現代野球における先発投手酷使の目安とされるシーズン投球数のこと。
概要
先発投手の酷使は中継ぎに比べると注目が薄かったが、いつからか「1シーズンで3000球を投げた投手はその1、2年後に故障や不振に喘ぐ」というジンクスが注目されはじめる。
このデータの副産物として、ラインを超えても壊れない投手のタフガイぶりが注目されるきっかけとなっている。
2010年代以降のシーズン3000球到達者
達成者 | 年度 | 球団 | 球数 | 到達後の故障・手術 | 備考 |
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成瀬善久 | 2011 | ロッテ | 3101 | ||
2012 | ロッテ | 3143 | 翌年以降成績が急落し、NPBを去るまで成績が好転することはなかった。 | ||
ダルビッシュ有 | 2007 | 日本ハム | 3440*1 | ||
2008 | 3108*2 | ||||
2010 | 3234 | ||||
2011 | 3497*3 | 2015年にTJ手術。 | |||
2017 | MLB | 3054 | 翌年右肘を故障しシーズンを棒に振る。 | 2018年は故障離脱する前も不調だった。 | |
涌井秀章 | 2007 | 西武 | 3385 | 前年(2006年)も2954球を投じている。 | |
2009 | 3555 | 沢村賞受賞。100球に満たず降板した試合が1試合(5/22横浜戦の98球)のみ、1試合160球以上が4試合、1試合平均131.7球という内容であった。 | |||
2010 | 3308 | ||||
2011 | 3078*4 | 5月の抹消時に右肘に遊離軟骨が見つかる。 | 翌2012年は開幕から不調で、チーム事情もありクローザーに配置転換される。(配置転換後は復調している。) | ||
2015 | ロッテ | 3270*5 | 翌年以降も投球回数、防御率はそれなりに安定。 | ||
田中将大 | 2007 | 楽天 | 3109 | ルーキーイヤー。 | |
2009 | 3102*6 | ||||
2011 | 3132 | 翌2012年腰痛で1ヶ月離脱。 | |||
2013 | 3516*7 | 翌2014年右肘靱帯の部分断裂で離脱。 | だがその2014年を含めて2019年までMLBで6年連続二桁勝利を記録している。 2023年オフ、右肘関節鏡視下クリーニング術を受ける。 | ||
前田健太 | 2010 | 広島 | 3340 | ||
2011 | 3400 | ||||
2012 | 3174 | ||||
2014 | 3043*8 | ||||
2015 | 3189 | 大きな故障や成績の急落は無いが、オフのMLB挑戦時の契約内容がやけに渋かったことについて、「身体検査で肘に不安があった」と会見で語っている。2021年にTJ手術。 | |||
能見篤史 | 2011 | 阪神 | 3002 | ||
マキシモ・ネルソン | 2011 | 中日 | 3023 | 翌年右肩腱板に炎症を起こす。 | 復帰後も不調でオフに戦力外通告を受ける。 |
攝津正 | 2012 | ソフトバンク | 3060 | 2011年に先発転向する前も中継ぎで酷使されていた。 翌年以降もキャリアハイほどではないが成績を残し、不調に陥るのは4年後の2016年以降。 | |
ランディ・メッセンジャー | 2012 | 阪神 | 3189 | この期間故障らしい故障無し。 2018年も2957球を投じる。 2019年の成績不振をきっかけに引退するが、38歳という高齢による衰えと見る向きが多く、タフガイの代表格として扱われやすい。 | |
2013 | 3295 | ||||
2014 | 3544 | ||||
2015 | 3255 | ||||
2016 | 3218 | ||||
金子千尋 | 2013 | オリックス | 3455 | 術後成績が急落。 2015年以降で二桁勝利を記録したのは2017年のみ。 | |
2014 | 3000 | オフに肘を手術 | |||
菅野智之 | 2013 | 巨人 | 3137*9 | 翌年右肘靭帯の損傷。 | ルーキーイヤー。 |
2015 | 3031*10 | ||||
2017 | 3016*11 | ||||
2018 | 3242*12 | 翌年2度腰痛で離脱。 | 2021年は右肘違和感により離脱、復帰後も2度コンディション不良で離脱。 2022年も右肘違和感により離脱。 2023年はオープン戦で右肘の張りにより3ヶ月近くファームで調整。 | ||
則本昂大 | 2013 | 楽天 | 3186*13 | ルーキーイヤー。 | |
2014 | 3221 | ||||
2015 | 3196 | ||||
2016 | 3384 | ||||
2017 | 3129*14 | ||||
2018 | 3085 | オフに肘のクリーニング手術。 | 2019年はシーズン半分を棒に振った。 | ||
大野雄大 | 2015 | 中日 | 3250 | 翌年左肘痛で離脱。 | 復帰後も不調で成績が急落。 2019年に復活するまで不調が続いた。 |
クリス・ジョンソン | 2015 | 広島 | 3174 | 以降も病気の2017年以外はキャリアハイほどではないが成績を残し、不調に陥るのは5年後の2020年。 | |
藤浪晋太郎 | 2014 | 阪神 | 3173*15 | ||
2015 | 3484*16 | オフのプレミア12召集を、肩の炎症を理由に辞退。 | 2016年も2948球を投じる。 以降長期の不調に陥る。 | ||
武田翔太 | 2016 | ソフトバンク | 3178*17 | 翌年右肩の故障で離脱。 | 復帰後も調子が戻らず、成績が急落。 |
岸孝之 | 2017 | 楽天 | 3198*18 | 翌18年は最優秀防御率を獲得するなどむしろキャリアハイを記録、とはいえ投球数は大幅に減ってはいる。またスペ体質であり、頻繁にローテを飛ばす事で結果的に休養になっていると指摘される事がある。 | |
千賀滉大 | 2019 | ソフトバンク | 3434*19 | 翌年右前腕部の張りで開幕アウト*20、復帰は7月。 | しかし復帰後は好投、最終的に規定投球回到達・投手三冠を達成。 |
山口俊 | 2019 | 巨人 | 3227*21 | ブルージェイズに移籍した翌2020年は散々な成績を残したが、これが前年の勤続疲労の影響か単にメジャーでは通用しなかっただけなのかは見解が分かれる。 | |
今永昇太 | 2019 | DeNA | 3028*22 | 翌年左肩違和感で離脱 | 2020年10月に左肩のクリーニング手術。 |
山本由伸 | 2021 | オリックス | 3503*23 | この期間大きな故障も無い上、3年連続沢村賞を受賞するなど圧倒的な成績を残した。 | |
2022 | 3089*24 | ||||
2023 | 3067*25 | ||||
投球数のソース
データで楽しむプロ野球 - https://baseballdata.jp/