのポニーテールが反則的なまでに似合ってたとか、最近のお前の髪がそんなに長くないとか、今の俺にとっては、そんなのはもう、どうでもよくってだな……なんつーか、えーと……」
「なによ、キョン。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」
「――それだ!」
「へっ?」
「その、ハルヒがよくやってる、髪をさっと払う仕草なんかは、俺にとっては、お前の、萌えポイントだと思うぞ」
「…………ねえ…………キョン」
「――――何だ、ハルヒ?」
「あんたって、普段は全然デリカシーとかさっぱり無いけど…………たまーに、とんでもなく恥ずかしいこと、平然と言ってのけるのよね」
「――そ、そうなのか?」
「…………そうよ」
「……………………」
「――――――――」
「なあ……ハルヒ」
「……なによ?」
「顔――――真っ赤だぞ」
「あ、あんたこそ――――耳まで茹でダコみたいじゃないのよ」
「――――――――」
「……………………」
「…………ハルヒ」
「――――もう、さっきからなによ?」
「その…………似合ってるぞ」
「――――――――バカ」

イラスト

以上です。たまにはポニテ萌えじゃなくてハルヒ萌えなキョンとか。
 
恒例ラクガキ。そろそろカーディガン着せなくてもいい?
 
82-432 haruhi_hair_touch.png

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