小久保(44)

Last-modified: 2024-04-11 (木) 00:54:33

小久保裕紀の、2015年第1回WBSCプレミア12侍JAPAN監督当時の小久保の年齢及び小久保自身の蔑称。
由来は準決勝の韓国戦で、采配ミスにより逆転負けを喫した事件から。
※なお、この項目の所属や肩書きは全て2015年当時のもの。


概要

本大会から侍JAPAN監督職が常設化されることになったものの、現役の指導者が指揮をするのは負担が大きすぎる・契約金が安い*1などの問題があり、監督を含めた首脳陣の人事が難航していた。
そんな状況で監督の白羽の矢が立ったのが小久保だったが、本人は監督経験*2どころか、コーチ経験すらない、野球解説者としてベンチワークについて学び始めたばかりという状態*3であり、指揮能力を疑問視する声が絶えなかった。
一方、当時の韓国代表監督だった金寅植は、KBOではポストシーズンの短期決戦に強い事でも知られており、投手コーチには元中日三銃士の一人である宣銅烈を置くなど、日本の戦略を研究していたと言われる。
韓国戦での小久保采配の概略を述べると、以下のようになる。

  • 3点リードで迎えた8回表、ここまでわずか85球で韓国打線を1安打無失点に抑えていた先発の大谷翔平をなぜか降板させる*4
  • 8回表にマウンドに上がらせたのは、リリーフ専門の投手ではなく、普段は先発を務める則本昂大
  • 今大会ではリリーフ登板する度に回跨ぎで不安定になりがちだった則本を9回にも続投させる
  • 他のリリーフ投手に登板準備をさせていなかったため、1点を返されてさらに無死満塁のピンチを招くまで則本を続投させることになった
  • ようやく則本を交代させたが、代わりにマウンドに上げたのは期待されていた山崎康晃*5ではなく今大会大乱調の松井裕樹
  • 打者1人に押し出し四球を与えて1点差としただけで松井を交代させる
  • このピンチで前の試合3失点増井浩俊を登板させる
  • 増井が逆転を許してさらに満塁のピンチを招くも交代させず、センター秋山翔吾のファインプレーでなんとかチェンジに持ち込む
  • 逆転された裏の攻撃で同点のランナーを出すも絶不調の中村剛也を代打に起用して案の定凡退でゲームセット

このように、なんと8回表から怒涛の九連続采配ミス(ただし、一部はただのイチャモンである)で逆転負けしたとして、小久保は後述する2017年WBCまで繰り返しなんJで叩かれることになった。

以下では、この九連続采配ミスを詳細に振り返る。

経緯

第1回プレミア12まで

選手試用と称して強化試合や予選で不可解な継投策を採用することが多く、2014年11月14日に日米野球壮行試合として行われた対ソフトバンク・日本ハム連合軍戦では4回に阪神・岩田稔が1点を失いそれが決勝点になる完封負けを喫する結果に終わるなど早期から不安視されていた。
特にリリーフは則本昂大(楽天)が回跨ぎで崩れかかったのに見直さない、澤村拓一(巨人)・山崎康晃(DeNA)・牧田和久(西武)などのメンバーもいるのに、この大会で不安定な松井裕樹(楽天)を守護神に固定するなどしていた。
しかし、選手を一通りは試しており、投手陣が不安定でも打線が絶好調だったので、予選を無敗で突破した。そのため、不安は残りつつも、懸念はあまり話題にならなかった。

2015年11月19日 第1回WBSCプレミア12準決勝 日本v.s.韓国 東京ドーム

~8回まで

迎えた2015年11月19日の準決勝。この試合では大谷翔平(日本ハム)が韓国打線を相手に6回まで無安打投球、結局7回1安打無失点で投げ切ると、打線も4回に平田良介(中日)の適時打や坂本勇人(巨人)の犠飛、相手の失策で一挙3得点。
しかし、8回に小久保は満を持して則本を救援に送り出す。この時点で大谷の球数はわずか85球、且つ速球投手の大谷から同タイプの則本を出すことになり、小久保采配に疑問符*6が付いたものの、則本は速球を中心に8回表を僅か8球で三者凡退に抑えた。
一方、侍JAPANの打線はダメ押しの追加点を奪えずにいたが、3点のリードがあるので楽観的なムードであった。

9回表の悪夢

最終回の韓国打線は8番から。当然ながら韓国ベンチは代打攻勢を仕掛けるが小久保は則本を続投。この辺りからなんJがざわつき始め、嫌な予感は的中する。
この回は変化球で攻めるも狙い打ちに遭い、連打などで1点を返されなおも無死2・3塁に。テレビ中継のブルペンは急ピッチで松井と増井が投球練習を始めたところと中継、なんJ民達の間で悲鳴が上がる*7

則本は時間稼ぎから続投、だが死球*8を与えて無死満塁と傷口を広げて降板。3番手の松井も代表最年少で元々制球に不安を抱え、国際大会の経験不足などもあってか押し出し四球を与えて1点差になってしまう。
この悪い流れのまま小久保はプエルトリコ戦で3ランを被弾した増井を4番手に送り出すが、4番・李大浩(ソフトバンク)にも2点適時打を浴びて大逆転を許してしまう。
その後中堅後方の打球を秋山が好捕して救われたが、小久保はファインプレーにも特に表情を変える事なく無反応であった。

9回裏

絶望的な状況と空気で迎えた最終回、3番・山田哲人(ヤクルト)、4番・筒香嘉智(DeNA)は三振と一ゴロであっさり追い込まれる。5番・中田翔(日本ハム)は中前打で繋ぎ、一発出ればサヨナラの場面で小久保はこの試合無安打の松田宣浩(ソフトバンク)に代わって、絶不調且つケガでスタメンから外れた中村剛也(西武)を送り出す。案の定、中村剛はボテボテの三ゴロで試合終了した。


試合結果及び動画

2015年11月20日 プレミア12準決勝 日本-韓国 東京ドーム

    1 2 3 4 5 6 7 8 9  計

韓 国 0 0 0 0 0 0 0 0 4  4

日 本 0 0 0 3 0 0 0 0 0  3

日本 大谷、●則本、松井裕、増井 -

韓国 イ デウン、チャ ウチャン、シム チャンミン、チョン ウラム、イム チャンミン、チョン デヒョン、○イ ヒョンスン - ヤン ウィジ、カン ミンホ

動画

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小久保采配の評価

先述の通り、小久保は試行錯誤からか不可解な采配を繰り返していたが、その方針自体はなんJでも一定の理解をされていた。
しかし松井を抑えに置くことや則本の酷使などは大会前から疑問視されており、調子の悪い選手を見限らない拘りが、最悪の方向に向かっていったとも言える*9*10

特筆すべきは大谷→則本→松井の継投は1次ラウンドの韓国戦で全く同じ起用、他の試合の投手起用もパ・リーグ所属の選手に酷く偏っていたことである。
ブルペンには大野雄大(中日)、小川泰弘(ヤクルト)、武田翔太(ソフトバンク)、西勇輝(オリックス)と各球団を代表する投手が揃っており、調子の見極めや相性、不測の事態を想定して選手起用をしていたのか大きく疑問が残る采配だった。

また代打・中村剛也についても、この試合前に不調の中村剛也をスタメン落ち→4番に筒香の昇格という采配が一定程度評価されていたことを考えると理解の余地がないとも言えそうだ。

 

以上から最低限の対策すら行わず、想定外の事態が起こるとその場しのぎしか出来なかった今回の小久保采配は、監督としての資質が疑われても仕方ないと言え、客観的な事実として試合終了後、この侍ジャパンについてそういうメンバーを集めた僕の責任と言い放った事も摘示しておく。


試合後の小久保監督に対する反応

この試合は何かと因縁ある韓国戦ということで注目を集めており、平均視聴率は25.2%、瞬間最高視聴率は9回表直前に32.2%を記録した。しかも途中まで大谷がノーノーペースで韓国打線を抑えており、日本国民の誰もが勝利を確信していたにも関わらず、最終回の継投失敗から逆転を食らうというおよそ考えうる限り最悪の負け方で敗北した*11

この見るも無様な采配になんJ民はもちろんのこと、試合を観た日本国民は小久保への怒りを爆発させた。

メディアは瞬く間に小久保批判を展開。翌日のスポーツ紙は、阪神の機関紙を除いたすべてのスポーツ紙が1面で小久保批判を掲載、小久保の進退や責任問題が取りざたされた。特にサンケイスポーツは1面で「小久保監督ざんげ」と称して頭を下げている様子を、日刊スポーツは「小久保監督の失敗」と直球批判を大々的に掲載するなど極めて厳しい論調で小久保の責任を追及した。
この他、サンデーモーニング(TBS系)の「週刊御意見番」のコーナーでは張本勲氏が小久保采配に対する苦言を呈した。

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相手国・韓国のみならず、アメリカや台湾などの海外メディアでも小久保の不可解な采配と日本の敗退は大きく取り上げられ*12、ネット上でも小久保批判が夜通し行われるなど媒体や国境を越えた騒ぎとなる。
Twitter上では小久保叩きが加速化、合計10万近くのツイートがなされ、Yahoo!ニュースでは「【侍ジャパン】9回にまさかの悪夢…韓国に3点差ひっくり返され逆転負け」にヤフコメが歴代最多の1万コメントを突破などの大炎上ぶりを発揮した。
2ちゃんねるの他の板でもニュー速や嫌儲、VIP、ν+、芸スポ、鬼女といったほぼ全ての板で大爆発炎上となり、一部ではサーバーが落ちる事態にまで発展した。

 

Yahoo!歴代最多コメを記録したニュースのコメ欄より
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直後のtwitterより
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某動画サイトにおける実況時のコメントより
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そして、我らがなんJは他コミュニティとは比較にならないレベルで荒れ、もはや大炎上を通り越したお祭り騒ぎ状態となった。
なおもサーバー落ちは続き、小久保の蔑称・戦犯探し・采配批判・球団批判スレなど、小久保のコメントが取り上げられるたびに盛り上がる事態となった。

 

例 あそこでおかわり出す小久保wwwww
http://orpheus.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1447942023/過去ログ

1 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:07:03.01 ID:Wzjqdore0.net [1/1回]
無能

6 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:08:21.56 ID:FRVfnVA50.net [1/1回]
責任を押し付けた感あるわ

8 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:08:53.32 ID:7wmPiOECd.net [1/1回]
思い出代打してんじゃねーぞ糞ゴミかす

26 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:11:04.36 ID:ohp+GLoV0.net [1/2回]
監督なのに選手のデータすら見ない無能 野球未経験者かな?

54 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/11/19(木) 23:13:26.36 ID:UcL8P7170.net [2/2回]
小久保「役立たずの豚に全責任擦り付けたろ!」

小久保「なんでワイが叩かれてるんや…」

62 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:14:06.41 ID:fQGwqKE00.net [1/1回]
小久保「でもお前らは中田は要らないと言ってたぞ」

66 : 風吹けば名無し@\(^o^)/[] 投稿日:2015/11/19(木) 23:14:40.47 ID:3Mn3ShHl0.net [2/2回]

>>62
4番にいらないだぞ

とはいえ、小久保だけに責任を押し付けるのは酷な要素もある。
敗戦後に吉井理人からは中継ぎ不在を指摘されており、宮本慎也氏も翌日の新聞記事で中継ぎ専門もユーティリティプレイヤーもいない*13ことを指摘している。また、選出メンバーからの後日談では「ブルペンコーチがいなかった」との発言も飛び出している。


小久保(44)の誕生

その中で生まれたのが(44)という蔑称である。
元来、この「(44)」という蔑称は2012年当時の金本知憲に用いられていたが、奇しくも当時44歳であった小久保に受け継がれ一晩のうちに浸透した。
この他、なんJでは、今回のプレミア12での采配ミスに加え、1997年に小久保が関与した脱税事件がネタにされ、両者を絡めた蔑称が次々と考案された。代表的なものは、侍JAPAN公式応援キャラクターの「たまべヱ」と脱税を掛けた「だつゼヱ(44)」、無能監督であることと税金を納めていないことを掛けた「無納(44)」などである。これらの蔑称によって、小久保は一大バッシングを受けることになる。

使用例

http://orpheus.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1448812050/
4 風吹けば名無し 2015/11/30(月) 00:48:10.17 ID:VR8RVKsx0
【弔JAPAN】
1右 コックボーチ(44)
2左 K。KUBO(44)
3指 だつゼヱ(44)
4一 無納(44)
5三 脱男(44)
6二 小久税庁(44)
7遊 被告民(44)
8捕 デーブ小久保(44)
9中 緒方(44)
投 プレミアガイジ(44)、最高級の無能をあなたに(44)、余程の事(44)、しくじり宣誓(44)、売国保(44)、便器の中の小久保大会を知らず(44)
(救援)日本敗運(44)、K氏(44)GG小久保(44)、失楽天(44)、フェラチオ12日本代表(44)ファッチョンリーダー(44)  (守備)小久保方(44)、便器(44)、便帰(44)  (代打)¥0(税抜)(44)、ダッツ(44)、2833(44)  (代走)ウンコクボザウルス(44)


その後

  • その後のメキシコとの3位決定戦では一発攻勢で11-1とコールド勝ち。しかし、準決勝の内容が起因か監督インタビューでは観客が静まり返り、2打席連続弾など活躍した山田へのヒーローインタビューに代わった途端に歓声が上がるという、異様な事態が発生した。
  • 一方で日本を破った韓国は決勝でアメリカと対戦。最終スコア8-0と考えうる限り最高の形で初代王者になった*14

プレミア12終了後・別大会の経緯

  • 屈辱的な敗戦をしたにもかかわらず契約上は2017年の第4回WBCも監督のため、他方面で悲鳴が上がっていたのは言うまでもないだろう。ただしそのWBCでは特に采配ミスもなく準決勝まで勝ち上がったため、手のひらを返す者も現れた模様。
  • 第2回プレミア12では小久保の後任の稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンが決勝で韓国に勝利し、見事リベンジを成し遂げた。


関連項目


*1 2013年のWBCでの契約金は、契約期間が前年11月から3月迄で監督は150万円、コーチは50万円という値段。負担の割に報酬が少なすぎるという声も
*2 侍ジャパン監督退任後の2023年オフにソフトバンクの監督に就任した。
*3 小久保が選ばれた理由については、初代監督の王貞治から指名されたためという説が有力。小久保本人はのちに自分が選ばれた理由について「現役引退から日が浅い為、現場の技術や経験を伝えていける」「野球の素晴らしさを伝えていくことが使命だと考えていた」からと語っている。参考:https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/33/01.html
*4 ただし、本来はオフシーズンの時期での全力投球にはリスクが伴うため、球団からの要望や過度な消耗を考慮した可能性もあり、一概に愚策とは言えない。
*5 なお、山崎はこの時に自分を登板させてもらえなかったことに対して悔しさを滲ませていた。それから4年後の2019年の第2回大会の韓国との決勝戦において胴上げ投手となり、世界一の歓喜とともに4年越しの無念を晴らした。
*6 この試合における大谷は平均球速約156km/hとシーズン以上の全力投球、また日本ハムからの起用法の要望もあったと考えれば、球数以上の消耗を考慮した降板は妥当との意見もある。
*7 牧田や山崎を準備・投入でも良かった場面だが、決勝戦に温存していたという説もある。
*8 リプレイでは当たっていないようにも見える微妙な判定だったが、小久保監督は無反応。時間稼ぎも兼ねて、ダメ元でも動くべきであったとの指摘も。
*9 調子の悪い選手を見限らないというのは星野仙一緒方孝市といった短期戦に弱いと評される監督によく見られる采配の傾向である。
*10 「松井=抑え」自体も楽天・大久保博元監督のシーズン直前の判断。確かに松井は63試合3勝2敗33S、防御率0.87と素晴らしい結果を残しているがチームは最下位。
*11 その後、日本が回った3位決定戦の視聴率は8%だった。
*12 特に反韓感情が非常に強い台湾では、「韓国にだけは勝ってほしくなかった」「なぜ大谷を代えたのか」といった声が挙がった。
*13 中村剛也のようなスラッガータイプは別にして、基本的に走攻守三拍子揃った選手ばかり選出しているので「代走も守備固めも不要」と考えた可能性もある。
*14 アメリカ代表はMLB選手が誰一人選出されなかったことからも分かる通り、最初からこの大会に対するやる気のなさが伺え、試合も最初からアメリカが不利なのは一目瞭然だった。