Halkion Quest (129-517)

Last-modified: 2010-08-02 (月) 22:17:04

概要

作品名作者発表日保管日
Halkion Quest129-517氏10/06/2010/06/24

 

Halkion Quest 第1話

──Presented by ENOX
 
──Executive Produced by Falcon Shop
 
 
──Directed by Long Gate
 
in
 
 
『Halkion Quest ~そして伝説に~』
 
 
*「主人公の名前を変更しますか?(Default:ハルヒ・スズミヤ)」
 はい
→いいえ
 
それは、ハルヒが16歳の誕生日のことであった。
*「おきなさい。おきなさい。わたしのかわいいハルヒや。
 おはよう、ハルヒ。もう朝ですよ。
 今日はとても大切な日、ハルヒが王様に旅立ちの許しをいただく日だったでしょ。
 っていうか、本当に行っちゃうの?
 あなた女の子なのに、わざわざ自分から旅立ちを願い出るなんて……」
ハルヒ「ママ。気持ちはうれしいけど、あたしの決意は変わらないわ。
   パパだって、人々のために勇敢に戦ったのよ。
   あたしだけ安全な場所でのんびり生活するなんて、嫌なの。
   今すぐは無理でも、いろんなところを冒険して、強くなって、
   いつか魔王を倒せるようにがんばるわ」
ハルヒママ「……あなた、言い出したら聞かないからね。これ以上は止めないわ。
 それじゃ、ご飯を食べて支度なさい」
 
トントン
*「おはようございます、スズミヤさん。近衛隊の者です。ハルヒさんを迎えに参りました」
ハルヒ「あら、キョン。いつもあんたなのね」
キョン「まあな。なぜか、上からの命令でハルヒ担当者として働かされてるぞ」
ハルヒママ「あらあら、キョンさん。いつも娘がご迷惑をお掛けしまして」
キョン「いえいえ、仕事ですから」
ハルヒ「何よ、嫌なの?……フン、まあいいわ。さっさと行くわよ」
ハルヒママ「娘のこと、よろしくお願いしますね」
キョン「あ、はい。それでは失礼します」
 
キョン「なあ、ハルヒ。やっぱりお前、旅に出るのか?」
ハルヒ「当然よ。あたし、外に出て冒険したいし、強くなって魔王も倒したいもの」
キョン「やれやれ、俺は個人的にはお前にこの町でおとなしくして欲しかったんだが、
   俺も国王陛下も、お前にゴリ押しされちまったからな」
ハルヒ「あたしは伝説の勇者の娘なのよ。その娘が魔王討伐に出かけるのは当たり前じゃない!」
キョン「そうかい。まあ、もう止めはしないさ。
   これで、ハルヒ担当もお役ご免だが、お前の無事だけは祈ってやるさ」
ハルヒ「……ふふっ、それはどうかしらね♪」
キョン「ん?どういうことだ?」
ハルヒ「何でもないわよ」
 
キョン「陛下、ハルヒ・スズミヤをお連れしました」
国王「うむ、ご苦労。勇者スズミヤの娘、ハルヒよ。
  そなた、魔王討伐の旅への出立の決意、変わりはないか?」
ハルヒ「はい、陛下。勇者スズミヤの名に恥じぬよう、見事魔王を討伐して参ります」
国王「うむ、頼もしい限りじゃ。それでは、約束通りの物資と人員を授けようぞ。
  そこにある宝箱の金品と、そこにおる近衛兵キョンを授けよう。存分に使うが良い」
ハルヒ「はっ、ありがたき幸せ」
キョン「……えっ?」
 
──
 鶴屋「っていうゲームを、鶴屋グループが新しく設立したENOXっていう会社が開発したっさ!どうにょろ?」
 古泉「この会社は、うちの高校のOBが中心になって作ったベンチャー企業ですね」
 長門「コンピュータ研と私も、アルバイトとして制作に携わった」
 鶴屋「いやー、長門っちはとっても出来る子だったから、ほとんどの制作指揮をやってもらっちゃったよ」
 キョン「いや、いろいろとツッコみたいところが満載なんですが」
 朝比奈「もしかして、話が進むと私たちも出てきたりするんでしょうか」
 ハルヒ「とにかく、面白そうだから続きをやってみましょ!」

Halkion Quest = ハルクエ 第2話 (574)

キョン「……はあ。家族も同僚も国王陛下も知っていて、何で本人である俺にだけ知らされてないんだよ」
ハルヒ「あら、嫌なの?なら断ればいいじゃない」
キョン「断れるわけねぇだろ!下っ端近衛兵の俺が、国王陛下直々の勅命を断れるわけねぇだろうが!!
   そもそも、何で俺なんだよ。他にもっと強い奴なんていくらでもいるんだぞ。
   俺みたいな、こんな平和な国のごく平凡な城兵なんか連れていってどうすんだよ」
ハルヒ「もう諦めることね。男が決まったことにウジウジ文句を垂れてんのはみっともないわよ」
キョン「誰のせいだ誰の!……まあ、旅に出るからには、せいぜい"俺が"死なないように気をつけるさ」
ハルヒ「"あたし"を守りなさいよ"あたし"を!あんた衛兵なんだから民を守るのが仕事なんでしょ!
   ……でもそうね。あんただけじゃ心細いから、もう1人くらい連れが欲しいところね」
キョン「だが、ノースハイ城からはだいぶ歩いちまったぞ。また戻って勧誘ってのもなぁ……。
   ……待てハルヒ!モンスターだ!」
ハルヒ「え、うそ。あれ何?気持ち悪い」
キョン「スライムだ。わりと低級のモンスターだが、ナメてかかるとやられるぞ」
ハルヒ「スライム?あれが?てっきり、青くてプニプニしていて、頭のてっぺんがちょこんととがってると思ってたわ」
キョン「残念ながら現実は厳しいんだ。この世界は、緑でグチャグチャドロドロのメ○テンタイプの外道な奴だよ」
ハルヒ「うわ、こっちくるわ」
キョン「慌ててねぇで応戦だ。うりゃ!」
ハルヒ「やったわ!」
キョン「まだ残ってるぞ。ハルヒも持ってる剣で叩き斬れ!」
ハルヒ「てや!……なんだ、案外弱いじゃない」
キョン「ハルヒ!油断するな!……ちっ、間に合わん。ハルヒ、じっとしてろ!うりゃ!」
ハルヒ「キョン、あんた槍投げも出来るのね。残るはこいつだけね。そりゃ!」
キョン「これで全部か」
ハルヒ「こうやって戦うのね。ちょっとだけ強くなったような気がするわ」
キョン「……ふぅ。ハルヒ、お前ひょっとして今までモンスターを見たことも、戦ったこともないのか?」
ハルヒ「ないわよ。そもそも、許可を取らないと町の外に出られないじゃない」
キョン「お前それでよく魔王退治の旅に出ようなんて思ったな」
ハルヒ「……それより。キョン、あんた意外とやるじゃない。ほんのちょっとだけど、見直したわ」
キョン「一応曲がりなりにも近衛兵だからな。出てきたモンスターも強い奴じゃなくて、運が良かったのさ」
ハルヒ「ねえ、あたしにも戦い方教えなさいよ。あたしも強くならなきゃ、魔王倒せないし」
キョン「教えるのは構わんが、俺は特別強いわけじゃないぞ」
ハルヒ「いいのよ。戦ったことがない町娘よりマシでしょ?」
キョン「……まあ、な。戦い方も大事なんだが、それより空に雲が少ない。テントを持ってくるべきだったな」
ハルヒ「どうしてよ。寝袋があるんだから充分じゃない」
キョン「昼間は雲がない方が暖かいんだが、夜は晴れてると冷えるんだ。寝袋だけでは寒すぎるかも知れん」
ハルヒ「ふーん。じゃあ、今夜はあのテントに入れてもらいましょうか」
キョン「ん?確かに、あそこでキャンプをしてる奴はいるみたいだが、見ず知らずの奴を入れてくれる奴なんてそう簡単にいr」
ハルヒ「おーい!!」
キョン「って、聞いてねー」
 
ハルヒ「ねえ、あなた一人?」
*「……」コク
キョン「あなたみたいな若い女性が一人旅ですか」
ハルヒ「あたし、ハルヒ・スズミヤ。あたしたち、魔王討伐の旅をしてるんだけど、テントを持ってないのよ。
   この、連れのキョンが今夜は冷えそうだって言ってるし、良かったらあたしたちもテントに入れてくれない?」
*「……どうぞ」
キョン「マジかよ」
ハルヒ「ほんと?!ありがとう!助かるわ。あなた、名前は何て言うの?」
*「……ユキ・ナガト」
キョン「ナガトさんとやら。こっちとしては大助りなんだが……。
    こいつはこのテントを、何だか分からん奴の野宿に使うって言ってるんだぞ。それでもいいのか?」
ナガト「いい」
キョン「いや、しかし、多分ものすごく迷惑をかけると思うぞ」
ナガト「別に」
キョン「そのうち追い出されるかもしれんぞ?」
ナガト「どうぞ」
 
 
ハルヒ「へぇ~。ユキは世界中の本を読む旅をしてるわけね。まあ、変わってるといえば変わってるわね」
キョン「お前が言うな」
ハルヒ「職業が賢者なんてすごいわね!魔法とかも一杯使えるのよね!
   ねえ、あたしたち魔王討伐のために旅をしてるんだけど、良かったら一緒に行かない?」
ナガト「……行く」
キョン「な、なんですと?!」
ハルヒ「わあ、ありがとう!何て頼もしいのかしら!あたし、魔法が得意な人が仲間に欲しいと思ってたのよ!!」
キョン「ナガト、そんなに簡単に即答していいのか?かなり危険な旅になると思うんだが」
ナガト「構わない」
 
 
──
 古泉「長門さんが出てきましたね。賢者ですか。とてもよくお似合いかと」
 ハルヒ「いよいよ楽しくなってきたわね!……でも、キョンってこんなに頼り甲斐のある奴じゃないわよ」
 キョン「大きなお世話だ」
 鶴屋「そんなことないっさ。いざとなったら、何を差し置いても絶対にハルにゃんの味方をすると思うよっ!」
 ハルヒ「そっ、そうかしら。……まあ、SOS団の団員としては、そうでなくちゃ困るんだけどね」
 朝比奈「次に出てくるのって、順番的に私ですかぁ?」
 
 

Halkion Quest(ハルクエ) 第3話 (651)

ハルヒ「ていっ!!」
キョン「よし、刺突もだいぶうまくなったな。今日はここまでにしよう。
   上段から剣を振り下ろすときに、自分の足を切らないように気をつけろよ」
ハルヒ「ふぅ。いい汗かいたわ。やっぱり、テントがあると安心して練習できるわね」
キョン「ハルヒの飲み込みが早くて助かったぜ」
ハルヒ「ふ、ふん。これくらい出来て当然よ」
キョン「これくらい出来ていれば、ヤマト王国のヤギュウ名人の指導を受けても恥ずかしくないだろう」
ハルヒ「それって、キョンがこの前言ってた剣の名人のこと?」
キョン「そうだ。偏屈者として有名だが、剣の腕は確かだ。
   魔王を倒すつもりなら、あれくらいの名人の指導くらいは受けておくべきだろうな」
ハルヒ「その人って、どこにいけば会えるの?」
キョン「このセッツ王国の東にあるカワチ共和国を抜ければヤマト王国に入る。
   ヤマト王国のソエカミ村で会えるはずだ」
ハルヒ「じゃあ、まずはそのソエカミ村を目指しましょ」
キョン「ここからだと、カワチ共和国のオーサカシティを経由するのが早いな」
ハルヒ「オーサカシティって、あたしたちのニシミヤシティよりも大きな城下町よね。
   ついでに買い物して装備を整えましょ!」
キョン「あんまり無駄遣いするんじゃないぞ」
ハルヒ「しないわよ。何ママみたいなこと言ってるの。
   それより、あたしこれから水浴びするから覗くんじゃないわよ」
キョン「覗くかよ。何なら、ナガトに頼んで湖の回りにトラップ魔法でも張ってもらえ」
ハルヒ「それには及ばないわ。あんたにそんな度胸なんてあるわけないもんね」
キョン「言ってろ。外見張っててやるから早く行ってこい」

キョン「国境を抜けたら意外と早く着いたな」
ハルヒ「オーサカシティって、賑やかなところね!」
ナガト「……タコヤキ、オコノミヤキ、カニ、カレー、ハリハリナベ…………」ゴクリ
ハルヒ「それじゃ、あたしたちは買い物してくるから、あんたは宿の手配をしておきなさい。
   夕方にこの広場で落ち合いましょ。それじゃユキ、行くわよ」
ナガト「……」
キョン「お、おい。……行っちまいやがった。
   しゃあない、宿の手配のついでに、武器の手入れの道具でも仕入れるか」
 
ハルヒ「遅い!罰金!!」
キョン「……ハルヒ、空いてる宿を苦労して探した俺に労いの言葉もなしか?」
ハルヒ「そんなことより、どこに泊まることになったの?」
キョン「あの宿の503~505号室だ」
ハルヒ「分かったわ。それじゃ、ユキと一緒に先に505号室で待ってて!」
キョン「また行っちまいやがった。しゃあねえ。部屋で待ってるか」
ナガト「……」
 
 バン!
ハルヒ「やあごめんごめん!遅れちゃった!捕まえるのに手間取っちゃって!」
*「ここどこですか、何であたし連れてこられたんですか、
  何で、かか鍵を閉めるんですか?いったい何を、」
ハルヒ「黙りなさい。
   紹介するわ。ミクル・アサヒナちゃんよ」
キョン「……紹介終わりかよ。どこから拉致してきたんだ?」
ハルヒ「拉致じゃなくて任意同行よ」
キョン「似たようなもんだ」
ハルヒ「町の教会でぼんやりしているところを捕まえたの」
キョン「じゃ、この人は教会の修道士じゃないか!」
ハルヒ「それがどうかしたの?」
キョン「まあいい……。それはそれとして、ええと、アサヒナさんか。
   なんでまたこの人なんだ?」
ハルヒ「まあ見てごらんなさいよ。めちゃめちゃ可愛いでしょう。
   あたしね、萌えってけっこう重要なことだと思うのよね」
キョン「……すまん、何だって?」
 
ハルヒ「萌えよ萌え、いわゆる一つの萌え要素。基本的にね、魔王を倒すパーティーには
   こういう萌えでロリっぽいキャラが一人はいるものなのよ!」
キョン「……うーむ」
アサヒナ「……」
ハルヒ「それだけじゃないのよ!」
アサヒナ「どひぇええ!」
ハルヒ「ちっこいくせに、ほら、あたしより胸でかいのよ。
   ロリ顔で巨乳、これも萌えの重要要素の一つなのよ!」
キョン「知らん」
ハルヒ「あー、本当におっきいなー。なんか腹立ってきたわ。
   こんな可愛らしい顔して、あたしより大きいなんて!」
アサヒナ「たたたす助けてえ!」
キョン「アホかお前は」
ハルヒ「でも、めちゃデカイのよ。マジよ。あんたも触ってみる?」
アサヒナ「ひぃっ」
キョン「遠慮しとく。すると何か、お前はこの……アサヒナさん可愛くて小柄で
   胸が大きかったからという理由なだけでここに連れてきたのか?」
ハルヒ「そうよ」
キョン「真性のアホだ、こいつ」
ハルヒ「みくるちゃん、あなた今どこかで働いてるの?」
アサヒナ「あの……修道院に……」
ハルヒ「じゃあ、そこやめて。冒険の邪魔だから」
アサヒナ「…………あっ」
ナガト「……」
アサヒナ「そっかー……。分かりました。修道院はやめて、このパーティーに加わります。
    でも、このパーティーが、何をするのか分からないんですけど」
キョン「俺たちは、魔王を倒すために旅をしている、名もなきパーティーですよ」
ハルヒ「ああ、名前なら、たった今考えたわよ」
キョン「……言ってみろ」
 
パーティーの名前を変更しますか?(Default:SOS団)
 はい
→いいえ
 
キョン「お知らせしよう。紆余曲折もなくたんなるハルヒの思いつきにより、パーティーの名はここに決定した。
   SOS団。世界を脅かす魔王を成敗するための団。略してSOS団である。
   そこ、笑っていいぞ」
ハルヒ「キョン、誰にしゃべってんのよ」
 
 
──
 朝比奈「とうとう私が出てきちゃいましたぁ」
 ハルヒ「ついにSOS団の名前も出てきたわね!略称にあたしの名前が入ってないのが遺憾だけど」
 キョン「このゲームでは苗字と名前が逆になってるからな。入れづらかったんだろ」
 古泉「地名がどこかで聞いたことのあるものばかりのような気がするんですが」
 鶴屋「モチーフを世界地図にしようかとも思ったんだけど、
   やっぱり親しみやすさを重視するならこういう地名がいいかと思ったのさっ」
 長門「……タコヤキ、オコノミヤキ、カニ、カレー、ハリハリナベ…………」ゴクリ

Halkion Quest《ハルクエ》 第4話 (728)

アサヒナ「ええっ?!盗賊退治ですかぁ?!」
ハルヒ「そうよ。この辺の国々を荒らし回ってる盗賊の一味が今、
   この街にあるツーテンタワーっていうダンジョンに潜んでるらしいわ。
   手始めに、このSOS団が盗賊どもを捕まえてやりましょ!」
キョン「ちっ、余計な情報をつかみやがって」
アサヒナ「でも、私は治療魔法や解呪なら少しは出来ますけど、戦いに出たことはないんですよぅ」
キョン「お前だって、まだスライムとかコボルトとかの低級モンスターとしか戦ったことがないだろうが」
ハルヒ「何いってるのよ。こうしている間にも盗賊は逃げちゃうかもしれないのよ。
   それに、やったことがないからって何もしなかったら、いつまでも進歩がないじゃない!
   うだうだ言ってないで、さっさと行くわよ。早く支度しなさい!!」
キョン「やれやれ、言い出したら聞かねぇからな。
   しかし、面倒なことになったな。あいつらの邪魔にならなきゃいいが……」
 
ハルヒ「うわぁ、でっかーい」
アサヒナ「モンスターも出る立派なダンジョンなんですけど、
    目立つのでこのオーサカシティのシンボルにもなってますからねぇ」
ハルヒ「中も結構広いわね。やっぱり盗賊は上の階に潜んでるのかしら」
ナガト「……お出まし」
キョン「ハルヒ、モンスターだ!」
アサヒナ「ひぃ!あ、ああれは何なんですかぁ?」
ナガト「ピクシー。力は弱いが、すばしっこい。低級の魔法を使ってくる」
ハルヒ「あたしが成敗してやるわ!くらえっ!!……ちっ、外した」
 ボウッ!!
キョン「ハルヒっ!!あちち……」
アサヒナ「ひぇぇ、火の玉を飛ばしてきましたよぉ」
キョン「ハルヒ、こういうすばしっこいやつを斬るときは、
   先の動きを読んで先回りするんだ。せいっ!!」
*「キー」
アサヒナ「わあ、すごい。さすがは兵隊さん。キョン君、すごいですぅ」
キョン「あははは、いえいえ。これくらいどうってことないですよ」
ハルヒ「……キョン?良かったわね、可愛いみくるちゃんに褒めてもらって」
キョン「何怒ってんだよ」
ハルヒ「怒ってなんかないわよ!……ふん、次にピクシーが出てきたら、今度こそあたしがやっつけてやるわ!!」
キョン「お、おい待てよ。一人でどんどん先に行ったら危ねえだろ!」
 
 ドシュ!ザシュ!ザク!ズシャ!スパッ!
キョン「すげえ。本当にピクシーを次々に一撃で仕留めてやがる。
   ……おい、今度はバックベアードだぞ。気をつけr」
ハルヒ「てやー!!」
 ザシュ!
ハルヒ「なんだ、こいつ見た目がキモいだけで、弱いじゃない」
アサヒナ「スズミヤさんって、強いんですねぇ……」
ナガト「今のハルヒ・スズミヤは攻撃力が普段の2.21倍上がっている状態」
ハルヒ「さあ、どんどん行くわよ!!」
キョン「お、おう」
 
ハルヒ「……ふぅ。ミクルちゃんの回復魔法のおかげで助かるわ。傷だけじゃなくて疲れまで癒してくれるんだもの」
アサヒナ「スズミヤさんこそ、モンスターをあんなに次々に倒しちゃうんですから。すごく格好いいですよ」
キョン「そうだな。俺も、お前が短期間でこんなに腕を上げるとは思わなかったぞ」
ハルヒ「な、何よキョンまで。おだてたって何もでないわよ」
キョン「待て!……なあハルヒ。あの扉の向こうから話し声がしないか?」
ハルヒ「え?……言われてみればそうね。きっと盗賊のアジトだわ。乗り込むわよ!!」
キョン「お、おい!!」
 ドカン!!
ハルヒ「見つけたわよ盗賊団!あんたたちの身柄はこのSOS団が預かるわ!神妙になさい!!」
*「ちっ、もう追手が来やがったか」
キョン「おいハルヒ、ざっと30人はいるぞ。……どうやらあのガイコツが頭目のようだな」
ナガト「あれはトゥルダクというモンスター」
キョン「人間がモンスターの手先になって悪事を働いてるとはな」
アサヒナ「ひぃぃ、怖いですぅ。ガイコツが武器を持ってますぅ」
トゥルダク「おい、コイズミ!ちゃんと逃げ道は確保したんだろうな」
コイズミ「ええ、お任せください。僕に着いてきていただければ、確実に逃げ出せますよ」
トゥルダク「がはは!そりゃ頼もしい。結構金目のものを集めたからな。
     こいつを魔王様にお渡しすれば、俺たちは出世間違いなしだぜ」
コイズミ「はい。こんなところで捕まるわけにはいきませんからね。それでは、こちらです」
ハルヒ「あ、こら!待ちなさい!!」
*「おっと、てめぇらは下でおとなしくしてな!」
ハルヒ「え?……きゃあ!!!」
キョン「うおっ!落とし穴か!!」
アサヒナ「ひゃあああ!!」
ナガト「……」
 
 どすん!
ハルヒ「いったぁ……。ここは……」
キョン「いててて……。ちっ、周りは壁に囲まれてやがる。密室だ」
アサヒナ「ふぇぇ。天井も高くて、肩車をしても、登れそうにありませぇん」
ハルヒ「参ったわね。このままじゃ、あいつらに逃げられちゃうわ」
キョン「それ以前に、生きてここから出られるかどうかを心配しろ」
ハルヒ「ねえユキ。この壁、ユキの魔法で爆破出来ない?」
ナガト「……可能」
 
 ドカン!!
キョン「うお!そんなアッサリ!」
アサヒナ「ひぅぅ」
ハルヒ「すごいじゃないユキ!それじゃ、さっさと追うわよ!!」
 
 ドタドタ
キョン「……追いついたか!」
ハルヒ「何だか、騒がしいわね」
トゥルダク「コイズミ!てめぇ裏切ったな!!」
コイズミ「おやおや、裏切ったとは心外ですね。すべては、予定通りですよ。
    ま、予想外の援軍があったのは事実なのですが。
    それより、おとなしく投降なさってはいかがでしょう。
    外には機動隊、そしてあなたがたの背後には魔王討伐部隊。
    逃げ道はないように思うのですが」
トゥルダク「げぇっ!貴様ら、どうやってあの部屋から出てきやがった!!
     ……くそっ、これじゃあ引き返して籠城することもできねぇじゃねぇか!」
ハルヒ「何だか分かんないけど、チャンスみたいね!さあ、突撃よ!!」
トゥルダク「わああ!!待った待った!!降参だ!降参するから助けてくれ!!」
 
コイズミ「あなたがたのご協力に感謝します。
    お陰様で、けが人を出さずに国際指名手配中の盗賊団を一掃することができました。
    それにしても、まさか我が国の近衛隊の方にご協力をいただけるとは」
キョン「諜報局の連中が潜入捜査中だったのは知っていたんだが、
   まさかこんなところで遭遇することになるとはな」
アサヒナ「キョン君の知り合いだったんですかぁ?」
コイズミ「これは失礼。僕はイツキ・コイズミ。セッツ王国諜報局に所属する諜報員です。
    今回捕まえた盗賊団の潜入捜査をしていたんですよ」
ハルヒ「本当に見事だったわ。ねえ、あたしたちSOS団は魔王を討伐するために旅をしてるんだけど、
   良かったらあなたの力も貸してくれない?」
コイズミ「それは光栄です。お供しましょう」
キョン「おい、いいのか?報告もあるだろうし、諜報局の人間がそんなに勝手に動けるもんなのか?」
コイズミ「ご安心ください。元々、この潜入捜査が終わったら、
    スズミヤさんのパーティーに加わるよう命じられていたのですから。
    報告すべきことは、既に同僚に伝えましたので」
ハルヒ「それじゃあ決まりね!これでSOS団も5人パーティーになったわね」
コイズミ「そうですね。勇者、戦士、賢者、僧侶、そして僕のクラスは盗賊。
    なかなかバランスの良いパーティーかと」
 
 
──
 古泉「僕も加わって、これでSOS団の5人が全員揃いましたね」
 キョン「ゲームの中でもやることが古泉らしいな」
 ハルヒ「キョンがあたしより強そうな雰囲気の設定がどうも癪ね」
 鶴屋「でも、ハルにゃんはこれからどんどん強くなっていくから、がんがん活躍できるっさ!」
 朝比奈「私はこのまま地味な役がいいですぅ」
 長門「……イカヤキ、トンペイ、ネギヤキ、ブタマン、バッテラ…………」ゴクリ

Halkion Quest〔ハルクエ〕 第5話 (790)

キョン「今だハルヒ!」
ハルヒ「とりゃーー!!……やった!レッサーデーモンを倒したわ!」
アサヒナ「ヤマト王国って、カワチ共和国よりも野生のモンスターが強いんですね~」
コイズミ「この国には、人があまり立ち入らない霊山がいくつもありますからね。
    この地域の人々は普通、野生のモンスターを倒すのではなく、
    最初から出会わないようにして暮らしています。
    そのため、魔除けの魔法やアイテムの需要が多く、寺社や教会が至る所に存在します」
ナガト「だが、修行目的であえてこの国に滞在して、野生のモンスターと戦う武芸者もいる。
   そのため、寺社や教会と並んで、訓練所や道場も多い」
ハルヒ「じゃあ、キョンの言ってたヤギュウ名人っていう人も道場を開いてるの?」
キョン「いや、道場は開いていない。ただ、各地の武芸大会に気まぐれで出場して、全部優勝する剣豪だ。
   名人が気に入った相手に剣を指導することがあるらしいから、頼んでみよう」
アサヒナ「すごい人なんですねぇ。きっと、魔王を倒すって言えば、協力してくれますよ」
コイズミ「しかし、ヤギュウ名人はかなりの偏屈者とのこと。そう簡単にはいかないかもしれません」
 
ハルヒ「ここがソエカミ村ね。静かなところだわ」
アサヒナ「のどかな風景ですね。落ち着きます」
キョン「あそこにあるゴミ捨て場が、明らかに景観を損ねている気はしますけどね」
ハルヒ「ねえキョン。あれ、ゴミ捨て場っていうより、民家じゃない?」
キョン「いや、あれはどう見てもガラクタの山……いや、確かに扉があるな」
コイズミ「俗に言う、ゴミ屋敷というものでしょうか」
アサヒナ「あ、すみませぇん。あそこに、誰か住んでるんですかぁ?」
*「ああ、あれはヤギュウさんっていう人の家だよ。
 どこかに捨ててあるガラクタを拾い集めてる変なおじさんだよ」
キョン「……確かに、噂通りの偏屈者らしいな」
ハルヒ「とにかく、行ってみましょ」
ナガト「……」
 
キョン「ごめんください。ヤギュウ名人はいらっしゃいますか?」
ヤギュウ「おお、誰だか知らんが丁度いいところに来てくれた」
アサヒナ「丁度いいところ?」
ヤギュウ「飲んでいた天然酒が切れてしまってな。困っとったんだよ。
    ソーマは買うと高いし、汲みにいくのもメンドイから、
    君たちちょっとハチケン山まで行って汲んできてくれな~い?」
→はい
 いいえ
 
ハルヒ「まあ、ここで恩を売っておいてやるわ」
ヤギュウ「そんじゃ、このひょうたんに汲んできてくれ。
    くれぐれも、ハチケン山のモンスターにやられんように気をつけんさい」
 
コイズミ「……それにしても、初対面の訪問者にいきなりお使いを頼むとは、彼は確かに偏屈者ですね」
ハルヒ「キョン、あのおじさん、本当に強いの?チビだし。
   あたしには、どうみてもただの呑んだくれゴミオヤジにしか見えないんだけど」
キョン「そういわれると、俺も自信がなくなってくるんだが、
   とにかく言われた酒さえ汲んでいけば話が進むだろう」
アサヒナ「ここから山道に入るんですね」
ナガト「……この山のモンスターは、フィールドのモンスターより強い。気をつけて」
 
 ザシュ!
ハルヒ「ふぅっ。やっと倒したわ。確かに、こいつら強いわね」
コイズミ「オークにハーピーにグレムリン。どれも厄介なモンスターですね」
キョン「ちっ、グレムリンの魔法で腕に凍傷を負っちまった」
ナガト「大丈夫、私が治療する。……終わった」
キョン「お、おう。すまんな。ナガト、ありがとよ」
ナガト「……いい」
ハルヒ「キョン?良かったわね、ユキに優しくしてもらって。鼻の下伸びてるわよ。マヌケ面」
キョン「伸びてねぇよ!パーティーの仲間に回復魔法を使ってもらって何が悪いんだよ」
コイズミ「おやおや、お二人とも仲が良いのは結構ですが、夫婦喧嘩はモンスターも食べませんよ」
ハル・キョン「夫婦じゃない(ねえ)っ!!」
アサヒナ「息ぴったりですぅ」
ナガト「……」
 
アサヒナ「……あの湧水、もしかしてソーマでしょうか」
ナガト「……あの湧水はアルコールを含んでいる。間違いない」
キョン「しかし困ったことに、ソーマの正面に巨大なモンスターが陣取ってるな」
コイズミ「あの大蛇は、ユルングというモンスターですね。ソーマで酔っ払っているようです」
ハルヒ「こっちに向かって来たわ。応戦しましょう!」
キョン「俺が奴の注意を引きつけておく」
コイズミ「では、僕は背後から奇襲しましょう」
ハルヒ「じゃ、ユキは魔法で援護をお願い。みくるちゃんはけが人が出たときに備えて待機してて。
   あたしは隙をついて奴の首を狙うわ。それじゃ、みんな行くわよ!!」
 
 ボゥッ!ドスッ!ビュン!ザスッ!
キョン「今だハルヒ!」
ハルヒ「うりゃーー!!」
 スパッ!!
ハルヒ「討ち取ったりぃっ!!」
コイズミ「お見事です、スズミヤさん」
ハルヒ「みんなも、ナイスフォローだったわよ!それじゃ、ソーマを汲んで村に戻りましょ」
 
ヤギュウ「おー、これこれ。この味だよ。やっぱ、取れたてのソーマは違う。
    さすがは魔王討伐部隊SOS団。見事な働きだ」
ハルヒ「えっ?おじさん、あたしたちのこと知ってたの?」
ヤギュウ「ツーテンタワーの盗賊退治も巷ではすっかり有名な話だよ。
    君たち、ここに剣を習いに来たんでしょ?」
コイズミ「……おやおや、あなたもなかなか食えない人ですね」
ヤギュウ「ソーマも汲んできてもらったし、ハチケン山のユルングを倒せるくらいなら
    うまく使いこなしてくれるだろうさ」
ハルヒ「やった!」
 
 
──
 キョン「ヤギュウがチビでゴミ集めが趣味って、どこかで聞いたような設定だな」
 鶴屋「キョン君、男はいちいち細かいことを期にしてちゃダメっさ!」
 古泉「修行開始ということは、これから次々に新しい技などを覚えるのでしょうか」
 朝比奈「でも、僧侶と賢者は剣を使わないんですけど、どうするんでしょう……」
 長門「……シカセンベエ」ゴクリ

Halkion Quest【ハルクエ】 第6話 (130-79)

ハル・キョン「たたいてかぶってジャンケンポン!!」
 バシッ!
キョン「ちっ」
 
ハル・キョン「たたいてかぶってジャンケンポン!!」
 バシッ!
キョン「あたっ」
 
ハル・キョン「たたいてかぶってジャンケンポン!!」
 バシッ!
ハルヒ「あぅっ」
 
ヤギュウ「そこまでっ!」
 
キョン「はぁ……はぁ……」
ハルヒ「ふぅ……ねぇキョン。これで本当に強くなれるのかしら」
キョン「分からん。だが、ヤギュウ名人の強さは本物だったろ?
   なら、信じて練習するしかないだろう」
ハルヒ「確かに、あたしとあんたが束になっても敵わなかったわ。
   でも、練習といっても、最近あっちむいてホイとたたいてかぶってジャンケンポンと、
   剣と槍の素振りくらいしかやってないわよ」
 
ヤギュウ「2人とも、だいぶテンポアップしたな。
    だが、まだ動きの無駄を削る余地がある。
    今の2倍くらいのテンポで出来るようになったら、技を伝授しよう」
ハルヒ「ほんとに?!よし、もういっちょやるわよ!!
   キョン、いつまでも寝てないでさっさと起きなさい!!」
キョン「……急に張りきりやがって。やれやれ」
 
キョン「……まさか、現役近衛兵の俺が、あんな遊びのようなことで筋肉痛になるとはな」
ハルヒ「なっさけないわねぇ。……ねえキョン。ユキ達もうまくやってるかしら」
キョン「ナガトとアサヒナさんはヤマシロ帝国の陰陽師のところに、
   コイズミはイガ自治区の忍びの里に修行に行ったんだよな。
   ヤギュウ名人は強い一匹狼だと思っていたんだが、割と人脈が広いんだな」
ハルヒ「ヤマシロ帝国のツルヤ家って、陰陽道だけじゃなくて古武術でも有名な貴族よね。
   修行のレベルも高そうだわ。ミクルちゃん、ついていけるかしら」
キョン「伝説のドーマン・ツルヤの子孫だったよな。
   確かにアサヒナさんは戦いには向いていないだろうが、
   ナガトがついていれば大丈夫だろう」
ハルヒ「そうね。ユキがついていれば安心ね。
   コイズミ君もしっかりしてるから、心配いらないわね」
キョン「あいつは諜報局の中でもエリートだ。
   たいていのことなら難なくこなしちまうだろうな」
ハルヒ「それじゃ、自主トレするわよ。あたしの正面に座りなさい」
キョン「今からか?あまり張り切りすぎても体を壊すぞ。
   もう夜も遅いし、明日にした方が」
ハルヒ「甘い!甘いわキョン!これから魔王を倒そうってのに、
   あっちむいてホイやって疲れたとかふざけたこと言ってらんないの!!」
キョン「あーはいはい。分かった分かった。ったく、お前は言い出したらきかんからな。
   ……ほら、準備できたぞ」
ハルヒ「……」
キョン「……何笑ってるんだ?」
ハルヒ「べ、別に笑ってないわよ。さっさとやるわよ」
 
ハルヒ「やぁっ!!」
 ドスッ!
 
ヤギュウ「よし、二人とも抜け突きはマスターしたようだ。
    この技は剣にも槍にも応用がきくから、よく練習するように」
ハル・キョン「はい!」
ヤギュウ「では次に、斬釘截鉄という技を教えよう。この技さえ覚えておけば……」
 
 
 
ハルヒ「キョン、ご飯できたわよ」
キョン「皿は出しておいたぞ。おかずは大皿1枚でいいか?」
ハルヒ「いいわ。盛り付けておくからご飯よっておいて」
キョン「はいよ」
 
ハルヒ「修行のために、ここであんたと二人で生活を始めてからだいぶ経つわね」
キョン「そうだな。ノースハイ城に突然押しかけてきたお前と、
   こうやって一緒に修行することになるとはな」
ハルヒ「……キョンと、このままっていうのも、わりと…………」
キョン「ん?どうしたハルヒ」
ハルヒ「何でもないわ。それより、今日教えてもらった浮舟だけど、
   相手の乱れを読むときって、相手の目を見ればいいのかしら」
キョン「それも判断基準の一つだが、目のないモンスターだっているんだぞ。
   目だけに集中するより、五感全体をフル活用して感じ取るしかないだろう。
   そのためにはだな……」
 
ヤギュウ「よし、無刀取りもマスターしたようだ。
    君らは本当に筋がいい。こんな短期間であらかた技を覚えた奴は初めてだ。
    それじゃあ、最終試験といこう。この村から南に行くと、シャミ山という霊山がある。
    その山の頂上にタイシャクテンというモンスターの屋敷があるから、
    そこの門番にこの手紙を渡して稽古をつけてもらいなさい」
ハルヒ「稽古?倒すんじゃなくて?」
ヤギュウ「その屋敷に住むモンスターは人間に悪さをするわけじゃないからな。
    そこでタイシャクテンを納得させたら、ヤギュウ流の免許皆伝としよう」
キョン「ありがとうございます。ハルヒ、早速行くのか?」
ハルヒ「……明日にしましょ。今日くらい帰って休むわよ」
キョン「お前にしては珍しいな。このまま山まで突っ走っていくと思ったが」
ハルヒ「今はそういう気分じゃないのよ。
   それより、今夜のご飯はきっとキョンも気に入るはずよ。
   楽しみにしてなさい!」
キョン「お前の作る飯はいつもうまいからな。言われなくても、いつも楽しみだぞ」
ハルヒ「……バカ」
 
──
 古泉「おやおや、涼宮さんはすっかり二人暮らしが楽しくなってしまったようですね」
 ハルヒ「そ、そんなわけないじゃない!
    最終試験という大事な場面なんだから、体調を万全にして望みたいだけよ!」
 鶴屋「ミクルはあたしのところで修行中だね」
 朝比奈「あたし、お札で式神とか呼び出したり出来ちゃうんでしょうか」
 鶴屋「それは、これからのお楽しみっさね!」
 キョン「やれやれ、俺はゲームの中までハルヒに振り回されにゃあならんのか」
 長門「ヤツハシ、アジャリモチ、センマイヅケ、ナマフ……」ゴクリ