No308 ゴトランド/元ネタ解説

Last-modified: 2021-07-21 (水) 20:32:03
所属Svenska marinen
艦種・艦型巡洋艦ゴトランド
正式名称HMS Gotland
名前の由来Gotland スウェーデン最大の島でバルト海最大の島でもある。 島名はゴート族の地という意味
起工日1930.6.7
進水日1933.9.14
就役日(竣工日)1934.12.14
除籍日(除籍後)1960.7.1(1962売却後解体)
全長(身長)134.7m
基準排水量(体重)4527.4英t(4600t)
出力Penhoët式重油専焼缶4基De Laval式蒸気タービン2基2軸 33000shp(33457.7PS)
最高速度27.5kt(50.93km/h)
航続距離16.0kt(29.63km/h)/6200海里(11482.4km)
乗員指揮官60名 乗組員467名
装備(竣工時)15.2cm55口径M1930連装砲3基6門
75mm60口径連装高角砲2基4門
ボフォース25mm機関砲x4(2x2)
8mm機関砲x4(2x2)
53cm三連装魚雷発射管2基6門
艦載機x8+3
機雷x100
装備(1944)15.2cm55口径M1930連装砲3基6門
75mm60口径連装高角砲2基4門
ボフォース40mm機関砲x8(4x2)
ボフォース25mm機関砲x6(3x2)
ボフォース20mm機関砲x3(3x1)
8mm機関砲x4(2x2)
53cm三連装魚雷発射管2基6門
艦載機x8+3
機雷x100
装備(1955)15.2cm55口径M1930連装砲2基4門
ボフォース40mm機関砲x12(6x2)
ボフォース25mm機関砲x2(1x2)
ボフォース20mm機関砲x3(3x1)
53cm三連装魚雷発射管2基6門
艦載機x8+3
機雷x100
装甲舷側:51mm 甲板:29~51mm
建造所Götaverken, Göteborg, Västra Götaland
(イェータヴァーケン社 スウェーデン王国ヴェステルイェートランド地方ブーヒュースレーン地方ヴェストラ・イェータランド県ヨーテボリ市)
  • 1927年にスウェーデンが国防のため水上機を広く運用する目的として、5000t級の船体に12機の水上機を運用する能力をもたせた水上機母艦の開発計画を立ち上げた。
    ところが計画書を見たスウェーデン海軍省はこれに6インチ砲を搭載してある程度砲撃戦が可能な能力と、さらに機雷を敷設する能力も欲しがった。
    いきなりまるで用途の違う能力を求められて設計者たちは面食らったが、これは海軍省の予算が不足しているのが原因であった。
    水上機母艦も予算不足で完成が危ぶまれたため、この水上機母艦に6インチ砲と機雷敷設能力をもたせた1隻3役として予算を獲得し、建造が決まったのである。
  • このような玉虫色の経緯で生まれたゴトランドはクリッパー型の艦首に平甲板型の船体を持ち、艦首に地元であるボフォース社製55口径6インチ連装砲を装備した。
    本来ならこれを背負式で2基設けたかったのだが予算不足が原因で却下されたため、苦し紛れにその後ろの艦橋を2階建てとし、1階部分にケースメート式で6インチ砲を左右に1基ずつ備えている。
    艦橋の後ろにマストと第一煙突、第二煙突の間に両舷1基ずつ3インチ単装高角砲を配置し、煙突の左右にはボート等を置いた。
    更にその下に3連装魚雷発射管を両舷に1基ずつ計2基(片舷3射線)を備えている。
    二番煙突の後ろに後部見張り台を設け、更に後ろに3インチ連装高角砲を背負った6インチ連装砲等がつく。
    この艦の6割ほどの長さに忙しく巡洋艦としての機能を詰め込むと、残り4割に旋回式カタパルトと水上機を運用する甲板が続き、その下に格納庫と機雷を積み込んだ。
    通常ゴトランドは甲板に露天で6機のホーカーオスプレイ(ホーカーハートの派生型、垂直離着陸するあいつではない)を搭載し、更に格納庫内に分解状態で2機を収容できた。
    しかし水上機は荒天で壊れることがあり、しばしばゴトランドは航空機の修理のため港に引き返す必要があった。
  • 第二次大戦中スウェーデンは中立を維持したためゴトランドは戦闘に参加したことはないが、ビスマルクの出撃を目撃した情報がイギリス側にキャッチされたため、ビスマルク沈没の遠因となった。
    その後も哨戒活動など地道に働いていたが5000tの船体で航空機の運用はやはり色々と無理があり、オスプレイも旧式化したため港湾施設から直接発進させることとして、1944年に甲板上にボフォース4cm連装砲や単装砲を追加した防空巡洋艦となった。
    終戦後は練習艦として10年ほど運用されたのち、1956年に退役して63年に解体された。