所属 | Royal Navy |
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艦種・艦型 | インコンパラブル級巡洋戦艦 |
正式名称 | HMS Incomparable |
名前の由来 | Incomparable 英語で比類のない、たぐいまれなるという意味 |
計画年 | 1915 |
起工日 | 未起工 |
進水日 | 未進水 |
就役日(竣工日) | 未就役 |
全長(身長) | 304.8m |
基準排水量(体重) | 46000英t(46738t) |
出力 | Yarrow式重油専焼缶36基Brown-Curtis式蒸気タービン4基4軸 180000shp(182496.5PS) |
最高速度 | 35.0kt(64.81km/h) |
航続距離 | 10.0kt(18.52km/h)/24000海里(44448km) |
乗員 | 1480名 |
装備(1915) | 20inch連装砲3基6門 4inch45口径Mk.IX三連装砲5基15門 3ポンド単装高角砲9門 18inch魚雷発射管8門 |
装甲 | 舷側:~11inch 甲板:~4inch バーベット:~14inch |
- インコンパラブル級として計画されていた巡洋戦艦。
これまで未完成の艦船を複数実装してきた戦艦少女Rにおいても史上初となる、起工すらされてない100%完全な計画オンリーの艦船である。 - 1915年、ジョン・アーバスノット・フィッシャー提督によって計画された、建造されていれば文句なしに世界最大の巡洋戦艦となった艦。
しかしフィッシャー提督の辞任などによって本艦級の建造計画は中止され、幻の兵器に終わった。 - 全長304m、全幅32mという、実際の世界最長の戦艦であり細身のアイオワ級戦艦(全長270m、全幅33m)に比べても細長い船体形状を持ち、35ノットの快速を目指す計画で最高出力は1915年時点では強力な180000shpを出す予定だった。
武装は20インチ連装砲3基を予定。大和型の18インチすら上回る計画であった。*1
1910年代の計画であるため当時のスタンダードだった魚雷も装備。ただ計画された当時はまだ防空能力をほとんど重視していなかった。もし建造されて40年代後半まで生き残っていれば対空砲のハリネズミと化したかもしれない。
装甲は同時期の巡洋戦艦であるレナウン級より優れていた(側面のVPは最大で280mm)が対戦艦を考えると少し厳しいものであった。(薄い分速度で回避するのが巡洋戦艦のコンセプトの一つでもあるため十分なのかもしれない)
ゲーム内でもレナウン改より少し装甲が固い - 残念ながらフィッシャー提督が辞任したこととその莫大な建造費、そしてユトランド海戦の結果から薄くても足が速い巡洋戦艦から対戦艦に十分な装甲と足の速さが求められる高速戦艦への考え方・設計概念の大きな転換期となったためインコンパラブル級は存在意義を失ってしまった。
この代わりに建造されたアドミラル級巡洋戦艦も4隻の予定であったが1隻で打ち切りとなり純粋な巡洋戦艦というカテゴリーそのものが無くなり、高速戦艦が主流の時代・ポストユトランド型に移行することとなった。
小ネタ
- セリフで言及されている「ドイツの80cm連装砲を積んだ戦艦」とは、第二次大戦末期にドイツ軍に発案だけ存在したH45型戦艦のこと。
- ビスマルク級以降の後継艦としてH39型から順次年を追うごとにH40、H41…と計画案を改めていたが、それに従って主砲も16インチから19インチ、H44型では20インチ砲または21インチ砲の搭載まで考案された。
しかし戦争末期には「戦争勝利兵器」と呼称される極めて荒唐無稽な、単体で戦局を左右しうる兵器の開発案が陸海空を問わず発案された。
特にその絶大な射程と威力を持つ80cm列車砲を自走砲化したP-1500モンスターなどが考案された中、海軍は80cm砲を連装砲塔に収め、これを4基8門装備とする超巨大戦艦を考案した。 - この主砲を装備するのに必要な船体は少なくとも70万トン(戦艦大和の10倍以上)と見積もられ、かつて日本であまりにも荒唐無稽とされた幻の50万トン級戦艦を遥かに上回るものであった。
- 無論戦争末期とはいえこのような誇大妄想計画が進むことはなく、単なるアイデアで終わった。
- それどころかH45型の計画自体がドイツ軍の発案ですらなく、後世の創作だとする見方が強まっている。H44型までと比べて極端に規模が大きくなっていることや、寸法と排水量が50万トン戦艦に酷似しているなどの点が根拠とのこと。