大谷翔平(日本ハム→LAA→LAD)に対する蔑称。由来は大谷の日本ハム入団経緯であり、それ自体を指して使われることもある。
チームメイトとなった斎藤佑樹の高校時代からの別称「ハンカチ王子」を捩った「密約王子」という蔑称もある模様。
※下記の肩書きは、すべて2012年ドラフト会議当時のもの。
概要
2012年のドラフト会議の目玉は投打に圧倒的な才能を誇る花巻東高校の大谷翔平であり、複数球団の競合ドラフト一位指名により抽選になると目されていた。しかし、ドラフト会議4日前、大谷は、NPBのドラフト会議で指名されても入団を拒否し、MLB複数球団との面談を経て直接MLBへ挑戦する意思を表明。各球団は大谷からの撤退を余儀なくされるが、そんな中でドラフト前日に日本ハムの山田正雄GM・栗山英樹監督が大谷強行指名を明言する。
そして、ドラフト会議当日、日本ハムは宣言通りに単独指名で交渉権を獲得。大谷側は入団交渉には応じないなど入団拒否の姿勢を見せたが、球団サイドは数度の説得・交渉*1の末に入団へとこぎ着けた。
目玉選手が単独指名で入団してしまったという経緯に対しては、東北楽天ゴールデンイーグルス監督・星野仙一、元監督・野村克也、横浜DeNAベイスターズ監督・中畑清ら名だたる球界の大御所が「これではドラフトの意味がなくなる」「日本の伝統ある野球をなめてる」「こんなドラフト制度のスキを見逃し、あやふやなままにしてていいのか」などと、ドラフト制度の欠陥やこれを利用した指名の是非について苦言を呈する事態となった*2。
さらになんJでは、実際に金銭の授受が発覚した那須野巧や一場靖弘などと違って何の証拠もないにも関わらず、当然のように「大谷は事前に日本ハム入団の密約を結んでおり、MLB挑戦発言は他球団の指名を避けて日本ハム単独指名にするためのブラフ」という疑惑が浮上してしまう。ここから「密約」という蔑称が誕生した。
タンパリングで事前に密約を結んでおき、NPB入団拒否を表明して他球団の指名を避けて単独指名から入団するという手法は、桑田真澄が読売ジャイアンツに入団したいわゆる「KKドラフト事件」という著名な先例があり*3、大谷入団の経緯はこれにそっくりだったことから、疑惑が浮上するのは残念だが当然と言える。
一方で日本ハムは前年のドラフト会議で、当時の巨人監督・原辰徳の甥であり「巨人以外の球団では入団するつもりがなかった」と言われた菅野智之を1位指名*4するも入団拒否*5された過去があり、日本ハムファンからは「日本ハムは入団拒否覚悟で指名する球団であり、今回も大谷に特攻したら上手く口説けてしまったというだけ」という声も多い。
また、ドラフト会議全般について言えることだが、「そもそも球団がドラフト会議で獲得できるのは、選手ではなくあくまで選手との交渉権に過ぎない。指名するかどうかを決めるのは球団の権利であり、交渉の結果として入団するかどうかを決めるのは選手の権利である。両者が権利を行使した結果について外部がとやかく言うべきではない」という意見もある。
また、栗山英樹がホモっぽいことから、入団前に大谷が栗山に食べられた(意味深)ことによって意志を変えさせたとする仮説がある。
もっとも、結果的に大谷が日ハムで二刀流として大成したこともあって、入団経緯自体を真剣に問題として捉えられることはほとんどなくなり、現在ではネタ半分のワードになっている。