底力

Last-modified: 2024-01-09 (火) 15:46:43

嶋基宏(元楽天→ヤクルト)の別称。
(主に口頭で)大きな期待を抱かせておきながら、それに見合う活躍ができない状態の揶揄として用いられる場合が多い。


概要

楽天時代の2011年4月2日に行われた、東日本大震災の復興支援を目的としたプロ野球12球団チャリティーマッチにおいて、当時の楽天選手会長であった嶋が試合開始前に行ったスピーチにて「今、野球の真価が問われている」と前置きをした上で、

見せましょう、野球の底力を。
見せましょう、野球選手の底力を。
見せましょう、野球ファンの底力を。

と述べた内容が由来。

スピーチ全文

スピーチ全文

楽天公式ページの記事


あの大災害、本当にあった事なのか・・・、今でも信じられません。
僕たちの本拠地であり、住んでいる仙台、東北が今回の地震、津波によって大きな被害を受けました・・・。
地震が起きた時、僕らは兵庫県で試合をしていました・・・。
家がある仙台にはもう1ヶ月も帰れず、横浜、名古屋、神戸、博多、そしてこの札幌など全国各地を転々としています。
先日、私達が神戸で募金活動をした時に、「前は私たちが助けられたから、今度は私たちが助ける」と声をかけてくださった方がいました。
今、日本中が東北をはじめとして、震災に遭われた方を応援し、みんなで支え合おうとしています。

地震が起きてから、眠れない夜を過ごしましたが、選手みんなで「自分達に何ができるか?」「自分達は何をすべきか?」を議論し、考え抜きました。
今、スポーツの域を超えた「野球の真価」が問われています。
見せましょう、野球の底力を。
見せましょう、野球選手の底力を。
見せましょう、野球ファンの底力を。
共にがんばろう東北!
支え合おうニッポン!
僕たちも野球の底力を信じて、精一杯プレーします。
被災地のために、ご協力をお願いいたします。


同年の成績

前例として1995年に発生した阪神・淡路大震災を受けオリックス・ブルーウェーブが「がんばろうKOBE」をスローガンに掲げて同年のパ・リーグ優勝を果たした実績から、楽天も同様に好成績を残すと期待された。

しかしチームはクライマックスシリーズ進出を争ったものの、終盤に失速し5位に終わる。期待と裏腹に下位に沈んだ様から、本用語は嶋を揶揄する意味合いが強まった。嶋自身も震災による肉体的・精神的コンディションの悪化、統一球導入による打低化の影響で打率が前年の.315から.224へ低下。週刊ベースボールの記事で「口だけになってしまった」と振り返っている。


補足

  • 本スピーチ原稿を作成したのは嶋及び球団職員の岩越亮氏。元々はNPBが原稿を用意していたが、岩越氏曰く「『被災地、頑張れ』という内容。他人の目線だった。被災地の球団としては読めるものじゃなかった」ため、自ら原稿を書くに至ったという。
  • 2004年の球団創設以来、Bクラスが多い楽天球団*1を指して「底辺力」と揶揄される場合もある。
  • 2020年に嶋がヤクルトに移籍した際、ツバメ軍団(ヤクルトの私設応援団)は嶋の新応援歌に「底力」のワードを盛り込んだ。
  • ヤクルト移籍後は故障の影響で出場機会こそ少ないながらもチームの精神的支柱として存在感を発揮していたが、2022年に引退を発表。引退セレモニーでは楽天時代バッテリーを組んだ田中将大*2からサプライズで花束を贈られ、高津臣吾監督からは「嶋、みんな見ていましたよ、あなたの底力を。」という言葉を贈られる。嶋自身のスピーチでは最後に日本一連覇へ向けて「見せましょう、ヤクルトスワローズの底力を!」という一言で締めた。なお


関連項目


*1 2022年までの18年間で13回、うち最下位6回。
*2 田中以外にも松井裕樹を始めとする多くの現・元楽天戦士や、嶋のヤクルトユニを着た千賀滉大、甲斐拓也など、多くのプロ野球選手が神宮球場に駆けつけていた。なおこの日は同時に内川聖一の引退試合も行われていたため、千賀と甲斐はソフトバンクでの先輩を裏切って嶋についたとネタにされてしまった。