No105 ヴァンガード/元ネタ解説

Last-modified: 2018-02-22 (木) 22:56:04
所属Royal Navy
艦種・艦型戦艦ヴァンガード
正式名称HMS Vanguard (23)
名前の由来Vanguard 英語で先頭、前衛、先陣という意味
愛称battleship with her great aunt's teeth
モットーWe Lead
起工日1941.10.2
進水日1944.11.30
就役日(竣工日)1946.5.12
退役日(除籍後)1959.10.9 1960.6.7除籍(売却後解体)
全長(身長)248.2m
基準排水量(体重)44500英t(45214t)
出力Admiralty式重油専焼缶8基Parsons式蒸気タービン4基4軸 130000shp(131803.1PS)
最高速度30.0kt(55.56km/h)
航続距離20.0kt(37.04km/h)/9000海里(16668km)
装備(建造時)15inch45口径Mk.I連装砲4基8門
5.25inch50口径Mk.I連装両用砲8基16門
ボフォース40mm機関砲x75(10x6+2x2+11)
装甲舷側:4.5~14inch 甲板:2.5~6inch 砲塔:7~13inch バーベット:11~13inch 艦橋:2~3inch 隔壁:4~12inch
建造所John Brown and Company, Clydebank, Scotland
(ジョン・ブラウン社 スコットランド国ダンバートンシャー郡ウェスト・ダンバートンシャー州クライドバンク市)
  • イギリス海軍最後の超弩級戦艦。その完成は第二次世界大戦に間に合わなかったが、最後にして最良の戦艦とも呼ばれる。
    軍縮条約が明けるとイギリスも各国同様海軍戦力の拡充を始めたが、この計画には退役予定である旧式戦艦の砲塔を転用し、安価に東洋艦隊向けの高速戦艦を建造するというプランが盛り込まれていた。
    しかし第二次世界大戦の勃発により大型戦艦の建造は一時中断となり、退役予定の旧式戦艦もまた戦力として引っ張り出されていった。
    ところが1939年中のロイヤルオークを皮切りに、41年5月にはフッドを喪失すると、高速戦艦の速やかな補充が必要となった。
    このため船体設計は先んじて起工されていたライオン級のものを転用することとしたが、肝心の武装がない。
    戦艦の主たる武装である主砲の新造・設計には時間がかかるが、さりとて開戦前の計画にあった転用元の旧式戦艦は急遽現役で運用されている。
    はてさて戦艦に使えるほどの大口径で余った大砲などあったであろうか…。
  • 話はちょっと巻き戻り第一次大戦中。ハッシュ・ハッシュクルーザーと呼ばれた2万トン級の大型巡洋艦に、15インチ連装砲2基を装備させたものがあった。
    この計画ではグローリアスカレイジャスの2隻が建造されていたが、実用性に乏しいとしてこの2隻は航空母艦に改装され、余った主砲は倉庫で埃をかぶっていたのだった。
    15インチ連装砲が2基ずつ2隻分、つまり合計4基8門と予備の砲身がそっくりそのまま余っていたのである。
  • これに目をつけたイギリス海軍はライオン級をベースにした船体にこの余り物の大砲をねじ込んだ急造戦艦を起工した。(このことからbattleship with her great aunt's teethと呼ばれることもある)
    新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスの喪失もあって、高速戦艦の補充は急務となり、先に起工していたライオン級よりも完成を急がれた。
    しかしPOWの戦訓などから水面下の防御見直しなど設計に手直しを加えた上、損傷艦の修理や工員の不足などから建造は遅れ、完成は1946年となった。戦争は終わっていた。
  • ヴァンガードは戦後英海軍の象徴として君臨し、間に合わせの急増でありながら速力・火力・装甲のバランスはついに本級で完成を見た。
    その真価を発揮する場もないまま、1956年に予備役となり、1960年除籍され解体された。
  • 除籍直前の1959年、映画「ビスマルク号を撃沈せよ!」にてビスマルク役を務めた。