所属 | United States Navy |
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艦種・艦型 | ヨークタウン級航空母艦 |
正式名称 | USS Hornet (CV-8) |
名前の由来 | Hornet 英語でスズメバチ |
愛称 | Fighting Lady, Happy Hornet, Horny Maru |
起工日 | 1939.9.25 |
進水日 | 1940.12.14 |
就役日(竣工日) | 1941.10.20 |
除籍日(除籍理由) | 1943.1.13(南太平洋海戦/Battle of the Santa Cruz Islands 1942.10.26沈没) |
全長(身長) | 251.4m→252.2m(1942) |
基準排水量(体重) | 19800英t(20118t) |
出力 | Babcock&Wilcox式重油専焼缶9基Westinghouse式4基4軸 120000shp(121664.4PS) |
最高速度 | 32.5kt(60.18km/h) |
航続距離 | 15kt(27.78km/h)/12500海里(23150km) |
乗員 | 2919名(戦時) |
装備(1942) | 5inch38口径Mk.12単装両用砲8門 1.1inch75口径Mk1機銃x32(8x4) エリコン20mm機関砲x32 艦載機72 |
装甲 | 舷側:2.5~4inch 甲板:1.5inch対60lb爆弾 艦橋:3~4inch |
建造所 | Newport News Shipbuilding, Newport News, Virginia (ニューポート・ニューズ造船所 アメリカ合衆国ヴァージニア州ニューポート・ニューズ市) |
勲章 | American Defense Service Medal(Fleet clasp) American Campaign Medal Asiatic-Pacific Campaign Medal(4 stars) World War II Victory Medal |
- 戦前から所属していた7隻の空母「セブンシスターズ」の一角である。CV-「8」なのにセブンなのはCV-7ワスプ建造時にCV-1ラングレーを水上機母艦に艦種替えしているため。
- 先に建造されていたヨークタウン級の姉妹であるホーネットよりワスプの方が先に計画されていることを疑問に思ったあなたは鋭い。これにはワシントン海軍軍縮条約の保有枠上限と条約の失効が関係している。
ワシントン海軍軍縮条約締結時に用意された排水量のうち、空母の排水量はレキシントン、サラトガ、レンジャー、ヨークタウン、エンタープライズのほか、10000トンほど余っていたため、この枠でワスプを建造した。その後、条約が失効したため、新たに空母を作れるようになったが、早期の完成を求めたため、ヨークタウン級をもとにした空母としてホーネットが作られた。ヨークタウン級に比べ、艦橋横の窓などところどころ改良されている。
- 先に建造されていたヨークタウン級の姉妹であるホーネットよりワスプの方が先に計画されていることを疑問に思ったあなたは鋭い。これにはワシントン海軍軍縮条約の保有枠上限と条約の失効が関係している。
- 開戦後間もない1942年3月、陸軍のB-25爆撃機を搭載。4月に出港し、極秘任務として日本本土空襲作戦を開始する。後にドーリットル空襲と呼ばれた作戦の始まりである。
4月18日、日本の監視艇に発見されてしまったため、やむなく予定より遠方の海域から ジミー・ドーリットル中佐率いる16機のB-25を発艦させる。
ドーリットル隊は全機体を喪失し一部の乗員が捕虜となるも、16機中15機が爆撃に成功。日本に与えた直接の損害はあまり大きくなかったものの、容易く本土への空襲を許したことは日本軍と政府に大きな衝撃を与えた。
この衝撃は軍部をミッドウェー作戦(この時点で既に内定済み)の早期実行へと走らせ、結果として戦力・作戦の不備による大敗の遠因になったとも言われる。- ちなみに作戦の詳細は極秘とされ、当時のルーズベルト大統領は記者団からの質問に対して「攻撃隊の発進位置はシャングリラ」と答えたという。攻撃時のセリフはこのエピソードを反映している。
- その後はヨークタウン、エンタープライズと共にミッドウェー海戦に参加。空母攻撃では戦果を他の2隻に譲ったが、退却中に衝突事故を起こした重巡洋艦三隈を追撃し、これを撃沈する戦果を挙げている。
- その後、ガダルカナルを巡る戦いに参戦。10月26日の南太平洋海戦において空母翔鶴を大破させるなどの活躍を見せたものの、日本軍機動部隊の猛攻を受けて大破してしまう。
ノーザンプトンが曳航を試みたものの、途中でさらなる攻撃を受け曳航失敗、総員退艦が命じられる。アメリカ軍もホーネットの放棄を決定し、駆逐艦による砲撃と雷撃が行われたが沈まず、日本軍の接近を受けて退避・放置される。
日本軍は拿捕を試みるも、駆け付けた駆逐艦2隻(秋雲、巻雲)では無理があった上に火災・爆発も激しかったため、断念。3本の魚雷を受けて沈没した。 - 後にその名はエセックス級航空母艦の1隻(CV-12)に受け継がれ、唯一生き残った姉妹艦エンタープライズに率いられて戦っている。
- 名前の由来はスズメバチ。ちなみに北米大陸にはほとんどスズメバチはいない。
- ワスプ(wasp)もスズメバチの意味を持つが、「ワスプ」はキラービーなどの肉食系で獰猛な蜂全般を指す意味があり、厳密にスズメバチ単体の意味を持つのはホーネット(hornet)である。
- 獰猛で攻撃性が強く、人間を始めとして哺乳獣類を襲い死に至らしめることもある強力な蜂。
この為系統的にも他の蜂からは独立しており、すべてがスズメバチ科もしくはその亜科とされている。- スズメバチの攻撃性はアシナガバチと共通する一方、社会性はミツバチと共通する。
このいいとこ取りのチート能力がスズメバチの脅威的な点である。
しかし何度でも毒針を使えるという特性はスズメバチ特有のものである。
- スズメバチの攻撃性はアシナガバチと共通する一方、社会性はミツバチと共通する。
- なによりスズメバチには基本的に天敵となりうる種が存在しないため、ある例外を除くと食物連鎖の最上位に位置してしまう。
この為うっかり地域を移動させるとその地域の生態系を破壊しかねない。
日本におけるブルーギルやブラックバスと同じである。- スズメバチを捕食する種そのものは存在し、オニヤンマ、ムシヒキアブ、オオカマキリ、ハチクマ、ヒグマ、などである。
しかしこれらの種は社会性が弱い物がほとんどで*1、ほとんどは大量に存在する働き蜂を捕食する程度、パワーのあるハチクマやヒグマでも多数の巣が同時多発的に襲撃されることはまず無い。
この為一度スズメバチが根を下ろすと繁殖し放題になってしまう。 - 一方、スズメバチ以上の高い社会性を持ち、スズメバチに攻撃しうるほぼ唯一の種がヒト、つまり人間である。
しかしその人間でも、基本はスズメバチにより自分たちの生存圏を脅かされることで防衛としてスズメバチを攻撃する。この点ではニホンミツバチのそれに近く、逆に言えば人間の生存圏(コロニー)を脅かさなれけば攻撃されない。 - ……のだが、なんにも例外は存在するもので日本の山岳地帯、特に現在の山梨県・長野県の一帯では、日本の文化として獣食が忌避され、一方現代になって冷凍冷蔵技術が進歩するまでは、日本人の基本的なタンパク質・脂質の供給源である海鮮物の供給が難しかったことから昆虫食文化が生まれ、スズメバチも成虫は佃煮幼虫は火で炙ってと積極的に捕食するようになった。
つまりスズメバチと同等以上の社会性を持つ種が、スズメバチを積極的に捕食するように変化したのである。こうなると食物連鎖のトップが入れ替わり、スズメバチの天下ではなくなる。巣は積極的に捜索・襲撃されるようになり、種の防衛をしないと存続が危うくなる。- ────とこのスズメバチ最大の天敵は長野県民説、昭和の中頃から一種のご当地ギャグの定番の一つとなっていたのだが、リーマン・ショックから民主党政権下の構造不況が深刻となった2008年から2010年頃にかけて長野・山梨一帯のスズメバチの確認数が激減するという事態になった。つまり日本の景気とこの地域のスズメバチの生息数に因果関係があることが判明し、この説が実証されてしまったのである。
- スズメバチを捕食する種そのものは存在し、オニヤンマ、ムシヒキアブ、オオカマキリ、ハチクマ、ヒグマ、などである。
- で、そんなスズメバチの名を関した米艦だけにCV-8ホーネットとCV-9ワスプの2隻は案の定日本に沈められたが、3隻目(CV-12ホーネット)を仕留めることはできなかった。無念。